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新聞部部コミュのみんなで書こう!新聞部SS!(短編投稿版)

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ここは新聞部好きの新聞部好きによる新聞部好きの為のSSを書いて投稿するトピックです。SS経験の長い方はもちろん、SSを書いたことの無い方やこれからSSを書いてみようと思っている方も大歓迎です!みんなで楽しく煩悩を形にしていきましょう。気軽に投稿して下さいませ。


◇投稿板の使い方
SSを投稿するにあたっては基本的な使い方と注意です。
投稿する前にご一読ください。

・SSは新聞部のキャラが登場するものを投稿してください
・本文の一行目には必ずSSのタイトルを入れてください(「無題」は不可)。
・作品は短編として適度な長さで、基本的に一話完結でお願いします。
・(↑補足:前後編までの分割は認めます)
・過激な性表現や読者が明らかに不快になる表現などは慎んでください。

・投稿されたSSに対する感想や、トピックへのご意見はこちらの感想板でどうぞ↓

「みんなで書こう!新聞部リレーSS!(ご意見・感想板)」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=559957

コメント(7)

募集告知

「リリアンかわら版掲載小説募集?」
部長から奇天烈な企画が提案されたのは、3月も半ば過ぎ。
卒業式特集号は概ね好評、次号の発行で今年度も締まる。
「イベント頼りの記事構成はいずれ破綻するわ」
正論ではある。毎回紙面を埋める苦労は並大抵ではない。
トラブルメーカーの自己弁護っぽく、説得力に欠けるが・・・。
「それで、小説ですか・・・」
イエローローズで懲りたんじゃなかったのかしら。
「だから、私が書くわけじゃないわよ!」
実のところ、リリアンには文学的才能が育つ風土があると。
かの『いばらの森』の作者に、在校生が擬せられるほどに。
「埋もれた才能を、わがリリアンかわら版が発掘するのよ」
もっともらしく聞こえてきたら、もう術中にはまっている。
大義名分を考え付く才能は、お姉さま天賦のものである。
「春休み中に執筆出来るよう、年度末号で募集するの」
アイデアとしては悪くない気はする。だが・・・。
「なんか文芸部みたいですね」
しかし、今日のポニーテールは不屈だった。

「甘い!甘いわ、真美!」
部員たちは、背後にゴゴゴゴゴという岩石文字を幻視した。
「文学をリードしてきたのは文芸誌じゃないわ。新聞よ!」
思わず「なんだってー?」と叫びそうになるのをこらえる。
お姉さまは、「ちっ」と舌打ちをした。
「漱石も鴎外も、近代文学の傑作は新聞から生まれたわ」
そうだっけ?漱石は新聞社勤めだったけど、鴎外は・・・。
「YGを大新聞に押し上げたのは、『金色夜叉』の連載よ」
あ、それは聞いたことがある。って、論点がズレてない?
「文芸部なんてメじゃないわ。発行部数が違うもの!」
唯一の学内新聞編集長が特ダネにこだわる理由。
どうやら文芸部をライバル視していたらしい。
「どこが?学園祭でショボい部誌を出す程度じゃない」
“作家”にとっても、大舞台の方が幸せなはずだという。
まさかお姉さま、文芸部誌に掲載を断られたことでも?
「・・・テーマは自由!ただし、舞台はリリアン」
中等部を卒業して暇な子も応募してくるかもしれないと。
新人勧誘の意味もあるのかな?真美は思った。

(おしまい)

ま、最初ってことで、こんなもんでご勘弁を♪
咲かせよ桜と、妹は言った

「まったく…あと三ヶ月もすればセンター試験だというのに、こんなところで油を売っていてもいいんですか?お姉さま」
「たまには気分転換も必要なのよ。鯛焼きだって、塩水ばかりじゃふやけてしまうでしょ」
「…何を訳のわからないことをおっしゃってるんですか…。それに、ここ最近毎日、お姉さまのお顔を拝見してるような気がしますが?」
「う、うるさいわね…かわいい妹が心配で見に来てあげてるんじゃないの」
「御心配、痛み入ります」
「…まったく…本当にかわいくないんだから…」
「で、お姉さまはどちらの大学を志望されてるのですか?」
「H大の経済学部よ」
「えっ…すごいレベル高い学部ですけど、大丈夫なんですか?」
「あなた…本当に容赦がないわね……」
「それは、相手がお姉さまだからです」
「……一応、ありがとうと言っておくわ。まぁ、確かに今の学力だと正直ちょっとつらいけど、新聞記者になるっていう夢には、一番近そうだしね」
「そうですね…。じゃあ、ちゃんと現役で合格してくださいね。お姉さまと同期生になるなんて、私、嫌ですから」
「え?それじゃあ、真美も…」
「私も、将来の夢は新聞記者ですから。必ず、先に行って待っていてください」
「そんなこと言って…真美の方こそ大丈夫なの?」
「私にはまだ一年以上ありますから。それに、そんな先の話をしていたら、鬼も大爆笑です」
「そんなこと言ってても、あっという間に受験本番よ」
「その前に、お姉さまが受験本番ですよ」
「うっ……と、とにかく、私が先に言って待ってるから、必ず追いかけてくるのよ。約束ね」
「はい。…築山先輩」



あ、あ、あ、石投げないで下さい…(涙
うばさまの綺麗にまとまったSSの後にこれもどうかと思ったんですが、さらに作品が並んだ後だとますます投稿しづらくなるので2番手と言うことで…
これが不完全だとは言いませんけど、行間や前後を補ったバージョンも、ちょっと考えています。
ただ、長編になりそうなんで、とりあえずこんな感じでやってみました…
No name,No body

 忙しげに望まぬビートを刻む胸に活を入れる。
 年齢のわりに豊かなバストがたわむと、彼女は少し咳き込む。
 握りしめるのは、一通の封筒。
 どれだけの時間を、手の平の中で過ごしたものか。
 皺を帯びて形も崩れ、食い込んだ爪先が薄っぺらな封を破りかけている。
 手の平を振り上げようとして、躊躇。
 形作った拳が行き場を無くし、中空をスイング。

 部室棟の明かりが明滅。
 通過していく生徒達が、佇む彼女を見て微笑を浮かべる。
 かつて自分たちも通った道。
 一年生の可愛らしい緊張。

 深呼吸を幾度か繰り返して彼女は。
 再び手の平を振り上げる。
 拳を動かす原動力は、中等部で抱いた不満。
 おざなりな学級新聞など、新聞にあらず。
 苛立ちを抱いた彼女が掴んだ一枚は、運命の出逢いか。
 リリアンかわら版。
 それこそ新聞。
 抱く憧憬は、やがて堪えられぬ衝動に。
 寝ずに考えた口上。
 震える筆致で書いた入部届け。
 今こそ彼女は、強い決意を胸に、拳を振り下ろす。
 振り下ろ……す?

 バンと音を立てて扉が開き、ポニーテールと七三が飛び出した。
 ポニーテールが彼女を跳ね飛ばして、急停止。
「あらご免なさい? 急いでいるのよこら真美何をしているのABCぐずぐずしないのネタは逃げちゃうって言っているでしょ迅速が勝負なんだからああもう行くわよ行くからねさっさと付いてきなさいよ!!」
 凄まじい勢いでポニーテールが疾走を開始した。
 忽ちのうちに部室棟を飛び出してしまう。その後を追う、三人の生徒。
 手が差し出された。
「ご免なさいね、あんな姉で……入部希望者?」
 彼女は頷くことしかできない。
 あれだけ考えた口上が、今はどこかに消えていた。
「オッケー。 受け取ったわ。 とりあえず、ついていらっしゃいな。 実地が一番でしょう?」
 七三は彼女を助け起こすと、すっかり姿の見えなくなったポニーテールを思ってか、盛大に溜め息を吐いた。

 歩き出した七三の背中を見て、彼女はしばし躊躇。
 大きく息を吸う。
 汗ばんだ手の平の中には何もない。
 その手で、年齢のわりに豊かなバストを打つ。
 忙しげにビートを刻む胸に活を入れると、少し咳き込む。
 不快ではない。
「はい、先輩!」
 彼女は走り出した。

おわる。

長くなっちゃいました。
いきなりサブキャラでした。
コミュ管理人がこの有様ですこの野郎(笑)
しかし、久々の小説、楽しかったです。
オブザーバー

「ありがとう」
きれいなハンカチとともに差し出された言葉が思い出される。
「新聞部に入ったのよ」
ポニーテールを揺らして、三奈子さんは屈託なく笑った。
「けっこう悩んだりしたの?」
高等部入学から、1月あまりが経とうとしていた。
「そうでもないんだけど、洒落にならないじゃない」
続いて発せられた言葉に、思わず吹き出した。
「足で稼ぐ商売が、足に怪我して足手まといだなんて!」
松葉杖を卒業して、仮入部から正式入部ということらしい。
「その間、ずっとお世話になりっぱなしだったわね」
「どういたしまして。こちらこそ、いろいろおしえていただいて」
三奈子さんは話題が豊富で、朝夕の通学時間は楽しかった。
リリアンのしきたりも、ひと通りレクチャーしてもらえたし。
「だったら、怪我の功名ってところかしらね」
今にして思う。もしも三奈子さんの怪我がなかったら・・・。
あの方の妹になれていたのだろうか。
追憶を断ち切るように、真純はハンカチをポケットにしまった。

「本っ当に可愛くないんだから!」
きびきびとした足取りの後姿に聞こえよがしに毒づいている。
「しっかり者の妹さんね」
とたんに相好を崩す、けっこう姉馬鹿の三奈子さん。
「もう生意気で、生意気で、手に負えないのよ」
なんてまあ、誇らしげなこと。
「平気で憎まれ口を言い合える姉妹って素敵じゃない」
自分の言葉にこめられた思いに、自分ではっとする。
「妹はつくらないの?」
「いまはそんな気持になれなくて」
また・・・自分で自分の言葉を深読みしてしまう。
「私には、重すぎる責任という気がするの」
さりげないつもりの言葉が、全て自分に突き刺さってくる。
「妹の人生を丸ごと抱え込む覚悟なんて、私もないけどな」
三奈子さんは、訳知り顔に意見をしたりなんかしない。
「憎たらしい妹でも、それなりに悪くはないものよ」
「のろけにしか聞こえないんですけど」
我知らずまさぐっていたロザリオから、浅香は手をはなした。

(おしまい)

なんか・・・全然「新聞部SS」じゃないですね。
またいつか、あらためてチャレンジします。
黄昏新聞部

放課後の部活棟。
久しぶりに古巣である新聞部に足を向けた三奈子さまは、部室の前まで来るとノックもせずにドアを開け、慣れた様子で散らかった室内に入る。
部室を見回してつい先日まで自分が座っていた机に見慣れた後姿――彼女のプティ・スールである山口真美――を見つけるとその背中に声を掛けた。
「久しぶりね真美。次回のかわら版の原稿はちゃんと進んでいるかしら?」
回答は
「…………」
無言。
これはよっぽどの修羅場にきたのかもしれない。三奈子さまは少しばかり声音を改めるともう一度声を掛けた。
「あんまり気を詰めるのも良くないわよ? 邪魔をするつもりはないけれどお姉さまに返事も出来ないっていうのはちょっと……」
やはり無言。
三奈子さまは過去に限りなく思い当たる妹にかけた迷惑を思い出しながら、どれを謝ればいいのかを思案する。
「えっと、あの、そのね真美。確かに私は迷惑掛けっぱなしだったし、貴方には妹も出来た訳だしあの、その、なんだけども……」
しどろもどろにそこまで言ってふと気付く。
そういえば先程から真美の手はまったく動いていない。
動いているのは一定のリズムで上下する肩のみ。
そして耳を澄ませば微かに聞こえてくるのは
「寝息……。真美ってばこんな所で寝て……」
きっと前日も徹夜で作業をしていたのだろう。そして真美の性格を考えれば授業で居眠りをするということは考えられない。
放課後になって限界が来てしまったと言う事だろう。
「私も良くやったからなぁ……」
そういって真美の後ろに椅子を持ってきて腰掛けると真美の寝顔見つめる。こうして大人しくしていれば薔薇の館の面々にも劣っていないと思うのは妹馬鹿なんだろうか?
そのまま暫く見つめていた私は、不意に手を動かす。こういうのを魔が差した……と言うのだろう。
夕日に照らされたその姿がなんだか無償に愛しくなって、彼女の髪を愛撫した。
軽く撫で、手櫛で梳き、指で絡め獲る。
その行為が何を意味しているのかなんて考えもせずに、ただ、なぜ今までやらなかったのかを不思議に思い、今までの真美との生活を思い出しながら飽きもせずに愛撫しつづけた。
夕日が沈み橙だった部屋が黒に変わった瞬間。
「なにを……してるんですか?」
突然真美が喋りかけてきた。
いや、先程から起きているのは気配でわかっていた。だから三奈子さまは慌てる事もなく、ただ名残惜しそうにだけ真美の髪から手を離すと。「何をしているのか」と言う質問に対しての答えではなく、先程自分が辿り着いた「結論」だけを真美に伝えた。
「ねぇ、真美。……貴女を妹にしたのは間違いじゃなかったみたいだわ」
それは闇に溶けるようにして部屋の中に広がっていき、消えた。
その言葉の意味を真美がどう思うのか。それを確かめるのは今すぐには無理だろう。
一年前の自分を思い出し、そう思う。
真美に動きはない。というか今ごろ思考の渦で脳がショート寸前であろう。私は真美が壊れる前に先手を打つ。
「さ・て・と。今日は新聞部部長の間で代々語り継がれている秘蔵のラーメン屋さんを真美に伝授するわ。これで名実共に貴女が部長よ。さ、行きましょう!」
そういうとちょっと強引に真美の手をつかむと部室を後にした。
今日は真美と思う存分に話そう。そしてお姉さまに電話をしよう。そんな事を考えながらマリア様の前を過ぎていった。

終幕

そねみん将軍様に唆されて投稿してみます。 調子に乗って挿絵まであります。このよ・く・ば・り・さ・ん・め(死
て、いうかこのトピックをすっかり忘れていた私はダメな子ですか。ダメな子でした。
特選すいーつ 〜 ジャムパン

「特ダネがなかったら、つくればいいのよ」
思わず耳を疑うような発言である。
「お姉さまの口から、そんなお言葉を聞くとは思いませんでした」
前任者ならばともかく・・・などと言っては失礼だけれど。
編集長は、軽く肩をすくめてみせる。
「なにもヤラセや捏造をすすめているわけじゃないのよ」
なんともキワドイことを仰ること。
「例えば・・・そう、かわら版が取り持つ縁とかね」
待ちの姿勢ではなく、積極的に関われということらしい。
「迷ってる背中を押してあげるとかですか」
「そうそう」
一般論から、具体的な話になってきたようだった。
「ただ、下手に突っつくと逆効果ということもありません?」
「その辺のさじ加減が難しいところよね」
ブン屋魂より友情から、力になりたい思いもおありなのだろう。
「でも、ほら。“借り”を返したいとか思わない?」
お姉さまの視線が、胸元の鎖に向けられている。
高知日出実は、みるみる頬を染めてうつむいた。

「黄薔薇の件は、まだ記事にしちゃいけませんか」
中等部でのハプニングは、日出実が拾ってきたネタである。
「うーん・・・有馬菜々嬢に関しては、扱いが難しいのよね」
「ひっくり返る可能性があると?」
それはない。その手の勘は自信がある。黄薔薇はまず堅い。
「4月になって儀式が済むまでは、いち中等部生だから・・・」
もうひとつ決め手があれば、表に出してもいいのだけれど。
「近々、デートをされるようですが」
「そこで黄薔薇さまに紹介したのが確認できれば、GOサイン」
たぶん『リリアン中等部3年のA子さん』とか、そんな感じで。
由乃さんなりに、令さまのご意向は最大限汲むだろうから。
「お姉さまは、もし三奈子さまが反対なさっていたら、私を―」
「それでも妹にしたか?もちろん。私たちふたりの問題だもの」
不意に真顔になった妹の言葉を引き取り、きっぱりと言い切る。
実際は、反対どころか「遅い!」と叱られたくらいだけれど。
「うれしい・・・私、がんばりますから」
妹の指先が、胸元の鎖を愛おしげにまさぐっている。
山口真美は、たちまち真っ赤になって視線をそらした。

「で、ふたりして部室の気温を急上昇させてたわけね」
しかつめらしく論評を試みるが、どうしてもにやけてしまう。
「何がそんなに面白いんですか!」
激昂する姉とは対照的に、穴があったら入りたい風情の妹。
「未熟なお姉さまで、苦労をかけるわね。日出実ちゃん」
「いいえ、そんなこと」
「お姉さま、予備校の直前講習に遅れますよ」
あ、それ結構クリティカルヒット。いやな子ね!
「ご心配なく。孫に嫉妬して、お邪魔なんかしないわよ」
「心配なのは、お姉さまの現役合格です」
「本っ当、可愛くないわね。おやつあげないわよ」
紙袋を投げつけてやる。
「ジャムパン?」
コロリと表情を変えおって。真美の甘々食いしん坊め。
「ごちそうさまです」
いい子ね、日出実ちゃん・・・姉に似ずに。
「仲良しで結構だけど、よそのスールからも目を離さずにね」
よし、決まった!築山三奈子はドアの外で見栄を切った。

(おしまい)

久々のブン屋ネタにつき此方に投下させていただきました。
新刊以降、活躍の場は如何に?という期待を込めまして。
・・・ていうか、鈍ったカシラ?リハビリ中ということで。(ぉぃ
ファースト・コンタクト

 三奈子が真美を妹にしたいと思ったのは、真美が新聞部に入部してからそう日がたっていない、時期としてはそろそろ春がさよならを告げようかといった、そんな時期だった。
「真美さん、ちょっといいかしら?」
「はい?なんでしょう」
「私、あなたのことが気に入ったの。私の妹になりなさい」
「…はい?」
もとより回りくどいことは性に合わない三奈子である。真美への「告白」も、直球ど真ん中の剛速球だった。しかし、そのど真ん中の剛速球も、受け止める人がいなければ暴投になってしまう。
「…お断りします」
「ど、どうしてっ!」
自分の中で、「断られる」なんてことを想定していなかった三奈子は、真美の思わぬ言葉にちょっとしたパニック状態に陥っていた。思わず真美の肩に手が伸びる。
「ちょ、み、三奈子さま、落ち着いてください、指、肩にく、食い込んで…」
「あ、ああ、ご、ごめんなさい、気が動転しちゃって…」
無意識のうちに、手に力が入っていたらしい。危うく真美の肩を握りつぶしてしまうところだった。
「ど、どうして断るの?私じゃ不足だというの?」
「どうしてもこうしても、私、三奈子さまの事をよく存じておりません。どういう方かもよくわからないうちから、妹になんてなれません」
「う…」
どこまでも冷静な真美の口調に、言葉に詰まってしまう三奈子。
「それに、三奈子さまも私のこと、どこまでご存知なのかよくわかりません。まだお互い知り合ってから一ヶ月くらいしかたってませんし」
「そんなことないわ!一ヶ月しかたってなくっても、私はあなたのいろんな事を知っている」
「では、三奈子さまは私のどういったところをご覧になって、妹にしたいと思われたんですか?」
「それは…色々あるわよ…。例えば、あなたのその冷静さとか」
三奈子とて、自分が巻き起こしてきた「騒動」の少なからぬ部分に自分の性格が関係していることくらいは気づいている。でも、気づいているからといってどうすることもできないことがあるのもまた事実で、それだけに真美の、自分とは正反対とも言える性格に、憧れに近いものを抱いていたのだ。
「冷静さ、ですか…」
三奈子の評に、軽く考えるそぶりを見せる真美。
「他には、どういったところが?」
「他には…他には…それは、色々よ。その、色々なところをひっくるめて、私はあなたを妹にしたいと思ったの。それじゃ駄目?」
「三奈子さまは、それでよろしいのですか?」
軽く首をかしげながらそう聞いてくる真美に、三奈子は即答した。
「駄目だったら、そもそも妹になれ、なんて言わないわ」
「それもそうですね」
「で、どうなのかしら。私の妹になってくれるのかしら?」
「いえ、なれません」
期待に目を輝かせ、ずいっと体を乗り出してくる三奈子に対して、真美の容赦ない一言が突き刺さる。三奈子はそのまま、床へと倒れそうになった。
「ど、どうして…」
「理由は、先ほど申し上げた通りです。まだよく知らない人の妹にはなれません」
「わかったわ…。残念だけど…」
諦めるといいかけた三奈子に、真美の冷静な声がかぶる。
「ただ、あくまで『今は』まだなるつもりはない、ということです」
「…え?」
「ですから、私はまだ三奈子さまがどういう方なのか、よく知りません。そんな状態で、三奈子さまの妹になるというのは、三奈子さまに対しても失礼なことだと思います」
「別にそんなことはないけど…」
「…でも、私はそう思うんです。ですから、もっと三奈子さまの事を知ってから、返事をさせていただく、ということではいけませんか?」
三奈子の目をまっすぐに見て、そんなことを言う真美。そこまで言われては、三奈子としてもそれに答えないわけにはいかない。
「望むところよ、真美。今日から私の魅力をみっちりとあなたに教えてあげるわ」
「ええ、楽しみにしています」
不敵な笑みを浮かべる三奈子と、その笑みを冷静に、でもどこか親しみを込めたまなざしで見つめる真美。その光景は、どうして中々いいコンビなんじゃないのかと思わせるのに十分な雰囲気が漂っていた。

(了)

うーん…なんというか…
いや、何も言いますまい(ぉ

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