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コメント(307)

コウセイ君に読み聴かせる練習用の絵本を借りてきました。
ひ〜、1万円もするんだ…このデカ絵本。
自分の滑舌がすごく悪いことが判ってるから…先ずは文字数の少ないのを選んだ。
作者を調べたら…かなり角ばった意見の持ち主らしい。
ひょっとして、元全学連?かなあ…そんな世代なんです。
とにかく子供の人権について一言も二言もあるみたい。
でも、親しみやすくてPOPな図柄…どこかで見てるかも。
1まどから☆おくりもの
2五味太郎 作画
3偕成社
表紙に「しかけ絵本」とあって、各ページで予想が裏切られる面白さがいい。
窓の外から見た姿が、実は別のものだった…と云った「しかけ」です。
クリスマスのエピソードだけど違和感なく読める。
見開きページ毎にワンライティングの単文キャプション…これなら滑舌練習にもってこいだ。
話は、気のいいサンタが勝手に家の住人を予想してプレゼントを配り回るって筋書き。
先入観と思い込みを諌めてる…と解すると少々鼻白らむ。
で、作者を調べたってワケ。
そうとらずに、単純に「しかけ」をコウセイ君と楽しもう。
さっ、練習れんしゅう… ♪ あれは たぶん サンタクロースさん。ale wa tabun santa clouce son !?
リージェンシー(Regency)って単語を色々なところで見かけるけど…コレって英国史的には19世紀イギリスの「摂政時代」を懐かしむ気分が含まれてるようだ。
ナポレオン戦争で疲れた当時のイギリスは、狂った国王に代わって皇太子が摂政した。
この10年程の期間を背景にしたロマンス小説はイギリスのご夫人達を今も魅了してるそうだ。
イギリス人達は続くビクトリア朝時代とこの時代をくっきり区別してる。
で、そんなロマンス小説の女流作家が著したクラシックミステリーって本があった。
同時代のAクリスティと同格に扱われてて後の大家セイヤーズからの賛辞も得てる、とあとがきにあった。
1紳士と月夜の晒し台
(Death in the Stocks)
2Georgette Heyer 著(猪俣美江子 訳)
3創元推理文庫
タイトルにあるストックスは辞書で見当たらない…訳者さんに感謝です。
しかも邦訳タイトルが、著者がロマンス小説の大家であることを踏まえてるのもいい。
どうやらシリーズ物のミステリー小説らしい。
ロンドン郊外の村に昔使われた「晒し台」が公園に保存されている…日本でこんな刑具が放置されることはないけど。
まっそれはともかく、ソコで独身の資産家が刺殺されていたところからミステリーは始まります。
その遺産相続人に嫌疑がかかり、容疑者の従兄弟の弁護士が真相を追う…ことになる。
巧みなプロットとお約束のサプライズエンディングはもとより、上品なロマンスで味付けされててなかなかのデキ。
進行スピードもゆるりとしてて、ハリウッド式の忙しさがないのもいい。
途中で新たな殺人事件も発生して、そのゆるりさに少々緊張も付け加えられている。
タイトルにもなってる「晒し台」の謎をきちんと解明しないで、ゆるりと推測程度で片付けてしまったのもいいのかも。
こりゃ上等なミステリーでしたな。
以前、幕末長崎で撮られた謎めいた写真についての本本を読みました。
サムライ達40人の集合写真…これが超有名な志士達…西郷・龍馬・勝・博文・木戸・高杉・等々だとして、撮影された経緯を述べたものでした。                
その中央には謎の白人父子がいて、それがフルベッキ牧師であるため「謎のフルベッキ写真」と呼ばれている。
その写真を使って幕末から明治のキリスト教宣教師の動向を述べた本本があった。
1聖書を読んだサムライたち(もうひとつの幕末維新史)
2守部喜雅 著
3いのちのことば社フォレストブック
フルベッキとはオランダ人ヴァベックのオランダ語音なんだそうだ。
この宣教師は長崎へ宣教目的で来日した。
この当時はまだ布教が禁じられたので英語教師として活動し多くの志士達と交流…特に佐賀藩と親交を深めた。
ヘボンらと共に日本語版新約聖書編纂メンバー、後に明治政府の顧問となり病死後青山墓地に埋葬されている。
日本語版がなかった頃は漢語訳版が密かに流通していて、西郷隆盛などは読んでいた気配があるらしい。
で、本書は幕末維新期の歴史的な人物達…勝・大隈・新島襄+八重・内村鑑三・新渡戸稲造・等々と外国人宣教師達の出会いを紹介しています。
この辺になるとキリスト教臭さが出てて鼻白むけど、まあ面白く読めました。
トイレ閑話休題トイレ
no.270 に到達したので一息入れます。
近頃更新した MacBook Air は、最新の OS X(10.9.1) Mavericks を搭載してて iOS で走る iPhone と共通アプリも増えました。
標準装備の iBooks は13in.スクリーンのお陰で普通の本並みの大きさで読めます。
しかも iPhone と同じく英和辞書 (Look Up) が付いててとても便利。
小さな iPhone で電子書籍は読みづらかったため、契約切れを契機に iPad mini に置き換える寸前でした。
電池も長時間になってて就寝前の読書習慣にも組み込めます。
無料の eBook 書籍も豊富なので、しばらくは iBook Store で探索する楽しみも出来ました。
で今は、読みづらくて放ってた eBook をあらためて読み始めてます。
文字も大きくなって、以前は天眼鏡片手に読んでたのがウソのよう。
ふふ、いいぞ… MacBook Air !ぴかぴか(新しい)
お待たせしました…件の eBook 読み終わりました。
この eBook は「くまのプーさん」の作者が著した唯一の長編ミステリー小説…90年前に出版されてます。
以前「くまのパディントン」の作者 Michael Bond が大人向けに書いたミステリーって本がありました。
このように童話作家達がミステリー小説を何故上梓するのか解りません…でも、どんな風に書き上げたか知りたくなります。
とにかく古い小説なので、英語自体も今風じゃなくあまり使われてない用法も多いけど Look Up が使えるので困りません。
文字のフォントや紙質も選べて気分よく読めるのもいい。
iBook Store には版権切れの名著が沢山あるけど、今度は比較的新しいのも読んでみよう…楽しみです。
1The Red House Mystery
2A.A.Milne 著
3eBook
舞台は多分100年程前のロンドン近郊の田舎町にある「赤い館」と呼ばれているお屋敷。
行状が悪く鼻つまみ者の兄が15年振りにオーストラリアから帰省する。
この館にはいろいろな人たちが出入りして寝泊まりしている。
そんな人たちの一人である男に友人が訪ねてきた丁度その時…この兄弟の従兄弟が銃声を聴いて鍵の架かったドアを叩いているところに出くわす。
再会した兄弟が揃って部屋に入った直後に銃声がしたとのこと。
この兄が射殺体で発見され、弟である館の主人が失踪する不可解な事件。
男と友人の二人は嫌疑がかかる失踪した弟とは別に真犯人を推理…この従兄弟を疑う。
古い小説であり著者が童話作家でもあるこのミステリーは、文章的にどこかファンタジーさが漂ってる。
でも、話の展開はなかなかなもの…サプライズエンディングもいいカンジ。
読みづらくて放ってたけど、読んでよかった。
図書館がコンピュータシステム更新のため2週間休館してる。
なので、引続きeBook を読むことにしました。
iBook Store のカテゴリー=ミステリー(無料)で検索…去年リリースされた短編小説。
表紙がいい…ハムレットの墓場のシーンで銃の照準がハムレットに狙いを定めてる。
ふふ、なんか面白そう…短編20ページを一気に読んじゃいました。
1A Farewell Performance
2David Pickering 著
3eBook
グーグルで著者を調べたら、超常現象やら魔術とか色々な摩訶不思議本の作者でテレビラジオ関係でも有名な人らしい。
先ずは男優と殺し屋がビルの屋上で交わす対話のシーン…男優は殺される理由を知りません。
しきりに尋ねるけど殺し屋はそれを突放します。
男優はあれこれ思い当たる人物を詮索するけれど、殺し屋は一向に依頼人を明かさない。
でも殺し屋は、殺しの報酬で家族のために新型のテレビを買うと云う。
自分の命の代償がテレビだなんてと男優は嘆く。
そうこうしてる内に殺し屋は男優に最後の頼みを尋ねる。
そこで、ハムレットの墓場のシーンを演じたいと応えるが肝心の「どくろ」がない。
小道具なしでは演じられないので、殺し屋から「鍵束」を借りて演技を始める。
演技が終わったあと、男優は殺し屋が居なくなっていることに気付く。
ええ〜?…もちろん消えちゃったワケは書かれています。
ふふオモロ。
また長編の歴史ミステリー小説を読み始めます。
今度は16世紀半ばのイングランドが舞台…No.266 の「The King's Spy」のほぼ100年前に当たります。
時はチューダー朝ヘンリー8世が5番目の妻と結婚し腹心のトマスクロムウェル(画像)を処刑した頃。
この人は100年後の清教徒革命の英雄オリバークロムウェルの親戚筋。
トマスクロムウェルは今の首相に当たる大法官で English Reformation(ローマカソリック離脱)の立役者。
この事件は経験なカトリック信者のヘンリー8世が男子世継ぎを求めて離婚を繰り返すための苦肉の選択だった。
同時に政治的にローマ法王の影響を排除して国王権力を強め、財政的にカソリック修道会解散により莫大な資産を没収する一石三鳥の施策。
クロムウェルは、法王に対抗する国教会のカンタベリー大主教にトマスクランマーを推挙して政教権力を掌握したが4番目の王妃推挙で失敗し処刑された。
クロムウェルの前任者で「ユートピア」の著者トマスモアはこのトマスクランマーの手で処刑されている。
あっこの辺りは今読んでる本の予備知識。
ついでながら、チューダー朝最後のエリザベス女王は2番目の王妃アンブーリンの娘。
そのエリザベスの義姉妹のカソリック信者ブラッディマリーの手でトマスクランマーは火炙り刑にされている。
いやはやなんと血なまぐさいことか。
つづく。
つづき。
ヘンリー8世は生涯6人の妻を持った。
好色で不道徳とされてるが、いずれの結婚も政治的な理由からとみられる。
当時はスペイン・フランス・神聖ローマ帝国が覇権を競っていて…イングランドはウェールズを併合しスコットランドと敵対していた(以来プリンスオブウェルズは王位継承第1位の称号となる)。
前王朝では下級貴族ながら未亡人王妃と結婚した父が興したテューダー朝…王位を継承した兄が死にその未亡人と結婚したヘンリー8世。
晩年はともかく若い頃から文武両道に長けていて同時代の貴族達からは高く評価されている。
しかし男子の嫡子が得られず離婚を決意…フランスでは王族の離婚が認められながらヘンリー8世の申し出は却下される。
ローマ法王は不公平…そう考えたヘンリー8世は法王と絶縁しローマカソリック教義を残したアングリカンチャーチを創設。
そうしておいて、兄の未亡人との結婚自体が無効とし離婚を正当化してしまう。
しかし当然ながらこのリフォームに抵抗する勢力が一斉蜂起…この勢力がスコットランドと結託。
その拠点がロンドン北方のヨーク…英国史で「The Pilgrimage of Grace」と呼ばれる蜂起もそのヨークで起きた。
物語はその鎮圧から数年後のヨークとロンドンが舞台。
ちなみに3番目の王妃が生んだ嫡子はマークトウェン「王子と乞食」の主人公…でもこの子も亡くなり女子が王位を継承することになる。
つづく。
つづき。
読み始めてます…まだ80ページ程ですが。
でも下調べしておいたので話がよく見えます…でなければ登場人物や語られる政治的な出来事は知ってるものとして軽く流されてしまうトコロです。
主人公はクロムウェルに見出された有能な法官だし、相棒もクロムウェルの側近で本来なら粛正されている筈…そんな二人に極秘任務を託すカンタベリー大主教のトマスクランマー(画像)。
そもそもクロムウェルはカソリック教義を色濃く残す国教会をプロテスタント化しようと大陸のマルチンルター派と結託したことが致命傷となったようだ。
そんな国教会を率いてたトマスクランマーは急進的に教義変更せず、終生カソリックを信仰したヘンリー8世の信頼を維持する。
そして1541 年、王が5番目の王妃と一緒にヨークに行幸する際には首都ロンドンの留守番役を拝命する。
この30歳若い王妃はその後姦通罪で処刑され、そしてこの王妃の後盾がクロムウェルの政敵であったことが史実として判ってる。
660ページのこのミステリー本が、こんなドラマチックな時代のどんなエピソードと関連していくのかまだ判りません。
そうそう、もう一つこの時代の特徴が解りました…ジェントリー・ヨーマンの台頭と絶対王権の障害となる旧勢力の封建貴族階級の没落です。
宗教対立とこの階級交代を承知してないと理解出来ません…日本史的には信長達が少年の頃で世界史的には大航海時代です。
では、読み進むうちに必要になったらまた下調べしましょ。
つづき。
思ったとおり下調べを続ける必要がでてきました。
このミステリー小説は、チューダー朝転覆を計る陰謀を扱ったもののようです。
で、前王朝のプランタジネット朝(画像)の残存勢力も係わってきそうなのです。
この Plantagenet はエニシダのこと…始祖アンジュー公がこの枝を持って戦場を駆け巡ったことに由来してるそうです。
12世紀半ばから250年続いた英国史的には稀な長命王朝で…全般の100年はイングランド及びアイルランド全土とフランスの半分を版図とした帝国でした。
この王朝は、そもそもがフランス系の一族で公用語も日常語もフランス語を使ってた。
そして中盤では大陸の封土と王位継承権を巡ってフランスと100年戦争を始め…その中から後に火種となるランカスター家が台頭してきます。
この長い戦争で中世封建領主(貴族)達は経済的に疲弊していき…やがてランカスター家と対抗するヨーク家が登場します。
この両家を筆頭にイングランド国内の領主(貴族)間で後にバラ戦争と呼ばれる抗争が続きプランタジネット朝は崩壊…ランカスター家に見方しヨーク家の当主リチャード3世を破ったチューダーが王朝を引継ぎます。
そんなどさくさに王権を簒奪したチューダーに反感を持つ勢力はイングランド国内には沢山居たのです。
たらーっ(汗)ふう、陰謀勢力はこのような没落貴族や追われたカソリック教徒が係わってんでしょうか。
それとも処刑された者達の関係者がからんでるのか…さっ先を読んでいきましょ。
つづき。
このバラ戦争をもう少し調べることになりました。
突然 Edward Blaybourne なる見知らぬ人物の告白書簡が顕われたんです。
で、wiki すると前王朝プランタジネットの王妃 Cecily Neville(画像)に係わる人物だと判りました。
この王妃はプランタジネット最後の王となるエドワード4世とリチャード3世の母親。
シェークスピア戯曲で有名なこのリチャード3世は…先述のトマスモアの著述を参考にして極悪非道の王として描かれたことが判ってます。
リチャードが兄エドワードの死後、その妻を修道院に幽閉し幼い王子達をロンドン塔で処刑したとされている。
このリチャードを破り幽閉されていた未亡人と結婚したのがヘンリー8世の父親です。
さて、そのセシリー王妃が不倫して生まれたのがエドワードだと云うウワサが当時から広まっていて…リチャードは自分の王位継承権が合法として戴冠しています。
その不倫相手の名前が Edward Blaybourne …身分の低い弓兵だったとされている。
でも、このご仁に関してそれ以上の情報が見当たりません。
ともかくそうなると、ヘンリーチューダーの王権の根拠が薄弱となりこの告白書簡は転覆の根拠になる。
1/4読み進んだところで、いやはや凄いのが出てきたもんだ。
つづきのつづき。
今1/3(220ページ)まで読み進んでます。
王と王妃到着準備中のヨークに Lady Rochford(画像)なる女官が登場…どうも重要な役割を背負ってるような気がしたので調べることにしました。
やはり、この陰謀小説には欠かせない人物でした…ヘンリー8世の1番目の王妃の侍女であり2番目の王妃の姉 Jane Boleyn その人だった。
本来なら妹のアンブーリン処刑とともに没落する運命を先述のトマスクロムウェルに救われ、3番目・4番目の王妃付き女官となっている。
そして今は5番目…と云うことは初代から5番目までの王妃全員に仕えていることになる。
ひえ〜この人、チューダー王朝史の重要参考人だったんです。
しかし史実では、この5番目のティンエイジャー王妃の不倫を扶けたかどで王妃とともに斬首刑に処せられている。
そもそもこの行幸 (The Progress) は、靡かない北部の拠点ヨークに出向いてチューダー王権の威力を誇示することとスコットランド王と会見することが目的であった。
(スコットランド王ジェームス5世はヘンリーの姉の子で甥に当る…当時28歳)
そういえば、王朝転覆の陰謀組織に仇敵のスコットランドが絡んできても不思議はないかも。
この調子だとまだまだ下調べが必要だろうな。たらーっ(汗)
つづき。
また、実在らしい不可解な登場人物が顔を出しましたので調べます。
Thomas Culpepper(画像)というイケメン青年貴族…王妃の愛人です。
このカルペパーという姓はこの当時の有力な家系で、2番目の王妃アンブーリンも5番目の王妃キャサリンハワードもその一員…この3人はイトコ同士なんです。
このイケメンはヘンリー8世の寵愛を得て、かなりいい加減な行状を残してます…まっ不良青年、いやもっとワルでした。
この青年は王のお伽まで勤めてて、ヘンリー8世の宮廷の紊乱振りがうかがえます。
結局、王妃がこの青年に送った手紙がカンタベリー大主教のトマスクランマーに届いて不倫が発覚…絞首刑の判決を受けるけど苦しみの少ない斬首刑を嘆願したと伝えられています。
まっとにかく、感じの悪いご仁です。
で、文法が間違ってる現存するそのラブレターから王妃の教養のなさも明らかにされてます。
そんな未熟な王妃を「刺のないバラ」なんて呼んでいた暴君を、敵対する人達は軽蔑して「モグラ(mouldwarp)」と呼んだ。
れれ、チューダー王朝のゴシップにどんどん引き込まれています…肝心の王朝転覆の陰謀の方はまだ見えてきません。
つづき。
1/2まで読み進んでもゴシップに邪魔されてまだ陰謀組織が見えてきません。
がしかし、ぼちぼちリチャード3世の名前が顕われてきました。
悪名高いこの国王はこの BookShelf No.180「時の娘(The Daughter of time)Josephine They 著」で汚名返上…後世のでっち上げと知りました。
なので、敢えて下調べからは外してました…が、すこし触れておいてもいいエピソードを目にしたので引用します。
2012年、リチャードが死んだ戦場近くのレスター市庁舎の駐車場で遺骨が発掘されました。
味方に裏切られて嬲り者にされた上で殺害され、近くの修道院に乱暴に埋葬されたと伝えられてきました。
科学的な調査で、1世紀後にシェークスピアが描いたとおりのセムシ姿だったことも確認されました。
斧槍や剣で頭部を滅多打ちされた上にお尻を串刺しされたことも古文書通りと証明されました。
そして、粗末な棺に両手を縛られた姿で埋葬されていたんです…いやはや凄惨な最期です。
頭骨から顔を復元してみると、穏やかな表情で描かれた肖像画とおりなので哀れさが募ります。
一悶着あったようですけど調査後、遺骨はレスター大聖堂に再埋葬されたそうです。
さっ、先に読み進みましょ。
つづき。
2/3まで読んできましたが未だ陰謀組織の姿が顕われてきません。
この分だと最後の最後まで引っ張られるんでしょうか。
で、この辺りでまた実在の怪しい人物が登場してきました。
Richard Rich ってジェントリー出身の宮廷人です。(画像)
BBC放送は、この人を「英国史上の十悪人」のひとりとしています。
リフォームで没収した修道院の財産処分や前王朝の没落領主の土地買収に係わって、私腹を肥やしたそうです。
台頭したジェントリー階層は土地を所有しても領有せず、使用料収入で暮らす不労所得のジェントルマンとして英国社会に定着する。
この階層は、旧領主と違って「noblesse oblige(高貴者の義務)」を体現し社会的能力を高めていった。
しかし、このご仁は自分を引き立ててくれた恩人達を次々と裏切ってチューダー朝を泳ぎきり人生を全うします。
特に尊敬されるトマスモアの裁判で偽証し死刑に追いやったことで、いまでも英国人に嫌われているようです。
調べていくと、このご仁がチューダー朝転覆を謀る一味に組するようには思えませんが…要注意人物としてマークしときましょう。
さあ、もう一息です。
つづき。
No.278 の告白書簡の出現とともにもう一つ大事な書簡が登場します。
それはラテン語で Titulus Regius "royal title" (画像)として紹介されます。
調べてみると大変なシロモノでした。
リチャード3世治世下で議会が承認した法律文で英国王の資格を規定するもの…これで、兄エドワードの系譜の王権継承が違法だとされた。
なので、この法律がある限りヘンリーチューダー系統の王権は否認されてしまいます。
で、当然ながらチューダー朝治世下でこの法律の撤回手続きがとられ法律文は全て破棄されます。
これに従わない場合は罰金と投獄のペナルティがついてました。
こうしてみると、やはりチューダー朝の王権には弱みが見え隠れしてきます。
で、そのコピー(画像)が廃棄を免れて100年後に発見されてます…ここまでは史実。
このミステリー小説にはそのコピーが登場…発見される数十年前の行方が描かれてるんです。
やはりこの小説は英国史に通じてないとダメでした。
下調べは必須です。
660ページようやく読み切りました…真相は630ページ過ぎてから明かされました。
この本は歴史犯罪小説ってジャンルなんだそうです。
こんなに下調べしながら読んだのは初めて…まっとにかくチューダー朝イングランドが身近になりました。
この小説の主人公は独立自営農民(ヨーマン)出身で、大学へ進み法官としてキャリアをつんでいます。
王朝が代わり法律がすっかり変わってしまうので、当時の法官(法律家)は人気職業でした。
この時代の新興勢力の多くは法官を目指し職を得て蓄財するパターンで、成功者がジェントルマン階級になってイギリス社会の中核となるんです。
りゃ、下調べのつづきになりそうです。
1Sovereign
2C.J.Sansom 著
3Pan Books
タイトルは「ソブリン」と読めばいいんです…統治とか治世とかそんな意味で、現代的には中央政府を指す単語として使われます。
結局、次々と顕われる事件は王権継承と宗教対立の二つの陰謀が重なっていたんです…だから最期まで謎解き出来なかったワケだ。
あとがきにあるけど、著者もいろいろ歴史資料に当り専門家の助言を得ながら執筆してます。
なので、さりげない記述にもちゃんと歴史的な背景をにじませて深みを出してます…そんな本だから解説書までありました。
主人公の法官が当時の人の目線しかも一人称で語るので臨場感たっぷり…英語も当時の用法が使われてたりして楽しめます。
主人公は傷つかないのが当たりまえ、でもここではロンドン塔で拷問を受けて歯を一本折られるところまでいきます…こんなコトもリアルな気分にさせられます。
この法官を主人公にした小説はシリーズ化してるそうだけど…身が持つのかしら?
No.78 で「バラ戦争時代の武具」を読みました。
今度は、その前の「百年戦争時代の武具」を読みます。
この BookShelf No.215 で読んだ「World Without End - Ken Follett 著」にはこの戦争を始めたイギリス王エドワード3世 が登場しました。
その王軍がフランス各地で進軍・略奪するシーンが描かれていました。
渡河ポイントではフランス正規軍との戦闘場面もありました。
フランスは、987年以来君臨し続けたカペー朝が1328年に継承者を失いシャルル4世の従兄弟にあたるヴァロワ伯フィリップが「フィリップ6世」としてランスで戴冠式を迎えた。
イングランド王エドワード3世は、母(シャルル4世の妹イザベル)の血統を主張してフランス王位継承に異を唱えた。
そのフィリップ6世がスコットランドと盟約を結んでイングランドを包囲するに至って「百年戦争」が勃発。
両国の歴代の王が覇権を競ってフランス国内で小競り合いを繰り返し、オルレアン包囲戦でジャンヌダルクがイギリス軍を敗走させて終結。
1OSPREY MEN-AT-ARMS
French Armies of The Hundred Years War 1337-1453
2David Nicolle 著
3新紀元社
戦争初期の戦闘ではフランスがイギリスを圧倒していたが、やがて戦術や武具の改良が進み形勢が逆転してしまう。
フランス軍はイギリス軍の得意戦法の野戦を避けて篭城戦を中心にしていき…戦闘は補給路争奪の小競り合いとなって武具もそれなりに改良されていく。
文字通り100年に及ぶ戦闘で変化する武具や、この戦闘に参加していたヨーロッパ各地の兵士達の出立ちが紹介されます。
篭城側・攻城側の標準的な防御費用を動員される兵器から試算したりもしています。
この著作はタイトルとおりフランス軍の装備について述べられてるので、用語的にちょっと耳慣れない…ので相当オタクでないと辛い。
奈良時代の文字資料「万葉集」ってよく解らない。
そもそもタイトルの意味も後人の解釈でしかないし、編者についても諸説あって定まらない。
仮名文字が考案される前に漢字表記で当時の大和言葉を記録してる点はいい。
けど、4500を超える「短歌・長歌」が伝える古代人の心情に惹かれることもない。
枕詞を古代朝鮮語で解釈する「謎解き」本ぐらいかな…興味を持てたのは。
同時代の「記紀」が伝える歴史的記述との関係を示せたら俄然面白くなるんだが。
そこで、著名な考古学者が「万葉集」を相手にその辺りを語った本があったので借りてきました。
1萬葉集に歴史を読む
2森浩一 著
3ちくま学芸文庫
学校では有名な万葉歌人達の優れた短歌を学びます。
枕詞のシステムも理屈抜きで覚えます。
しかし、この歌集が編纂された時代の異常な状況を認識することはありません。
東アジアの激動期で国内的には権力闘争の真っ只中、ロマンチックな恋歌を学ぶ場合ではありません。
著者は、歌集から見えてくる当時の緊迫した事情を説明してくれます。
持統天皇が後継者を守るために犯した数々の暗殺、大陸軍の侵攻を想定した逃避ルート作り、沿岸防備のために徴用された防人制度、遣新羅使による外交環境改善の失策が明らかにされます。
この辺りは「記紀」では記述されていないだけに面白い。
歌から場所や時刻まで特定して歌の作者の置かれた状況が説明されます…そうすると1300年前とは思えないリアル感が出てきます。
欲を云えば、万葉歌人達が辿った非業の死や不遇などにも踏み込んで欲しいところです。
また下調べが必用な歴史ミステリー小説を読み始めました。
どうやら16世紀のスコットランド王妃「メアリースチュアート」に係わるもののようです。
イングランドは120年続いたチューダー朝のエリザベス1世の時代で、暗殺計画の首謀者としてこのメアリーを処刑しています。
しかしメアリーの息子はスコットランド王となり、後継者の途絶えたチューダー朝を継いでイングランド王も兼ねて「同君連合 (UK)」の大本を築いてます。
なんでもスコットランドではこの女王は今でも人気があって、反イングランド感情のシンボル的存在なんだとか。
スコットランド王家のスチュアートとイングランド王家のチューダーの血筋を持ち、フランス王家に嫁いでてスペイン王室にも縁故があるメアリーは、アンブーリンの娘エリザベス1世とは格が違います。
しかし、wiki してみると…このご仁はとんでもない女性だったことが解ります。
歴史ミステリー作家が目を付けたくなりそうなエピソードが沢山ありそうです。
このミステリーはメアリースチュアートの一人息子がすり替えられていた…というお話。
生まれながらにスコットランド女王として育ちフランス皇太子と結婚し王妃となった。
寡婦となりスコットランドに帰国してチューダー家の一人と再婚する。
再婚相手がイングランドの王位継承権を持っていたので、エリザベス女王に警戒され続ける。
生まれた王子は血筋的にスコットランドとイングランド両国の王位継承権を持った。
1エジンバラの古い柩(Blood Line)
2Alanna Knight 著(法村里絵 訳)
3創元推理文庫
19世紀のビクトリア朝時代のスコットランド警察の刑事が主人公のシリーズ本。
英国史的にはチューダー朝がエリザベス1世で途絶え、この王子がスチュアート朝を開きます。
この王朝は18世紀にブランデー好きで太っちょのアン女王で断絶し、親戚に当たるドイツの貴族がハノーバー朝を建てます。
世界帝国を気付いた評判の悪いビクトリア女王はこのドイツ貴族の子孫というコトになる。
でも、スチュアート朝がすり替えだってコトになれば、後継のハノーバー朝も具合が悪い。
スコットランドのエジンバラ城の壁の中からメアリースチュアートの息子の柩が19世紀になって見つかった。
その発見に係わる人達が次々と変死する事件を追うというストーリー。
結末はビクトリア女王が黒幕であった…そりゃ仰天でしょうね。
しかし歴史家達の間ではメアリースチュアートの息子すり替え説は有力だ。
薄気味悪いこの息子は成長すると増々不気味になっていく。
イギリス王朝史はどれもこれも後味が悪い。
今度は時代小説 ?! それとも推理小説 ?!
19世紀のアメリカ・ボストンが舞台…南北戦争戦争が終わり、日本では尊王攘夷の政治スローガンで沸き立ってた頃。
主人公は、名作「若草物語 Little Women」の著者で小説家を目指してた頃の女流作家「ルイザ M オルコットLouisa May Alcott 」なんです。
行動的で利発な主人公が、親友の変死の真相を追って事件を解決する推理小説。
小説家を目指す主人公の捜査方法は、関係者の人間観察や些細な事柄に注意すること・そのためのインタビューに工夫すること。
相棒の親友とコンビで真犯人に迫ります。
1ルイザと女相続人の謎(Louisa and Missing Heiress )
2Anna Maclean著(藤村裕美 訳)
3創元推理文庫
タイトルの「ルイザ」はそう云うことなんです。
原題は「女相続人の失踪」ながら、邦訳の方が意味深長で内容的にもフィットします。
事故死と告げられた親友の検死に立会った主人公は他殺と確信します。
と同時に警察の誤認逮捕を横目に危険を顧みず聴き取りを続ける。
筋書きにドンデン返しはなく、読者の推理する人物が逃亡中に事故死して一件落着する。
被害者の悩みや秘密を暴くことのない神の裁きに感謝する主人公。
巻末の経緯説明では、読者が見過ごしてしまう事柄を紡いで得た推理に感心させられます。
主人公は事件解決により関係者達の不自然さを解消し…更に一歩踏み込んで皆をハッピーエンドに向かわせます。
と、主人公の好感度を揚げる著者アンナマクリーンはオルコットファンを喜ばせます。
はは〜ん、これは推理小説の姿をしたオルコットの伝記かもな。
だからって、いまさら「若草物語」を読む気にはなれないけど。



歴史ミステリーとのコトです。
舞台は12世紀のイングランド、映画「冬のライオン」で描かれたヘンリー2世が登場します。
アンジュー帝国を築き英国史上最大の版図を支配した初代イングランド王…でも王妃始め3人の王子から見捨てられ寂しい晩年を過ごします。
この王様は教会の自由を標榜するトマスベケット大司教を殺害して、ローマ教会からも敵視されました。
その反面、内政的には優れた手腕を発揮し王権強化に成功…陪審員制度による「コモンロー」を制定し諸侯の裁判権に介入します。
このミステリーの主人公は、ヨーロッパ最古のイタリア・サレルノ医科大卒の解剖学専攻の女医…利発で自由活発な現代女性のようなキャラ。
ヘンリー2世に招聘されてイングランドに出張し、科学的な検死を以て事件の真相に迫ります。
気性の激しい国王と対等に渡り合う主人公は、結果としてヘンリー2世の機転の良さや合理的精神などの側面を引出してみせます。
1アーサー王の墓所の夢
(Relics of the Dead)
2Ariana Franklin 著(吉澤康子 訳)
3創元推理文庫
原題を直訳すると「死者の形見(遺品)」…この死者とは伝説の英雄アーサー王という設定です。
遺品は、言わずと知れた「聖剣エクスカリバー」なんです。
アーサーは、ローマ帝国崩壊後に侵入して来たバイキング系のサクソン人と対抗した6世紀頃のブリトン人…とか。
ヘンリー2世はウェールズに侵攻…抵抗の精神的支えとなっている「アーサー王の復活」信仰に気付く。
このアーサー伝説の聖地でそれと思しき遺骨が発見されたので女医を現地に派遣…遺骨がアーサーと同定できれば抵抗するウェールズを弱体化出来ると考えた。
しかし、その遺骨は新しく6世紀前のものではないと断定…しかし偶然アーサー王の墓所に辿り着く。
ヘンリー2世は、女医が発見したその遺骨と遺品を前に政治的利用を思い止まり伝説の英雄の墓所を封印します。
このヘンリー2世を wiki しながら読んでいたので、作品で語られる政治的な事件や裁判制度・法整備などにも興味を持てました。
この主人公のミステリーはシリーズ化してて、本作品のエンディングも未完の気分を持たせてあります。
おや、コレはファンタジー小説か…と思ったらよく出来たミステリー小説でした。
今度はファンタジーでしょうか?
著者は不眠症の催眠療法中に体験した出来事を本にしたと云ってます。
あれれ、この本の表紙は著者その人じゃないのか?
そう、著者は輪回転生システムで過去の自分に遡る能力があると云ってます。
この場合、著者の「前世なりきり」は6世紀の英雄「アーサー王」の王妃グイネヴィアでした。
グイネヴィアはアーサーの仲間ランスロットと不倫した悪女と伝えられてます。
著者はそんな悪評の女性の一生を疑似体験します。
1アーサー王妃物語
( Guinevere )
2Laurel Phelan 著(奥野昌子 訳)
3角川文庫
原題は王妃のラテン語風の呼び名で「前世なりきり」中は当時のケルト語風に「グイネファー」と使い分けます。
不倫相手のランスロットも「ランシラス」と呼ばれますが、人物像はイマイチに描かれます。
ところが、アーサーとマーリンは現代英語風の呼び名で登場し伝説のイメージをとどめます。
当時のブリテン島はローマ帝国の崩壊で群雄割拠の混乱時代です。
ローマ支配時代のケルト人はブリトン人としてローマ化する部族と伝統的なケルト文化を守っている部族に分かれていました。
そこへ南からはアングル人・サクソン人が北からはピクト人・スコット人が侵入してきます。
ブリトン人出身のアーサーと、伝統ケルト出身のグイネファーの結婚で外敵に対抗するコトになります。
しかし王妃は文化の違いに戸惑い悪戦苦闘…このあたりがこの本の真骨頂なんです。
伝統ケルトはフリーセックスOKでキリスト教とは相容れません、多神教と一神教の教義も本人を混乱させます。
男性優位の教義を持つキリスト教徒の読者は、男女平等・自然崇拝のケルト文化にちょっと困るかも。
しかしこの文化の違いを知っていれば、王妃の悪評に一定の節度が求められることに気付きます。
はは〜ん、著者の狙いはここかと思われます…ファンタジー小説ではありませんでした。

歴史系が続いてます…でもこの方の本です。
日本史シリーズは切り口が違うので面白く読めました。
言霊信仰が歴史事実の背景にあったとの指摘は新鮮…しかしネット上ではメチャクチャに非難されています。
ムキになってる輩達の品格は気分を害します…隣国の人達と変りません。
さて、久し振りにこの作家の「逆説シリーズ」を借りてきました。
相手は世界史…どんな切り口でくるのか愉しみだ。
1逆説の世界史
(古代エジプトと中華帝国の興廃)
2伊沢元彦 著
3小学館
ありゃりゃ「言霊」だ…ピラミッド建設技術が後世に伝えられなかった理由としてるんです。
学者が躊躇するような怪しい資料をうまく利用して面白く語るところもない。
歴史認識は文字通り主観だから、それだけに本人の立ち位置が問題になる。
著者は「宇宙人的客観性」を以て記述すると云う。
ひやあ〜、立ち位置がそうだと偏った歴史観は避けられそうだが…着地が難しいことになるぞ。
果たして、前節・後節とも着地点がなくなってた。
語られる内容も新鮮さ斬新さが足りない。
古代エジプトの技術集団の実像解明だとか、亡国哲学「朱子学」の伝播と変遷経緯ぐらいは触れてほしい。
タイトルにある「逆説」はこの本の中には見当たりません。
世界史は著者には少々荷が重いみたい…止めといた方がいい。
雨上がり、道端でスズメに出会いました。
ふむ、そう思えば最近見かけないな…久し振りに見かけた。
と、図書館で偶然こんな本が目に入りました…奇遇なので借りて帰りました。
著者は岩手医大の40才の講師。
どうやら中学生くらいを対象にした啓発本のようです。
1スズメの謎
(身近な野鳥が減っている!?)
2三上修 著
3誠文堂新光社
著者は易しい語り口で身近なスズメの生息状況を説明し始めます。
日本に一体何羽生息してるのか?
その推定方法を「科学的に・平易に」解説します。
そう、この本は「科学的方法論」の手引き書なんです。
そして18百万羽と推定します。
で、次にそのスズメが減っているらしいけど本当か…調べます。
その調べ方も「科学的で平易」です…そして何故減って来たのか理由を追います。
手に入る一見関係なさそうな資料から推理するんです。
ははは、いやまさに最初から最後まで「科学的」なんです。
著者の上質なインテリ振りが滲んでて読後は爽快…一日で読み通せるのもいい。
道端で出会ったスズメに感謝だ。
6世紀の日本を舞台にした歴史小説を読みます。
サクソンと戦っていたブリトン人アーサー王は6世紀の人だった。
トコロ変わって、同時代の中国は鮮卑族の建てた北魏時代…朝鮮半島は高句麗・新羅・百済が覇権争いしてた頃。
日本は、古墳時代を拓いた王統が途絶えて朝鮮渡来王朝(継体朝)に移る激動期。
著者はSF小説家、だけに遠慮なく自由に文献解釈してこの時代を描きます。
例えばキミ・オミ・ムラジは身分呼称ではなく血縁集団の名称だとします。
これらは古代朝鮮語由来の発音で、キミは「キム」からの派生語とか。
継体朝の姓が「キム」だったので、その族長は「オオキミ」と呼ばれ…後世に「大君」と漢字表記された。
この時代に頭角を現した蘇我氏は「百済」からの渡来一族で、任那からの渡来王族(継体朝)を補佐する。
で、この歴史小説は継体朝の「推古天皇」を主人公としています。
実はこの「天皇」呼称は、推古朝以降に適用され…それ以前は「大君」なんです。
なので、継体朝の欽明・敏達・用明・崇峻天皇はもとより前王朝の各スメラミコトの天皇呼称は後世の創作。
この時代の不可解な歴史を著者がどう料理するか愉しみです。
1歌垣の王女(小説推古女帝)
2豊田有恒 著
3講談社
お話は、継体の日嗣欽明の王女として生まれた「炊屋姫」が天皇になるまでの半生を描いたもの。
異母兄の敏達の王妃となりその後、実兄の用明への王権継承さらには従弟の崇峻暗殺などを主導する。
ありゃ、蘇我馬子や厩戸皇子に補佐された本朝初の可憐な女帝のイメージと違い…自らの才覚と行動力で王位を簒奪するんです。
甥に当たる厩戸皇子などはこの王女によってきついノイローゼに罹けられ、廃人寸前まで追込まれます。
王女は大和の有力豪族懐柔にも直接係わります。
著者は「記紀」を引用し、学者が認めない同時代資料を組合せて筋書きを面白くさせます。
記紀編纂者のねつ造を超えるには、このぐらい逸脱しないとダメだ…お陰さまで一気呵成に読み進みました。
また本科学本。
今度は大脳を持たない動物「ダンゴムシ・タコ・カニ」の知能は何処から来てるかの研究です。
今度の著者もなんか素敵なんです…浮世離れしてて。
でも仮説を建てて実験で検証する…その具体的な方法を実践的に学生目線で説明してくれます。
特に実験に歪みがでないように工夫するところはいい感じ…なにせ大脳のない生物が相手の実験ですから。
あれれ、この本はどんな読者を対象にしてるんだろか?
1ダンゴムシに心はあるか
(新しい心の科学)
2森山徹 著
3PHPサイエンスワールド新書
この本は副題に狙いがありました。
大脳を持たない動物が未経験の状況下で普段と違う予想外の行動をとることを実験で観察します。
そしてソレが「問題解決行動」であり大脳機能の「知性が司る」とする仮説を覆します。
三分の虫には魂ならぬ「心」がありそれが知性的な行動をとらせてる…と主張します。
著者はそんな行動の基が「心」にあるとして、確認実験が恣意的にならぬよう詳細に開示して客観性を担保します。
予めプログラムされた動きしかしない機械との違いが強調され、潜在的に「欲求」を持ち普段は自立的にそれを抑制してることが明かされます。
そのような「心」の働きが次々と紹介されどんどん引き込まれていきます。
でも、そんな知的行動がどんなメカニズムで出現するのか…までは迫りません。
著者の研究はまだまだ続くそうです。
はは、この著者の研究なら「イグノベール賞」はとれそうです。
地元の図書館ならではの一冊です。
地元近くの日高市に「高麗神社」があってその宮司さんが著者なんです。
なんでも高麗一族の末裔で60代目の当主なんですって。
そもそもこの神社の祭神は、7世紀に渡来した「高麗王若光」その人。
中国は隋から唐に王朝が替わり、半島では高句麗・新羅・百済が覇権争いしてた。
日本は中大兄王子と中臣鎌足が共同して政権を奪取した頃で、No,295から100年後の物語になります。
1陽光の剣 高麗王若光物語
2高麗文康 著
3幹書房
普通、先祖語りしたものは我田引水で耳を塞ぎたくなるほど始祖を英雄視する。
天皇家の「記紀」はその典型だし、各名家の家伝書もそうだ。
だから、この物語もそんな傾向があるけど読者としては古代中国の英雄譚とさほど変わらず読めます…韓流時代劇TVドラマぽいけど。
でも近所に1300年の歴史を重ねた集落がある不思議が氷解します。
神社境内に皇族や政府関係者の植樹や記念碑が林立してる理由も解ります。
著者はあとがきで想像で著したと語るけど、日本史や朝鮮史のポイントはシッカリ押さえています。
当時の渡来人の動向を中心に描かれていてNo,295ともつながります。
主人公は高句麗国の王族出身で、唐新羅連合軍と対抗するため倭と同盟関係を結ぶ使節団の一員として来日。
その間に高句麗は滅び、大和朝廷保護下で高句麗流民を武蔵に集結して「高麗群」を経営します。
当時、その数年前に百済も滅び近畿一円に流民が溢れていたことも入植地を東国に求めた理由とありました。
そもそも、この両国はツングース系の民族で根っこが一緒らしい。
ありゃ?
新羅系の朴さんと中国の習さんの親密さは唐新羅連合の再来であり本物かも。
はは、もっともその後新羅も滅亡することを朴さんは十分承知してるでしょうね。
歴史は繰り返す…となれば滅ぶ北朝鮮の流民の一分はやっぱ日本へ向かうのかな?
その時、日本政府は大和朝廷(天武朝)のように処せるのかしら?
前から気になってたタイトルの本を借りました。
幾人かの作家がひとつのテーマに沿って書き下ろした短編集。
こんな選集を anthology っていうらしい。
ギリシャ語起源のこの言葉は「花を集める」って意味だった。
万葉集なんかもアンソロジーってことになるのかな ?!
本書の場合は「グリム童話」がテーマ…作者はそこからインスピレーションを広げます。
なので元のエピソードを覚えてないと作者の趣向が理解出来ない…そのあたりが難かも。
この手の本は選者がポイント…それも知らなければ選集の妙味は解らない。
1赤ずきんの手には拳銃
(Once Upon A Crime)
2Simon Brett 選(米山裕紀 訳)
3原書房
北欧の民間伝承を収集編纂したグリム兄弟の童話を、現代のミステリー作家達がどう料理するか?
ヘンデルとグレーテルは子供の臓器売買の組織犯罪に、はだかの王様はギャングのボス、カエルの王さまはホームレスの男として童話をなぞります。
シンデレラ物は2編あって、王子の妃になった後に暗殺未遂事件に巻込まれるストーリーと意地悪な従姉妹のサイドからみたシンデレラの実像物語。
ラプンツェルは塔に幽閉された夫の救出劇…塔からの脱出に金髪は使われないけど。
雪の女王本人は登場しないけど「白い粉」を取り扱う麻薬組織として描かれます。
タイトルになってる赤ずきんちゃんは、銀行強盗の一味の女が逃避行の途中で森に不時着したところから話が始まり…救助に向かった男の災難と女の末路が語られます。
他に数点の短編があっていずれもひとひねりしてあって楽しめます…でも、もう一巻の続編を読む程にはなれません。
20世紀始めのイングランド南東部の寒村を舞台にした英国女流ミステリー作家のシリーズ物の第2作。
時は大英帝国を築いたヴィクトリア女王が前年に亡くなって、長男のエドワード7世の時代。
この王は世界帝国となったイギリスとヨーロッパ列強と平和条約を結んで「ピースメーカー」と呼ばれた。
ヴィクトリア女王は夫の死後長らく喪服を着用したためイギリス貴族の未亡人はこれをまねた。
貴族から中産階級へと社会構造が変わる頃ながら、まだ婦女労働は貴族からの転落意識も残っている。
そのような時代的な特徴も文中にあって面白い。
1パジャーズエンドの奇妙な死体
(Do Not Disturb)
2Kate Kingsbury 著(務台夏子 訳)
3創元推理文庫
邦題のパージャスエンドはその海辺にある寒村、主人公はその地のホテルの女主人で未亡人。
そのホテル支配人と一緒に事件を解決するシリーズ。
第2作は、ロンドンから来ていた灯台建設作業者2人が連続して毒殺された事件を追います。
その最中にロンドンから来ていた私立探偵も毒殺される。
邦題にある「奇妙な死体」は毒殺された被害者が青く変色することを表したようだ。
この事件で主人公の友人が容疑者扱いされたりホテル従業員の一人も狙われたりします。
しかしその動機はもとより殺害方法も解らない。
このシリーズでは村のティールームがたびたび登場します。
あとがきが料理研究家によって書かれててイギリスの喫茶事情が説明されている。
ところで原題の「煩わさないで」が解らない…原書ならそんなフレーズが大事なところで使われてるのかもな。
ともかく、このミステリーの登場人物はいずれもいいカンジだし殺害シーンも陰惨なカンジがない…お手軽なコージーミステリーでした。
第1次世界大戦直後のイギリスを舞台にした推理小説。
第2次世界大戦直前のアイルランド人作家による作品。
作者は教養人というコトで作中に文学的な引用が頻出する…ので日本人的には辛い。
でも邦訳なので訳者が補足してくれる…それがなかったらこの作品はチンプンカンプンだった。
そもそも原題は17世紀エリザベス朝時代の戯曲からの引用で、シェークスピアと同時代の戯曲作家シリルターナーのものなんだとか。
ターナーを wiki したら復讐劇で当時から人気があったことが分った…そんなの日本人には??だ。
それを知ってる読者は、直ちにこの小説が復讐劇じゃないかと先入観を持つんだろうか?
1死の殻
( Thou Shell of Death )
2Nicholas Blake 著(大山誠一郎 訳)
3創元推理文庫
原題は「汝 死者の亡骸」…毒殺された恋人の頭蓋骨を手に復讐を誓う場面の台詞だった。
主人公の私立探偵もオックスフォード大卒の教養人だったので、この連続殺人事件の謎が解けた。
戦闘機の撃墜王だった男が護衛を務める主人公の目前で予告通り殺害される。
この男に招待された人々が容疑者となるが真犯人が絞れない。
二人が殺害され一人が重傷を負うこの事件を追う中で被害者を含む関係者全員の人間観察が行われる。
所轄の警察とロンドン警視庁は、証拠と動機を捜査して容疑者を特定して追跡したが自殺されてしまう。
が、教養人の私立探偵はこの事件の背景や被害者の過去を調べて真相に至る。
とても優れた推理小説だってことがよく分りました。
推理小説のこと… フダニット( Whodunit ? )って云い方があるらしい。
誰が犯人?ってことだな。
で、今度の推理小説はフダニットじゃない異色の推理小説だった。
事件の「被害者」は誰かを推理するんです。
この作者は、目撃者は誰かだとか事件を追う探偵は誰だなんて作品を連作で上梓して60年前には人気があったらしい。
1被害者を捜せ
( Pick Your Victim )
2Pat McGerr 著(中野圭二 訳)
3創元推理文庫
二次大戦でアリューシャン列島に駐留していたアメリカ海兵隊員が、出征前に勤めてた団体の代表者が殺人を犯したと報じる新聞記事を見つけた。
でも、破れていたため同団体の役員が被害者であることは判読できたけど誰だか判らない。
仲間の隊員達は、その被害者を推理するゲームを始める。
加害者と団体役員10人を知る隊員が、役員一人一人と加害者との関係を詳細に語り推理情報を提供。
しかしながら役員達は一部を除いて加害者との関係が悪いので絞りきれない。
最終章で隊員達が、読者に代わって被害者を自分なりの推理を添えて投票していく。
その間に隊員は元の勤め先の知人に依頼して当事件を報じる新聞を取り寄せ、正解が明らかにされる。
で、この場合タイトルの Pick Your Victim の意味が解らない。
この場合の Your は誰なんだ?
読者の貴方自身が推理して犠牲者一人を当ててご覧…ってコトかなあ。
なら、Your は読者だけど。
ミステリーから離れて小説系の書架に行ってみました。
著者はフランス人で映画製作やTV関係の仕事をしながら小説も手掛けてる多彩な人物らしい。
作品のタイトルからもその辺りが伺える。
これは読みやすそうだ。
でもあとがきを読むと著者本人の私小説みたいな気がしてきた。
まっいいか…基本的に私小説は好みじゃないけど。
1テレビジョン
(La Télévision)
2Jean Philippe Toussaint 著(野崎歓 訳)
3集英社
主人公はある日唐突にテレビのスウィッチを切って、これからはもうテレビを観ないことにしようと決める。
きっぱりと決心した後の主人公の身の回りに生じた出来事を綴ったもの。
ひと夏をパリから離れてベルリンで過ごすその日々が語られる。
家族はイタリアでのバカンスに出かけ一人暮らしの主人公は、研究中のテーマの著作に取りかかる…つもりだった。
が、しかしグダグダしてちっとも筆がすすまない。
テレビが気になって仕方ない。
まっそんな具合に脱力感たっぷりの生活が長々と語られる。
ビデオデッキを土産にバカンスから帰った家族に、自分がテレビと縁を切ったことを告げられない主人公。
いや待て、この私小説の含意はなんだ?
どう読めばいいのか?
このままだと…時間の無駄だ。
NY市警の女性警官を主人公にしたシリーズもの。
時代を反映してミステリーやサスペンスに女性を主人公にする流れがあるんだとか。
この警官もその一人…でも、そのキャラは外形だけで性格は男子を超えてまるでロボットぽい。
冷徹・非情・非常識なところはエイリアンを彷彿させる。
手にしたのはそのシリーズ第4弾。
読んでいくと、そんな主人公を取り巻く脇役達の描写に多くが割かれてた。
そのため本編では主人公の出番はそれほど多くないけど、エイリアン振りは健在だ。
こんなに人間的さが薄い主人公でシリーズ化できるんだろうか?
1天使の帰郷
(Flight of the Stone Angel)
2Carol O'Connel 著(務台夏子 訳)
3創元推理文庫
NYのストリートチルドレンだった主人公は警官夫婦に救われて長じて女性警官となる。
本編はその主人公の出身地ルイジアナの田舎町が舞台…そこで起こった16年前のリンチ殺人事件を捜査するために帰郷する。
しかも、警官としてではなく個人として。
実は彼女の母親が被害者だった。
でも、なぜこの時に至って職を投げ出して出奔(flight)することにしたのかは語られません。
彼女が復讐殺人すると心配した市警仲間2人が後を追います。
この3人はまるで三銃士のような固いキズナをもって事件を解明、真犯人を破滅させる。
タイトルは、この被害者とその娘(主人公)をモデルにした石像(stone angel)が真相に迫る鍵になることを暗示してる。
実際、この石像は自白を迫る演出の中で空中浮遊(flight)もするんです。
この田舎町には人間味豊かな魅力的なキャラの人達が沢山いてこの3人を助けます。
ははん、主人公のエイリアンぽさがこのような登場人物の人間性を引き立たせてるんだ。
更に訳者のお陰か、文章表現が豊かでウィットがありこのシリーズにはお得感がある。
うん、上質なミステリー小説として認めます。


古書「サラエボハガター」にまつわるヒストリカルミステリーです。
出エジプト記を言い伝える「過越し祭」にユダヤ教徒が使う冊子を「ハガター」というらしい。
その冊子が20世紀末のサラエボで発見された。
ボスニアヘルツェゴビナ紛争の戦禍を生き延びたこの冊子は第二次大戦の時代にウィーンから持ち込まれたことが判ってる。
その制作年代が15世紀とされる現存する国宝級の稀覯本…そしてこの冊子はとても変なんです。
ユダヤ教やイスラム教では偶像を描くことはご法度…なのにこの冊子はヘブライ語のテキストにキリスト教ぽい挿絵が描かれて製本されてる。
本書は女流古書修復技師(主人公)の考察を通じてその謎を追います。
1古書の来歴
(People of the Book)
2Geraldine Brooks 著(森嶋マリ 訳)
3ランダムハウス講談社
主人公はこの稀覯本の鑑定と修復を依頼されて紛争終結直後のサラエボへ赴く。
鑑定中に冊子に付着してた蝶の羽・ワイン染み・塩の結晶・猫の毛などの痕跡を発見して制作年代と場所を推定する。
さらにこの冊子の遍歴を調査する。
作者は先行して冊子の遍歴を時代を遡って読者に教えてくれるので、主人公の調査結果を余裕で受け止められます。
主人公が謎を解くに至って小説とノンフィクションが一体化します。
原題タイトルの通り。この小説はこの稀覯本に関わった様々な人々の受難と奮闘を描いたもの。
そして主人公もその人々と同様に受難と奮闘を強いられ仲間入りします。
読み応えあり…でした。
典型的なフダニット(犯人当て)です。
登場人物の誰もが犯行の機会があるように設定されたミステリー。
このシリーズものは、その舞台を山岳に主人公は山男子にしてる。
主人公は素人探偵趣味のシェークスピア劇の現役俳優兼舞台監督。
職業柄、記憶力と人間観察力はミスマープルばり。
著者はそんなところを考慮して読者に対して「主人公が記録してる備忘録」を途中で持出してくれる。
でも、これに囚われると真犯人を見失うことになる。
そこで直感力で真犯人を同定して証拠固めする…捜査の上で最もしてはならない方法だけど。
ははは、今回は結局こんなやり方で成功しちゃいました。
1黒い壁の秘密
(The Youth Hostel Murder)
2Glyn Carr 著(堀内瑛司 訳)
3創元推理文庫
読み進む途中で全く怪しくない人物がいることに気づきました。
好人物でもない…でもどこかこの人物の周辺に違和感が漂う。
しかし動機がなかなか見えてこない。
山岳なので事故を装った事件が発生しても…事件性を問い難い。
そんな最中に第3の殺人事件が発生…このケースは事故を装ってない。
主人公の素人探偵はしっかり証拠と動機を固め実行犯まで明らかにします。
半世紀前のミステリーながら楽しめました。
ただ、主人公が随所でシェークスピア劇からの引用を頻発するのが目障り耳障り。
このあたり時代を感じちゃうなあ。
5月26日、敏夫さんが読みかけて読みきれなかった本をやっと読み、終えた。

『僕はどうやってバカになったか』
マルタン・パージュ著
大野朗子訳
青土社(2003年)

私には面白さも巧みさも読み取れなかったのですが世界的に評価されている本らしい。
表紙のインパクトや主人公の並外れた優秀さからくる違和感で読み始めたが、後半のバカになった辺りで世間への批判めいた内容を含め俗っぽくなり、同様の女性との巡り合いで終える。
敏夫さんは「このモデルはアウンサンスーチーさんではないかな?」と言ってましたが、これも私には読み取れませんでした。

敏夫さん、読み終えたかったであろうと、この本を側に一緒に旅立ちましたが、幽世で読み終えたかな?
306冊目、代わりに私が読みましたよ!! 

これから私は敏夫さんが読んだ305冊の本を少しづつ読んでいこうと思っております。

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