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コメント(7)
＜古代エジプト史のおおざっぱな流れ＞
−第３中間期� �
●第21王朝●
古代エジプトの最後の偉大なファラオ(王様)と呼ばれたのが
新王国時代・第20王朝のラメセス３世ですが、ラメセス３世が暗殺された後は、
王権は衰退していきました。
そして、ラメセス９世の頃には、カルナックのアメン大神殿でラメセス９世と
アメン大司祭アメンヘテプが同じ大きさでレリーフに描かれており、
このことから、アメン大司祭が王と同等であることが顕示されたと考えられます。
そして、ラメセス11世の治世後半には、ヘリホルによって「アメン神官国家」
が形成され、独自に王号を称されることになりました。
そして、ラメセス11世とヘリホルは、ほぼ同じ時期に亡くなりました。
第21王朝最初の王のスメンデス１世は、ラメセス11世の娘と結婚し、第21王朝を
成立させました。そして、第20王朝の首都ペルラメセスの多くの記念建造物を
解体し、新都タニスの神殿や王宮の建設に利用し、タニスを首都にしました。
スメンデス１世の死後は、アメンエムニスウが王位を継承したとする説と
プスセンネス１世が王位を継承したとする説、アメンエムニスウの治世晩年に
プスセンネス１世と共同統治をした説と諸説あります。
プスセンネス１世は、アメン神官国家のパネジェム１世の息子で下エジプト
（方位では北）の第21王朝と上エジプト（方位では南）のアメン神官国家とは
平和共存していたことが明らかになっています。
あと、プスセンネス１世は、タニスに王墓を建設し、その王墓が1940年に、
フランスのエジプト学者ピエール・モンテによって、手つかずの状態で
発見され、ミイラ、銀の棺など豪華な副葬品が発見されました、中でも、
黄金のマスクが有名な副葬品となっています。
プスセンネス１世の後継者は、息子ではないかとされるアメンエムオペトで、
プスセンネス１世王墓の隣に王墓を建設し、発見された時には、ミイラと共に
黄金のマスクも発見されています。
その後は、大オソルコン（なぜ「大」なのだろうか？）、シアメン、
プスセンネス２世へと継承されていきますが、シアメンは、旧約聖書の
列王記(上９・16)には「エジプトの王ファラオが攻め上って来てゲゼルを
占領し、火を放って焼き払い、その町に住んでいたカナン人を殺し、
ソロモンの妃となった自分の娘にそれを贈り物として与えた。」という記述が
あり、このエジプトの王がシアメンと同一人物とされています。
そして、プスセンネス２世の頃からリビア人部族メシュウェシュの勢力が
台頭し、大首長ニムロトの息子シェションクが第22王朝を創立します。
●アメン神官国家●
「アメン神官国家」は、ラメセス11世の治世後半にヘリホルによって樹立し、
上エジプトは実質アメン大司祭によって支配されました。その後、ピアンキが
王位を継承しました。
その次に王位を継承したのが、パネジェム１世で、第20王朝のラメセス11世の
娘のヘヌウトタウイと結婚し、前王朝との関係を強化しました。そして、
彼の息子のプスセンネス１世は、第21王朝の王となり、他の２人の息子の
マサハルタとメンケペルラーがアメン神官国家を継承し、その後は、
スメンデス２世、パネジェム２世、プスセンネス(３世)が王位を継承しました。
第21王朝とアメン神官国家の協力関係の下で両者が並存するという体制は、
第21王朝が倒れると変化を余儀なくされ、第22王朝を建てたシェションク１世
は、元々エジプトに土地を与えられた古代リビュア傭兵の子孫であり、
その軍事力を背景にアメン大司祭国家に対しても統制を強めて人事権を
握りました。
−第３中間期� �
●第21王朝●
古代エジプトの最後の偉大なファラオ(王様)と呼ばれたのが
新王国時代・第20王朝のラメセス３世ですが、ラメセス３世が暗殺された後は、
王権は衰退していきました。
そして、ラメセス９世の頃には、カルナックのアメン大神殿でラメセス９世と
アメン大司祭アメンヘテプが同じ大きさでレリーフに描かれており、
このことから、アメン大司祭が王と同等であることが顕示されたと考えられます。
そして、ラメセス11世の治世後半には、ヘリホルによって「アメン神官国家」
が形成され、独自に王号を称されることになりました。
そして、ラメセス11世とヘリホルは、ほぼ同じ時期に亡くなりました。
第21王朝最初の王のスメンデス１世は、ラメセス11世の娘と結婚し、第21王朝を
成立させました。そして、第20王朝の首都ペルラメセスの多くの記念建造物を
解体し、新都タニスの神殿や王宮の建設に利用し、タニスを首都にしました。
スメンデス１世の死後は、アメンエムニスウが王位を継承したとする説と
プスセンネス１世が王位を継承したとする説、アメンエムニスウの治世晩年に
プスセンネス１世と共同統治をした説と諸説あります。
プスセンネス１世は、アメン神官国家のパネジェム１世の息子で下エジプト
（方位では北）の第21王朝と上エジプト（方位では南）のアメン神官国家とは
平和共存していたことが明らかになっています。
あと、プスセンネス１世は、タニスに王墓を建設し、その王墓が1940年に、
フランスのエジプト学者ピエール・モンテによって、手つかずの状態で
発見され、ミイラ、銀の棺など豪華な副葬品が発見されました、中でも、
黄金のマスクが有名な副葬品となっています。
プスセンネス１世の後継者は、息子ではないかとされるアメンエムオペトで、
プスセンネス１世王墓の隣に王墓を建設し、発見された時には、ミイラと共に
黄金のマスクも発見されています。
その後は、大オソルコン（なぜ「大」なのだろうか？）、シアメン、
プスセンネス２世へと継承されていきますが、シアメンは、旧約聖書の
列王記(上９・16)には「エジプトの王ファラオが攻め上って来てゲゼルを
占領し、火を放って焼き払い、その町に住んでいたカナン人を殺し、
ソロモンの妃となった自分の娘にそれを贈り物として与えた。」という記述が
あり、このエジプトの王がシアメンと同一人物とされています。
そして、プスセンネス２世の頃からリビア人部族メシュウェシュの勢力が
台頭し、大首長ニムロトの息子シェションクが第22王朝を創立します。
●アメン神官国家●
「アメン神官国家」は、ラメセス11世の治世後半にヘリホルによって樹立し、
上エジプトは実質アメン大司祭によって支配されました。その後、ピアンキが
王位を継承しました。
その次に王位を継承したのが、パネジェム１世で、第20王朝のラメセス11世の
娘のヘヌウトタウイと結婚し、前王朝との関係を強化しました。そして、
彼の息子のプスセンネス１世は、第21王朝の王となり、他の２人の息子の
マサハルタとメンケペルラーがアメン神官国家を継承し、その後は、
スメンデス２世、パネジェム２世、プスセンネス(３世)が王位を継承しました。
第21王朝とアメン神官国家の協力関係の下で両者が並存するという体制は、
第21王朝が倒れると変化を余儀なくされ、第22王朝を建てたシェションク１世
は、元々エジプトに土地を与えられた古代リビュア傭兵の子孫であり、
その軍事力を背景にアメン大司祭国家に対しても統制を強めて人事権を
握りました。
＜古代エジプト史のおおざっぱな流れ＞
−第３中間期�◆�
●第22王朝●
リビア人のシェションク１世が即位し、第22王朝を樹立します。
シェションク１世の息子、長男のオソルコン１世は、第21王朝の
プスセンネス２世の娘と結婚し、もう一人の息子、次男のイウプト将軍を
テーベのアメン大司祭に任命し、「アメン神官国家」も手中に収めました。
シェションク１世は、旧約聖書に登場する「シシャク」と同一人物と考えられ、
旧約聖書には、「エジプトの王シシャクはエルサレムに攻めのぼって、
主の宮の宝物と、王の家の宝物とを奪い去った。すなわちそれらをことごとく
奪い去り、またソロモンの造った金の盾をも奪い去った。」
（「歴代誌」下12・９-10）また、「レハブアム王の治世第五年に、
エジプトの王シシャクがエルサレムに攻め上って、 26主の神殿と王宮の
宝物を奪い取った。彼はすべてを奪い、ソロモンが作った金の盾もすべて
奪い取った。」（「列王記」上14・25-26）とあり シェションク１世は、
第20王朝の時に失ったシリア・パレスチナの領土を奪還するため、パレスチナ
へ軍事遠征を行いました。
シェションク１世の次は、息子のオソルコン１世が後継者となり、
アメン大司祭職にあった弟のイウプトに代えて、自分の息子シェションク２世
をアメン大司祭としました。そしてシェションク２世を共同王として後継者に
する意思を表しましたが、シェションク２世は父に先立って亡くなり、
程なくオソルコン１世も死亡しました。その次は、オソルコン１世の別の息子、
タケロト１世が王位を継承し、その次はタケロト１世の息子のオソルコン２世
が王位を継承しました。
オソルコン２世の即位とほぼ同時期に、テーベではシェションク２世の息子の
ハルスィエセがアメン大司祭になりますが、オソルコン２世の治世４年に
自ら南の国王であると宣言しました。ハルスィエセは名ばかりの王でしたが、
ハルスィエセが亡くなった後にすかさず、息子のニムロトをアメン大司祭に、
また別の息子シェションクをメンフィスのプタハ大司祭に任命して自らの
地位を安定させました。
オソルコン２世が亡くなった時、慣例に習えばその王位はニムロトの息子で
王の孫のタケロト２世の手に渡るはずであったが、王座に就いたのは
出生不明のシェションク３世でした。タケロト２世は、この王位継承に
異を唱え、テーベで王を名乗り、その次のペディバステト１世が第23王朝を
樹立しました。
その後、第22王朝は、シェションク３世、パミ、シェションク５世、
オソルコン４世と王位を継承されていきますが、シェションク２世と
タケロト１世については、タニスで王墓が発見されている以外は全く知られて
いません。B.C.９世紀〜B.C.８世紀中頃にかけて中央集権の弱体化がいっそう
進み、諸侯やリビアの首長の王国が各地で独立して自治を行ってきました。
●第23王朝●
テーベを中心に支配したタケロト２世の治世11年頃、第22王朝の
シェションク３世の治世８年頃からペディバステト１世が新たにファラオを
名乗り、リビア人による王朝の第23王朝を樹立しました。そのことで、
第22王朝と並立して存在することになりました。
そして、タケロト２世と争う姿勢を見せ、争いは10年以上にわたって続き、
テーベを混乱に陥れたが、タケロト２世が没したことにより、
ペディバステト１世が単独の支配者となりました。争いが長引いた理由
としては、ペディバステト１世が第22王朝のシェションク３世を支持し、
その勢力の後押しを受けていた可能性が指摘されています。
ペディバステト１世は、息子のイウプト１世と共同統治を行ったと
見られている。正確な在位期間は不明だが、少なくとも12年間は共同統治者の
地位にあった事が分かっています。
ペディバステト１世が亡くなった後は、シェションク６世が後継者となり
ましたが、その後タケロト２世の息子オソルコン王子が勢いを盛り返し、
おそらくシェションク６世を倒してオソルコン３世として即位しました。
そして、ヘラクレオポリスにまで勢力を広げました。
紀元前755年〜紀元前715年頃のエジプトでは、以下のような王朝や小国の王が
自治を主張し、エジプトは混乱の時代となりました。
・タニスの第22王朝（シェションク５世、ペディバステト２世、オソルコン４世）
・レオントポリスの第23王朝（イウプト２世）
・ヘルモポリスのニムロト
・ヘラクレオポリスのペフチャウアバステト
・テーベのイニ
−第３中間期�◆�
●第22王朝●
リビア人のシェションク１世が即位し、第22王朝を樹立します。
シェションク１世の息子、長男のオソルコン１世は、第21王朝の
プスセンネス２世の娘と結婚し、もう一人の息子、次男のイウプト将軍を
テーベのアメン大司祭に任命し、「アメン神官国家」も手中に収めました。
シェションク１世は、旧約聖書に登場する「シシャク」と同一人物と考えられ、
旧約聖書には、「エジプトの王シシャクはエルサレムに攻めのぼって、
主の宮の宝物と、王の家の宝物とを奪い去った。すなわちそれらをことごとく
奪い去り、またソロモンの造った金の盾をも奪い去った。」
（「歴代誌」下12・９-10）また、「レハブアム王の治世第五年に、
エジプトの王シシャクがエルサレムに攻め上って、 26主の神殿と王宮の
宝物を奪い取った。彼はすべてを奪い、ソロモンが作った金の盾もすべて
奪い取った。」（「列王記」上14・25-26）とあり シェションク１世は、
第20王朝の時に失ったシリア・パレスチナの領土を奪還するため、パレスチナ
へ軍事遠征を行いました。
シェションク１世の次は、息子のオソルコン１世が後継者となり、
アメン大司祭職にあった弟のイウプトに代えて、自分の息子シェションク２世
をアメン大司祭としました。そしてシェションク２世を共同王として後継者に
する意思を表しましたが、シェションク２世は父に先立って亡くなり、
程なくオソルコン１世も死亡しました。その次は、オソルコン１世の別の息子、
タケロト１世が王位を継承し、その次はタケロト１世の息子のオソルコン２世
が王位を継承しました。
オソルコン２世の即位とほぼ同時期に、テーベではシェションク２世の息子の
ハルスィエセがアメン大司祭になりますが、オソルコン２世の治世４年に
自ら南の国王であると宣言しました。ハルスィエセは名ばかりの王でしたが、
ハルスィエセが亡くなった後にすかさず、息子のニムロトをアメン大司祭に、
また別の息子シェションクをメンフィスのプタハ大司祭に任命して自らの
地位を安定させました。
オソルコン２世が亡くなった時、慣例に習えばその王位はニムロトの息子で
王の孫のタケロト２世の手に渡るはずであったが、王座に就いたのは
出生不明のシェションク３世でした。タケロト２世は、この王位継承に
異を唱え、テーベで王を名乗り、その次のペディバステト１世が第23王朝を
樹立しました。
その後、第22王朝は、シェションク３世、パミ、シェションク５世、
オソルコン４世と王位を継承されていきますが、シェションク２世と
タケロト１世については、タニスで王墓が発見されている以外は全く知られて
いません。B.C.９世紀〜B.C.８世紀中頃にかけて中央集権の弱体化がいっそう
進み、諸侯やリビアの首長の王国が各地で独立して自治を行ってきました。
●第23王朝●
テーベを中心に支配したタケロト２世の治世11年頃、第22王朝の
シェションク３世の治世８年頃からペディバステト１世が新たにファラオを
名乗り、リビア人による王朝の第23王朝を樹立しました。そのことで、
第22王朝と並立して存在することになりました。
そして、タケロト２世と争う姿勢を見せ、争いは10年以上にわたって続き、
テーベを混乱に陥れたが、タケロト２世が没したことにより、
ペディバステト１世が単独の支配者となりました。争いが長引いた理由
としては、ペディバステト１世が第22王朝のシェションク３世を支持し、
その勢力の後押しを受けていた可能性が指摘されています。
ペディバステト１世は、息子のイウプト１世と共同統治を行ったと
見られている。正確な在位期間は不明だが、少なくとも12年間は共同統治者の
地位にあった事が分かっています。
ペディバステト１世が亡くなった後は、シェションク６世が後継者となり
ましたが、その後タケロト２世の息子オソルコン王子が勢いを盛り返し、
おそらくシェションク６世を倒してオソルコン３世として即位しました。
そして、ヘラクレオポリスにまで勢力を広げました。
紀元前755年〜紀元前715年頃のエジプトでは、以下のような王朝や小国の王が
自治を主張し、エジプトは混乱の時代となりました。
・タニスの第22王朝（シェションク５世、ペディバステト２世、オソルコン４世）
・レオントポリスの第23王朝（イウプト２世）
・ヘルモポリスのニムロト
・ヘラクレオポリスのペフチャウアバステト
・テーベのイニ
＜古代エジプト史のおおざっぱな流れ＞
−第３中間期��−
●第24王朝●
第24王朝は、サイスで勢力を持ち、テフナクトとバクエンレネフの２人の王が
知られているだけです。バクエンレネフは、ギリシア神話でヘラクレスと
論争をしたボッコリスの名前でよく知られています。テフナクトは約８年間、
バクエンレネフは６年間王位にありました。
こうした混乱の中で、ヌビアが南エジプトで力を付け、テーベにまでその力が
及んでいました。テフナクトはこれを憂慮し、北部の王たち、タニスの
オソルコン４世、ヘラクレオポリスのペフチャウアバステト、ヘルモポリスの
ニムロト、レオントポリスのイウプト２世と連合軍を組織し、ヌビアの王
ピアンキ（ピイ）と戦いました。
北部の連合軍は、初めはある程度成功を収め、ピアンキは南に退きましたが、
次に両勢力がヘラクレオポリスで戦った時には、テフナクトはヘルモポリスへ
退却し、ピアンキに屈しました。テフナクト以外の４人の王たちは、引き続き
それぞれの都市の知事として収めることを許されました。
後のアレクサンドロス大王も世界征服に際して、同様の政策を用いたことが
知られています。
−第３中間期��−
●第24王朝●
第24王朝は、サイスで勢力を持ち、テフナクトとバクエンレネフの２人の王が
知られているだけです。バクエンレネフは、ギリシア神話でヘラクレスと
論争をしたボッコリスの名前でよく知られています。テフナクトは約８年間、
バクエンレネフは６年間王位にありました。
こうした混乱の中で、ヌビアが南エジプトで力を付け、テーベにまでその力が
及んでいました。テフナクトはこれを憂慮し、北部の王たち、タニスの
オソルコン４世、ヘラクレオポリスのペフチャウアバステト、ヘルモポリスの
ニムロト、レオントポリスのイウプト２世と連合軍を組織し、ヌビアの王
ピアンキ（ピイ）と戦いました。
北部の連合軍は、初めはある程度成功を収め、ピアンキは南に退きましたが、
次に両勢力がヘラクレオポリスで戦った時には、テフナクトはヘルモポリスへ
退却し、ピアンキに屈しました。テフナクト以外の４人の王たちは、引き続き
それぞれの都市の知事として収めることを許されました。
後のアレクサンドロス大王も世界征服に際して、同様の政策を用いたことが
知られています。
＜古代エジプト史のおおざっぱな流れ＞
−第３中間期�ぁ�
●第25王朝●
第25王朝は、ヌビアのクシュ王国の王による統治となりましたが、ヌビアは、
新王国時代はエジプトの属国でしたが、新王国時代の終焉と共にエジプト
によるヌビアの支配がなくなり、土着の勢力が伸ばし、ナパタを都として
独自の王国を建設しました（クシュ王国、ナパタ王国とも）。
紀元前755年頃により、エジプトでは、５勢力が乱立する状態にあり、
ピアンキは、かつての偉大だった王国の惨状を憂いて、「旧宗主国の秩序と
アメン神の権威を立て直す」ために、紀元前730年頃にエジプトへの遠征を
決意し、また当時すでに上エジプトにはヌビアに忠実な地方支配者が幾人も
おり、これらの諸侯が敵の攻撃を受けて救援依頼をしてきたのも大きな理由
でした。
そしてピアンキは、北部の連合軍との戦いに勝利し、上下エジプトの統一に
成功しヌビアへ凱旋しました。また、この軍事遠征の詳細は、ピアンキが
ジェベル・バルカルのアメン神殿に捧げた戦勝碑に記されています。この
戦勝碑は、現在はカイロのエジプト考古学博物館が所蔵しています。
エジプトの統一に成功したピアンキは、エジプトに留まらず、本拠地の
ナパタに凱旋し、母国に帰りました。それからは、ジェベル・バルカルの
アメン神殿の修復、増築を行い、上ヌビアのアル＝クックの墓域に自分と
家族のためのピラミッドを造営しました。
ピアンキがなぜナパタに戻ったのかは、ナパタが真の首都であると考えたのか、
あるいは、自分で統治するより間接統治を好んでいたのか、いずれにしても
ピアンキは、妹の「アメンの聖妻」アメンイルディス１世によってテーベを
維持しつつも、他の地域では各地方の自治を許していたようです。
ピアンキの次は、シャバカが後継者となり、首都をナパタからメンフィスに
移し、本格的にエジプトの統治をしました。あと、この時期に降伏していた
第24王朝のテフナクトが再び勢力を伸ばしますが、第24王朝は倒され、
シャバカがエジプトの再征服に成功します。
シャバカの次は、シャバタカが後継者となり、メンフィスやテーベで活発に
建築活動を続けました。そして、対外政策についても、新王国時代の時の
ような帝国主義的な姿勢をとりました。
西アジアでは、アッシリアが勢力を拡大し、シリアを支配下に置き、
当時は南北に分裂していたイスラエル王国は、北はイスラエル王国、
南はユダ王国になっていましたが、北のイスラエル王国は滅ぼされ、
ユダ王国は属国となっていましたが、紀元前701年にヒゼキヤは反乱を起こし、
シャバタカに援軍を求めました。そこで、シャバタカは援軍を送りますが、
センナケリブが率いるアッシリア軍に敗れ、その後のエジプト征服への
足がかりとなっていしまいました。
シャバタカの次は、息子のタハルカが後継者となりますが、26年の治世は
第25王朝の最盛期でした。タハルカは、ヌビアのカワにある、新王国時代の
アメンヘテプ３世の治世以来、重要なアメン神殿を増築し、ナパタの
ジェベル・バルカルのアメン神殿を増築するなど数多くの建築をしています。
あと、テーベでも数多くの記念建造物を残しましたが、これらテーベでの
建築活動の総責任者は、アメン第４司祭メンチュエムハトであり、彼と彼の
兄弟が当時のテーベの最高権力者でした。
紀元前671年にアッシリアのエサルハドンは、大軍を率いてエジプトへ侵攻し、
本国へと侵入、メンフィスが陥落し、タハルカ自身はテーベへと逃走、
さらにテーベまで進軍し、タハルカはナパタへと逃走しました。
その後、エサルハドンは、シリアやパレスチナの反乱に対処しなければ
ならなくなり、エジプト在地の豪族を代理として支配する方法を取り、
サウスの支配者のネコ１世（ネカウ１世）が、臣従と朝貢を行い、
アッシリアに自治を認められました。
その後のエジプトは、タハルカからタヌトアメン（タンタマニ、タヌタマニ）
が継ぎ、アッシリアは、エサルハドンからアッシュール・バニパルが継ぎ、
アッシリアとの戦いは一進一退を繰り返しますが、紀元前663年にテーベが
陥落し、タヌトアメンはヌビアのナパタに逃走し、ヌビア人がエジプト全土を
支配した時代は終わりを告げました。
−第３中間期�ぁ�
●第25王朝●
第25王朝は、ヌビアのクシュ王国の王による統治となりましたが、ヌビアは、
新王国時代はエジプトの属国でしたが、新王国時代の終焉と共にエジプト
によるヌビアの支配がなくなり、土着の勢力が伸ばし、ナパタを都として
独自の王国を建設しました（クシュ王国、ナパタ王国とも）。
紀元前755年頃により、エジプトでは、５勢力が乱立する状態にあり、
ピアンキは、かつての偉大だった王国の惨状を憂いて、「旧宗主国の秩序と
アメン神の権威を立て直す」ために、紀元前730年頃にエジプトへの遠征を
決意し、また当時すでに上エジプトにはヌビアに忠実な地方支配者が幾人も
おり、これらの諸侯が敵の攻撃を受けて救援依頼をしてきたのも大きな理由
でした。
そしてピアンキは、北部の連合軍との戦いに勝利し、上下エジプトの統一に
成功しヌビアへ凱旋しました。また、この軍事遠征の詳細は、ピアンキが
ジェベル・バルカルのアメン神殿に捧げた戦勝碑に記されています。この
戦勝碑は、現在はカイロのエジプト考古学博物館が所蔵しています。
エジプトの統一に成功したピアンキは、エジプトに留まらず、本拠地の
ナパタに凱旋し、母国に帰りました。それからは、ジェベル・バルカルの
アメン神殿の修復、増築を行い、上ヌビアのアル＝クックの墓域に自分と
家族のためのピラミッドを造営しました。
ピアンキがなぜナパタに戻ったのかは、ナパタが真の首都であると考えたのか、
あるいは、自分で統治するより間接統治を好んでいたのか、いずれにしても
ピアンキは、妹の「アメンの聖妻」アメンイルディス１世によってテーベを
維持しつつも、他の地域では各地方の自治を許していたようです。
ピアンキの次は、シャバカが後継者となり、首都をナパタからメンフィスに
移し、本格的にエジプトの統治をしました。あと、この時期に降伏していた
第24王朝のテフナクトが再び勢力を伸ばしますが、第24王朝は倒され、
シャバカがエジプトの再征服に成功します。
シャバカの次は、シャバタカが後継者となり、メンフィスやテーベで活発に
建築活動を続けました。そして、対外政策についても、新王国時代の時の
ような帝国主義的な姿勢をとりました。
西アジアでは、アッシリアが勢力を拡大し、シリアを支配下に置き、
当時は南北に分裂していたイスラエル王国は、北はイスラエル王国、
南はユダ王国になっていましたが、北のイスラエル王国は滅ぼされ、
ユダ王国は属国となっていましたが、紀元前701年にヒゼキヤは反乱を起こし、
シャバタカに援軍を求めました。そこで、シャバタカは援軍を送りますが、
センナケリブが率いるアッシリア軍に敗れ、その後のエジプト征服への
足がかりとなっていしまいました。
シャバタカの次は、息子のタハルカが後継者となりますが、26年の治世は
第25王朝の最盛期でした。タハルカは、ヌビアのカワにある、新王国時代の
アメンヘテプ３世の治世以来、重要なアメン神殿を増築し、ナパタの
ジェベル・バルカルのアメン神殿を増築するなど数多くの建築をしています。
あと、テーベでも数多くの記念建造物を残しましたが、これらテーベでの
建築活動の総責任者は、アメン第４司祭メンチュエムハトであり、彼と彼の
兄弟が当時のテーベの最高権力者でした。
紀元前671年にアッシリアのエサルハドンは、大軍を率いてエジプトへ侵攻し、
本国へと侵入、メンフィスが陥落し、タハルカ自身はテーベへと逃走、
さらにテーベまで進軍し、タハルカはナパタへと逃走しました。
その後、エサルハドンは、シリアやパレスチナの反乱に対処しなければ
ならなくなり、エジプト在地の豪族を代理として支配する方法を取り、
サウスの支配者のネコ１世（ネカウ１世）が、臣従と朝貢を行い、
アッシリアに自治を認められました。
その後のエジプトは、タハルカからタヌトアメン（タンタマニ、タヌタマニ）
が継ぎ、アッシリアは、エサルハドンからアッシュール・バニパルが継ぎ、
アッシリアとの戦いは一進一退を繰り返しますが、紀元前663年にテーベが
陥落し、タヌトアメンはヌビアのナパタに逃走し、ヌビア人がエジプト全土を
支配した時代は終わりを告げました。
＜古代エジプト史のおおざっぱな流れ＞
−第３中間期�ァ�
●第26王朝●
アッシリアのアッシュール・バニパルは、紀元前665年にネコ１世と
その息子のプサムテク１世（プサメティコス１世）の自治を認めましたが、
翌年にネコ１世が亡くなり、プサムテク１世がエジプト王として、サイスに
第26王朝を樹立しました。
プサムテク１世は、サイスとメンフィスを中心に勢力を広げ、テーベの豪族の
メンチュエムハトと友好関係を結び、こうしてエジプト全土の統一を
果たしました。
それから、アッシリアの勢力が衰え、紀元前653年頃までにはその宗主権下から
離脱し、そしてシリア方面への勢力拡大を図りました。それからは、
新バビロニアが勢力を拡大しました。プサムテク１世は、アッシリアと同盟を
結び、新バビロニアの勢力拡大を阻止する動きを展開しました。
文化的な面では、第26王朝は、昔の伝統宗教への回帰の時代でもあり、
伝統復古の風潮が強まった時代で、古王国時代、中王国時代の宗教文書や
美術様式が取り入れられた時代で「古代エジプトのルネサンス期」とも
言われています。
プサムテク１世の次は、息子のネコ２世（ネカウ２世）が後継者となり、
アッシリアの衰退をチャンスとし、イスラエル、ユダ王国を制圧し、
新王国時代以来のレヴァント支配に成功します。だが、わずか４年で幕を閉じ、
レヴァントは、新バビロニアの支配下に入ります。
ネコ２世は、ギリシャ人商人や船乗りの定住を奨励し、初めてギリシャ人傭兵
による海軍を創設しました。また、ナイル川と紅海を結ぶ運河を採掘させ、
交易を発展させました。
ネコ２世は、シリアやパレスチナに軍事遠征を行いますが、紀元前605年に
新バビロニアの皇太子ネブカドネザルが率いる軍とカルケミシュとハマドで
交戦し、完敗しました。そして、紀元前601年には王となった
ネブカドネザル２世の新バビロニア軍を東デルタの国境線で迎え撃ち、
撃退することに成功しますが、以後シリア地方での軍事活動を行うことは
できなくなりました。
ネコ２世の後継者で息子のプサムテク２世（プサメティコス２世）は、
新バビロニアに抵抗を試み、パレスチナへの軍事遠征を行い、
また、南のクシュ王国を制圧するために遠征しました。
あと、テーベにおける支配権は、王朝の大部分の期間、プサムテク２世と
タクウト王妃の娘のアンクネスネフェルイブラー王女によって維持されました。
彼女は、第25王朝のテーベの実力者のメンチュエムハト緊密な関係にあった
「アメンの聖妻」のニトクリスの養女となり紀元前584年にアメンの聖妻を
継承しました。紀元前525年に、アケメネス朝ペルシアに征服されるまで、
その地位を60年間にわたって保持しました。
プサムテク２世の次は、息子のアプリエス（ウアフイブラー）が後継者となり、
先代に倣ってエジプトの版図拡大を試み、キプロス、パレスチナ、フェニキア
に軍事遠征を行いますが、紀元前588年に新バビロニア軍がユダ王国の首都
エルサレムに侵攻した時に、アプリエスが自ら軍を率いて出兵しますが、
翌年には大敗北を喫します。そして、紀元前586年にエルサレムが陥落し、
住民はバビロンに捕囚され（バビロン捕囚）、ユダ王国は滅亡しました。
アプリエスは、リビアの植民都市キュレネにも軍事遠征を行いますが、
大敗北を喫しました。幾度の戦争に連敗し続けたアプリエスは、エジプト兵の
不平不満を買い、反乱が起きました。この反乱を鎮圧するために、
将軍アマシスが遣わされましたが、アプリエスに背き、反乱軍のリーダー
となりアプリエスから王位を奪い、アマシスが王位に就きました。
アマシス（イアフメス２世）は、庶民の出身で国民に人気があり、
大酒のみで、宴会のために国事を遅らせたこともありました。
また、建築活動に力を入れ、サイスのネイト神殿と王家の墓地を増築し、
フィラエ島には、イシス神殿を造営しました。アマシスは、大衆的ファラオ
として44年の長く反映した治世を送りました。
アマシスの治世末期頃からイラン高原を本拠地とするアケメネス朝ペルシアが、
勢力を拡大し、紀元前546年にリュディアを、紀元前532年には新バビロニアを
滅ぼしました。そして、紀元前526年にアマシスの息子の
プサムテク３世（プサメティコス３世）が即位しましたが、在位１年も
経たない紀元前525年にアケメネス朝ペルシアが侵攻し、エジプトの東の
入り口で激突しましたが敗れ、プサムテク３世は逃亡しますが、捕らえられ、
処刑されます。そして、第27王朝というアケメネス朝ペルシアの支配と
なりました。
−第３中間期�ァ�
●第26王朝●
アッシリアのアッシュール・バニパルは、紀元前665年にネコ１世と
その息子のプサムテク１世（プサメティコス１世）の自治を認めましたが、
翌年にネコ１世が亡くなり、プサムテク１世がエジプト王として、サイスに
第26王朝を樹立しました。
プサムテク１世は、サイスとメンフィスを中心に勢力を広げ、テーベの豪族の
メンチュエムハトと友好関係を結び、こうしてエジプト全土の統一を
果たしました。
それから、アッシリアの勢力が衰え、紀元前653年頃までにはその宗主権下から
離脱し、そしてシリア方面への勢力拡大を図りました。それからは、
新バビロニアが勢力を拡大しました。プサムテク１世は、アッシリアと同盟を
結び、新バビロニアの勢力拡大を阻止する動きを展開しました。
文化的な面では、第26王朝は、昔の伝統宗教への回帰の時代でもあり、
伝統復古の風潮が強まった時代で、古王国時代、中王国時代の宗教文書や
美術様式が取り入れられた時代で「古代エジプトのルネサンス期」とも
言われています。
プサムテク１世の次は、息子のネコ２世（ネカウ２世）が後継者となり、
アッシリアの衰退をチャンスとし、イスラエル、ユダ王国を制圧し、
新王国時代以来のレヴァント支配に成功します。だが、わずか４年で幕を閉じ、
レヴァントは、新バビロニアの支配下に入ります。
ネコ２世は、ギリシャ人商人や船乗りの定住を奨励し、初めてギリシャ人傭兵
による海軍を創設しました。また、ナイル川と紅海を結ぶ運河を採掘させ、
交易を発展させました。
ネコ２世は、シリアやパレスチナに軍事遠征を行いますが、紀元前605年に
新バビロニアの皇太子ネブカドネザルが率いる軍とカルケミシュとハマドで
交戦し、完敗しました。そして、紀元前601年には王となった
ネブカドネザル２世の新バビロニア軍を東デルタの国境線で迎え撃ち、
撃退することに成功しますが、以後シリア地方での軍事活動を行うことは
できなくなりました。
ネコ２世の後継者で息子のプサムテク２世（プサメティコス２世）は、
新バビロニアに抵抗を試み、パレスチナへの軍事遠征を行い、
また、南のクシュ王国を制圧するために遠征しました。
あと、テーベにおける支配権は、王朝の大部分の期間、プサムテク２世と
タクウト王妃の娘のアンクネスネフェルイブラー王女によって維持されました。
彼女は、第25王朝のテーベの実力者のメンチュエムハト緊密な関係にあった
「アメンの聖妻」のニトクリスの養女となり紀元前584年にアメンの聖妻を
継承しました。紀元前525年に、アケメネス朝ペルシアに征服されるまで、
その地位を60年間にわたって保持しました。
プサムテク２世の次は、息子のアプリエス（ウアフイブラー）が後継者となり、
先代に倣ってエジプトの版図拡大を試み、キプロス、パレスチナ、フェニキア
に軍事遠征を行いますが、紀元前588年に新バビロニア軍がユダ王国の首都
エルサレムに侵攻した時に、アプリエスが自ら軍を率いて出兵しますが、
翌年には大敗北を喫します。そして、紀元前586年にエルサレムが陥落し、
住民はバビロンに捕囚され（バビロン捕囚）、ユダ王国は滅亡しました。
アプリエスは、リビアの植民都市キュレネにも軍事遠征を行いますが、
大敗北を喫しました。幾度の戦争に連敗し続けたアプリエスは、エジプト兵の
不平不満を買い、反乱が起きました。この反乱を鎮圧するために、
将軍アマシスが遣わされましたが、アプリエスに背き、反乱軍のリーダー
となりアプリエスから王位を奪い、アマシスが王位に就きました。
アマシス（イアフメス２世）は、庶民の出身で国民に人気があり、
大酒のみで、宴会のために国事を遅らせたこともありました。
また、建築活動に力を入れ、サイスのネイト神殿と王家の墓地を増築し、
フィラエ島には、イシス神殿を造営しました。アマシスは、大衆的ファラオ
として44年の長く反映した治世を送りました。
アマシスの治世末期頃からイラン高原を本拠地とするアケメネス朝ペルシアが、
勢力を拡大し、紀元前546年にリュディアを、紀元前532年には新バビロニアを
滅ぼしました。そして、紀元前526年にアマシスの息子の
プサムテク３世（プサメティコス３世）が即位しましたが、在位１年も
経たない紀元前525年にアケメネス朝ペルシアが侵攻し、エジプトの東の
入り口で激突しましたが敗れ、プサムテク３世は逃亡しますが、捕らえられ、
処刑されます。そして、第27王朝というアケメネス朝ペルシアの支配と
なりました。
＜古代エジプト史のおおざっぱな流れ＞
−末期王朝時代−
●第27王朝●
紀元前526年に第26王朝最後の王としてプサムテク３世が即位しましたが、
在位１年も経たない紀元前525年にアケメネス朝ペルシアが侵攻し、
エジプトの東の入り口で激突しましたが敗れ、プサムテク３世逃亡しますが、
捕らえられ、処刑されます。そして、第27王朝というアケメネス朝ペルシアの
支配となりました。
カンビュセス２世は、エジプト人と同化することなく、無法な行いをしたと
記録されています。第26王朝の王のアマシス（イアフメス２世）のミイラを
墓から引き出して焼いたり、メンフィスの聖牛アピスを自らの手で刺し殺した
と伝えられています。
ダレイオス１世は、エジプトの出来事や運営により深い関心を示しました。
ダレイオス１世の治世35年間は、外部勢力や地中海世界との政治の影響下に
おかれながらもエジプトにとっては基本的に繁栄の時代でした。
紀元前490年にペルシアは、マラトンの戦いでギリシアに敗れ、王の関心が
エジプトから離れた機会を利用して紀元前486年に反乱が起こります。
ダレイオス１世は、反乱を鎮圧する前に没し、次の王のクセルクセス１世が、
反乱を鎮圧しました。その後、紀元前480年にペルシアとギリシアが激突し、
サラミスの海戦が起こりペルシアが敗れます。後にクセルクセス１世は、
暗殺されます。
その後、ペルシャ人総督でクセルクセス１世の息子のアカエメネスの施政が
過酷であったため、エジプト人が、プサムテク３世の息子のイナロス王子と
サイスのアミルタイオスが反乱を起こしましたが敗れ、イナロス王子は
処刑されます。
アルタクセルクセス１世（旧約聖書にも登場しますね）の治世では
これといった事件はなく、次のダレイオス２世やアルタクセルクセス２世の
治世には、再び反乱が起こり、エジプトは内紛を利用して独立の体制を
得ることになります。
●第28王朝●
ダレイオス２世の死後、ゲリラ戦を戦ってきたサイスのアミルタイオスが
王として即位しました。第28王朝の王は、アミルタイオスただ一人に
なりますが、第29王朝のネフェリテス１世が、第28王朝を倒し、
アミルタイオスを殺害しています。
●第29王朝●
ネフェリテス１世は、王権を固めるため、自らをサイスの再興者として
歴史的な正当性を主張しました。ネフェリテス１世の死後、約１年の間、
ネフェリテス１世の息子と簒奪者プサムティスとが争いましたが、第３の人物、
アコリスが、王位に就きました。
アコリスは、ペルシアに対抗するためにギリシアのアテナイ、キプロスと
同盟を結びますが、キプロスが裏切り、ペルシアと同盟を結んだため、
アテナイの傭兵を用いてペルシアを撃退しました。あと、アコリスは、
テーベをはじめ、エジプトの全土で神殿の増築を行い、比較的安定した
時代を築きました。
●第30王朝●
第29王朝のアコリスが没すると、セベンニトス出身のネクタネボ１世が
即位しましたが、ペルシアとギリシアの連合軍が侵攻し、敗れますが、
連合軍の内部分裂し、その間にネクタネボ１世が大勢を立て直して反撃し、
連合軍を追い出すことに成功しました。その後の18年の治世は安定し、
神殿を修復するなど、多くの功績を残しています。
その後は息子のテオスが継ぎましたが、王の留守中にネクタネボ１世の息子
であり、テオスの兄弟のチャヘプイムが自分の息子をネクタネボ２世として
即位させます。
ネクタネボ２世も神殿の新築、修復に力を入れましたが、紀元前343年に
ペルシャ王のアルタクセルクセス３世が侵攻し、敗れたため、
ネクタネボ２世はヌビアへ逃亡しました。
こうしてエジプト人ファラオ（王様）の統治が終了し、この後は、異民族に
よる支配となります。次にエジプト人がエジプトを統治するのは約2300年後の
1952年のナギブ将軍まで待つことになります。
●第31王朝●
再びアケメネス朝ペルシアの支配となり、都市は打ち捨てられ、神殿の宝物は
略奪され、聖牛アピス、ムネヴィス、ブキスのような神聖な動物は殺され、
人々は重税にあえぎました。そのため、第31王朝は約10年しか続かず、
アルタクセルクセス３世は、紀元前338年に毒殺され、次のアルセスも約２年
で殺され、次のダレイオス３世は、マケドニア王国のアレクサンドロス大王
によって敗れ、その後はアレクサンドロス大王の統治となり、王の死後は
プトレマイオス朝へと続いて行きます。
−末期王朝時代−
●第27王朝●
紀元前526年に第26王朝最後の王としてプサムテク３世が即位しましたが、
在位１年も経たない紀元前525年にアケメネス朝ペルシアが侵攻し、
エジプトの東の入り口で激突しましたが敗れ、プサムテク３世逃亡しますが、
捕らえられ、処刑されます。そして、第27王朝というアケメネス朝ペルシアの
支配となりました。
カンビュセス２世は、エジプト人と同化することなく、無法な行いをしたと
記録されています。第26王朝の王のアマシス（イアフメス２世）のミイラを
墓から引き出して焼いたり、メンフィスの聖牛アピスを自らの手で刺し殺した
と伝えられています。
ダレイオス１世は、エジプトの出来事や運営により深い関心を示しました。
ダレイオス１世の治世35年間は、外部勢力や地中海世界との政治の影響下に
おかれながらもエジプトにとっては基本的に繁栄の時代でした。
紀元前490年にペルシアは、マラトンの戦いでギリシアに敗れ、王の関心が
エジプトから離れた機会を利用して紀元前486年に反乱が起こります。
ダレイオス１世は、反乱を鎮圧する前に没し、次の王のクセルクセス１世が、
反乱を鎮圧しました。その後、紀元前480年にペルシアとギリシアが激突し、
サラミスの海戦が起こりペルシアが敗れます。後にクセルクセス１世は、
暗殺されます。
その後、ペルシャ人総督でクセルクセス１世の息子のアカエメネスの施政が
過酷であったため、エジプト人が、プサムテク３世の息子のイナロス王子と
サイスのアミルタイオスが反乱を起こしましたが敗れ、イナロス王子は
処刑されます。
アルタクセルクセス１世（旧約聖書にも登場しますね）の治世では
これといった事件はなく、次のダレイオス２世やアルタクセルクセス２世の
治世には、再び反乱が起こり、エジプトは内紛を利用して独立の体制を
得ることになります。
●第28王朝●
ダレイオス２世の死後、ゲリラ戦を戦ってきたサイスのアミルタイオスが
王として即位しました。第28王朝の王は、アミルタイオスただ一人に
なりますが、第29王朝のネフェリテス１世が、第28王朝を倒し、
アミルタイオスを殺害しています。
●第29王朝●
ネフェリテス１世は、王権を固めるため、自らをサイスの再興者として
歴史的な正当性を主張しました。ネフェリテス１世の死後、約１年の間、
ネフェリテス１世の息子と簒奪者プサムティスとが争いましたが、第３の人物、
アコリスが、王位に就きました。
アコリスは、ペルシアに対抗するためにギリシアのアテナイ、キプロスと
同盟を結びますが、キプロスが裏切り、ペルシアと同盟を結んだため、
アテナイの傭兵を用いてペルシアを撃退しました。あと、アコリスは、
テーベをはじめ、エジプトの全土で神殿の増築を行い、比較的安定した
時代を築きました。
●第30王朝●
第29王朝のアコリスが没すると、セベンニトス出身のネクタネボ１世が
即位しましたが、ペルシアとギリシアの連合軍が侵攻し、敗れますが、
連合軍の内部分裂し、その間にネクタネボ１世が大勢を立て直して反撃し、
連合軍を追い出すことに成功しました。その後の18年の治世は安定し、
神殿を修復するなど、多くの功績を残しています。
その後は息子のテオスが継ぎましたが、王の留守中にネクタネボ１世の息子
であり、テオスの兄弟のチャヘプイムが自分の息子をネクタネボ２世として
即位させます。
ネクタネボ２世も神殿の新築、修復に力を入れましたが、紀元前343年に
ペルシャ王のアルタクセルクセス３世が侵攻し、敗れたため、
ネクタネボ２世はヌビアへ逃亡しました。
こうしてエジプト人ファラオ（王様）の統治が終了し、この後は、異民族に
よる支配となります。次にエジプト人がエジプトを統治するのは約2300年後の
1952年のナギブ将軍まで待つことになります。
●第31王朝●
再びアケメネス朝ペルシアの支配となり、都市は打ち捨てられ、神殿の宝物は
略奪され、聖牛アピス、ムネヴィス、ブキスのような神聖な動物は殺され、
人々は重税にあえぎました。そのため、第31王朝は約10年しか続かず、
アルタクセルクセス３世は、紀元前338年に毒殺され、次のアルセスも約２年
で殺され、次のダレイオス３世は、マケドニア王国のアレクサンドロス大王
によって敗れ、その後はアレクサンドロス大王の統治となり、王の死後は
プトレマイオス朝へと続いて行きます。
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