ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

子供も大人も読みたい絵本&物語コミュのテイルズ・オブ・ワールド 〜第3章・伍〜

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
この森で厄介なのは、2つ。

1つめは、この森は入った者の方向感覚を狂わせるらしいということ。

下手をすると、【想いの泉】を見付けるどころか、森を生きてでられないということも考えられる。

2つめは、スライム。

普通、スライムと聞けば雑魚を想像するが、実物はそんなに簡単な奴ではないらしい。

まず、僕とドランが得意とする物理攻撃が、殆ど効かない。

このパーティの持ち札で効果があるとすれば、マーサの【炎】のみ。

しかし、そのマーサも修業中の為、そこまでの効果は期待出来ない。

正直、不安だらけだが、諦める訳にはいかない。

僕達は決心し、【迷いの森】の中へと進んでいった。





道に迷わないよう、木に巻きついていた蔓を結って繋ぎ、ロープ状にして木々を結んでいく。

これを続けていけば、なんとか森の出口を見失うことは無い。


『やっぱり、途中で薪を用意しておいて良かったな。』


森の中は薄暗く湿っている為、ここの木では火が点き難い。

僕達はゲタップを出てドランから森の話を聞いた後、予め数本の薪を用意していた。

森を歩く為の照明として。

そして、スライムが苦手とする【火】を、マーサ以外にも手にさせる為だ。


『それにしても、薄気味悪い森だな。』


「・・・本当に。 今にも、何かが襲ってきそうな雰囲気ですわね。」


僕もマーサも、森の異様な雰囲気に飲みこまれ、不安な気持ちを抑えられない。





・・・ドサリ。





『・・・!?』


不意に僕の背中に、何かが落ちてきた衝撃を感じた。

・・・何だ?

もしかして、いきなりスライムか??

怖々としながら、ゆっくりと背中を確認する。










(ワッッ!!)


『ギャアアァァーーッッ!!??』


突然の大声に、思わず腰が抜ける。


『な・・・なななな・・・! 何だッッ!?』


そこに居たのは、腹を抱えて笑い転げる一匹のデブ狸だった。


(シシシシッッ・・・!! カズヤの奴、腰を抜かしてやがる! シシシシッッ!!)


「この! カズヤ様に、なんて無礼な・・・」


ドランの、あまりにくだらない悪戯に憤怒したマーサは、いつものお仕置きをしようとするが、何故か動きが止まる。


『・・・?』


マーサの視線は、ドランを見据えたままだ。

何かあるのか?

僕もドランに視線を向ける。


『・・・・・・あ。』


(・・・ん? どうかしたのか? 俺様を、そんなに熱い尊敬の眼差しで見つめて。)


「・・・・・・。」

『・・・・・・。』


少しの間、沈黙が続く。


(だから、何なんだよ! ハッキリ言えッ!!)


僕とマーサの無反応さにドランは苛立ち、声を荒げる。


『・・・ドラン、後ろ。』


(あ? 後ろ? ・・・ハハーン。 俺様に仕返しをしようってんだな? そうはいかないぜ?)


ドランは悪戯の仕返しをされていると思ったのか、僕の言葉を疑い、聞こうとはしない。


『う・し・ろ』


僕は小声で再度、ドランに話し掛ける。


(お前もしつっこいなあ。 どうせマーサが俺様の後ろから驚かそうっていうんだろ?)


僕は、自分の右を指差す。

そこにいるのは、ドランが悪戯の脅かし役だと思っているマーサだ。


(・・・あれ? ということは。)


ドランもようやく悪戯ではないことに気付いたのか、ゆっくりと後ろを振り向く。

そこには、緑色のゼリー状の物体が、まるで生きているようにグニグニと動いていた。


(ウゲッッ!? スライムだッッ!!)


ジュウゥゥ・・・


スライムがドランの尾に少し触れると、肉を焼くような音と匂いがしてきた。


(うわちちちッッ・・・!!)


ドランが悲鳴をあげ、跳びあがる。

スライムに触れられたドランの尾は、その部分だけ綺麗に毛が無くなり、焦げてしまっている。

どうやらスライムは、触れたものを溶解して体内に取り込むようだ。


(・・・にすんだ、この腐れゼリーがッッ!!)


尾を焦がされ怒ったドランが、伸ばした爪でスライムを攻撃する。


ブヨン・・・。
ジュウゥゥ・・・。


しかし、スライムにダメージは無く、逆に攻撃したドランの方が火傷をしてしまう。


(あちいッ!? ダメだ、やっぱり効かねえや! マーサ、【炎】だ!!)


「わかりましたわ!!」


マーサの身体が紅いオーラに包まれる。


「えーいッ!!」


その掛声と共に、マーサの掌から炎のピンポン玉が放たれる。


ポテン・・・
コロコロコロ・・・


しかし、マーサの炎はスライムまで届かず、途中で落ちてしまう。

そして炎はそのまま転がり続け、先程、火傷したばかりのドランの尾に触れる。


(ギャアァァ・・・!!??)


「あら・・・、ゴメンあそばせ。」


マーサは口に手を当て、ドランに詫びる。


(仕方ねえ! カズヤ、薪の火だッ!!)


予想通り、マーサの【炎】に効果が無かった為、ドランは僕の持っている薪の火に望みを託す。


『・・・駄目。』


(あ? 何言ってやがんだ! 早くしろよッ!!)


『腰・・・抜けてる。』


(こんな時にフザケんな! このチキン野郎がッッ!!)


『元はといえば、お前の所為だろうが!!』


(〜〜・・・・・・ッ! とにかく、逃げるぞ!!)


そう言うと、ドランは蒼白いオーラを爆発的に発し、辺りに塵で煙幕を作る。

その煙幕に紛れ、ドランは僕とマーサを口に咥えて、その場を脱出する。










(ふぅ・・・。 酷ぇ目に遭ったぜ。)


ドランが火傷した尾と前足を薬草で治しながらぼやく。

ちなみに、ドランは【想】が使えるが、それは攻撃に特化している為、傷の回復は得意ではない。

なので今回は、薬草と使用して治癒しているのだ。


『お前が悪戯さえしなければ、スライムの一匹くらいは何とか出来たかもしれないのに。』


(いつまでもグチグチと五月蠅ぇな! 俺様が脱出したお陰で、無駄な戦闘をしなくて済んだじゃねえか! 体力の温存だよ、温存!!)


『・・・怪我したくせに。』


(何をーーッ!?)


『何だよッッ!?」


僕とドランが言い争いをしていると、マーサが割って入ってくる。


『ん? マーサ、どうした??』


するとマーサは、何とも言いにくそうにモジモジとしながら、呟くように話し始めた。


「はい。 あのーー・・・、ここは一体、どこなのでしょうか?」


『・・・・・・はい?』


「ええ。 私達、無我夢中で逃げてきましたでしょう? 今、森のどこら辺に位置した場所のいるのかなあ・・・と、思いまして。」


『ああ、それなら迷わないように蔓のロープ・・・で・・・・・・』


・・・・・・。

無い。

目印の為に蔓で作ったロープが・・・無い。


『あ・・・! 夢中で逃げて来て、ロープを落として来ちゃったんだ!!』


「え〜〜ッッ!!」


(何やってんだよ、このスカタン!!)


『だから、お前が余計な悪戯なんか、しなけりゃよかったんだよ!!』


僕とドランの言い争いは、暫くの間、続いた。










『テイルズ・オブ・ワールド』〜第3章・伍〜 完

コメント(2)

〜作者の独り言〜

21本目。

今回は、ドランの悪戯がメインになってしまいまして、あまり話が進行していないですね。

まあ、こんな緩い感じもいいかな・・・と。

ちなみに、この第3章。

今、第3章・七の下書きをしていますが、まだ終わる気配が無いです。

もしかしたら、十くらいまではいくかもしれません。

・・・長。




話は変わりまして、先日、私が別コミュで書いている『オカルト探偵・KAMAJI』。

これ、実は登場人物の名前は、そのコミュのメンバーから募集してキャラクターにつけているんですが(ウチのメンバーだと、知っている方が殆どですが)、その本人達が自分のストーリー・・・

スピンオフってやつですね。

これをやってくれました。

これがまた面白い。

主人公の鎌司(かなり設定は変えていますが)以外は、私のオリジナルキャラクター。

そのコ達に、自分とは違う魂が吹き込まれる。

面白いと共に、嬉しかったです。
次回、

第3章・六は、

6/16(月)

更新予定。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

子供も大人も読みたい絵本&物語 更新情報

子供も大人も読みたい絵本&物語のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。