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資料集@医療保健福祉コミュの【福祉−介護】感染症 疥癬

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・疥癬診療ガイドライン(第2版)2007
http://www.dermatol.or.jp/medical/guideline/pdf/117010001j.pdf

・疥癬 (株)マルホ
http://www.scabies.jp/

・疥癬 アトル医薬情報部DI室 2004 年7 月
http://www.atol-com.co.jp/mp/di/pdf/04_07/tokusyuu/3-7.pdf
より以下引用

?)はじめに
疥癬は、ヒト疥癬虫別名ヒゼンダニという小さなダニが皮膚の最外層の角質層に寄生して、激しいそう痒を起こす皮膚感染症である。ダニ類は、体長が1mm 以下と小型で現在最も繁栄している動物群の一つである。

疥癬は性行為感染症(STD)であるが、最近老人病院や老人ホームの老人とそれを介護する女性に集団発生が多発している。疥癬患者が施設内に発生した場合、早急に対応をしないと蔓延する。また施設内だけでなく、人口密度が高くて相互に接触する機会が多い都会では、環境条件により周囲に急速に広がる危険性がある。

疥癬は世界的に 30 年周期で流行が繰り返されて来た。わが国の流行は、前回第二次大戦後の 1945∼1946 年に爆発的に起きたが数年で去った。今回の流行は患者の数は前回程多くはないが、1975 年より始まり現在なお沈静化せず長期化している。1).2).3).4)

?)臨床症状
感染初期はヒゼンダニに寄生されてもダニ数が少ない為に無症状であるが、約1 ヶ月後から痒みや皮疹が出現する。痒みは強く夜間に増強して痒みのため不眠になることも多い。

皮疹は顔面と頭部を除くほぼ全身に発現するが、発疹が現れ易い部位は胸部、腹部、大腿部、前腕、上腕の屈側等で、小さく赤い丘疹が散発する。また外陰部や肘や腋に小さい結節をつくる。この結節は、ヒゼンダニの死滅後も痒みは数カ月続く。そして主に手掌、指間に“疥癬トンネル” と呼ばれる細くわずかに盛り上がった線状の皮疹ができる。ここは後述するヒゼンダニが卵を産みつけている場所である。疥癬トンネルの発症部位は手指63.1%、肘頭10.9%、足9.2%、陰部8.4%、背部4.0%、腋窩2.4%、その他2%である。

宿主の患者が高齢者や悪性腫瘍等で免疫力が低下している場合、それに単なる皮膚炎と診断されてステロイド外用剤を長期間使用した場合には、ヒゼンダニが爆発的に増殖して“ノルウェー疥癬”と呼ばれるようになる。

ノルウェー疥癬の原因は普通の疥癬と同じヒゼンダニであるが、両者の違いは寄生ダニ数とその症状である。普通の疥癬のダニ数は最悪でも一人に 1000 匹程度であるが、ノルウェー疥癬では一人の患者に 100 万∼200 万匹もいる。したがって感染力は強力で通常の疥癬患者が約1ヶ月の潜伏期間を経て発症するのに対し、ノルウェー疥癬では感染後4∼5日で発症することもある。ノルウェー疥癬の好発部位は手や指、肘頭、膝蓋、背部など、体幹や四肢の関節背部や骨の突出部位の摩擦を受け易い部位に厚い鱗屑がカキ殻のように付く。また普通の疥癬では頸部から上には寄生しないが、ノルウェー疥癬では頭部や耳介にも寄生する。爪に寄生したものはあたかも爪白癬のように見える。

ノルウェー疥癬の命名由来は、1848 年にノルウェーの学者が最初に症例報告した為であり、ノルウェーの国名と関係がなく全身性角化型疥癬、痂皮型疥癬と呼ばれることもある。2).6)

?)疥癬虫の生態
ヒゼンダニ(ヒト疥癬虫)は、半球状で色は灰白色半透明であり中心部は淡褐色をしている。雌の体長0.33∼0.35mm、雄の体長0.15∼0.2mm で4 対の短い脚があり極めて小さいので肉眼で確認することは困難である。

雄は人の皮膚の表面を雌を探して歩き回っているが、一部は皮膚角質層内に穴を掘って潜んでいたり毛包内に隠れていたりする。雌は角質層内に穴を掘って雄を待っており、皮膚上で交尾する。その後に産卵のため再び角質層に侵入して毎日約2mm ずつ疥癬トンネルを掘り進みながら、その中で毎日2∼3 個づつ産卵し続ける。4∼5 週間の寿命を終えるまで 35∼50 個産卵する。

トンネル掘りや産卵は宿主の体が静止している睡眠時等に行われる為、夜間痒みが強い。卵は 3∼4 日間で孵化し幼虫となる。幼虫や若虫はトンネルを離れて皮膚面や毛嚢内に寄生し、2∼3 回脱皮して14∼17 日で成虫となる。雄は交尾後数日で死ぬ。

ヒゼンダニは終生人の皮膚に寄生して生息し、特に柔らかい所に好んで生存する。ヒゼンダニの体表面での歩行速度は1分間2.5cm 程度であるが、ヒトの体温より低い温度では動きが鈍く、16℃以下では動かなくなり人の皮膚から離れると比較的短時間で死滅する。温度25℃で湿度90%の条件下で3 日間、湿度30%では2 日間生存する。温度12℃で高湿度では14 日間生存可能で、湿度に関係なく温度50℃の条件では約10 分で死滅する。卵は乾燥に強く乾燥状態でも感染性は7 日間ある。1).2).6)

?)疥癬の感染経路
疥癬は STD に入れられているように、ヒトの肌から肌への直接接触で感染する。しかし性行為を伴わない親子間、兄弟間、あるいは寄宿舎、学生寮などの共同生活の場、合宿、修学旅行等で長時間寝起きを共にするだけでも容易に感染する。近年では病院や老人施設等で大勢が寝起きを共にしている所で急速に蔓延することが多い。また前述のようにこのダニは温度25℃、湿度90%で2∼3日は生きているので、疥癬患者が寝た布団やベッドに、次に寝た人が疥癬にかかる間接経路もある。

病院内や老人ホーム内の集団発症で一番多いのが、ノルウェー疥癬患者を感染源としているものである。ノルウェー疥癬は感染力が強いため、患者と直接接触しなくても多数のヒゼンダニの成虫や卵を内包した患者からの落屑が周囲に飛散して、医療従事者や介護者や同室の患者などに付着して感染が拡大して行く。

疥癬の診断は患者の皮膚からヒゼンダニの虫体や卵を検出して確定するが、検出率の一番高いのは疥癬トンネルからである。疥癬トンネルにインクを一滴たらし周囲を拭き取ると、トンネルのみが線状に染め出されて判り易くなる。疥癬トンネルを見つけたらトンネルごと角質層をメスで切り取ってスライドグラスにのせ、20%KOH(苛性カリ、水酸化カリウム)液を滴下して採取した皮膚組織を溶解して顕微鏡で虫体や虫卵を確認する。1).2).3).6).8)

?)治療法
疥癬はヒゼンダニが皮膚に寄生して起こる疾患なので、治療法は殺ダニ効果がある薬剤の使用と感染拡大防止の対策である。

老人病院や老人施設での疥癬の集団発生はほとんどがノルウェー疥癬患者を感染源としている為感染源患者を個室へ隔離し治療を行う。隔離室に用いる殺ダニ剤には有機リン系、ピレスロイド系、カーバメイト系等がある。

ピレスロイド系は、即効性を持つ一方人に対する毒性は低く、この系統のペルメトリンにはエアゾール、燻煙剤、液剤、油剤、乳剤、粉剤などがあるが、一般にペルメトリン乳剤の5%乳液(金鳥 ULV 乳剤E(一般薬))を10∼20 倍に薄めて用いる。このペルメトリンは、後述するが疥癬の治療薬としても使用される。その他塗布剤として、低毒性有機リン剤のフェニトロチオン 10%乳剤(金鳥スミチオン乳剤(一般薬))の 20倍液が使用される。

隔離室入室時には予防着を着用しゴム手袋をはめ、患者接触後着用したものはビニール袋に入れ密閉して熱処理する。ヒゼンダニは、乾燥および熱に弱くて通常 50℃10 分の加熱で死滅する。患者のシーツ類の交換時は皮膚から落ちた落屑が飛び散らないようにビニール袋等に入れて密閉し、そのまま50℃以上の熱湯で 10 分間以上の熱処理をする。熱湯に入れられない寝具類は熱乾燥車等を利用する。

これらの処置はノルウェー疥癬患者のみに対するものであり普通の疥癬は感染力が強くないので、外用剤以外に特別の治療や対策は不要である。2).4)

?)治療薬殺
ダニ作用がある薬剤は、かって農薬として多量に使用された為、土壌蓄積や環境汚染等の社会問題によってわが国では販売が中止されたものが多い。その為諸外国で疥癬に用いられている殺ダニ剤の入手は困難な為、一般に試薬や殺虫剤等を利用して製剤し治療に用いられている。ただこれらの殺虫剤は製造や販売が禁止されているので、使う場合には医師の責任のもとに使う必要がある。

普通の疥癬にはクロタミトン等で治療できるが、ノルウェー疥癬には弱い為γ‐BHC 等殺ダニ作用が強いものが使用さてている。しかし外国では最近γ‐BHC の毒性が問題となり、ピレスロイド系のペルメトリンやイベルメクチン等での治療が行われている。1).2).4)

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