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【詩】を書く人。コミュの◎オリジナル詩集 その24

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『裏(ギリウソ)月』

不思議な気持ちは
ふと現れて闇夜に連れ去ろうとする
幾度となく心を変化させ
今が在るのに…
かくれんぼしてた
知らんぷりしてた
嘘つき自分との対面
思いも形にならなくなるぐらい
時間だけがただ過ぎて
懺悔とあの頃への巻き戻しを繰り返す
もう求めることも
差しのべることもないさ
さぁ
無の世界で酒を酌み交わそう
泣き笑いながら
ねぇ
世の境で今を語り合おう
笑い泣きながら
大丈夫
もう月の裏には
兎もいないから
ほたる舞う



漆黒にゆらめく水面から
哀しみだけを吸い上げて
ほのかに危うい光を放つ

青白く光る嗚咽が
闇に寄り添う黙(しじま)が

信号のように
呼吸のように

静かに瞬き
放射する


川のほとりで
ほたる、舞う
夏風#

窓から舞い込む柔らかな風
風鈴の音
子供たちの楽しそうにはしゃぐ声が聞こえてくる

部屋の中でただその心地よい音色に耳を傾けていた

思いうかべるのは小さな野原
昔からそうだった
目を閉じると
その場所に寝っ転がって
風が頬を撫でてる風が気持ちよくて
草の匂いを感じて
流れる雲を眺めてる

そこはあたしの妄想の中の場所

現実を忘れられる場所

涙なんて出なかった昔
いつの間にか涙もろくなったよね

思い切り叫びたい
思い切り歌いたい
思い切り笑いたい
思い切り泣きたい

心の内側にある感情を
すべてぶちまけて
はきだしたなら
自分になれる気がする

一人は大好き
でも独りは嫌

ワガママなあたし
ワガママな人たち

自分の好きなことだけを求めて
嫌いなことは排除

あぁ、そうか
あたしは排除されないように
いつも小さな枠で
不自由に生きてるんだ
#

“あっ”て言ったその瞬間には
すでにその時間は過去になっている

どんなに悔やんでも過去は戻らない
どんなに黒くて苦しいものでも
過ぎさった日々は決定事項
ゲームやパソコンみたいには取り消しできないのよ

変えられるのは未来のみ
それはとても苦しい
だって未来は未知だわ

知らない山道を手探りで歩くようなもの
どんな危険が待っているかもわからないし
幸せな未来が待っているとも限らない

しかも過去が黒いものだらけだったなら
未来に希望なんか見出せないのも当然だわ

でもね
その道はどんな人にも用意されてるの

選択肢が多い道か少ない道か
障害ばかりの道か緩やかな下り坂か
曲がりくねった道かまっすぐな道か
長いのか短いのか
皆んな違うけど

それは用意されている
皆んなに等しく

だれかと比べることは滑稽なこと
だってあの子と私の道幅すらそもそも違うじゃない?

私たちには用意されている
振り返れば歩いてきた道が見えるでしょう?
それはあなたが生きてきた道
これから進む道は前にしかないの

まっすぐ進めなくなったら斜めに進んでもいいし
一休みしてもいい

空を見上げれば沢山の星
周りを見れば沢山の人

この世界はこういう世界

どう進まなきゃいけないのかと考えるのが苦しいなら
どう進みたいのかと考えてみたら?

だって私たちは進まなくちゃいけないでしょ?

苦しみ続けることを選択するのも
楽しむことを選択するのも私自身

そもそも心なんて簡単にリセット出来ないのよ
それなら忘れたふりして新しい思い出で上書きして

歩きだしてみたらいい

ねぇ、神様、

「かなしみ」や
「くるしみ」には
「なまえ」が
書いてあるのですか?

「わたし」専用
オーダーメイドの
「かなしみ」や
「くるしみ」は
「わたし」専用であるがゆえに

たとえば
「あのひと」や
「あなた」にさえも

理解されないのでしょうか


いいえ、
仮に「あなた」に
仮に「あのひと」に
「わたし」の
「かなしみ」や「くるしみ」が
理解されたところで、

「理解」と「愛情」は
違うもの


違うんだもの


あなたのために
泣いてくれる人がいるなら

あなたは幸せな人です

それを忘れないで


誰にも知られず
誰からも愛されない

命があることを忘れないで

あなたは幸せな人です
誰かの泣き声が聞こえて
僕はただ 哀しくなった
誰かをしかる声ではなかったけど
僕をしかる聲が
まるで幻聴のように
耳の中から頭の中までかけずり廻っていくようで
大切な人に思われていた頃を
あの頃は気づけなく
ただ 僕は泣いていたな
そんな泣き声がいつしか泣き止んで
笑顔を貰えた時には
大切な人が変わっていて
僕は変わってしまっていたけど
この声の主は
泣き止んだ時でも
なにも変わってなければいいなと
誰かとも知らないその泣き声で
過ぎた時代を思い返していた
例えば私が泣くことで泣けなくなった誰かがいるかもしれない
例えば誰かが笑うことで笑えなくなった私がいるかもしれない

でも、そんなの関係ない

感じた全てが私であり誰かであり
それに従い動けばいい
誰かに縛られる必要なんてない
私にすら縛られる必要すらないのだから!

渡瀬さんが
まだ
アイドル歌手だった頃

「アラミス」を
「香水」に置き換えて歌唱した
あのパールモンド


その後
あのせつない
リフレインの歌詞

「騙し続けて」と
懇願した女の子


「ノーカウント」で
哀しかったのは
「ひとり」なのか
「君」を含めた
「ふたり」だったのか


触れてはならないもの

触れなければ
わかりあえないもの

リフレインは
いまだ
リフレインのまま



2人の自分#

心の中でふと違う声がする
でももう一人の自分が言うんだ

そんなことないよ
すごいよ君は

大嫌いなおべっかばかり使う
大嫌いな自分

もう一人のあたしは
欲望に忠実で口が悪くて
ワガママで
誰にも見せられないの

だからおべっかちゃんがいて
助かったこともあるよね
たまにその上っ面が鬱陶しく感じるけど

本当の自分を好きになってほしい
そんな風に言う人たちがいる

だけどね
そんなのエゴだ

舞台に立つ女優が素敵なのは
魅せ方を日々訓練してきたからだよ

甘えたこと言わないで
魅せる努力もしないくせに

そんな不満を心に住み着くあいつが言うの

友達にさえも
おべっかちゃんなあたしは
言うことが出来ない

君を受け止めた振りをしながら
心の中で別の感情が支配する

多分もう一人のあたしは
心の中にずっと閉じ込められたまま
出ることは許されない

綺麗事をいう奴らに虫酸が走るのは
きっと心の中にいるもう一人の
素直なあたしが感じている素直な感情だ

本当はちょっとだけ言ってみたい
欲望に忠実で毒舌で我儘なあたしを
愛してくれますか?って

きっとそれを言える日は来ない


大人になるほどにおべっかちゃんが活躍する
そして、本当の自分は
退屈そうにいつもあくびしてるんだ
半音、ズレている

気付いたのはずっと前から。

それでも何も言わないのは

「何も変わらない」から。

・・・誤魔化すことで

避けられる刺激は

できることなら

このまま避けて

気付かないまま

君が笑えば

僕にとっても

問題ない。


・・・問題、ない。

でも、半音はズレたまま。

昨日 見た
うつくしいものたちは

ほかものの瞳(め)にも
うつくしいものたちで
在るのだろうか


昨日
うつくしいものたちに
見えた あれらは

今日も
うつくしいものたちとして
こころの窓(瞳)に
映るだろうか


問いかける術も
伝える術も
知らないワケではないのに

いちばん
訊きたいことだけが


多分、
明日も


意気地なし…ダネ


『彼方の世界』

彼方から

永遠の波が押し寄せる

私の親の親の、そのまた親の…

ずっと昔の先祖の世界

魂となって

いつか私もあなたに会いに行く
蜩のこえ




日向がつらいので
夏は日蔭におります
山々は蒼く
風はみどりです
父が雲を見ています
母は水の音を聞いています
そしていつしか
陽が傾くころになっています
哀しくはありません
人は去り
山河ばかりがいにしえのおもかげを
そっと移ろわせながら
やさしく老いてゆきます
お茶を淹れていると
しずかに一日が終わります
犬が疲れて寝ています
椽側のあがりはなに
老いた猫は香箱をつくっています
うつくしい夕焼けです
日が永いようですが
気がつくと一年の歳月が流れていました
ほつりほつりと
いまは夕星が
ことばのように灯り
暮れがたの雲が
山のうえに
生まれたままのすがたで
寝そべっています

20150617
糸川草一郎
ゆうぐれ




ゆうぐれの遠い雲を
見つめていた
水のなかにいるような気がする
いまは亡きひとを
そっと呼ぶ
水のうえをただよう雲を
届かぬと知りながら
そっと呼ぶ
かなしみではない
なげきではない
ぞっとするほどに澄みきった魂となって
呼ぶ

20150617
糸川草一郎

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