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ネットデイで学校革命!コミュの琴丘高校ネットデイ工事研修会報告

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 ネットデイとは、どの教室からでもインターネットが利用できるようにすべての教室に校内ネットワークを整備するボランティア活動です。政府のIT戦略では、本年3月末までに「すべての学校のすべての教室から超高速にインターネットが使える」ようにすることが定められていましたが、半数近くの学校はまだ未整備のままです。IT先進国である米国や韓国では、とっくの昔に完了しているのに..です。

 そこで注目されたのが、行政だけに任せずに教員や父兄を中心としたボランティアで自分の学校の工事をしてしまうネットデイでした。工事に係る人件費がボランティアのおかげで無料になるため一校あたり300万円近くかかる工事費が1/10程度に押さえることができます。効果はそれだけではなく、これまで学校と関わりのなかった父親や地域住民が先生たちと仲良くなって、学校を支える仕組みができるという、まさに「一粒で二度美味しい」市民活動。政府は昨年度のIT重点計画に「ネットデイの支援」を掲げ、活動の推進を試みました。結果は...(^^;;

 1995年3月に米国シリコンバレーで立ち上がったNetDayは、日本でも1996年頃から各地で始まりましたが、なかなか継続・拡大することはありませんでした。しかしその中で、阪神淡路大震災を経験した兵庫県におけるはりまスマートスクールプロジェクト(HSSP)のネットデイの手法は、その後全国各地に伝搬して「日本型ネットデイ」と呼ばれるようになりました。詳細は、文部科学省テキスト「校内ネットワーク活用ガイドブック2005」(抜粋/PDF)。

 兵庫県では、約1400校の(小中高養聾盲)学校がありますが、ほぼ4割で校内ネットワークの整備ができていません。神戸市がほぼ100%完成しているに対して、姫路市、・尼崎市・西宮市などの都市ではほぼ0%になっているなど、実際に整備責任を持つ自治体で姿勢の違いが明確になっています。この現状に兵庫県教育委員会では、数年前から推進委員会の設置、パンフレットやDVDの製作、研修会の実施など、ネットデイの展開を側面支援する施策を行ってきましたが、本年度からは具体的な数値目標を掲げてより積極的に支援を行う「ネットデイでつなぐ地域と学校連携事業(ネットデイ推進事業)」をスタートしました。

 もともと市町村という単位自治体の施設である学校に、県が関与できる領域は広くはありません。ネットデイ推進事業では、ネットデイ伝道師の派遣による啓発・コーディネート活動、ケーブルやモールなどの消耗部材の提供、ハブ・ルータ・情報コンセント等の機器・部材の企業ドネーションの連携を県教委や教育情報化推進団体「ひょうごe-スクールコンソーシアム」が行うことにより、毎年100校ずつでネットデイを実施して行政による整備もあわせて3年後に整備100%を目指すことになっています。

 前置きが長くなりましたが、全県的な事業の推進を図るため、6月24日(土)に工事研修会を姫路市立琴丘高等学校で実施しました。その模様を報告も兼ねてレポートしたいと思います。

コメント(3)

 甲子園出場経験もなく特に偉人も出ていないので「琴丘高校」といってもピンと来なくて当たり前。サッカーがお好きな向きにはガンバ大阪のFW・播戸竜二選手の出身校というと、少し身近に感じてもらえるかもしれませんね。こたつも奥さんのメイプルさんもこの学校の30年前の卒業生。当時の校舎は一部耐震工事が行われていた以外は、懐かしい当時のままにこたつを迎えてくれました。

 懐かしさを感じた理由は、ただそのままだったからではありません。当日は新築数年目だった校舎もすでに40歳近く。普通ならあちこちにガタが来ていて当たり前ですが、高校生当時より「綺麗」と感じるくらい掃除が行き届いていたからです。ネットデイの関係で、全国各地の学校を訪問していますが、これほどの学校は過去ありませんでした。先輩として、ずっと校舎を大切に守ってくれている後輩達に、感謝の言葉をつぶやかずにはいられませんでした。

 この研修会の目的は、県下のネットデイの実施を希望する学校の先生や教委の指導主事の技術研修の場を提供すること。企画に止まりなかなか計画に踏み切れない人たちに、準備や工事に自信を持ってもらうことを狙っています。未整備の高校を研修会場に借りることで普通教室への配線工事もできて、みんな大喜び〜という仕掛けです。研修会の4週間前には、スタッフで事前調査と工事を行い、当日は廊下を経由して教室内に引き込む配線工事がメインとなりました。

 午前9時前には、ドリルや脚立や特殊な工具を積み込んだワゴン車がパラパラと正門をくぐります。工事業者ではなく、そのほとんどが教師や教委の関係者。その出で立ちは、教壇に立つより天井裏や配管ダクトで活躍する職人さんのよう。休日ボランティアで集まるネットデイの経験たちは、ネットデイに参加する度に「腰回りの道具が増える」というホームセンターの上得意さんたちです。それぞれ車が到着するとみんなで道具を下ろしながら、再会を喜び近況を報告し合う。工法の打ち合わせをする笑顔には、キラッと真剣な瞳が輝きます。

 開始30分前には、すでにたくさんの参加者が集合していました。学校や教委の先生、技術ボランティア、実施校でネットデイを経験した関係者に混じって、保護者や生徒..そしてかわいい応援団。技術研修のはずが総勢70名近いイベントになったのは、実施を受け入れた高校の先生方やPTAの方々の温かい支援があったからでした。
 午前10時を少しまわって、いよいよ研修会がスタートしました。一同ちょっと緊張しているかな〜。これからネットデイなんていう得体の知れないイベントに引き込まれるんだから、当然でしょうか(笑)。ネットデイをリレーのようにして学校をつなぎながら実施している加古川からの応援団は、すでに現場に入って当日工事の下準備を行ってくれていました。だれかが「やれ!」と命令しているのではなく、だれもが校内LAN工事の完成という目標に向かって自発的に動きます。加古川からのボランティアの人たちも「みんなが工事しやすいように自分たちでできることを頑張ろう!」と心を一つにして作業してくれます。普通の催しではまず考えられない「自発と自律と連携」が、ネットデイでは当たり前のように実現されています。

 受け入れ校の校長先生、PTA会長さんのご挨拶のあと、県教委からの説明とスタッフの紹介があって、「ネットデイの概要」をこたつからプレゼンさせてもらいました。
・ネットデイの発想の原点は阪神淡路大震災
・米国でどのようにNetDayが拡大していったのか
・日本でなぜネットデイが拡がらなかったのか
・日本型ネットデイの概要
・参画と協働の地域社会づくり
てなことを30分くらいお話しをしました。
後ほど数名の方から感想を聞きましたが、内容よりも「どうしてあんなに楽しく話せるのか?」ということが印象に残っているらしく、プレゼンとしては失敗やったかも知れません(笑)。
ネットデイでは、なぜか参加者がみんな素晴らしい笑顔で一日汗を流します。「社会貢献」と「自己実現」を同時にやれているということもありますが、現場が世代を越えた協働の場となっていることが、その意欲を一層かき立て、充実感や達成感、満足感を共有できるからではないかと考えられています。

 この研修会でも、その雰囲気を作ってくれたキーパーソンたちが来てくれていました。宮永さんちのさやかさん(10)とひかるくん(7)の仲の良い姉弟です。さやかさんとひかるくんは、こう見えてもすでに10校ちかくネットデイを経験した猛者。イベント班に協力したり、託児班に加わったり、ビデオやデジカメを片手に取材班を、しっかり立派にこなしてくれます。
「こたつさん、今日は何を手伝いましょうか?」と言うふたりの顔には、おおきな自信がいつもみなぎっています。小さな子どもたちが率先して協働作業の中に入るわけですから、大人がサボっているわけにはいきません。勢い全体の雰囲気は、どんどんと盛り上がっていくことになります。
 参加者の雰囲気が一気に変わってくるのが「成端講習会」。工事では300mの巻物として箱に入っているケーブルを適当な長さに切断して配線します。普段パソコンショップなどで見るケーブルはすでに両端にRJ-45というコネクタがついていてきちんとした長さで販売してありますが、工事の際にコネクタが付いているのはじゃまになったり、コネクタ自体を壊してしまったり、先端に情報コンセントなど別の部材を取り付けることが多いので、市販のケーブルは使いません。またCAT5e(カテゴイー)と呼ばれるケーブルは長さ100mまでなら自由な長さで使用できて、300m巻きが1万円くらい(m単価30円強)の両端にコネクタ(1個50円弱)をつけるだけなので断然安い。

 とある文部科学省の会議では、お偉い先生方が市販ケーブルを工事に使うと信じ込んでいて、このメリットを説くのに結構手間がかかりました。単に安いだけなら全体費用からみると大きく変わらないのですが、ケーブルを加工して1000Mbpsまでの通信に耐えられるホンモノを自分たちで作ってしまうというところにも、ネットデイ作業の感動があるのです。被服を簡単に剥けるケーブルストリッパー、コネクターを固定する圧着ペンチなど一部特殊な工具が必要ですが、ケーブルを切断するニッパーを含めて簡単で安価に入手できるようになっていて、誰でもできる工事環境はすでにできあがっています。

 県教委の村田指導主事は、この段階で班分けをしました。今回の研修会では、1F(4),2F(4),3F(8),4F(8)と24ある普通教室にインターネットを引き込むわけですが、教室配置から4教室を7〜8名で担当するようにして、それぞれに経験者が数名ついた6グループが工事に関わるように準備していました。他のイベントでは通常、チームワークを考えて「先生のチーム」「保護者のチーム」など、その属性でグループを作ることが多いが、ネットデイではあえて混成チームを編成する。最初はぎこちないスタートになるが、作業の経過を追って急速に仲間意識が深まり、それぞれの立場の違いがさまざまな効果を生み出すのです。村田さんはこれを、成端講習会から始めて、チームワークの醸成を促したということでした。

 それぞれ2名に1本、与えられたケーブルにコネクターを圧着します。県立教育研修所の指導主事が段階を追って実演説明したあとみんなで作成にかかりるのですが、器用な人もあれば細かな手元の危ない人も..。ベテランボランティアの指導を受けながら和気藹々と進める姿は、まるで小学校の工作の時間のよう。たぶん参加者は、どっぷりとその雰囲気に浸かって子どもの頃を無意識に回想しているのではないかと思います。

 できあがった(と思われる)ケーブルは、1セット百万円する高性能測定器で性能検査を行います。ネットデイではこの測定器を数セット使って、子ども達が検査班を作り大人達が配線したケーブルを1本1本もれなく調べ上げます。成績は数値ではっきりと出てきて、不良の理由もしっかり把握できるので、工事の品質を保証するのに欠かせない作業ですし、普段は「教えられ押さえられている」子ども達が、このときばかりは天下を取ったように(笑)先生達の評価をしている様子は、ほほえましいを通り越して爆笑シーンが続出します。いつもと同じ学校なのに、ネットデイの日はいろんな出会いや学び、そして感動が参加者と包んでくれます。

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