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美術史コミュの人間の精神史から見た美術史

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この論考では、原始美術、ルネサンス美術に大きな影響を与えたプラトン哲学、20世紀抽象絵画等における「見えるものと見えないものの相互変換」、ニヒリズムという現代の病への処方箋としての「畏敬の念」についても論じています。美術史に関する個々の事柄について論じるだけでなく、それらを「世界をどうとらえ、どう生きるか」という視点で、一つの星座のようにつなぎ合わせる試みとして書きました。
以下は、その前文です。全文は私のウェブサイトで公開しています。少しでも興味深いと感じたら「いいね」やコメントをいただけると励みになります。


人間の精神史から見た美術史

このテキストは、美術教育に関わる方々、とりわけ若い美術教師たちに向けて、美術史に関連した授業の中で、生徒たちと「世界と人生、美術と文化への驚き」を共有するために重要と思われる事柄をまとめたものです。

生徒が美術文化についての理解を深めるためには、まず教師自身が、原始から現代までの人間の大まかな精神史を理解することが重要です。そうした土台を築いた上で、生徒に対して哲学の初歩や「原始美術における抽象の意味」、「なぜ釈迦の死後500年間仏像が存在しなかったのか」といったことについて伝えていく必要があります。美術史の流れに沿って作品を鑑賞することを通して、世界と人間、歴史と文化を深く理解するための「見方、考え方」を学ぶことができます。「世界観」や「人生観」の形成につながる美術の鑑賞は、人生と世界に意味と価値を見いだし、人生をよりよく生きていくための最高の学習になります。美術史との関連で世界と人間について広く学び、時には哲学的に、深く考える必要があります。「世界と人生に対する驚き、感動、深い考えが美術になる」からです。

「美術科の見方・考え方とは、(中略)感性や,想像力を働かせ,対象や題材を,造形的な視点で捉え,自分としての意味や価値をつくりだすことにあると考えられる。」(中学校学習指導要領解説)
ちなみに各教科の学習指導要領において、国語科の「見方・考え方」は「意味づけること」、技術科の「見方・考え方」は「技術を最適化すること」として位置づけられています。「意味や価値を作り出すこと」は、美術科に与えられた大きな役割であると言えます。

ここで重視するキーワードは、「抽象と写実」、「畏敬の念」「見えるものと見えないものの相互変換」です。「畏敬の念」は、道徳科の重要な項目の一つでもあり、現代社会の諸問題(唯物論に起因するニヒリズムとエゴイズム、自然や人間を単なる搾取の対象とする、心を失った技術万能の世界観)に対する処方箋として最も重要な感情であり概念であると言えます。そして畏敬の念の学習においては、単に「壮大な自然」に目を向けさせるだけでは不十分であり、(天体の規則正しい運行など)「宇宙はあまりにも壮大で秩序立っているので、偶然出来たと考えるのは無理があるのではないか?」といった哲学的な思考を深める必要があります。
このテキストで宗教的な美術が多く取り上げられていることに違和感を感じるかもしれませんが、古今東西の美術の多くは、神、来世などに関わる「宗教美術」であり、宗教的な要素がない美術の方はむしろ少ないと言えます。また「目に見えないアイディアを目に見える色や形で表現する」という美術の本質とも関わることですが、目に見えない世界を、目に見える形で表すさいの様々な工夫が、美術文化の創造的な豊かさとなっています。古代ギリシャ彫刻のように目に見えない神々を人の姿で表す美術もあれば、ケルト美術のように、目に見えない宇宙の力を渦巻き文様で表すこともあります。「目に見えない世界を、どのように表すのか」という問いに対する答えは一つではありません。だからこそ、これほどまでに多様な独自の文化が花開いたのです。
以下に紹介するのは、「目に見えない世界の表現」や「世界と人間、美術と文化についての捉え方(哲学)」、「畏敬の念」に関する学習として特に重要な題材とその解説です。
以下の内容を全て生徒に教えるべきだということではなく、教える側の教師がまず理解した上で、伝える内容を厳選し、教え方を工夫する必要があります。また、教師自身が始めから「正解を教える」のではなく、発問を通じて生徒に気づかせ考えさせるプロセスや「作品の前に立って一緒に驚き、考える」という姿勢(驚きと感動の共有)が大切だと言えます。なお、このテキストでの作品についての解説には、一般的な解釈としては認知されていないものもありますが、一つの「可能な解釈」あるいは参考意見と捉えていただければ幸いです。


「人間の精神史から見た美術史」全文
https://aozorakissa.la.coocan.jp/words18.htm

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