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語部夢想〜語部夜行別館〜コミュの御導の一家

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圭一はそう答えるとありったけの力と技を注ぎ込んだ

姉から教わったどれも素晴しい技だ

羅生門の周囲から黒い水が吹き荒れる。

その水底から現れたるは、獄に囚われて尚、自分より弱きものに暴力を振るうどうしようもないヤツら

同時に天井に綻びが生まれ、次々と白装束の神々しい輝きをまとった方々が堕ちて来る。


いずれも、突然の事に状況を飲み込めず周囲を見渡していたが、突如として暴れ狂い、また嘆き悲しむ。

全身を赤に染めた坊主が手にした大木で周囲の人をなぎ倒したかと思えば

白装束の3mはあろうかと言う聖人が突如泣き崩れ、その耳をつくような悲鳴を聞いた身近に居たものは、ガラスを割ったようにバラバラにされた。


「これはマズイ」


圭一は懐から写真を取り出すと天に掲げた。

ついで、知りうる限り有効そうな総ての術式を唱える。

星陰式、星蝕

星祭式、将星乙

唱えるや否や、怪鳥が飛び出し、蛇頭の男をくちばしに挟むと、そのまま連れ去り踊り食いを始める。

体がパンパンに膨れ、今にも爆発しそうな男の体が途端、宙に浮いたかと思うと空に浮かび上がりそのまますさまじい轟音と共に爆発した

悪意より飛び出した絶望にうな垂れる男が聖人に飛びつくと、共にうな垂れはじめた。


アンタレス式、廻る翼

虚空より現れる自我亡き素の王

青白きほのお


大技をぶつけるも、なかなか数を減らそうとしない。

そんな圭一にカヨがとうとう目をつけた


開放しきった羅生門の奥へと飛び込むと、

その容貌を変化させ、灰を纏った女性が一人現世へ登場する。

彼女が手を振るうと、辺りを埋め尽くしていたもの達が一転して圭一へと殺到する。


「もうだめだ」


誰もが絶望に飲まれたそのとき


壊れたカメラより解き放たれ、虚空を漂っていた光の玉が

いや、力が圭一に雪崩れ込んだ。

星の金貨、御導蛍市、復活

光の玉は、暗闇閉ざすこの洞窟内で、まさに星のように辺りを駆け巡り亡者どもを退ける。


攻勢が弱まる

瞬時に蛍市は必殺の一撃を唱える


北斗式、死兆の瞬き

圭一の握っていたレンズが七つの光をかたどる

現れたのは、七つの石がはめ込まれた大剣




合図を送ると圭一は何かを唱え始める

マラク

ドゥーベ

フェグダ

アリオト

メグレス

ミザール

ベネトナシュ


僕は、君たちの栄光を常に傍らで臨む青白き光









刹那、青白き焔に辺りは包まれた







目を開けると、圭一とカヨが立っていた

二人以外ない

蒼白い粒子輝く世界




「ねぇさん」

「大丈夫よ圭一」

圭一の伸ばした手を遮るカヨ

「いままでが異常だったの、ちょっといままでやって来た事の罪滅ぼしをしに遠いところに行くだけ」

「でも、ねえさん」

「大丈夫、いつまでも見守って」

輝きを増す八卦陣

当りは、光に包まれた。

土ぼこりに撒かれる周囲。

「ねえさん、ありがとう」

「えっと、圭一?」

「ん?」

「成仏ってどうするのかな?」

「へ?」

「あれ、ワタシ消えてないよ?」

「ちょっと?」

そこへ登場する老婆が一人

「アナタは!」

「あの方!!!!」

蛍市とカヨは共に驚愕する

「やぁ、ひさしぶりじゃあないか!どうした?人の顔を失礼じゃあないか!!」

「いやいやいや、だってアナタは!」

「転生のシステム構築者にして、輪廻の主!!」

「はっは、良くご存知だね!ま、記憶を…時の流れを食べてるだけなんだけどね」

「しかし、あの、えっと」

「私、死んだし、今から地獄に落ちなきゃならないのかなって」

「死んだ?誰が?」

「え?私、死んで?あれ?私、死んでな・・・」

「そんなこと忘れちまっちゃよ」

「じゃあ、じゃあ私・・・生きていいのね?」

「何を言っているんだ。死んでないんだ、当たり前じゃあないか」

抱き合う姉弟

「だけどね、神代って子はもう死んでるんだ、この事実は曲げられない」

「じゃあ、やっぱり・・・」

「そうさね、サキってのはどうだい?」

「咲・・・って?」

「アンタの名前だよ」

今度こそ感極まって咲は泣き出した。

蛍市はそんな姉に寄り添って、微笑んだ。



































ち、しくじっちまったか

「お待ち、リリス」

え?

少女が振り向くとそこには輪廻の主

リリス?誰それ?

少女は首を傾げるが、老婆はあきれ顔をした

「アンタね…今度という今度は許さないからね」

言うと、少女は妖艶な女性へと変貌した

「ふん、このクソババアめ後ちょっとで面白いことになったのに」

「まったくこの小娘は、自分が誰でもないからって」

いうと、今度は老婆が成熟した女性の姿へと成り代わっていた。

「アンタ、年齢って概念はないの!!?」

「ふん、そんなもの忘れてしまったわこのタワケが」

「きい悔しい!覚えてらっしゃい、今度こそこの世を転覆させてやるんだから!!」

「そうは行かないよ!!」

老婆だった女性は、写真を一枚取り出した。

「それは」

たじろぐ少女だった女性

「お?これかい?これはカヨという人格を真に写したものだよ」

「何を考えている?」

「事件は終わったが、カヨという人間が死んだことに変わりなくてね」

「何を考えているといっている!!」

「カヨの人格という席が空いてしまって…」

「やめろ!」

「そこに誰でもない者が歩いているじゃあないか」

「やめろ、それ以上近寄るな」

「誰でもないなら、カヨだっていいじゃあないか」

「やめろ、私は古来からいろんな名前で呼ばれてきた…お前もさっきリリスと」

「諦めて、自分のやってきた事の業を背負いな、ねぇ、カヨ?」

「やめローーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

先ほどの羅生門から特大の右手が勢いよく飛び出したかと思うと、カヨを握り締め扉の奥へ消えていった













翌年、二人はアンティークのお店を構えることとなるが

それはまた、別なお話

今宵はこれにて

それでは皆様

良い夢を♪

キート⇔ゼトワールでした。

最後に、ここまで頑張ってくれた皆様へご褒美です

これからも、御導姉弟をよろしくお願いします

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=40064515&comm_id=3436893

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