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シオミック・ワールドコミュの遥か永久の国へ 前編

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「遥か永久の国へ」

日野耕平 19歳 予備校生 
榊尚也  27歳 一流企業のエリート 無責任男
沼沢正晴  31歳 おたく大学生 遺跡マニア
マイケル・マクダナル 
テロ爆破の男 
河村祥子 会計士 銀縁の眼鏡
橋本美紀 24歳
レイアただひたすら純真無垢に
村の長


祈りなさい、神はすべての人を愛して下さいます。神は大地を育み生き物すべてに命を与えてくれました。 私達は神に感謝し、祈りを捧げなくてはいけません。主は幼子イエスを私達に遣わし私達の罪を許してくれました⋯(FD)

(BGM 雑踏 銀行のCDコーナー)
耕平「おいおい、残高797円ってマジかよ〜母ちゃん!勘弁してよ〜俺飢え死
   にするよ〜」
(携帯のダイヤル音)
耕平「もしもし、おふくろ?俺!耕平だけど あのさ、今銀行にいるんだけど仕送り もうちょっとなんとかなんない?参考書とかいろいろかかって
え?無駄遣い?してねぇよ!ほんとだって⋯そこをなんとか!母ちゃん!」 
耕平「予備校の帰り道 俺は田舎からの仕送りをおろす為 銀行に寄った。
   気の早い街路樹の葉が薄く色づき初めている。ビルの谷間から見上げた
   空は怖いくらい高く感じて俺は軽いめまいを感じていた。」
(テロリストぶつぶつとつぶやいている)
テロ「おしまいだ すべてが消えていく 消えるんだ すべてが消える⋯
   破滅だ あははははっはは」
耕平「分厚いトレンチコートを着た男が、真っ黒なスーツケースをかかえて
   静かに俺 の横を通りすぎていった。夏なごりの陽射しがギラギラ照り
  付けてビルの谷間がゆらゆら歪んで見える。何かが不釣り合い
   そんなことを思った瞬間、突然、空が⋯真白に輝いた⋯」(爆音)
BGM(原住民の会話 太鼓の音)
原住民1「レイア、レイア! とこお、たしまさめ」
レイア「るせまの のこ りすく」
原住民2「なんお たしまさ め !」
レイア「にさお、くらんれ くやは!」
会話続く
(こそこそ、クスクス笑い声エコー 頭の中響く様なイメージ)

耕平「冷たい手が俺の額に触れる。」
レイア「めの のこりすく」
耕平「君は?」
レイア「いなくごぅ!めの のこりすく」
耕平「これを 飲めっていうのか」
レイア「めの めの くやは」
(ゴクゴクと飲み干し、あまりのまずさにむせ返る)
(突然、切り裂くような女性の声)
美紀「やめて!触らないで!あたしのバック!」
祥子「どうせ安物のたいしたものじゃないでしょ?」
美紀「何よ あんた誰 っていうよりここどこぉ?」
原住民1「めの てまだっ」(木製容器 床に落ちる音)
美紀「なにすんの!変なもん 飲ませないで!」
原住民2「お〜 いるわ りよ のもけ 」
榊「おい、そういう態度は無いだろ
  俺達を助けようとしてくれてるんだろ?」
美紀「なんなのー ここ どこなのー」(泣きじゃくる)
祥子「この小屋 民族資料館にある縄文時代の住居にそっくりね?」
榊「テレビのどっきり番組だったりしてな」
祥子「冗談にしてはひどすぎるわ!ビルが爆発したときガラスの破片が
  飛んできて腕を深く切ったのよ。足だって火傷してる。」
  (美紀携帯の番号を押す)
美紀「携帯つながらない!ここ電波が届かない!」
榊「⋯あの爆発のなか、生き残ったのは ここにいる5人だけか?」
(小屋の外ひときわ騒がしくなる)
マイク「私達は神に選ばれたのです。私達はこの国に神の御意志によって遣わ
  されました。」
耕平「爆発の後の事は何も覚えていなかった 気がつくと茅葺きの小屋
  不思議な服そうを身につけた女達に介護されていた。
  小屋の中にいたのは全部で6人女性ふたりと日本人の男は俺を含めて3人、
  そして⋯青い目をしたキリスト教信者がひとり」
マイク「わたしの名前はマイケル マクダナル、オハイオ州から来ました。
  わたしたちは選ばれし者。神の御意志でこの国にきたのです。
  祈りなさい、神はすべての人を愛して下さいます。神は大地を育み生き物
すべてに命を与えてくれました。 私達は神に感謝し、祈りを捧げなくて
はいけません。主は幼子イエスを私達に遣わし私達の罪を許してくれまし
た⋯(FO)」(祥子遮るように)
祥子「とりあえず、自己紹介といかない?まずはあなたから」
耕平「お、俺からですか?」
祥子「名前だけでもいいわよ」
耕平「日山耕平です。」
榊「きみ学生?」
耕平「あっ、いえ⋯まだ 去年受験に失敗しちゃって」
美紀「あー予備校生? 野村ゼミでしょ?」
耕平「あっはい!」
美紀「あたし向かいにあるビルのコンビニで働いてるの。
   あたし美紀 橋本美紀 野村ゼミの子よく買いにくるよ 
   カップルでいちゃついてるのもいて あったまきてさ」
榊「美紀ちゃんはいくつ?」
美紀「え?あっ24」
榊「俺は榊尚也 27歳 ケミカル社の社員
ちょうどあの銀行の2階にある会社だよ」
祥子「ケミカル社?昨日、新聞で騒がれてなかった?」
榊「ああ、」
祥子「ある物質の開発で遺伝子の操作がかなり簡単に出来るようになった
  難病とされていた病気の治療に応用できるし
  今まで存在しなかった生き物を産み出すことも出来る?
  たしかそうよね?」
榊「神への冒涜とかなんとか話題にはなったけど お陰で株価は上昇してさ
 もっと給料でもあげてくれればいいのにな」
  でも俺は開発じゃなくて営業が担当。きみは?」
祥子「私は河村祥子32歳 会計士よ 事務所は向いのビル
   会計士とはいっても まだ雑用みたいなことしか
   させてもらってないけど」
榊「祥子さん、独身?それとも既婚?」
祥子「プライベートなことあなたに教える必要があるの?」
榊「い、いや」
美紀「あんがい バツイチだったりして?この人 性格きつそうだもの」
祥子「あらそう?残念だけど まだ家庭を持ったことはないわ」
沼沢「あ⋯あの ぼ、僕は」
美紀「ねえ、あの人なんか存在感薄い感じ」(小声で誰かに話しかける)
沼沢「沼沢正晴です。31歳 学生です」
美紀「えー?31歳? それで大学生?」
沼沢「はあ⋯」
美紀「ねえねえ、なんか証拠とかある?ほら身分証明書とかさ」
沼沢「は?あ⋯学生証なら 持ってますけど⋯」
美紀「ちょっと見せなさいよ 沼沢正晴 やだーほんとだ え?東京大学 
  これって東大のことだよね。なんで東大の人がこんな所にいるわけ?」
  (美紀ははしゃぎ続ける)(突然、原住民の声が響く)
原住民1「ろで のここ やこ!」
原住民2「とささ、ろで」 
耕平「俺たちは小屋の外に出るようにうながされた。太陽のまぶしい光線に
  慣れてきて最初に目に映ったのは 大きなケヤキの大木。そして⋯
  抜けるように青い空。」
村の長「つせんで りおど のも りかずさ 」
民一同「ははあー」
長「いよこ りのい るげ ささ!」
(民族楽器のようなメロディー)
榊「踊っているのが巫女様か」
長「るなさっか ときつうよいた くなもま」
沼沢「彼らぼく達を神が預言した遣いの者とかんちがいしていますね。
  来るべき日が来た、御言葉どおり太陽と月が重なり、すべてが闇に消え去
  る太陽と月が ん?彼ら日食が起こるって言ってます。」
美紀「あんたね ぶつぶつと何いいかげんなこと言ってんの」
沼沢「い、いいかげんじゃありません。僕は専攻が考古学なんです。特に古代
   の言語には興味があるんでここに来てからずっとメモを取っていたんで
   す。いいですか?彼らの言葉は蒙古民族なかでも日本語にかなり近い。
   発声法といい子音や母音の発音も他のアジア民族の言語
   より現代の日本語に近いと思います。⋯文法学的に言いますと⋯(FD)」
美紀「何言ってんだか さっぱりわかんない!」(沼沢の言葉に重ねて)
耕平「沼沢の言葉通り 間もなく太陽がゆっくりと欠け始め
   大地は光を失った。 やがてたいまつがともされ、狂ったように巫女が
   踊りつづける。仄暗い明かりに白い着物がひらひらと舞った」
鳥の声 ニワトリ、子供達の笑い声など
マイク「あなたは神を信じますか?
神はすべての人を愛して下さいます。神は大地を育み生き物すべてに命を与えてくれました。 私達は神に感謝し、祈りを捧げなくてはいけません。」
(マイクの歌う賛美歌)
榊「あいつ やたら元気だな⋯」
榊「なあ耕平お前受験生だったっけ?お前にとってここは天国のような気が
 ないか?」
耕平「榊さん突然どうしたんですか?」
榊「いや実際のところ 今まで俺らが過ごしてきた日常の生活とこっちの世界
  耕平、お前にとってどっちが居心地がいい?」
耕平「え?ぼ僕は もし戻ることができるなら今すぐにでも元の生活に帰りた
   いですよ。」
榊「そうか、俺は逃げだせて むしろホッとしてるようなところあるのかも
  な?にげだしたくなるような後ろめたいものを持っている奴にとって
この世界は天国ってことさ ⋯⋯」
耕平「⋯⋯」
榊「実はつき合っている女の子が突然、子供が出来たって言い始めたんだ。
 今4ヶ月目らしいからこのままいけば半月後には めでたく
 俺も父親ってわけ⋯⋯ 
 別にそのこに問題があるってわけではないんだ ただ急に怖くなったんだよ
 俺の人生の先が見えたような気がして あきらめともつかない妙な気分に
 なったんだ。これでおしまい、これで決まりなんだって⋯⋯結婚だ責任だ
 って、俺には重たすぎて それで彼女に言ったんだ⋯⋯
 子供はまだ早い今回はあきらめてくれって それからは修羅場⋯⋯ 」
耕平「田舎の姉貴の顔を思い出していた。生まれたばっかりの赤ん坊を
   愛おしげに抱き上げ、幸せそうに微笑む姉貴の顔を⋯⋯」
  (榊の言葉に回想としてかける)
榊「悪いなお前にこんな話して⋯⋯」
耕平「あっ、いえ⋯⋯」
  BGM
沼沢「あーだからこの集落のまわりも似た様な集落がいくつか存在しているよ
   うです。この村は海と山に囲まれているし、気候も温暖な為 食料が容
   易くてにはいり 比較的裕福な生活を送っているみたいですね
   巫女はアンドロジニー男でも女でも無い両性具体、呪術をあやつり農耕、
   漁すべてを仕切っている。その下に巫女の世話役的な長老が巫女の言葉
   を民に伝える形でこの集落の秩序が保たれているようです。」
美紀「ねえ、ちょっと沼ちゃん」
沼沢「は、はァ?」
美紀「説明中悪いんだけど なんで31歳で 大学生なわけ?」
沼沢「いえ、あのー 僕の場合は一度 他の大学を卒業しまして 好きな学部
   専攻出来なかったもんですから3年かけて大学を受験しなおしました。
   大学4年、大学院が2年、浪人3年あ、そうでした最初の大学の前にも
   2浪してまして⋯⋯」
美紀「なにそれー そんなにお勉強好きなんだー」
沼沢「はぁーどうしても文明の始まり民族の進化について好きな教授の下で
  学びたかったものですから でも残念だなーここでの生活を論文で
  発表したらノーベル賞もんですよ!今までの古代の歴史がすべてくつが
  えされてしまう!おしいなー考古学者にとってここはまさにパラダイス
  天国そのものですよ」
美紀「天国?確かに嫌な上司にどなりちらされることもなくて 毎日遊んでい
   られるここって天国だろうけどでも違うこんな所いつまでもいたくない
   退屈すぎて死にそう」
     ピーとかん高く草笛の音
レイア「れだ?」
耕平「ごめん、驚かせちゃったね?」
レイア「⋯⋯」
耕平「ここから海が見下ろせるんだ きれいだね。」
レイア「⋯⋯」草笛の音
耕平「それ草笛?」
レイア「たっなくよ がけ?」
耕平「ははは きみの言葉わからないよ」
レイア「いなはみたい?」
耕平「俺の名前はこーへー」
レイア「こーへー?」
耕平「そうそう、キミは?」
レイア「⋯⋯レ、イア」
耕平「レイア?」
レイア「レ、イア コーヘ?」
ふたり笑いあう 笛の音
穏やかな陽射しの中 時が過ぎていくのを忘れてしまいそうで
沼沢や榊がいうように もしかするとここはパラダイスなのかも
しれない?ふとそんなことを思った。

森林の中、野鳥の声
水の中で泳ぐ音
足音、驚き悲鳴をあげる女の声
榊「びっくりした 川の中で人が泳いでいるなんて思わなかった。」
祥子「びっくりしたのはこっちのほう
  汗をかいたからちょっと水浴びをしていただけよ!」
榊「水浴び?そう、でも水浴びには 少し涼しすぎない?風邪引くぞ!」
祥子「そうね、でもそこをどいてくれる?着替えられないでしょ?」
榊「これはこれは失礼いたしました。」
たき火を焚く音
祥子「ねえ、ここにきて何日くらいになる?」
榊「さあ?俺のヒゲがこんなに伸びるくらいだから ずいぶんになるな⋯
 そうだ一度聞いてみたかったんだけど 祥子さん 彼いないでしょ?」
祥子「なに?突然⋯」
榊「ただ聞いてみたかっただけですよ。図星?」
祥子「あなたみたいな人みてるとなんだか腹がたってくる。(苦笑い)
  そんなこと あなたに話す必要なんてないじゃない⋯」(寂しげ)
榊「でも祥子さん、結構いけてるのに なぜその年までひとりなわけ?
あててみようか?上司と不倫の関係に陥り青春のすべてを彼に費やした?
それとも女癖の悪い男に騙されて すっかり男嫌いになったとか」
祥子「まさか⋯婚約者がいた。死んだのよ 3年前⋯自殺だった。」
榊「なんでまた?」
祥子「私にもわからない。結婚を半年後に控えていて 会場の打ち合わせをし
  ているうちにちょっとだけ口論した。死んだのは次の日の夜だったの。
  彼の母親に責められたわ婚約者のあなたがなぜ止めてくれなかったのって
  私が殺したんだって 泣きながらなじられて
  気がつかなかったのよ あたりまえのいつもの痴話げんか、私にはそう
  としか受け止められなかった。でも、お母さんがいうように私があの人を
  殺したのかもしれない」
榊「違うでしょ?祥子さんのせいじゃない、
  死んでいく理由なんて 自殺した本人にしかわからないだろ!」
祥子「⋯⋯」
榊「なんて?はは、祥子さんと俺、あんがい似たもの同士だったりして
  祥子さんにとって ここはパラダイス?」
  
ふくろうの鳴き声 にわとり暴れる
女の悲鳴 村中騒然となる 
沼沢「み、巫女が殺せれた!」
耕平「殺されたって なぜ?」
沼沢「よくわからないんですが 対立している村が攻撃を仕掛けたのでは?」
美紀「やだ〜」
沼沢「まえまえから食物や家畜を盗まれることはあったそうです。
  特に僕達がこの国に現れてから祭壇を荒らされることが多くなって
  巫女を奪われた彼らの怒りは相当なものです。
  おそらくは血を血で洗う様な報復が始まるのでは?」
マイケル「戦争?争いごと良くない、傷つけ会うこといけない」
沼沢「まずいですね、仕返しのために相手の部落の巫女を連れてくるつもりで
   す。そんなことしたら、ますます溝が深くなるのに」
男達の歓声
沼沢「ああ、ダメだ。男達に引きづられているのが あちらの巫女です。」
榊「むごいな、まだ子供じゃないか 広場に張り付けにする気か?」
祥子「ここも危なくなるのかしら?」
沼沢「にげろって言っています。安全な場所に避難すると」
マイケル「戦争いけない、殺しあうこといけなーい!」
耕平「マイケル!やめろマイケル!」
マイケル「暴力はいけなーい! 彼女を離せ!」
祥子「だめー!!お願い誰かマイケルを止めて!」
沼沢「大変だ 相手の部族が報復の為にこの村を襲いにきます」
榊「マイケルもどれ!」
弓を射る音、歓声と 火が燃え移る音
悲鳴
美紀「やめてーマイケルが死んじゃう!」
耕平「なんとかしなければ、そう思っているのに体が動かず、争いの中で
  マイケルがもみくちゃになっていくのが映画のワンシーンみたいに見えた
  榊と沼沢が血だらけになったマイケルをかかえて来たときにも俺は立ちす
  くんだまま口をきくこともできずにいた。」
マイケル「いけない 殺しあうこといけない いけない いけない⋯⋯⋯⋯」

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