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SF小説『Public of Born』コミュの【1】●●●プロローグ●●●

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僕はベッドの上で妙に熱い感覚にとらわれていた。
足元の方に何か動く者に気付く。
「ハッ、ゼルメダ星人」そいつは勝ち誇ったように腕を高々と上げ
僕を威嚇するかのようなそぶりを見せた!
逃げようともがくンだけど思うように体が動かない。
ゆっくりと僕のシートの中に足元から入ってきた!
もしかしたら・・もしかしたら、僕に憑依しようとしているのかもしれない。

突然、感覚が別なものにすり変わって行った。
「うっ!・・」僕の股間が何物かに触られている・・それは・・ゆっくり・・
生温かい感覚に変わり、ネットリと纏わりつく何かが僕の股間を捕らえていた。
こ・これが攻撃?・・ち・違うぞ、「あっ、アレ?」何だか気持ちが良い・・
こんな感覚は始めてだ。自分自身を包んで行く感じ。

生温かい物はゆっくりと上下に動いている、その度に僕の体がピクリと反応した。
そのうち、シートがその動きにシンクロしながらずれてく。
シートから見えてきたのは姉さんが僕の顔を見上げながら
「姉さん!」・・僕の・・僕の・・

「姉さん・・」
「何、寝ぼけてんのよ!時間見て!今日は休む気?」
「あっ、今日は、試験なんだあ」
「さっ!早く食事をして着替えるのよ!」
ダダダダダ…ムシャムシャムシャ…ダダダダダ…シャギシャギシャギ…
ダダダダダ…ングングッペ!…ダダダダダ…ガタン…
「ハアハアハア…」 
「出来た!?」 
「も・もうちょっと・・」
「何、やってるの!2等新兵!!しっかりしろおお!」
「はいっっっ!!」僕は思わず敬礼をした。
【TC教官】の口調そっくりだった。僕は追われる様に駆け出した。
「ったく、【TENKO】姉さんは何で時々あんな口調が出るんだろう
あれじゃあ、嫁のもらいては無いはずだ。
あっ!こんな事してたらホントに遅刻だ!」
僕は【KENOBI】サーシ軍の養成アカデミーに通ってる学生。
もう、50年も前になるけど、始めて有人宇宙船が銀河系を抜け出した
何処か遠い宇宙でブラックホールが蒸発した。

その痕跡を探査する為だったらしいんだけど、
その時にその場所が歪んだ空間になってて突如その中から
ゼルメダ星からのゼルメダ軍があらわれたって言う話だった。

幸いにも地球連邦軍が形成された後で、
ある程度の体制は整ってたので太刀打ちは出来たんだけど。
ワームホールをつなげて自由に行き来出来る様にしたゼルメダは
幾度と無く地球に対して侵攻を繰り返しているんだ。

ちょっと前に、そのワームホールを使いこちらから攻撃に出る作戦をたてた者がいた。
エースストライカー【MJ】。
その名も『アビス22大作戦』なんだったって聞いたことがある。
ただ、名前の由来は定かではないけど奈落の底作戦だったらしい。
大作戦って言うと映画じみてちょっとねえ、と思うんだけど【MJ】の趣味だったらしい
まあ、そう言う所が僕の心をくすぐるんだなあ。
ちなみにアカデミーではこういう兵士にはならないようにしようという掲示板に、
写真が一番最初に張ってある。

そんなこんなで、次々に地球連邦サーシ軍の兵士を養成する必要が出てきてアカデミーが出来たんだ。
ちょっと話が横道にそれちゃったけど、僕はそこの学生ってわけ。
士官学校とはまたちょっと違うんだなあ。技術屋とか技能屋を養成してるんだ。
サーシって名前は軍隊が出来た当初の元帥の名前から来てるとか何とか、でも良くは知らない。

でも、さっきの夢はナンなんだ?なんで【TENKO姉さん】が出てきたんだろう?
あの熱い感覚も憶えてるゾ・・ ・・ ・・ まっいっか・・

空は晴れている。小さなちぎれ雲がホコホコ浮いている。
この空のずっと向こうでは、サーシ軍とゼルメダ軍が戦っているってホントかな?
何だかウソのように良い天気だなあ・・

角の所まで来ると、ちょうど友達の【がぁ】が飛び出してきた。
また今日も体感ミュージックを聞いているらしい。
目が空ろになってるのが特徴だ。
今の人間は全員インプットとアウトプットのジャックのようなものを備えている。

詳しい事は良くわからないけど。
身体や脳や神経に直接働きかけるシステムらしい。
それにより、【がぁ】のように直接脳に音楽を響かせることも可能なんだ

もちろん同じウェーブを使えば同じ音楽を同時に何万人の人でも聞くことが出来る。
映像も同じ。
これも脳に直接、映像を送り込む。
この場合歩きながらだと危ないので
スルー機能を使う。
でもやっぱり危ないので運転しながらの使用は出来ないように
プロテクトがかけられている。

これは、全ての人間は生まれたと同時に施されている手術で
機械とは違うらしいんだけど何かを神経に直接つなぐらしいんだ。
その埋め込まれた物、自体もその人間の臓器のように
一緒に成長を重ねて自分の物になっていくって言う話。

それを使えば、通信のように映像を送ったり、
自分の記憶やいろんな物を送る事が出来てしまう
ただし、訓練をしたものだけなんだけど、
その中でもそれを使いこなす人間はごく僅かなんだって。
まあ、そう言うものを勉強にアカデミーに行ってるって理由さ。

「ダメダメダメ・・」
何かが足元でつぶやいている・・【125】だった。
【125】は非常に小型のAI型情報処理端末アンドロイドで
様々な事を僕に伝えてくれる。
磁場を利用した浮揚タイプなので、
いつでも僕の回りを飛んでいる。
元々は、僕の父さんが、遊び相手と子守り様に開発してくれたプロトタイプで、
125番目のものなのか、クリスマスのプレゼント用で
そうなったか知らないけど名前は【125】だった
「ワントゥーファイブ」と読む。その【125】がつぶやいていた
「ダメダメダメ・・」
「なんだ?ダメダメダメって言うのは・・」 
「【がぁ】に話しかける・・ダメ・・」

「何でだよ、友達だぜ、いいジャン」 
「前に 同じパターンあった、【KENOBI】遅刻した【TC教官】に怒られた」
「何言ってるんだよ、今日は大丈夫さ」 
「【125】確率の問題 言ってる 遅刻して怒られる確率82%」
「機械って奴は何でもかんでも数字にするから嫌いナンだよ」
「よう!【がぁ】!」 
「… … …」 
「いつもこうなんだよなあ・・がああああああああ!!!!!」
「ん?おう、オハヨー、【KENOBI】」 
「オハヨーじゃないよ!プレーンマシーンの下敷きになっても知らないぞ」
「大丈夫さ、センサーがついてるもん」 
「ずいぶん落ち着いてるけど大丈夫なのか?遅刻するとまた
【TC教官】が怒るぜ」 
「ああ、俺さ、今日は昼からなんだ・・でも【セイウチ博士】から呼び出されてさ・・」
「なにぃぃぃ!…俺、行くよ!ば〜〜い」 
「失敗したア!ハアハアハアハア・・何だよあいつ落ち着いてると思ったよ」
ドシ〜〜ン!ガランガラン!
「うわああ!、ごめんなさ〜い、急いでるもんで!」
「コラー!廊下を走るんじゃあない!」
【セイウチ博士】だった。書類をいっぱい抱えている。
「何で、【がぁ】なんかに用事があるんだろう?・・」

【セイウチ博士】も変り種だ。何でも、すごいえらい発明家らいしんだけど。
何故かアカデミーの保健士の先生なんかをやってる。
授業が終わった後に生徒達といろんな実験をやってるみたいなんだけど、
妙な実験が多い。
ねずみに粘土のようなものを塗りたくって池の中に投げ込んだり、
自分の身体に不思議な布を巻いて車に轢かせたり
変わり者って評判なんだけど一部の学生にはすごく評価が高い。

やっとの事で、教室に滑りこもうとした瞬間、首根っこを捕まれた。
すごい力だ。見上げると、【TC教官】だった。
ギロッと睨むと「なにやっとんじゃ!」
・・うへえ・・たまに出てくる言葉だ・・この言葉すごく怖い。
「あの・・あの・・」 
「まあいい。席に着け!戦場じゃあな、その1分・2分で生死が別れるんだ!憶えとけ!」
「はいいいいい!」僕はすっ飛んで席に着いた。
「お前等!何処から来た!何しに来た!・・おい!そこの!」 
「はい・・」 
「お前は何処から来た?」 
「はい・・オハイオです。」 
「なにぃ!オハイオ・・オハイオにはな、2種類しかいない、ホモと牛だ・・
おまえは・・ホモか?」 
「いえ・・違い・・ます」 
「ハーーーッハッハハ。じゃあ牛だな。モォーっと鳴いてみろ」
「い・・いや・・で・・す」 
「なにぃ・・今なんといった!・・俺には嫌と聞こえたが・・」 
「は・はい・・モォオオオオ」
「ホホウ・・なかなか上手じゃあないか」 
(アレッ?何処かで見たようなシーンだなあ・・)

「ようし!今日は、宇宙量子学についての授業だ・・
既にみんなはブラックホールと言うものは知ってるな?
1970年代の終わり頃にホーキングコングという学者が
ブラックホールは蒸発すると唱えた、
計算上ではそうなるがなかなか目視にはいたらなかった。

が2020年代に入り、ロシア学者のシレネンコ・ビッチが目視に成功した。
まあ、その事は、歴史にもまだ新しいが、
そのブラックホールが蒸発した後に残った状態を見つけるのは至難の業だった。
しかして、目視に至った。
それが災いの元だったのかもしれん。

30年後それを探査に有人機が向かった。
ブラックホールが蒸発した後は大爆発を起こす。
その後、燃えカスのような状態で空間にへばりついている。
その探査機はそいつをこじ開けたのだ。

するとどうだ・・その向こうには全く別の天体が開けていた。
我々は開けてはいけないパンドラの箱を開けたのだ!
量子学の観点から言うと、負のエネルギーを持つものは…・」

そうか・・そこからゼルメダ星人がやってきたんだな・・。
一般の噂話とチョット内容が違っていた。そうか・・ブラックホールだったんだ。

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン・・もう100年以上も続いている学校のチャイムがなった。
「よ〜し、授業はここまで。午後から、精神系意識の試験を行うので、
次の者はブレーントレーニングルームに集まってくれ。
【KENOBI】・【かおり】・【PAPA】さん・【まあく】」…」
…の12名だ。時間厳守だぞ!」

すぐに【PAPA】さんが話しかけてきた。
「【KENOBI】危なかったなあ、もう少しで遅刻だったよ。
今日の【TC教官】は荒れてたから
もし遅刻してたら、どうなっていた事か・・
ヒヤヒヤもんだったよ。っはっはっは」

手を上げながら歩いて行った。
【PAPA】さんは、このアカデミーの最年長なんだけど、
民間人として自分で仕事も持ってるし家族もいるらしい。
何故アカデミーにいるのかみんな知らないんだけど不思議な人だ。
体術はずば抜けてすごく、一度なんて【TC教官】を負かした事もある。
でもその時【TC教官】はニヤリと笑って「【PAPA】さん。さすがだな・・」
とつぶやいただけだった。何か変なんだよなあ。

「【KENOBI】!!」叫んでる声が聞こえた。
振り向くと【かおり】が手を振ってた。
最近では珍しい名前だ。
何でもお母さんが日系らしい。
今は名前は単に呼びやすくする為のもので厳密には消滅している。
全員の本当の名前に当るものはアルファベットと数字で登録されている。

日本人という人種は今でも閉鎖的な人種と言われていて。
今も名前も日系の人だけはすぐに分かるんだ。
それからその日系の「サムライ」は今も生きていて。
いろんな所で警備や戦闘で活躍している。
このアカデミーにもサムライの教官がいるんだ。

「ねえねえ【TENKO】姉さんは元気?」早速、聞いてきた。
【かおり】はこのアカデミーでも常にトップの成績を上げていて、
既に今から士官候補としての呼び声も高く、
かつて在籍していた僕の姉さんの
【TENKO】姉さんの再来と噂されている。

本人もそれを意識しているようで、
何かあると【TENKO】姉さんの事を
気にして僕に話し掛けて来るんだ。
顔もカワイクってちょっとナマイキな所は有るけど
アカデミーではかなりの人気者で僕も大好きなんだ。
だから、話掛けてくれるのはうれしいんだけど、
その理由が【TENKO】姉さんの
事だったりする訳でチョット複雑な気分でも有る。

「うん、元気だよ」ちょと間をあけて。
「あなたのお姉さんは何故、士官の申し入れを断って
しかも、軍人を辞めたのかしら?」
「僕も良く知らないんだ。
その話になると、とたんに不機嫌になっちゃうし。」

「ふ〜ん、何か裏がありそうね。調べてみる価値はあるわ」
そう言うと、次の試験の準備を始めた。

「負けないぜ」そう言って話しかけて来たのは【まあく】だった。
【まあく】は何かにつけて僕に敵意を抱いていて、突っかかってくる。
今日もその類だろう。

「でも、今日のブレーンストームコントロールは、僕の得意な分野だから・・」
「フフン。そう思ってれば良いさ。本当の強さを見せてやるからな」
【まあく】は飛行艇や光速戦闘機などの操縦は卓越している。
銃器の扱いや肉弾戦にも長けていて戦闘員としては一級だろう。
だけど、今はそう言う時代では無くなってきている。
今は、自分の中の集中力により精神を操作するタイプが求められているんだ。

言ってみれば【まあく】は旧タイプの戦闘員と言う事になるかな。
ただ、【まあく】の普通と違う所は。
身体的能力が精神にまで及ぼしていると言う事なんだ。
つまり、肉体を鍛える事により肉体本位の中で精神的な操作が出来る。

こういうタイプは、アカデミーの中にも【まあく】を置いて他にはいない。
考え方も僕達とは違い、あくまで身体を動かす中での無意識体を
使う事が出来る、これは屈強な精神とシンクロした時に
凄まじい破壊力を生むに違いない。

「俺は今回の試験、ちょっと秘策があるんだ。まあ、見てろ」
そう言い放つと教室を出た。

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