天然記念物コミュの象頭山(ｿﾞｳｽﾞｻﾝ)

　香川県仲多度郡琴平町琴平

　1951年06月09日、名勝・天然記念物に指定。

　愛宕山・琴平山・大麻山などからなる標高524ｍの独立山で、那珂平野の南端に位置し、山頂は抜群の眺望を誇る地である。伯耆の大山まで見る事が出来る場合もあるとされる。
　山腹には大物主神と崇徳天皇を祭る金比羅宮があり、参道入口から本宮まで785段、奥社まで583段の石段が連なり、鬱蒼たる壮叢と神園に取り囲まれている。社叢には往古から妄りに斧を入れないと伝えられる処女林的林相を有する所もあり、多数の鳥類が棲息する。神園には花樹が豊かである。
　特に琴平山は暖帯林の自然の姿を残した代表的のところでおもな樹種はクスシイ・サカキ・ヒサカキ・アオキ・イヌビワ・モミ・カゴノキ・イヌガヤ等が最も多く、これにヤマモモ・イヌグス・オヌノキ・ヤマモカシ・イチイガシ・ヤブツバキ・ヤブニツケイ・タラヨウ・サンゴジユ・ダンコウバイ・ウラジロガシ・モツコク・アラカシ・クサギ・アカマツ・スギ・カヤ・ムラサキシキブ・アビ・アカメガシワ・ハリギリ・クリ・シロダモ・ウリハダカエデ・クヤノミズキ・イヌツゲ・イモノキ・ザイフリボク・シキミ・ウラジロノキ・カラスザンショウ・オンツツジ・イズセンリコウ・ネジキ・ヤマツツジ・ガマズミ・コナラ等の多くの常緑落葉の樹種を交え、その下にウラジロ、・シンガシラ等の草木や小灌木が見られる。特にその中腹以上におけるクスの自然林は自生北限に近いものとして注目に値する。