アニソンのススメコミュのＮｏ．0038：コブラ

Ｔ：スペースコブラＯＰ

Ｓ：前野曜子

Ｃ：寺沢武一による漫画『コブラ』を原作とした日本のＳＦアニメで、1982年10月から1983年５月までフジテレビ系で放送された。
アニメ版では、ストーリーの全体的な骨格について、ほぼ原作を忠実にトレースしているものの、流石に寺沢武一の作風で特徴的な『肉感的ヌードシーン』は、それなりの配慮がなされている。その背景には、『アニメーション＝子供の娯楽』という考えが根強かったことがあった。
また、メカニックデザインにおいて、主人公の乗る高性能宇宙船「タートル号」が、玩具化されるにあたって当時流行った変形ロボットアニメの影響もあり、『ヘビのように変形する』というギミックが盛りこまれている。原作に忠実なストーリーには余り絡まないものとなったが、原作にはない独特の風味を出している。因みに、このギミックの導入には、当時大流行していた『ルービックスネーク』と呼ばれる玩具が影響を受けている。

この曲のＶｏ．は前野曜子（まえの・ようこ）。宝塚歌劇団を経て初代ペドロ＆カプリシャスのヴォーカリストとしてデビュー。『別れの朝』を大ヒットさせた。しかし、その直後に脱退し、単独で渡米している。
このアニソンは、彼女の帰国後にレコーディングされた数少ない曲で、記憶が確かなら、彼女が歌っているアニソンは、この『スペースコブラ』の曲（ＯＰ＆ＥＤ）のみである。
抜群の歌唱力と大人の色気を備えた実力派だったのだが、仕事をどたキャンしてしまう程の酒好きが仇となり、仕事量が激減する結果となっただけでなく、1988年に肝臓癌で40歳の若さで他界する結果となってしまった。
つまり、今年2008年は彼女の二十回忌となるのだ。

因みに、主人公のコブラ役は野沢那智（のざわ・なち）が担当しているが、本当は故・山田康雄（やまだ・やすお）を主人公として希望していた。しかし、同じ東京ムービー作品の『ルパン三世シリーズ』とイメージが重複するという理由で実現には至らなかった。なお、フジテレビ系列で、東京ムービー作品のアニメが放映されたのは、この作品が最後である。