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展覧会に行きました!コミュの栗本夏樹展

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 趣向を変えて今回は工芸。「栗本夏樹 漆・いのちの再生」展(9月10日〜10月16日 駒沢住宅・ギャラリー櫟)。「新しい日本の暮らし」を提案するという駒沢住宅の実際の住空間、居間、寝室、ダイニングなど、そして地下にあるギャラリー空間に栗本の漆作品を展示するという企画。ここでは特に興味を抱いた作品に絞って紹介したい。

 居間の壁に掛けられている作品が「横縞」(写真左)。「胎」は自動車のボンネット、それに螺鈿などで横縞の加飾が施されている。自動車のボンネットの形状は、人間の美意識の産物などではなく、走行性能や安全性などから数値的に生み出されたものである。従って車の走る方向へのベクトルを内包しており、写真でも分かると思うが、無意識に右から左への動きを感じてしまう。それが垂直と水平の線で構成された、静謐な「居間」という空間を動きのあるものに変えている。観客の一人が「刀にも見える」と言っていたが、日本の刀の形状も、目的に応じて生まれたもの、当然振り下ろす方向にベクトルを持っている。自然な類推であろう。

 茶室には床の間があり、もちろんそこにも栗本の作品が掛けられていた。しかし私が最も鮮烈な印象を受けたのは、中央に吊された作品「木霊?」(写真中)。倒木に朱漆を塗ったものだが、吊されているというより、天井を突き破って畳に突き刺さった、形ある神託に見え、緩慢な時の流れを示す茶室の空間を一変させるようであった。右下に見えるやはり倒木による小さな作品「木霊?」も、どこか不穏な雰囲気を与えている。

 ギャラリーには多くの作品が並べられていたが、錆び付いた鉄板の上に置かれている、乾漆による黒漆の茶碗に魅かれた。左右不均衡の高さ、不定型な多面体の表面は研ぎ出されて台の鉄板を映し込んでいる。どこか荒々しさも感じさせる茶碗の表情と、冷たい鉄板とが強い緊張感を生んでいた。栗本によれが、当初は茶碗の下に袱紗を敷いていたそうだ。ところが企画協力者の森桜氏が取ってしまったという。慧眼だと思う。もし袱紗が敷かれていれば、茶碗と鉄板の間になだらかな階調が生まれ、これほどの緊張感を生むことはなかったろう。

 全容をご覧になりたい方は、企画母体である伊佐ホームズ株式会社のHPにアクセスして、場所などの確認を↓。

http://www.isahomes.com.jp

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