次に新郎の母が、アワズフタノを祝ってやる。アワズフタノとは、イマキという腰巻きのことで、陰部被いのこと。 神代以来、明治初年ごろまでは、木綿織りの白布を二巾合わせ縫いにして、それを赤田の泥で染めたアカネの濃色であったが、ネルが流行するようになってから、処女が花嫁になると、すべて赤ネルの腰巻きをするようになった。娘は昔から、薄色の茜木綿の腰巻きであった。 新婦の服装は、茜木綿の裏をつけた絣のそでなし（アワギ）に掌の巾の帯をしめ、その下に桃色のエリをつけた白木綿の肌着を着た。 髪はいちょうの葉型の青竹のコウガイに引きつめに巻き、竹の二岐のかんざしでとめる。この髪止めは日本最古の結髪である。
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