長距離「鳩レース」が好きだ！コミュの鳩友の死

　８月１１日

お盆を前にして鳩友が亡くなった。
彼とは、私が鳩レースをやりだした昭和４４年以来の付き合いだった。

久しく逢って居なかったが、１３日の葬儀に出席してきた。
日記には１４日に書いたが、ここでも再掲する。



　『布村武雄君』に捧ぐ

鳩友であり、ライバルであり、同窓の後輩であり・・・

お互いに長距離レース、特に『稚内ＧＮレース』が好きで競い合っていた時代もあったのだが、先に私のほうがリタイアしてしまった。

多分、鳩を飼い始めたのは年齢の下の君のほうだったと思うが、「富山競翔連合会」会員になり、目立った成績をあげ始めたのは私のほうが早かったかもしれない。

だが、君は「継続は力」ずっと稚内に挑戦を続け、その延記録羽数は今や日本一の記録となっている。

その数はしばらくは超えるものはいないだろう。

その飛ばし方も私の「雌雄分離」に対し「成若分離」と自分の飛ばし方を貫き、今までのその記録羽数を伸ばしてきた。

またその考え方も、レースの基本的運営費は個人の参加羽数が多くても少なくても変わらないことから、参加者で最低の運営費は負担をする。

最初の１０羽で１割引き、次の１０羽は２割引き、その次の１０羽は３割引き、１０羽増すごとに１割を割引く。

と、この比率で多く参加を促し、飛躍的に参加羽数を増やした。

「多く参加する人はお客様」と、今の参加費の根本を作った。

その結果長距離の参加羽数も当然多くなった。

会員も多くなり、地域的な利便性から会を２つに割ってきめ細かい運営を、と別れてしまったが、その「富山北競翔連合会」の中にあり一番信頼のおける立場で会員を後押しして、重しとなっていたのだが・・・

たまには私の犬舎に営業のついでに顔を出したこともあり、それが君に遭った最後だったかもしれない。

風の便りに入院をしていると聞いたこともあったのだが、私よりも７・８歳も若いこともあり、そんな深刻なものとも思っていなかった。

まさか、稲本君に続いてまたも年下の後輩を失うなんて・・・


　思えば、鳩友で何人もの後輩をなくしてきている。
「赤坂兄弟」「梁沢君」「沢田君」

みな私よりも年下だ。

それは、一番年代的に盛んだった時代。

昭和３９年のオリンピックを前に爆発的鳩飼育ブームが到来。

あの頃の小中学生の男子の９割近くも何らか鳩飼育にかかわった頃の年代。
私はちょっと上で、地元にいなかったこともありその波には乗っていなかった。
だが、弟が私の飼育に参加する７・８年前から、飼育を始め、その様子を高みの見物をして「フン！ガキの遊び！」とせせら笑っていたものだが・・・

いつか私ものめり込み、三宅君の稚内ＧＮレース総合優勝に刺激を受け、長距離レースに目覚める。

その後は君と「岩城君」も交えての戦い！

しばらく３強の時代を戦った。

君の稚内に１００羽参加するとの目標はついに達成できなかったが、この目標が稚内への原動力！

絶対帰る鳩しか参加しない！

なんて判ったようなことを言っている輩にはそんなエネルギーはないだろうし、第一絶対帰る鳩なんか判るはずもない！
そんなところからは、生まれてくるプラスアルファーも得る事は出来ない。

無駄だと思えることをも敢えてやるエネルギーは、今の「飴田君」の稚内５回の総合優勝になって表れているのではないか。

そんなことも君の与えているよい刺激といえるだろう。

一番盛んだった１９７０年代後半のようなことは望むべくもないし、これからもより盛んになっていくとも思えない環境となってしまったが、そんな時だからこそあの時代の目一杯ぶっつけて行く気持ちが大切に思えてくる。

常識からは何も生まれてこないし、今のままをいかに維持していくか？
としか考えれないとすれば、やはり沈滞の道しかないだろう。

君の延べ記録羽数がとてもすぐには破れない、常識的な数字ではない！

稚内ＧＮレースに「１００羽参加」を目標だとか、稚内ＧＮレースを「１０回総合優勝する」だとか、「２連勝・３連勝」だとか・・・


富山連合会は君の連合会に比べ小さくなったんだろうなぁ・・・

そんなことを考える会員が居なくなってしまったのかもしれない。

君のような壮大な夢を持つもの、だが実際コツコツと継続実践をする！

こんな姿を間近で見ていた君の会の会員、だがもうそんな姿も見れなくなって、壮大な夢は誰が引き継いでくれるのだろうか・・・