天然記念物コミュの天池の宮ツバキ社叢

　富山県黒部市天池89－１

　1981年06月30日、黒部市が天然記念物に指定。

　被子植物門双子葉植物綱ツツジ目ツバキ科　Camellia japonica

　https://www.google.com/maps/@36.8670948,137.4516209,17z
　建御名方大神(ﾀｹﾐﾅｶﾀﾉｵｵｶﾐ)を祭る天池諏訪(ｱﾏｲｹｽﾜ)神社の社叢です。
　天池地域は、江戸時代に越後から移住した人々によって開拓された地で、その際に諏訪大明神を勧請(ｶﾝｼﾞｮｳ)したと伝えられています。明治末期に天照大神も合祀されたため、天池神明社とも呼ばれます。約400㎡の境内は前沢台地の末端にあって、裏白樫(ｳﾗｼﾞﾛｶﾞｼ)や椿等の生える照葉樹林の一部が残っている貴重な地です。
　春になると赤・桃・白の花を持った椿が一面に咲き、中には幹まわり約90cm・樹高約７ｍに近い個体もあり、椿社叢の古さを物語っています。
　ここの椿の大半は園芸品種で、白色中型の花には白妙蓮寺・大白玉・蝶千鳥、桃色大型の花には曙、桃色中型の花には加賀八朔・神宮太郎庵、紅色中型の花には薄氷・黒佗助、その他五色椿、野生種の雪端椿(ﾕｷﾊﾞﾀﾂﾊﾞｷ)が見られ、中には江戸時代に流行した園芸品種もあります。
　江戸時代には神社へ椿を豊作の精霊花として植えた風習が全国にあり、この社叢も当時の名残を留めていると考えられます。