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チームちゃちょちんきょコミュの最終話

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第7話↓
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=27738428&comment_count=5&comm_id=2957952


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「俺の下で働かないか?」






…俺はこの言葉を反芻した。

ナメヌマの言ってることはむちゃくちゃだが俺には何だか響いた。

何もせずに遊び呆けていた毎日に比べれば不可思議なバイトを通じて、
何か生きる目的みたいなものが得られてた気がする。

何だかナメヌマが神に見えてきた。
そしてその神に選ばれた自分が激しく誇らしく感じる。
このままナメヌマ…ナメヌマ様について行けば…間違いない…間違いないんだ…!!!


もう俺のナメヌマ様への思考回路は止められそうになく、
目標目的一筋に定まってしまった。

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その日から俺は馬車馬のように働いた。
多くのサボテンを切り刻み、奇病改め人間爆弾のスイッチ研究を必死にこなした。
経験したことのある仕事なのでメキメキこなした。
ここまで来るとドジョウの「トマト」発言も可愛く思える。
すべてはこの国、この世を良い方向に変えるため。

生きる活力がどんどん湧いてきた。

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それから一ヶ月ほど経ったある日、俺は新しいバイトをすることになった。


インディアンに京都を案内するのだ。


インディアンといっても昔懐かしい、嘘つかないインディアンではなく現地ではかなりの大富豪で権力者だそうだ。

WMW社のアメリカ支部の部長だとか。
この仕事とかの資金も援助してくれているらしい。

そのすごく重要なお得意様に京都案内くらい容易い事だ。これでナメヌマ様に貢献できるなんて…。


京都の名所から穴場まで隅々まで2日ほどかけて案内した。
良かった、どうやらすごく喜んでくれているようだった。


ちょっと一休憩しましょうかと茶屋を探して街を歩いていると黒い車が脇に止まった。


振り返ると同時に口を押さえられた。



「なッ…チョッッ…ま…て…」

口を塞がれた上に薬を嗅がされたようで言葉は発せなく、意識は遠くなっていった。

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気がつくと俺は鉄の椅子に後ろ手に手錠をかけられ、足も固定されていた。
身動き一つ取れない状態だった。
まだ薬が残っているようでぼんやりとした視界で周りを見回した。
暗いコンクリートの壁に覆われた部屋だった。窓はない。


よく見ると人がいる。徐々に晴れていく視界が捕らえたのは人影だった。



…さっきまで一緒に行動していたインディアンと…ナメヌマ…様!!??


その奥にはどっしりとした殺風景な部屋に似つかわしくないヨーロッパ調の椅子に身体を預けて座るのは…


ドジョウ…??



俺の意識が戻ったのに気付いた3人はこっちを見た。

口火を切ったのは、ドジョウだった。


「グモーーーニン♪ど〜お?WMWの薬はキくでっしょ?」


相変わらずな口調のトマトドジョウ野郎。


「お…お前には用はない、この凡人ドジョウヒゲ!!…な…ナメヌマ…様に話があるんだ…てめぇじゃない…ナメ…ヌマ様に…。」




まだ本調子じゃない俺を見てナメヌマはこらえてた笑いを爆発させ、大声で笑った。

釣られてドジョウもインディアンも笑った。



「な…何が…可笑し…」


「何がって…コレが笑わずにいられるかぃ?ダハハハハハハハハ!!!!ナメヌマ『様』ってッッ!!」


汚らしい笑いを吐き出すナメヌマ。


笑い過ぎて溢れた涙を拭ってナメヌマは言った。







「いや〜悪いね、俺、ナメヌマじゃないから…グハハハァ〜〜!!ヒィ〜」






は?





目の前の俺が知ってるナメヌマはナメヌマじゃないと言い張った。
続けてドジョウが言う。





「あ、ゴメ〜ン、ボクがホントのナ・メ・ヌ・マ♪」






はぁ???





「彼はぁ、ボクの言うなれば影武者だねッ。僕が動くより身近な人が動いた方がいいでしょ。」



薬と今の衝撃事実で頭がぐわんぐわんする。

ドジョウは続けて言う。
「ちなみにこのインディアンは変装得意のシクレちゃん☆何度も会ってるはずだよ、電車やら街やらイロンナとこでね。声かけたりしてるじゃない。ウププ♪」






理解が出来なかった。


ついこの間まで先輩として遊んでいたはずのナメヌマがナメヌマじゃなくてドジョウが本当のナメヌマで、インディアンは変装で本当はシクレとか言うヤツだし何度も会ってるだとか…




俺はどこからこの状態にはめられていたんだろう?

麻雀の時から?

いや、もっと以前からかも…?






「しかし君はよく働いてくれた。土台は固まったよ。サンクスッ!」


「俺、『ナメヌマ』になりきってただろ?お前の信用を得るためにわざわざ付けた発信機とか取ることとかしてさ…アヒャヒャ〜」







文句は山ほどあっただけどショックが大きくて唇が動かない。


何よりナメヌマをわずかの期間ながら崇拝していた自分がいたたまれなくなった。



「じゃぁ、今日で君には消えてもらうよ、ありがとうね、サンクスサンクス!」







耳を疑った。






俺が消える?消される??



「な…何で!!??俺はナメヌマの考えに賛同したんだ、この世は腐ってる!俺たちが中心になって支配しようって!!」




ドジョウ、もとい、本物のナメヌマが椅子から立ち上がり俺の顔の近くまで来て言った。



「君も、その腐った一部なんだよ♪あくまでも君は働きアリの一匹にすぎないの♪」




その後いきなりオチャラ気口調がドスのきいた声になり大声で言い放った。






「…第一、てめぇを同志にするなんて言った覚えはねえ!!ただの下っ端の癖に!」








頭の中が真っ白になった。


何が生きる気力だ。
何が世界の中心になるだ。

俺が甘かったのか…





奥からインディアン…シクレがコップ一杯の白いものを持ってきた。



「はい、コレ飲んでネ♪


………早ぉ飲めやッッ!!!!」



ドジョウに脅され、シクレに口の中に無理やり流し込まれ、否応なしに飲み込まされた。


「これね、ミックス乳。更にWMW社の秘薬入ってるの。強制的に人間爆弾になれるの。コレ、君の働きの賜物♪」




…もう何も考えられなかった。
頭の中にはぼんやりと数字がゆっくり浮かんでくるのだけ。






「薬が効くまでに話してあげるよ。WMW社ってのは表向きの大企業。本当は人体実験したり違法ギリギリの合法薬作ったりしてるイカれた集団なーのッ♪」


誇らしげに言うドジョウの声ももはや遠く過ぎて聞こえにくくなっていた。



「岡本っていうWMW社長謙研究所長がいるけど、アレも表向きだけ。本当はね…俺が…―――」





もう数字しか思い浮かばない、

い…1…2……さ…


カウントが始まる前に聞こえた言葉。

「あ、あとね、ボクがいつも言ってた『トマト』っていうのはネ…」


最後にかすかに見えたドジョウの後ろには『女双』のロゴと水槽が…
















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「ごめ〜ん待った?」

妙子は相変わらず10分遅れてくる。


ま、毎度のことだから気にはしないけど。







「アハハハハハハハハハハハハ〜!!!!」







俺の横に居た男の更に横にいた男が突然大声で笑い出した。


横に居た男はびっくりして逃げるように立ち去った。


気味の悪いその笑い出した男は未だにちょっと笑っていた。

その腕には腕章がついていた。


気持ち悪いながらも興味本意でちょっと目を凝らして見てみる。

「女…双…???妙子、アレなんて読める?」

「ん〜?女…じゃないなぁ?




…ん?ナ メ… ヌ  マ…かなぁ?」



ナ メ ヌ マ ??

奇妙な名前だなぁ。




「凪ぃ〜、そんなことより!!あそこ行きたい〜!ポコ!!」


妙子は駅前のPOKOというペットショップが好きだ。

会う度に連れて行かされる。




POKOの前に付くと名物の白いサルがいる。

「いらっしゃい〜妙子さん、凪さん!」

坂山という爽やかな店員が声をかけた。


俺たちは来すぎて馴染み客になっている。




店内に入ると妙子が大きな声で俺を呼んだ。


「凪!!見て見て!すごい綺麗な金魚がいるよ〜!」

見ると質素な水槽に金魚が一匹泳いでいた。


「あ、気付きました?この魚珍しいんですよ〜!」
青年は言う。

「この魚は金魚じゃなくて『紅魚』って言うんですよ。金っていうよりも紅いでしょ?熟したトマトみたいに…」


「確かにトマトみたい〜。ちょっと丸くて。ちっちゃくて可愛い!!」
妙子は無邪気にその『紅魚』を見ている。

値段は………『交渉次第』??

「あ、値段は決まってないんですよ、色々な理由があってね…」

青年は思わせぶりに言う。

「この紅魚を手にした者には幸福が来るとか不幸が来るとか色んな謂れがあるんですよ。ほら、この前、京都の廃墟ビルで爆発事件があったでしょ?あの一室にもいたんですって!…ミステリーでしょう?」


青年は鼻息荒く話した。


「マジで??ちょっと怖いねぇ…ホントにミステリーってカンジ!!」

妙子も興奮気味だ。


本当はその京都の事件はちょっと取り上げたこともあった。
しかしどうやらWMW社が絡んでいるようで、妙子に後ろめたさがありあまり触れないようにしていた。

…やっぱり妙子には話さないほうが無難だろうな。



「ま、あんまり飼う人もいないだろうからしばらくはPOKOにいますから。また見に来てやって下さいよ!」


青年に別れを告げ、妙子と店を出た。

『紅魚』か…アレも実はWMW製だったりするのかな…?

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さぁて。

今日は店番しながら大学のレポートでもやるかな。


今日も店のみんなは元気だし、良好良好!

ちょっと後でユウのバイト先に行って絡んでこようかなー。






青年はそんなことを思いながらテキパキと仕事をこなした。






檻の中の白いサルは不意に自分の背後に位置する水槽を振り返り、
睨み付けるように見た。


水槽の中の一匹の魚は真っ赤な尾ひれをヒラヒラ揺らがせながらサルの方をちょっとだけ見た。





そして何事もないようにゆっくりと泳いでいた――――。




(完)

コメント(13)

…名残惜しいですが終わらせてしまいました(;∀:)


思い立ったが吉日、一気に書きました!!

まぁ、最後のエピローグ的なとこ(凪とか妙子とか)が書きたかっただけなので上手く出来てるかどうか…


最終話で皆様の期待は裏切れましたでしょうか?


自分含め、皆様、お疲れ様でした!!!^^*



しばし雑談などでもマッタリしましょう♪
すごい、リーダーはやいっ!

どんでんでん繰り返しでしたね〜!
ドジョウが…そして主人公はついに…
なんとも余韻が残る良い終わり方でした。
映画だったら第2章ができそう(^o^)
リーダー本当にお疲れさまでした!!

…あ〜、でもついに終わってしまいましたね…(>_<)
リーダーお疲れさまでした!!

「えっ!えっ?…えー!!」と
1人でブツブツ言いながら読みました(^^;)

セレク島など以前のものはわかりませんが・・・
私、本名「妙子」なんです(照)


ついに終わってしまって…なんとも名残惜しいです(;´д⊂)
うおおおおおおおおおおおおおおっっ

感動ですっっ
セレク島、RUN
つなげたいと思っていました
そして、こんなにも面白く自然につなげてくれて
ありがとうございますっっ!!!!!!

感謝感激ですっっ!!!

てゆうかっっ
面白い、面白いっっ
これは、いつか本になるっっ
もちろんRUN・セレク島・今回 です(o´ェ`o)♡

その日が楽しみですヾ(♥ó㉨ò)ノ
うわぁ、まさかこんな終末が待っているとは・・・。
主人公があんなことになるとは・・・。
可愛い筈のきんぎょチームがこうなるとは 笑
とは ばっかしです。
やっぱり面白いですねー、リレー小説。
一人で書く時はもちろんそうなんだけど、リレーだからもっと真剣なんだよなぁ。

もう一度ゆっくり読み直そうかな。
ゆにちょリーダー、みなさま、お疲れさまでした!
…何か寂しいですね、終わらせてしまったことに後悔です(´・ω・)

>>クレタケさん
いや〜WMWのネタフリは待ってましたってカンジでした。
ていうか思いっきりセレク島の流れ汲んじゃいましたけど…
だいじょうぶでしたかね^^;


>>せっちんさん
いやいやいや!!
せっちんさんの謎解きのおかげでものすごい楽になりました(>ロ<;)
ぶっちゃけアタシ何もしてないカンジしますもん(笑)
でも楽しかったからい い ん で す !!(川平慈英風)


>>つかっちょさん
…終わっちゃいました(;ロ:)
でも何か続くと良いな〜とか思ってたりしますよ^^*
思い入れありますしね☆

…今更ながら寂しすぎて泣きそうです(TロT)ウエーン
>>たえちゃん
…まさかの妙子!(笑)
名前使って申し訳ない^^;
裏切れたかな〜?良かったよかった☆

…やっぱし終わらせなきゃ良かったかな〜なんて思ったりもしますよ^^;


>>亞子ちゃさん
え〜〜〜〜ん(;▽:)
寂しいけれど何かスッキリした気がします。。
楽しいことには終わりが来るんですよね…
でももっと長引かせれば良かったかな〜(´ω`)

RUN→セレク島→バイト って流れは読めませんよね?ね?
とにかく裏切れたなら良かったですよ(´ワ`)


>>ムッフェ〜さん
お疲れっした!!
世界は狭くてとにかく繋がってる   …とか思わせたくて。。
と良いコトぶって言ってみる^^;(笑)
自然に繋がってたかな〜?
とりあえず終了した安堵感はすごいですよ!

またここから今後何かが繋がるといいな〜!


>>きょぅさん
終わってしまいました…
てか結局可愛いはずのうちらがこんだけブラックになってるとは誰が予想したでしょう?(笑)
他のチームの期待も裏切れるといいな〜と☆
リレー小説楽しい楽しい!!



【皆様】
結構前に終了してしまいましたけど本家はまだまだです☆
マッタリゆったり余韻を最後まで楽しんでいきまっしょい!
つたないリーダーでしたがありがとうございました!!

本当に皆様お疲れ様でした!!!!!!!!!!!
リーダーお疲れ様でした!!

初参加で最初は不安でいっぱいだったけど…
なんとか執筆し、みんなで1つの事をやり遂げる達成感を味わえました。

本当に参加して良かったです!
仲間もたくさんできて、私にとってちゃちょちんきょは最高・最強のチームです(T^T)


えーん(;´д⊂)
リーダー、お疲れさまでした、そして
ありがとうございましたっっ☆

一話からの流れを自然にそしてあんなふうにまとめあげてもらって
しかも、セレク島、RUNも♡
サイコーです☆

ていうか、メンバーのみなさんもありがとうございました(o´∀`o)



リレー小説、サイコーですっっ☆
ちゃちょちんきょ、名前いいづらいけど
サイコーですっっ♡

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