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masayumeコミュのまさゆめ連載小説 第六話「彼女の事情3」

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山道を登りきった先に大きな建物が現れた。
ここがこれから私の家になるのかと思うと、不謹慎だが少し心が躍ってしまった。
思えばゆっくり自然と暮らすのも悪くない。そう思った。

病院に着くなりすぐ看護婦さんが施設を案内してくれた。病院として使われている建物とは別に研究施設が隣接していた。なぜか私はそこにお世話になるらしい。


「あー!サオリ!」

研究施設の入り口には祖母がもうすでに到着していた。

「ごめんねぇ迎えにいけなくて。私はもう車もうまく運転できないから免許は返還しちまっただよ。」

(いいよ、おばあちゃんもう歳なんだから。)ジェスチャーで返す。

「ほらまずは荷物置いて。先生への挨拶は夕方で良いから、まずは部屋でゆっくりしてき。疲れただろう。」




私は自分の病室に荷物を置きベッドに腰掛けた。洗面台つきの個室の病室は思ったより広く少し落ち着かない感じがした。

窓を開けて空を見る。

(雨が降りそう・・・)

いつの間にか空は雲で覆われ。無機質な病室を灰色がかったひかりで染めていた。

洗面台に立つ。

なんだか久しぶりに自分の顔を見た気がする。意味も無く髪を触りこれからのことを考えているときに私はあることにきづいた。


(・・・あ・・・れ・・・髪飾りが・・・・・・無い。)

母にもらった髪飾り。電車の中からずっと頭につけていたのに。なんで?落としたの?

(噴水広場かもしれない。)

根拠も無く直感的にそう思った。

夕方までまだ時間がある。取りに行こう。病院から駅にはバスが出てるってさっき看護婦さんが言ってたし。すぐ戻ってくれば大丈夫。



私は上着をはおり靴を履き替え廊下を走り出した。




なぜあの時、噴水広場だとすぐに思い浮かんだのか今でもわからない。

だけど、妙に確信があった事は覚えているの。




まさか、そんな偶然で彼に出会うことになるとは。



このときの私は考えても



いなかった。





続く

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