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紫苑コミュの小説プロット 〜カウントダウン〜

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下記、自作小説のプロット(粗筋)です。
ところどころ用語解説も入れつつ。
簡単に書くつもりがけっこう長くなってしまったので
休日にでもゆっくり読んでみてください。
(いや、ホントに長いです。すいません)

>>仮題名
カウントダウン

>>プロット
21世紀初頭。

東京にて第一の患者が発生。
神経に異常をきたし、歩行等の動作が困難になり、
嚥下障害、意識混濁の後、心配機能が停止、死亡する。
検査の結果、患者の少女を日本第一号のCJDと認定。

CJD:
クロイツフェルト・ヤコブ病の略。
哺乳類の脳神経に作用する致死性の病気で
人間の場合をCJD、牛の場合を狂牛病(BSE)と言う。
原因物質としてプリオンが候補とされている。
プリオンはタンパク質の一種であるとの見方が
一般的だが、確たる証拠はない。
検査方法も存在するが、確実性は薄い。
事実上、闇の物質である。
異常型プリオンタンパク質を経口摂取すると、脳神経内にある
正常型プリオンタンパク質が連鎖的に異常型に変わる。
そして脳自体が機能しなくなり、スポンジ状になり
死に至らしめると考えられている。

日本での第一号患者の発生を受け、政府は対策本部を設置。
現存の米国産牛の輸入および流通を全て停止。
厚生労働省は輸入牛肉全ての検査を実施。
経済産業省は新たに牛肉に輸入枠を設け、流通量を制限。
農林水産省は米国産牛については特例ともいえる
承認措置を実施。
しかしプリオンが混入している牛肉は、米国、その他の
原産国を問わず発見されず。

一年後。

最初の患者が確認されて一年間、
続く患者は確認されず。乱れた世論は一見収束に向かう。

二年後。

日本全国で次々と患者が発生。
約一ヶ月で百人以上に達する。
無作為検査を行ったところ、千人に一人の感染を確認。
感染者は日本全国で十万人以上と推定される。

国家規模のバイオハザードとなったCJD。
最終的に脳がスポンジ状になって死亡するものの、
このアウトブレイクでは既存のCJDとは
異なる点が見受けられた。

1、徐々にではなく、あるとき突然、脳の機能不全を起こす。
2、感染し、病状が進行すると、眼を閉じた瞼の裏に
  何らかの時計、ゲージなどが見える。
  ある者はデジタル時計、ある者は文字盤の時計が。
  別の者は徐々に減るゲージのイメージが瞼の裏に浮かぶ。
3、時計やゲージがゼロになると発症して意識を失う。
  しばらくの後、脳の機能不全で死亡する。
4、感染から死亡までの病状が、既存のCJDよりも
  極めて早く進行する。

上記1〜4の特徴は、バイオハザードが広がるにつれて
患者の病状観察で明らかになる。
遠からずして世にもその情報が広がる。
瞼の裏に見えるカウントダウン。
誰にもそれは見えず、時計やゲージが見えた後に起こる
確実な死へのカウントダウン。
誰ともなく、CJDと言う名前は使われなくなり、
別の名前で呼ばれるようになった。

「カウントダウン症候群」

ワクチンも抗体も治療法も存在しない。
眼を閉じて、カウントダウンが始まれば誰も止められない。
カウントダウンが始まった人間は自暴自棄になり、
法律や道徳の枠を超えた行為を行うようになる。
パニックは健常者へも広がり、日本は空前のパニックに陥る。

日本中にパニックが広がる中、政府による調査で、
病原が明らかになる。

「このプリオンを撒き散らしているものは米国牛ではなく、
 ロシア産の赤魚(あかうお)の可能性が高い」

米国牛が悪であるという常識を覆す事実。
最も安全なはず食料が、実は最も危険な食料であったと言う
事実に世間は震撼する。
病原は米国産どころか、肉ですらなかったのである。
輸入食料の中でもガードの薄い部分を突き抜けて
病原体は日本人の脳に入り込んでいたのである。

量販店、外食、給食、業務筋、コンビニ。
これらの流通過程では現在の商品の検査しかできない。
過去の食品を洗うことができない。
しかし2年間、ロットごとに商品を保管している生協の
商品から高濃度の異常型プリオンタンパク質が検出された。
対象ロットが流通していたのは1年前であり、
その商品がロシア産の天然の赤魚であった。
従って、現在の輸入検査をいくら強化しても
過去に持ち込まれた原料が病原なので
見つからなかったのである。
まだ発症していない患者から普段の生活を聴取し、
経口した食べ物の範囲を牛肉だけでなく
あらゆる食品に広げた結果、ようやく原因となる
食品を見つけることができた。

中国。

当時の流通を遡り、輸入元として中国の食品工場を特定。
ここで場面は中国に移る。
しかし原材料のロットは特定できず。
また、当時使っていた原料在庫は消化済みであった。

現地の駐在員を通して記録を洗ったところ、
赤魚の生産のみ、加工ロスが異常に少ないことが発覚。
つまり原料を他から安く買って足している可能性があった。
闇市を視察したところ、他社の横流し原料とともに
当時のものと思われる半端原料ロットを入手。
その赤魚から高濃度のプリオンを検出。

包まれている袋は無地に入れ替えられているため
生産船名やメーカーは不明。
入庫記録から中国への運搬船を特定。
運搬船は釜山と中国を行き来しているものなので
釜山にて入札されていたものであることが分かる。

釜山。

釜山で食料の冷凍原料を競売するエージェントの助けを借り
事件当時と思われる年の入札記録を調査。
しかしロシア産の赤魚自体が入札された形跡が無い。
ここから先、赤魚の原料の追跡を行う手段は絶たれる。

食料の流通は追跡(トレース)できると言う
トレーサビリティ。
現物を確認せず、紙切れに過ぎない証明書を信じる日本人の
安全管理は完全に崩壊する。

その頃、現物を取り扱ったことのある中国の工場主任から
情報がもたらされる。

「あの赤魚を解凍すると、決まってわずかな腐敗臭がした。
 しかし微生物検査では他の水産物と変わらない
 値が示されていた覚えがある」

腐敗は微生物による分解作用である。
現場となる中国工場は中国北部にあり、
夏でも工場の室温は15℃を越えない。
にも関わらず腐敗臭が?

この情報をもとに、中国で新たに検査が行われた。
それは低温培養検査。

>>食品の微生物(衛生)検査について
通常、工場や税関が主導して行う検査は
一般生菌数、大腸菌群、大腸菌、黄色ブドウ球菌の
4つである。
鳥や鶏卵を使う食料の場合は腸炎ビブリオ、
サルモネラも行うが、いずれの場合も25℃〜35℃条件。
低温での培養検査が行われることはあり得ない。
そもそも人間の体内で害をもたらすためには、
人間の体温に近い温度帯で生育することが必須であるため。

通常の微生物培養検査を行ったところ、
特に異常な数値は得られなかった。
しかし低温条件による一般生菌培養検査を行ったところ、
特定の好冷菌が爆発的に繁殖していることが発覚。
そして好冷菌を単離し、調査したところ、
異常型プリオンを大量に蓄積するタイプの
DNAが組み込まれていた。
DNAシークエンスで解析を行い、
人為的な操作であることも明らかになった。
また、この好冷菌は−20℃まで凍結しない細胞液を
有しており、通常の食品凍結操作後も生き残り、
分裂し続ける性質まで持っていた。
つまり元々、熱や化学物質に強いプリオンが
好冷菌に組み込まれ、何らかの方法で赤魚に
混入されて培養に培養を重ねて食卓に上ったのである。
通常の微生物検査では好冷菌は検出されないし、
天然魚については食肉を対象としているプリオン検査も
行われない。
こうして日本中に運ばれた「安全」な赤魚が
高濃度のプリオンを有したまま加熱調理される。
しかし調理程度の加熱調理では
プリオンタンパク質は力を失わない。
そのため、病原性が極めて高い状態で経口し、
食べた人間が次々と感染、
カウントダウン症候群を発症したのである。

日本政府はこの事実を認め、バイオハザードを
自然災害ではなく、人為的なバイオテロであると断定した。

>>好冷菌について
常温(25℃前後)ではなく、0℃近い温度でも
生育できる菌の総称。
ときに冷蔵庫に保管しておいた食べ物が
食中毒の原因となるのは好冷菌の場合が多い。
南極や北極に生息する生き物の腸内には
好冷菌が数多く住んでいる。
しかし温度に弱く、20℃以上になると死滅するため
通常の菌検査では検出されないし、
食中毒も起こさない。

この時点で感染者の推定数は100万人に達していた。
カウントダウン症候群を発症する人間も10万人を越え、
日本は犯罪者が犯罪者を呼ぶ無法地帯と化していた。

病原体の追跡と同時に、政府は膨大な国家予算を投じて
カウントダウン症候群の治療と病原体の研究に当たる。
その結果、有効な治療方法が見つかり、
日本のバイオハザードは鎮圧に向かう。

治療法の確立とは別に設けられたチームから
別のデータがもたらされる。
中国から持ち込まれた好冷菌のサンプルと、
最初の患者から取り出されたサンプルの、
プリオンのアミノ酸配列や立体構造が
完全に一致していたのである。
第二の患者以降のプリオンは別の形になっている。

その結果、以下の推測がなされ、主犯格が特定される。

「最初の患者のプリオンを鋳型として
 人為的にDNAが合成されたのではないか?」

最初の患者のプリオンタンパク質のDNAが好冷菌に
組み込まれ、赤魚に混ぜられた。
凶器となった赤魚を原料とし、釜山入札を経て
中国の工場に販売された。
そして日本に食品として輸入され、
全国にばらまかれたのではないか?

この推論をもとに捜査が行われた。

最初患者は幼い少女だった。
現在は新しい治療法で完治している。
そして、その父親はプリオンの研究者であった。
父親は既にカウントダウン症候群で死亡していた。

研究手記からその男が主犯であったことが確定。

自分の不注意から、研究サンプルが娘の口に入り
CJDに感染してしまった。
しかし通常のCJDは進行が遅い。
娘が死ぬまでにはまだ時間がある。
だが自分が今までどおり研究していたのでは遅い。
今の人員、予算、規模ではとうてい間に合わない。
日本が先進国内では異常とも言えるくらい
研究投資額が低いことがネックになる。
その結果、娘を想い、精神を病んだ男は考えた。

「CJDを日本全国に広めよう。
 そうすればもっとたくさんの研究費が投じられ、
 もっと多くの人間が治療法を探すであろう。
 進行の早いCJDを私が作り出し、
 全国にばら撒けば、きっと娘を助ける方法を
 誰かがみつけてくれるはずだ。娘が死ぬ前に。
 そのためには誰が死んでも構わない。
 私自身の命と引き換えでもいい」

彼は新しくプリオンタンパク質のDNAを作った。
下記、自作小説のプロット(粗筋)です。
できたところまで公開してみます。

コメント(1)

ぬああああ
なんとも言えない恐さと切なさ・・・
だって加熱しても冷凍しても滅菌出来ない細菌ですよね?(ちゃんと把握してない)
まさか狂牛病とかあったなぁとか思ってたらバイオテロに繋がって親子愛にまで発展するとは・・・

正直小説は読むだけな上に東野圭吾と我孫子武丸くらいしか読んだ事ない素人なので
あまり参考になる事は書けないですが・・・
細かい人物設定や日本の混乱っぷり等の背景煮詰めていけばかなり面白いんじゃないかと本気で思います。
個人的に主人公は昔未知の病気で亡くなった娘がいた日本の調査チームの一人とか・・・
ベタですかね?w

しかし完成が楽しみです!

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