百韻三昧境保存コミュコミュの〜百韻その６『たくあん』〜

〜百韻その６『たくあん』〜


1.たくあんの切目つながる四月馬鹿　　　＝＝川崎妙子＝＝
2.　　縁は切られど酒はきらさじ　　　　　　　　川崎小町
3.沢庵の尻尾並べる一人膳　　　　　　　　　　　七風姿
4.　　遺影の夫（つま）と酒を酌みつゝ　　　　　　柏老亭
5.矢鉄砲馬糞鼻くそ差し出して　　　　　　　　　七風姿
6.　　屁ひりを歌に踊る源内　　　　　　　　　　　七風姿
7.平戸では異人にでっかき肉を焼き　　　　　　　小町
8.　　イエスのことをみんな忘るゝ　　　　　　　　柏老亭
9.血の濃さを寒天培地で培養し　　　　 　　　　七風姿
10.　　同じ阿呆なら踊らにゃそんそん　　　　　　小町
11.あたくしもたまには馬鹿になりたくて　　　　　柏老亭
12.　　ジム・モリソンの墓にキスする　　　　　　柏老亭
13.イタリアン・ロックの調べに聞き惚れて　　　　　理麗
14.　　今日も数字とにらめっこかな　　　　　　　　理麗
15.近頃は結婚の夢ばかり見て　　　　　　　　　　柏老亭
16.　　ファスナー上がらぬズボンうらめし　　　　　小町
17.これっきり指切りげんまん赤切った　　　　　　七風姿
18.　　垢にまみれしタゴールの髭　　　　　　　　柏老亭
19.旧き道あえぎ上って碓氷峠　　　　　　　　　　北洛
20.　　百年のちのために木を植え　　　　　　　　小町
21.マルケスはマコンドの道散歩する　　　　　　　柏老亭
22.　　絢爛豪華な宿阿の血　　　　　　　　　　　七風姿
23.女ばかり七代つづく家を棄て　　　　　　　　　小町
24.　　永井荷風の囲ひ女となる　　　　　　　　　柏老亭
25.星くずに祈る私は人のくず　　　　　　　 　　　まこ
26.　　人にも物にもゴミといふものは無し　　　　柏老亭
27.墨東の九図を描いて悦に入る　　　　　　　　　淑山
28.　　枯れた男の太筆のいろ　　　　　　　　　　小町
29.大川ものの字のやうにくねる春　　　　　　　　淑山
30.　　蜘蛛の巣だらけの随道の口　　　　　　　　小町
31.蜘蛛女のキッス一つで骨と灰　　　　　　　　　節七穴
32.　　煎じて飲めば比丘尼あらはる　　　　　　　柏老亭
33.赤い月さかなははだへなまぐさし　　　　+++赤黄男+++
34.　　三年ぶりで湯船わかして　　　　　　　　　柏老亭
35.古傷の愛咬紅く染め直し　　　　　　　　　　　七風姿
36.　　子宮で聴いた母の心音　　　　　　　　　　柏老亭
37.鬼子母神音籠りたる洞の中　　　　　　　　　　淑山
38.　　観音いふは音を見たとぞ　　　　　　　　　小町
39.山姥の唄に泣く子の面憎き　　　　　　　　　七風姿
40.　　ぶてどゆすれど息は戻らず　　　　　　　　柏老亭
41.好きな子の人工呼吸で初接吻　　　　　　　　柏老亭
42.　　そのまま吐息絶ゆる悲喜劇　　　　　　　　淑山
43.トラジコメディに付き物X＋Y＝Love　　　　　　七風姿
44.　　アラビヤ魔人が出て来ますのに　　　@@宮澤賢治@@
45.魔術師や八山閑として声も出ず　　　　　　　　淑山
46.　　エックハルトは屈すことなく　　　　　　　　柏老亭
47.黒い犬白い犬ども引き連れて　　　　　　　　　　淑山
48.　　狛犬様にションベンをかけ　　　　　　　　　小町
49.女でも立つてすること覚えれば　　　　　　　　　柏老亭
50.　　男女共同使用厠考　　　　　　　　　　　　節乃穴目
51.男前女うしろでする立ちション　　　　　　　　　淑山
52.　　シェスタタイムにみな出し尽くし　　　　　　柏老亭
53.ホームページは便所の落書きごときもの　　　　小町
54.　　相合傘に連れの名を入れ　　　　　　　　　　柏老亭
55.もてる子は頭が良いか御令嬢　　　　　　　　　小町
56.　　チェックの柄のパンストをはき　　　　　　柏老乃宮
57.先島の諸島を雲の上で見て　　　　　　　　　柏老亭
58.　　そろそろ骨の傘さし綱渡り　　　　　　　七風姿
59.水仙を七つ揃へて告白し　　　　　　　　　　柏老亭
60.　　うぬぼれという花言葉あり　　　　　　　小町
61.詩と寝には苦悩煩悩抱き合わせ　　　　　　七風姿
62.　　根枯れて色を失くす鶏頭　　　　　　　柏老亭
63.造花よりましだと二三摘んできて　　　　　柏老亭
64.　　砂漠の闇のあだ花と咲く　　　　　　　　七風姿
65.オキーフの骨に屋上屋重ねる　　　　　　　　淑山
66.　　ハイク徘徊どう手綱〆　　　　　　　　　七風姿
67.おめえが可愛いばかりの風ぞ吹く　　　　　しめ（小町）
68.　　風車の下の枯れし芒野　　　　　　　　柏老亭
69.虫干しを忘れて記憶干涸らびる　　　　　　七風姿
70.　　通せん坊の紙魚に名をつけ　　　　　　柏老亭
71.本当の詩人の詩集の詩は余白　　　　　　　柏老亭
72. 　焚書にされてばれる下手文字　　　　七無異裏尼(笑)
73.久々に当たりし球の場外に　　　　　　　　柏老亭
74.　　尼僧ゆるゆる足袋ぬぐあたり　　　　　山姥
75.今ここに団十郎や鬼は外　　　　　　　　〜〜其角〜〜
76.　　成田の上を福の飛び交う　　　　　　　小町
77.剣呑な豆の飛び交う卯月なり　　　　　　　淑山
78.　　鳩になりたる鷹の思ひ出　　　　　　　柏老亭
79.雲の下あまたの民が焼けてゐた　　　　　　柏老亭
80. 　ポップな図譜に緞帳描き変え　　　　　節乃穴目
81.水責めについにはしごもくずおれて　　　　小町
82.　　自惚れつゝも保つやさしさ　　　　　　柏老亭
83.まぶた染めあなたに電話花の雨 　　　　　　山姥
84.　　鳥になりたや閨に飼われて　　　　　節乃穴目
85.篭めばいや放てばすがる女道　　　　　　小町
86.　　五光年後に此処で会おふよ　　　　　　柏老亭
87.マイッタで魑魅魍魎もネタになり　　　　プータロ
88・　　試食するは物の怪妖怪　　　　　　七色インコ
89.このごろのヤマンバまたも山廻り　　　　山姥
90.　　たらの芽和えに舌鼓うつ　　　　　　　柏老亭　
91.山宿の膳めずらしき海育ち　　　　　　　小町
92.　　岩魚を焼いて進む冷や酒　　　　　　柏老亭
93.蚤虱やせ馬もいて粗朶を焚き　　　　　　山姥
94.　　耽美主義の出歯亀燻られ　　　　　　七風姿
95.仲基は懐徳堂で昼寝して　　　　　　　　柏老亭
96.　　若き翁と人笑ひをり　　　　　　　　　小町
97.篤胤のナショナリズムに閉口し　　　　　柏老亭
98. そろり最終(ｲﾔﾊﾃ)黄泉比良坂 (ﾖﾓﾂﾋﾗｻｶ)　七風姿
99.雪だるま海に転げて青となり　　　　　　　柏老亭
100．　再び戻る静寂な家　　　　　　　　　　北洛