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RNA for LifeコミュのrRNA修飾と疾患

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えっと、なかなかトピたたないので今度ラボで紹介する雑誌の内容を少し。

X-DC(X連鎖型先天性角化不全症)患者の細胞ではDKC1のポイントミューテーションが確認されています(ちなみに完全機能欠損はlethal)。X-DCは腫瘍への高感受性、骨髄機能不全、皮膚疾患、早期老化などの多彩な病態を示します。DKC1はTR(Telomerase RNA)やscaRNA、snoRNAと共役します。
今回彼らが調べたのはsnoRNAとの共役についてです。
snoRNAはご存知のようにrRNAがmatureになるのに働くncRNAですが、主な機能はその配列依存的にrRNAをメチル化するものと、シュードウリジル化(Ψ)するためのガイドとして働きます(実際に修飾するのは各種酵素)。
dyskerinはsnoRNAと共役した場合、Ψを行う酵素です。

X-DCとほとんど同じ症状を示すDkc1mマウス(Hypermorphic mouse)と、X-DC患者の各細胞を用いて実験を進めています。

LPSを利用したPolyribosomal profileにより、Polysome(翻訳活性のあるmRNA-リボソーム複合体)の抽出と、mRNAの精製後、マイクロアレイ解析、ウエスタンを行い、p27, XIAP, Bcl-xLの翻訳障害を確認しました。(fig. 1)

XIAP, Bcl-xLは抗アポトーシス因子、p27は細胞周期調節性の癌抑制因子で、それぞれ5' UTRにIRES elementを持ちます。

IRESはcap非依存性の翻訳開始サイトで、直接リボソームにリクルートすることが可能で、アポトーシス関連遺伝子でよく見られます。IRES依存性の翻訳は放射線照射時や、培地欠乏状態などの、cap依存性翻訳が抑制されている時に活性化されることが知られています。
そこで、IRES依存性の翻訳であるかどうかをBicistoronic レポーターアッセイと、ウエスタンを利用して確認しています。(Fig.2)

次に、これがいまいち僕が理解できなかったところなんですが、p27-ヘテロマウス;Dkc1mマウスとの間の第一世代と、p27ヌルミュータントマウスにおいて胸腺の細胞をフローサイトメトリーで検出した結果、合成期(S期)の細胞が多くなっていた、と言っています。比較相手はWT, p27ヘテロ, Dkc1m マウスになります。なんでDkc1mマウス単独では多くならないのか疑問です。(fig.3)

最後にDkc1mマウス細胞で観察された実験結果と、ヒトX-DC患者の病態が本当に関連性があるのかをCrPV(IRES依存的翻訳性ウイルス)と、bicistoronicレポーターアッセイにより、再確認しています(fig.4)。

rRNA修飾異常によるリボソームの機能障害と疾患とを直接関連付ける大きな成果であったと結論付けています。
ちなみに、p27のタンパク減少による癌への高感受性、XIAPとBcl-xLによるアポトーシスの異常が造血系幹細胞で起こって骨髄機能不全、と仮説立てて彼らは喜んでいます。

これ以前の論文になりますが、dyskerinはTRと共役することから、Dkc1mにおける癌高感受性はテロメア異常によるものではないか、という興味に対し、Dkc1mマウスの第4世代までのテロメア長に異常は見られなかったことから、もしかしたらsnoRNAと関係しちゃってんじゃないの?!とディスカッションして終わっていました。

ラボでの紹介するのは来週頭なので、もし何かツッコミがありましたらぜひぜひお願いします。

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