ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

チームちゃちょちんきょコミュの秘密のバイト大作戦〜another side story 小さな幸せ編〜

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
よく晴れて太陽が眩しい雲ひとつない正午だったと思う

彼は私の勤めている病院へ来た。
ナースステーションで私を見つけると、右手を掴んで病院の屋上へ私を連れ出す。

「もう、今日はまだ休憩時間じゃないんだからね・・・」
エレベーターを使わず階段でいっきに駆け上がって息がきれてしまった。
けれど、たぶん彼はいつものように患者達の昼食時間を狙ったのだろう
屋上には彼と私の二人だけだった。

もしかしたらと思った。
彼の熱い手のぬくもり、高揚感を押さえた笑顔を見たら直感せずにはいられない。

今日 ここで 言われるかもしれない。

彼と初めて出会ったのは一年半前、この屋上だった。
彼は会社の健康診断でこの病院に来ていたが、検査を終えて会社に戻る前にと
屋上でいっぷくしていたところを私が見つけて怒った。

本当は仕事をミスして婦長に怒られ、気分転換のつもりで屋上へ行ったのに、
彼を怒り、話をしているうちに打ち解けて、元気にしてくれた。
それからちょくちょく休み時間にはこの屋上で待ち合わせするようになり
いつのまにか恋人になっていた。


「結婚しよう」


彼は私を真っ直ぐ見て言った。
そう言われた瞬間、ふいに世界が静かになった気がした。
全てが自分中心で、自分以外のものが止まっている。

自分の頭が整理されて言葉が出るまでどれくらいの時間が経ったのだろう?
「でも・・・」
と私は言った。
心配なことがあった。

彼はWMW社という今世間で何かと話題の大企業に勤めていた。
それ自体は特に気にしていなかった。
良い噂も悪い噂も、会社の上層部のことで彼には関係のないことだと思っていたから。
けれど、3ヶ月前くらいから部署が変わったと彼は言い、彼の様子や生活も変わってしまった。
連絡がプッツリとれなくなることがしばしばできた。
時々深刻そうな顔で誰かと携帯で話している。
彼の部屋に遊びに行くと写真のフィルムが膨大に置いてあった。
何より怖いくらい羽振りが良くなった。

恋人の勘とでもいえるのだろうか、彼は良からぬことに巻き込まれているような気がしていた。

「これ、見て」
私が返事を言わないでいると、彼は嬉しそうにポケットから取り出した。
もちろん指輪だった。
嬉しかった。でもあまりにも立派で、なんて言っていいかまたわからなくなってしまった。。
すると彼は言った。
「君が俺を心配してること、わかっているよ。でも、もう大丈夫。
明日、仕事を終えたら君を迎えに来る。今まで心配かけてごめん。明日で終わるから。」

彼の笑顔に嘘がないことは恋人だからわかる。
「返事は?」
指輪を持つ彼の右手が少し震えているのがわかった。
私は彼の右手に両手を添えて「ありがとう、待ってるね」と笑った。
彼は今までにないとびきりの笑顔で私を抱きしめそうになったけど
「魚住さん!」と後ろから声がして彼の手が止まった。
振り返るとドアのところで婦長が腕を組んでいて右足のつま先をトントンやっている。
私と彼は気まずくなってすぐ離れたけど、顔を見合わせてまた笑った。



昨日の話なのに、ずいぶん前のような気がする。
さっきから私から少し離れて同じように立っている男は誰なのだろう。
彼の友達・・・ではないと思う。仕事仲間だろうか?
顔を見ようとして少し横を向いたら腕章が目に入った。奇妙な字体の。

奇妙なことはいくつもあったので、自分でもよくわからなくなっている。
そこにいる腕章の男が重体の彼を病院まで連れてきた。救急車ではなく、特別な車で。
オペの執刀は院長が行った。特別な手術でしか執刀しない院長が。
手術は成功。30分前に集中治療室に移された。関係者以外は立ち入り禁止のはずなのに、
腕章の男は私から少し離れて、ガラスの向こう側に全身包帯巻きで
ベッドに横たわっている彼をずっと見ている。

昨日、彼は私を迎えに来ると言ったのに、なぜか私が迎えるはめになってしまった。
どうして、どうして彼が・・・、やっぱり私のカンは正しかった。
左手の薬指の指輪を見たら涙が出てきた。
すると先ほどまで動かずにいた腕章の男が近づいてきた。

「この度は、こちらの不注意で申し訳ありませんでした。」
「どうゆう、ことですか?」
「彼、美井さんの治療費、慰謝料、次の仕事先、すべて保証させて頂きますので」
「彼がどうしてこんなことになったのかご存知なのですか?」
「・・・・・知ってはいますが、聞かないほうがいいですよ。」
「知りたいです。」
「では彼がよくなったらお聞きなさい。」

真正面から見た腕章男の顔はヒゲが特徴的だった。ギラリとした目も。
その顔に威圧され、それ以上は聞くことができなくなってしまった。
腕章ヒゲの男は分厚いA4の封筒を私に渡して去って行った。
これに全てのものが入っているから彼に渡してくれと言って。
それから一つ、私にもお願いがあると言った。

「実はもう一人、彼と同じようにケガをした人間がいる。
彼よりは軽症だが、今日から数日間この病院に入院する。
君は看護士としてその彼についてほしい。
きっと彼は君にいろいろなことを聞いてくると思う。美井のことも。
でも君は彼から聞かれたことについて本当のことを言わないでほしい。」と。

私はできないと答えた。が、これ以上彼を危険な目に合わせたくないなら・・・と
最後に付け加えられて、私は承諾した。

自分勝手な話だが、一番大事なのは彼と私のこれからの将来で、
あんなヒゲ男やWMW社や軽症を負った男がどうなろうと関係ない。
数日間は我慢することにした。

腕章ヒゲの男からもらった封筒の中身が少し出ていたので気になり、出してみた。
次の職場は製薬会社の工場、住所が北海道になっている。
仕事内容についての書類もあり、一通り読んだところ危ないことはないことがわかった。
勤務地から徒歩10分にある庭付き一戸建ての家の書類。
銀行の通帳とカード。北海道にある結婚式場のパンフレット。
トマトの種と育て方の本。

彼が私と、ささやかだけど幸せな暮らしをしようとしていたことがわかり、胸が熱くなった。
彼の身体が良くなって退院したら、私はこの病院を辞めて彼について北海道へ行こう。
彼と庭でトマトを作って幸せに暮らそう。
ガラスの向こう側にいる彼を見つめ、そう強く誓った。

コメント(13)

リーダーすいませんたらーっ(汗)
another side storyトピックに書こうとして書いていたら
これはこれで完結してしまい・・・
とりあえず〜編として、これはこれでトピックにさせてもらいました。
記念に置かせておいて頂ければ嬉しいです。
ひゃあぁぁぁぁ〜
本気で泣けてきました(>_<。)

あんな一瞬しか登場しなかった魚住さんに、こんな事情があったなんてー!!!

内容もすごくすごく良いし…
感動ですぅ(T^T)エーン
読みにくい文章、最後まで読んで頂いてありがとうございます、
しかもコメントも頂いて・・・すごく嬉しいです(>_<*)あせあせ(飛び散る汗)

そうなんです、裏でこんなこともドジョウはしてたんです。
しかも一言も「とまと」発言してないんです。
「そんなの無理だ。」の怖い裏ドジョウの姿ですねげっそり。
読みにくいなんて!!
とんでもないですよ!!!

だって…私、
画面メモしちゃったもん♪
これでミクらなくても読める♪


まさにアナザーストーリーですよね。
つかっちょさん素敵(≧∀≦)
>>たえちゃん
メモしてくれたんですか!ありがとうございます、嬉しい〜(T▽T)

私もちゃちょちんきょの全話、印刷して製本テープでくっつけました。
みんなで作りあげたことが嬉しくて(^-^)v

魚住さん、本当にいいキャラクターです☆たえちゃんのおかげです。
>>ゆにちょリーダー
すみません、微妙に完結してしまいました。

暗殺者Bと魚住さんはこんな関係でした。
魚住さんの勤めていた病院はドジョウの息がかかっていたんですね(^-^;)。

本家トピはいよいよクライマックスを迎えましたね!
そろそろ各チームトピも解禁になるのでしょうね。
ずっと前に読んでいましたが
コメントしたつもりで・・・・・してませんでしたっっ
ヽ(;゚;��;゚;)ノ ゴメンナサイ・・・・・

てか、面白いですッッ☆
いいですねぇ(o´ェ`o)

まだまだ終わって欲しくないなぁ〜

魚住さんと暗殺者にそんな関係があったのかぁ(o´ェ`o)

ありがとうございました☆
とっても面白かったです(o´∀`o)
>>巨ムッ兵〜さん

ありがとうございます(^o^)
チームメイトのムッフェ〜さんがいつのまにか巨大な兵に!!
びっくりです(笑)。
そういえば一行リレーで変身された気が…

番外編は他にも、きょぅさんの鼻こりんとか、巨ムッ兵〜さんのシクレとか
どうゆう野望でドジョウの仲間なのか?みたいなことも
知りたいなぁなんて思いました。でも、うちのチームの話は謎ばかりで
終わるところが面白い所でもありますよね(^-^)。

あ〜、ついに終わってしまうのか…祭り…楽しかったですよね!
企画してくれたオナモミさんに感謝ですね。
>>せっちんさん
そうなんです。魚住さんは素敵ですぴかぴか(新しい)
だから書いていて楽しかったですわーい(嬉しい顔)
なんか一番クリーンでかわいらしくて、
ちゃちょちんきょに合うキャラでしたよね。
たえちゃんさん、ナイスですよね指でOK
>>タラオ様

横槍でも縦槍でも嬉しいですほっとした顔コメントありがとうございます!

軽症の男は一応、本編の主人公のつもりです(^^)
あまり詳しく書かなかったんで、わかりにくいかなと思ったんですけどたらーっ(汗)
本編で主人公が暗殺者Bの背中を書くというバイトをした時に
銃が暴発して病院に運ばれたんですね(第3話)。
で、主人公は入院して魚住さんと出会うところまでが書かれているのですが(第4話)、
番外編では、実は暗殺者Bも病院に運ばれていて。
その暗殺者Bと魚住さんは恋人だったという話にですわーい(嬉しい顔)。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

チームちゃちょちんきょ 更新情報

チームちゃちょちんきょのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。