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天然記念物コミュの酒列磯前神社の樹叢

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茨城県ひたちなか市磯崎町4607番地2

2005年11月25日、茨城県が天然記念物に指定。

 少彦名命(スクナヒコナノミコト)と大己貴命(オオナムチノミコト)を祭る酒列磯前(サカツライソサキ)神社は斉衡3(856)年に創建され、延喜式名神(ミョウジン)大社に列した古社だが、戦国時代には廃絶してしまい、元禄3(1690)年に第2代水戸藩主徳川光圀が旧社地から少し離れた磯前海岸に面する台地上に当たる現在地での再建を命じた。元禄15(1702)年、3代藩主綱條(ツナエダ)の時に再建が完了し、以後、本殿や拝殿を囲む境内地内や一の鳥居から拝殿まで続く参道両脇の樹叢は手厚く保護され、特に本殿背後の樹叢は禁足地となって人の手が殆ど入らない状態が続いた。この境内林内部には7世紀頃に造営されたと考えられる古墳も点在している。
 樹叢はタブノキ・スダジイ・ヤブツバキ・ヒサカキ・ユズリハ・モチノキなどを主要な構成樹種とする常緑広葉樹林であり,当地域における本来の自然植生と考えられるが、本殿周辺にはエノキ・ケヤキ等の植栽された落葉広葉樹も多く、また参道両側はヤブツバキの優占度が高いなど、人為の影響も少なからず見られる。周辺の植栽地から侵入したと見られるクロマツやスギ等も一部高木層に含まれる。しかし、全体的には比較的自然度の高い常緑広葉樹林として良く保存されている。
 当地は南北に連なる茨城県の海岸線のほぼ中央に位置し、関東地方の太平洋岸沿いの台地斜面などによく見られる海洋による温暖な気候によって生育が促された暖帯性樹叢の典型例を構成している。
 300mに亙る参道両側には,樹齢300年を超えるヤブツバキの古木に加え、枝振りに特有の奇観を呈するタブノキの古木が点在し、さらにオオバイボタ・スダジイ・ヒサカキなどの常緑広葉樹が生育している。特にヤブツバキの開花・落花時の景観は見事である。
 また、本殿脇から背後に広がる境内林は,スダジイ・タブノキなどが樹高15〜20m程の高木層を,さらにユズリハ・モチノキ・ヤブツバキ・シロダモなどが亜高木層〜低木層を構成し、比較的自然度が高い壮観な独特の林相を呈している。さらに、この区域から太平洋側に面する斜面には、上述の常緑広葉樹に加えてハマギク・ラセイタソウ・シャリンバイなどの海辺植物も混生し,海辺地特有の自然林が形成されている。
 このような暖帯性樹叢を含む常緑広葉樹林は、かつては関東地方にも広く分布していたとされているが、古来から人間の生活の場とされてきたため、薪炭林としての利用や土地開発など様々な人為の影響によって、その大半が破壊されたり、落葉広葉樹林へとその姿を変えたりしてしまい、現在では台地斜面や社寺林にささやかに点在するに過ぎない。
 酒列磯前神社は明治時代に国幣中社に列し、強力な氏子組織も形成されたため、38838?に及ぶ境内樹叢は大変良好な状態で保存されており、茨城県立自然公園内にある事から、今後の保護・管理についても、引き続き適正に保存されていくものと思われる。但し、現在、ササ類が鳥居から参道脇に続く左側の区域に侵入しているが,その繁茂が拡大すると樹木類の更新を妨げる恐れもある。

コメント(3)

7日日曜日に行って来ました。

左;一の鳥居
中;天然記念物碑
右;参道
左;二の鳥居
中;拝殿
右;本殿背後の樹叢

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