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おれさまの資料庫コミュの朝日新聞 読者交流習慣シンポジウム「新聞とユーモア」2006年11月7日朝日新聞朝刊

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 朝日新聞の読者交流月間(10月)シンポジウム「言いたい!聞きたい!朝日新聞2006」が10月29日、大阪市の大阪商工会議所国際会議ホールで聞かれました。6回目の今年のテーマは「新聞とユーモア」。笑都・大阪での初開催にふさわしく、上方落語協会会長の枝三枝さんによる基調講演で幕を開け、巧みな話芸に約700人が詰めかけた会場は笑いの渦に巻き込まれました。パネル討論でも、関西を代表する「笑いの論客」3人が朝日新聞側の出席者に鋭く突っ込み、拍手と爆笑が続きました。

[笑い 足りてますか 新聞 笑えるんです]

 加藤(司会) ゲストのお三方に、私にとって新聞とは、という話から。

 藤本 私は新聞を7紙とっていて、うち3紙はスポーツ紙。見出しや内容、どこが違うか比べるのは大変楽しい。
7紙あると1時間くらい楽しめます。ただ、前日にテレビで見たニュースがそのまま活字になっている記事も大変多い。新聞はですね、来年あたりから「旧聞」と変えれば、えらい喝采を浴びるだろうと(笑)。「朝日旧聞」。いいですねえ(笑)。

 尼子 記事を切り抜いて、パソコンに取り込んでいます。 「バカのフォルダ」というのもありまして、アホなことした人の記事を収めるフォルダ。「あきれた役人」「悪徳企業」、それから「ユーモア」というフォルダもあります。

 木津川 私は2紙読んでいます。朝起きまして、まず朝日新聞を1時聞かけて読みます。真っ先に読むのは、以前は社会面の上の方でしたが、今は死亡記事。この人は88歳で逝かはった。私は71歳だからあと17年ある。この人は72歳。来年や!(笑)などと考えるようになりましてね。

 加藤 では本日のテーマ 「新聞とユーモア」。朝日新聞にユーモアがあるのか、ということも視野に入れながらお話し下さい。

 木津川 朝日新聞の中のユーモアですね。驚かれるかもしれませんが、大手紙の中で一番ユーモアが豊富なんです。山田紳、小島功、針すなお・・・・政治批評の一コマ漫画は他紙を圧倒してます。
 記事は、やはり硬いものが多い。しかしその中に面白いコメントを入れることで、だいぶ和らいでくるだろうと思います。
 6月に掲載された住民税の 「老年者控除全廃」の記事(大阪本社版)。なだいなださん(ネット上で仮想政党 『老人党』を主宰する作家・精神科医)が、怒りを来年の参院選まで持続させよう、とコメントしていた。私もそうだと思います。
 しかし、たとえばその記事に「純ちゃんと叫んだわたしが馬鹿だった」という朝日川柳の作品を織り込んでみたらどうですか? 読者は、いっそう「その通りや」と感じるんですよ。そういうのが新聞のユーモアだと思うんです。

 尼子 深刻な記事にユーモアを求めるのは無理だと思うんですけど、そこから頭の中でギャグになることはあると思うんです。例えば北朝鮮。夜の衛星写真を見ると、北朝鮮は電力不足で、日本や韓国に比べて真っ暗なんですね。そうしたら、うちのアシスタントが「北朝鮮って地球に優しいんですね」って(笑)。
 プロ野球選手の真剣なプレーが、紙一重で珍プレーになってしまう。シリアスなものも、ちょっとずれるとギャグになってしまうことがあると思うんです。

 藤本  「ユーモア」 (humour)と「ヒューマン」 (human)はつづりが似ている。ユーモアと人間性は、同等のものだと思うんですよ。人間性、人間のにおいを与えるものが存在していることがユーモア。だからユーモアの言葉というのは決まっていない、表現によって変わってくると思うんです。同じ新聞を開いて感じるユーモアは、人によって違う。それがユーモアの多様性というか、面白さであろうかと。
 私は「逆読み」というのをするんですよ。割合、真実というか、奥底のものが分かってくるんです。
 安倍首相の「美しい国」。大変抽象的で観念的ですよ。100人に「美しい国って何?」と聞いたら、おそらく同じ答えは返ってこない。
 では「美しい国」を逆から読んでください。「ニクイ シ クツウ」。死と苦痛、と言えば戦争じゃないですか。それを憎む、と言ってるんです。安倍さんの頭の中に、死と苦痛、戦争を憎むという思想が漂っているんじゃないかと思うんです。
 こういう読み方はプラックユーモアだと思う。それを新聞が1行書くだけで、大きな反響があると思います。

 加藤 それにしても、最近の社会面は殺伐としたニュースが多いですね。

渡辺 確かに、虐待あり、いじめ自殺あり。社会面の記事を読むと、この国はどうなってしまったんだと、私も思います。
 やりきれない事件が多いが、その中で、なんとか光のある話題を伝えたい。しかし、社会面がどうしても事件・事故中心の紙面になってしまうのならば、「笑ウィンドウ」や「いわせてもらお」 (「be」土曜版に掲載)といったコーナーでほっとしていただければ、と考えています。

 加藤 記事をどの面に載せるのか、見出しにどういう言葉を使うかは整理部の仕事ですね。

 王 主に社会面に携わっていますが、子どもが犠牲になる犯罪など、悲しい話ばかりが紙面にあふれかえると切ない。ほっとできる記事、それが難しければ見出しで、というところもあるんです。小さな声でもいいから、愛をもって共感できる言葉をつけたい。
 一例として、ここに島根県隠岐の島町が、島にすみついたコウノトリに住民票を与えたというニュースがあります。「コウノトリに住民票」だけでもいいんですが、私たちが付けた見出しは「『幸』ともうします」。幸は住民公募で決めた名前です。コウノトリの美しい姿や見守っている住民たちの温かさを、きれいな言葉に乗せてみなさんにお伝えしたいという気持ちをこめました。

 鈴木 昨年、2本足で立つレッサーパンダの風太君が話題になりました。これ、最初は朝日新聞の千葉版に 「着ぐるみではありません」という見出しで載った。非常に面白い、千葉だけじゃもったいないと言うことで、 「立てるんです」という見出しで社会面に大きくく使ったんです。動物学的に言うと、レッサーパンダが立つというのはニュースじゃないらしいのですが、「癒やし力」がある記事になったと思います。

 藤本 高齢者の一人として言わせてもらうと、朝から「高齢化」なんて記事を読んで気持ちいいわけがない。新聞にとって言葉遊びは大事。たとえば「高齢とは高嶺である」なんていう言葉が出てきたらほっとするし、ちょっとうれしい。そういう文字の遊びで余裕を作ってほしい。

 尼子 まじめな記事でも、記事の中に漫才で言うところの「突っ込み」がほしいですね。奈良市職員が5年9ヵ月間に8日しか出勤せず、二千数百万円の給与を支給されていたという問題。記事の中に 「ということは、1日あたり三百何万円」という視点があるといい。
 大阪では、突っ込みのうまい人がモテます。記事でも、もっともっと突っ込んで読者に知らせてほしい。

コメント(1)

パネリスト:
 藤本義一 ふじもと・ぎいち 作家・日本放送作家協会関西支部長。直木叢受賞作の「鬼の詩」を始め、文芸作品から脚本、エッセー、社会評論など著作多数。テレビの司会などでも長年活躍。

 尼子騒兵衛 あまこ・そうべえ 漫画家。86年から朝日小学生新聞で「落第忍者乱太郎」を連載(テレビアニメ「忍たま
乱太郎」放送中)。歴史考証の上に現代的なギャグを加え、幼年童話にも活躍の場を広げている。

 木津川計 きづがわ・けい 雑誌「上方芸能」代表、元立命館大教授。上方の芸能文化の発掘と発展に尽力し、98年菊池寛賞受賞。著書に「上方の笑い」「人間と文化」 「上方芸能と文化」など多数。

朝日新聞:

 加藤千洋 (編集委員・テレビ朝日系「報道ステーション」コメンテイター)

 渡辺雅隆 (大阪本社社会部長)

 王理恵 (大阪本社整理部次長)

 鈴木繁 (東京本社文化部長)

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