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【詩】を書く人。コミュの☆お題【海】

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不安を抱える人。

孤独だと感じている人。

まだ『自分』を見つけていない人。

これからスタートする人。

これから自分の道を見つける人。



そんな人達へ、【海】の詩。

コメント(453)

海の向こう側とこちら側に
兄妹は引き裂かれた
終わりなき拷問を
今度こそ終わらせるために

死ぬと決まっていた兄を
妹の手で救い出すために
途中下車は
いつも尾道駅

海まで歩いて
呼吸を思い出す迄
ぼんやりと

途中下車は
いつも尾道駅

遠浅の
碧の瀬戸内の
波の下へ
軽々と
手摺を乗り越えて
行けたなら

途中下車は
いつも尾道駅

息継ぎの方法を
思い出す迄、
十一月
裸足で歩くには
少し冷たい
波打ち際

瀬戸内の海に
鯨は泳ぐのだろうか
貝殻ばかりの
波打ち際

夕暮れ
凪いだ砂浜に
裸足で立ち尽くす
何も識らない
私、
海抜一メートル未満
海岸から徒歩五分
平屋に住む私は
津波が来れば死ぬ

それで良い

ヘルメットの代わりに
玄関に花を飾る
泣く者も居ない自分の為の
弔い花を、
海の向こうには大陸がある

だけど海外人は誰も渡ってこない
肺の空気を
ありったけ吐き出して

海よ
これでお前も
しおあじの炭酸水だ
ざまぁみろ

笑いながら
沈む、
僕は海辺の街で育った
今も海が大好きだ
だけど家を追い出されて半年
新居は山に近い
夏のある日
友だちと海に出掛けたよ

友だちと二人で
海に入ったよ

じゃぶじゃぶ
海と遊んでいたよ

僕が海から上がったら
海の方から声がした

「また遊びに来いよ〜」ってね
それは人の声じゃないんだ

きっと海の神様の声だったんだよ
僕は嬉しくなって笑ってた
貴方と2人で冬の海を見ました
最後のデートでした
2月に貴方は音信不通になりました
私は1人で冬の海を見ました
口紅を点してから
口紅を拭う迄の
長い永い潜水時間

海に溺れる肺魚
あれもこれも放り出し
毛布の中でだけ
やっと呼吸が出来る

それでも
夜は明けて
朝は来て

うんざりする
あの海へ潜る為
鏡に向かい

また
口紅を点す、
少年は妹と離れて海岸にいた
《宿命》を忘れそうなくらい
海は綺麗だった
だが忘れられない
彼等は《宿命》に縛られていた
私は
知らない

私は
何を知らないかさえ
知らない

ポケットには
拾い集めた
僅かな貝殻

只それだけで
海を語ろうとする
傲慢に

只それだけで
海を語りたがる
渇望に

私は
抗えない儘、
月面よりも
深海の方が
少しだけ
私に近いから

これ以上
人生に倦んだ夜は
海まで歩こうと思う

遠浅の
瀬戸内海を泳ぎ
海溝の底で
昼寝をしようと思う

二度と
輪廻にさえ戻らず
長い永い
欠伸をしようと思う、
海抜
50センチの地に
暮らすと云うこと

いつか
この海の底へ
引き摺り込まれても
驚きはしないと
云うこと

死など
道端にも
眠る間際にも
簡単に訪れると
云うこと

海抜
50センチの地で
海を眺めて
生きると
云うこと、
土砂降りの下に在って
海は
変わらず海の儘だ

傘の下に在って
私は私だ
そう吐き捨てた

雨は海面を叩き続け
乳白色の空と入り交じる
その靭やかな曖昧さが
今日は許せなくて

霞み立つ彼方を
ひたすら
睨んで居た、
ひとの世に
紛れ込む肺魚
熱狂を知らない
海の体温

ひとの世に
戸惑う肺魚
熱情を知らない
海の淡色

娯楽のように吐かれる
極彩色の愛憎を
ふらふらと躱しながら

ひとの世で迷う
痩せっぽちの肺魚、
深い深い夜の海

君を手招く

マーメイドが鼻歌を鳴らす

君がこの世界から

解き放たれて自由を手にしたいと思えば

マーメイドは訪れる

その代わり嘘やいんちきは辞めなよ

君の誠意が認められたなら

深い深い海の中で恋をするのさ
きっと
私は
肺魚の末裔だ

皆が
容易く暮らす
ひとの海に
私は
いつも
溺れ続けて

皆が厭う
ひとりの陸に
こんなにも
安らぐ

きっと
私は
肺魚の末裔だ

海なんて
恋しくない、
春の砂浜に
裸足で
ことばを刻む

他愛も無いことばを
ひらがなで書き
次の波に消されて

紮げたスカートの裾まで
濡らしてゆく飛沫

他愛も無いことばを
刻んで
刻んで
一秒でも千年でも

波打ち際で、
干上がった
潮溜まりに佇む
肺魚が喘ぐ

引き潮に
身を任せられず
取り残されて

海を泳ぐ作法は
泥の上では役に立たず
退化した鰓を震わせ

干上がった
潮溜まりに横臥する
肺魚の躯、
例えば
フジツボに覆われた
船底だ

無自覚に
貼り付いてゆく
増長と傲慢を
引き剥がしたいなら

海から離れ
海を遠くに見て
立ち止まることを
恐れずに

例えば
フジツボに覆われた
私だ、
じわりと暑い
五月の夕凪
潮の匂いに噎せ
ぷつぷつと
浮き出す汗の珠を
手の甲で拭い
生温い海の
生温い漣に
同じ塩分濃度の
滴を落とす
じわりと暑い
五月の夕暮れに
いつか還る
生温い
波打ち際で、
波打ち際の砂は
潮に濡れても砂の儘
さらさらと

波打ち際の流木は
洗い流された骨の様に
つべつべと

波打ち際の女は
生臭い血肉を手離せず
どろどろと

どろどろと、
波の無い
水に浮かぶ

水底に積もる
百億の屍
溶け出したかなしみが
紫の毒となって
水を腐らせる

波の無い
水に沈む

ひとつきりの私の
ひとつきりの悲劇で
腐った水は
ほんの僅かに
濃度を増す

百億とひとつの
屍が積もる
水底で、
初めは膝まで
やがて波は顔に届くまでに

どれほどの恐怖だろうか
天地もわからず
波にまみれて
轟音の中でも

誰かを守るために

何故かは知らないし
知りたくも無いが
誰よりも早く朝日を浴びる
誰よりも早く



ひとが
田舎を
いなかと呼ぶ時

ひとが
都会を
とかいと呼ぶ時

人の多寡では測れない
鬱屈が滲み出すようで
なんとなく苦手だから

私は
海の近くに棲む
それ以外のことは
雑音だ、
ほんの少し
先祖返りをした
私たちは
歩く魚
胸の海に
息苦しさを沈め
ひとの形で
ひとの形を生きる
私たちは
海を引き摺る魚
退化した鰓で
声を遺す、
やさしさなんて全部呑み込むくらい
雄大できゅらきゅら輝く水面を眺めながら
考えたのは愛と死と夢の終わり
全て終わりたかった
生きとし生けるもののほんの端っこの
美しいものを見つけてはほっとして
鈍感になった心臓の端を引っ掻いて
泣いていた
波打っては引いていく
合わせて呼吸をする
しあわせになりたい
浅瀬で引いていくさざ波が

寂しくもあり

今こわく感じる

寄せることが薄くあってほしい

今…
私だけの力では
海にはとても無力で

貴方と手を取り
歌いましょう
明日へ続く空の下

今、私は幼いけれど
大きな夢を見上げてる

悲しみの海
喜びの飛沫
眺めながら

あの頃オトナに
なったのよ

だから
もう脅えていないで
波を浴びましょう

行こう、貴方と2人
船が消える前に
ここには
海がないので
理由が要ります
海に行く理由が

ここには
海がないので
海を恐れます
理由もなく恐れます


『海。』

月の光に似た照明が
静かな部屋を優しく包み

しぶきの立たないシーツの波に
二人溺れてひとつに混じる

網にかかった魚のように
離れることもできずにいるの

私はあなたの海になるから
幾多の命を体で受けるの

渦に飲まれて深海へ往く
光も届かぬ海の底へと

私の中を深く潜って
私の海を強く泳いで

もう戻れない 帰さない…
『溶。』

シャッター付きの体の継ぎ目から
滲んできた悲しみと痛みのオイル
食い止めることができないくせに
どうして閉じることができるのか

涙と呼ばれているその苦い液体は
あらゆるものを溶かすのだという
君や僕を含めてどうやら世界とは
水溶性の物質で出来ているらしい

何十億年かけて進化してきた命が
避けられない死を迎えるその瞬間
流し続けてきた涙が溜まったのが
きっと海になったと僕は思うんだ

この先の何十億年で溜まった涙は
少しずつ少しずつ地球を溶かして
陸地もなく国境もなく争いもない
宇宙に浮かぶ水の玉になるんだよ

悲しみで満たされた平和な青い星
そうやって刻んできた長い歴史も
膨らみきった太陽に飲まれる瞬間
ジュッて音を立てて蒸発するんだ

いつでも見えない壁にぶつかって
いつでも見えない敵とたたかって
いつでも見えない愛に追い縋って
いつもは見せない涙をただ拭った

もう海に溶けてしまったんだろう
好きだよと言わせた君はもういない
『海を捨てた魚』

海を捨てた魚達が
陸地で争いを続け

敗れ追われた者が
山へと登ってゆく

不幸であることに
慣れ馴染んだ者は

自らの根源である
海に憧れを抱いた

辿り着けないまま
海を知ることなく

土に還り川を下り
海の一部になった

一度棄てた幸せが
想い出に成り下り

不幸な日常ですら
平和と感じるなら

それはもう
幸せ

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