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パーソナルフォーカスコミュの福間良夫作品紹介

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福間良夫は1977年FMF(フィルムメーカーズフィールド)創立メンバーとして活動し
FMFの主宰者として福岡における実験映画のシーンを支えた人物の一人です。
福岡のアートシーンや国内の多くの映像作家とも深い交流がありました。
作品は30年あまりで短編28本、
そのほとんどが8mmフィルムによる実験映画です。

その作品群は、内省的で詩的な部分を奥底に持ちつつも
静かな光景の中に光そのものを「眼差す」強い作家性を持っており、
そこが魅力になっています。

ここでは作品紹介をまとめていきます。
※川口の文章に櫻井篤史さんの加筆が加わっています。
※「若水夜」「桜井へ」「櫻井の引越」「針穴と知恵熱」の紹介文は青井克己さんと桜井篤史さんによるものです。
※イベントの書き込みと重複していますが、上映終了後こちらにまとめる予定です。

作品リスト

軟化(5分/サイレント/1977)
夢のゆきて(3分/サイレント/1978)
日のちぢまり(5分/サイレント/1978)
帰巣譚(4分/サイレント/1978)
跋(4分/サイレント/1978)
神風(3分/サイレント/1979)
続神風(3分/サイレント/1980)
ON A SHUTTER(3分/サウンド/1982)
新神風(4分/サウンド/1983)
弾機(3分/サウンド/1983)
眼界境域(3分/サウンド/1984)
オデッサ(3分/サウンド/1985)
走れ映郎(3分/サウンド/1988)
帰巣譚(12分/サウンド/1988)
柴田基典 詩朗読会用フィルム「川の底にあるもの」(4分/サイレント/1989)
ふくおかぱらだいす(3分/サウンド/1991)
若水夜(3分/サウンド/1993)
桜井へ(3分/サウンド/1994)
ガラスの42才(3分/サウンド/1996)
葉月拾遺(3分/サウンド/1997)
櫻井の引越(3分/サウンド/1998)
プラザホテル(3分/サウンド/2000)
415號室(3分/サウンド/2001)
針穴と知恵熱(3分/サウンド/2003)

作品展
福間良夫・宮田靖子作品集(FMF CINEMATHEQUE No.014)
1978年6月18日/福岡・イベントハウス

福間良夫個展(映像のコスモロジーII)
1997年2月8日/神戸・アトリエ2001
※帰巣譚('78)/神風/新神風/弾機/眼界境域/オデッサ/帰巣譚('89)/桜井へ
http://www.nurs.or.jp/~sug/exp/cosmo/cosmo.htm

福間良夫パーソナルフォーカス出品作品集(8ミリ映画の存続と未来 @山形国際ドキュメンタリー映画祭)
2007年10月7日/山形・東北芸術工科大学 デザイン工学実習棟B 映像スタジオ
http://mixi.jp/view_event.pl?id=22636738

福間良夫展(映像のコスモロジーXII) 
2008年2月11日/神戸・アトリエ2001
http://mixi.jp/view_event.pl?id=27033301

福間良夫8mm作品集 ANGEL of MEDIA(FMF CINEMATHEQUE No.114 シリーズ・フィルムメーカー(14))
2008年06月28日-29日/福岡県立美術館4階視聴覚室
http://mixi.jp/view_event.pl?id=31594527

チャペル福間良夫8mm作品集/Angel of Media (8ミリフィルム映画祭 秋)
2008年10月25日、11月1日/space NEO
http://mixi.jp/view_event.pl?id=35496846

コメント(11)

■軟化(5分/サイレント/1977) ※画像左
見上げた天井、常夜灯の赤い光。それが瞬時に崩れて光の乱舞へと躍動する。光そのものへと分解・還元されるかそけき日常。

・光そのものへの傾倒がダイレクトに現れる初期作。

「撮影前日小倉へ行く。半年ぶりだった。詰まる所自分は関係を稀薄にして行くことの他に関係を成し得んのじゃないか、少し赤面しながら、それよりうしろめたい気持ちのまま汽車に乗った。車中で夕方買ったばかりの、20年前の外套を探す男の小説を読んでいた。ぶ厚い馴染めない文体でとりとめないまま8時30分、小倉駅。落ち着かない。爪先に泥がついている。
ひとつの関係とは、本来、自分の有り様だと思う。それがめくれ、負の内実をたくれつつ、関係の力学をなしていく。気がついてみると、欠如を満たそうとする意思は、関係の困難へ、絡みの中へ沈んでいくように見える。
軟化はあらかじめのコンテとは、まるで違うフィルムになってしまった。ひどい憂鬱のまま、やたらとカメラを握ってしまっていた。このフィルムと自分とは嫌悪でつながっている。しかし、その嫌悪は乖離と収斂を繰り返しながらもフィルムの時間の中で増殖され、今では無形に自分を圧迫する内容を成してしまったといえる。」(福間良夫)

■跋/4min./サイレント/1978 ※画像中
闇の中、柔らかな光の球。その中には向こう側へと続く道、そして恋人の顔。
脈打つ原形質のように、光球は明滅と拡散を、地と図の往還を繰り返す。

・能古島で撮影されたというプライベートフィルムを素材にした作品。トレーシングペーパーに映写機で投影した素材を再撮影して制作された。暖かい視線。
恋愛三部作その1。

■日のちぢまり/5min./サイレント/1978 ※画像右
パートナーがかつて暮らしたアパートの窓。路上の光景。再撮影によって時を抽出されたそれらは、どこか儚く、遠く、リリカルかつリズムカルに立ち現れる。

・恋愛三部作その2。
■帰巣譚/4min./サイレント/1978 ※画像左
眠っている恋人。微かに動く足、腕、肌、口元・・・。アップショットの溶明・溶暗がゆったりと繰り返され、カメラは帰巣する対象を凝視し続ける。

・恋愛三部作その3。ムービーの中のスチル。タナトスにすら通じるエロス。
10年後に制作される同名の作品との対照も興味深い。

■夢のゆきて/3min./サイレント/1978 ※画像中
光と戯れる鏡装置を撮影した初期作品のひとつ。小さな矩形の中をゆるやかに明滅し通過してゆく光点。それはやがて太陽のように輝き、銀河のように広がっていく。

・回転鏡装置三部作その1。鏡に一瞬映り込む作者。
タイトルは「嫁のゆきて」という言葉を福間さんが聞き間違え、感銘を受けた事に由来するらしい。

「18の終りに壁を映した3分間のフィルムを創った。何年かがたち、手にてなす
 なにごともなし―    
 という朝の歌が聞こえてくる。」(福間良夫)

■神風/3min./サイレント/1979 ※画像右
回転鏡装置とそれに感応する光の造り出す空間。そして、カメラの凝視によって立ち現れるものは、光の洪水の中に微動する、蒼い炎のようなグラデーション。

・回転鏡装置三部作その2。よりクローズアップし光に迫る。炉心を覗き込むかのように、フィルムに光が溢れ、滲む。

「さぶしい戦いということを思うとき、いまむしろ恋闘というその詩魂へのあざとさへ
 、私は風を分度する。
 風は、私は、決意を吹こう。」(福間良夫)
■続神風/3min./サイレント/1980 ※画像左
不可思議な光を生み出す装置を撮影した作品。闇の中を、鋭く赤い輝線がゆっくりと揺らめき、輝きながら行き交う。密やかな光の現象と向き合う眼差し。

・回転鏡装置三部作その3。短波長(青)側のスペクトルを用い、光に溢れた「神風」に対して、闇の中に長波(赤)側スペクトルが微かに現れる本作。
ここにも生と死の対照、タナトス的なリリシズムを感じる。

「束ね得ぬもの。」(福間良夫)


■ON A SHUTTER/3min./サウンド/1982
放射状の輝線が描かれた画面を、ムービーカメラの回転シャッターのような扇形の影がよぎる。RGBフィルターによる色彩合成で構成した作者異色のアニメーション作品。

・メタ-メカ、つまり映画の機械構造をモチーフにした映画。サウンド的にも異色作。

「甘く 切なく やるせなく
 待望のメタメカシリーズ第一弾!」(福間良夫)


■新神風/4min./サウンド/1983
明滅する護国神社の鳥居。震える大気。流れる雲。やがて、バルブ撮影によって伸長された気配は、極彩の軌跡となって、神域から溢れ、光の氾濫を引き起こしてゆく。

・福間作品代表作の一つ。他の2つの「神風」作品とは異なり、回転鏡装置作品ではなく「弾機」と同じ系譜に属すると思われる。

「いわば光学・レンズ系による銀塩写真システムによって、時間と空間の擬制をとくことはできないか。風が吹くか。うけひの戦いである。」(福間良夫)
■弾機/3min./サウンド/1983 ※写真左
地下鉄のトンネル、接近する車両の放つ光を長時間露光で捉えた作品。実体のな
い車両の轟音とともにコンクリートは眩い光の構造物へと変貌し、そして再び闇
へと戻ってゆく。

・福間作品代表作の一つ。地下鉄のトンネルが、濃密な気配とともに、まるで夢の中のように美しい「光景」へと変化してゆく。

「あなたが言う通りだった。耳をすますと、硬い鋼鉄の中心からひいた垂線に
 からみついた声が、にじんだ汗がぶどうのようにぶらさがって見えた。」
(福間良夫)


■眼界境域/3min./サウンド/1984 ※写真中
低いハムノイズとともに3方向に浮かび上がる青い、蛍光灯の輝線。光とは、眼とは、空間とは何か。光源によって錯視される構造を、光そのものでモデリングし映画に結晶させる試み。

・謎の多いこの作品だが、関連して「視性のアルケオロジー」という論考が残されている。光は、眼の存在によって光であることを始める。

「写真特性の失調を組織する」(福間良夫)


■走れ映郎/3min./サウンド/1988 ※写真右
フィルムビュワー画面の中に点滅する、光の中の運動会。紅白帽を被った光子たちが、スローモーションで躍動する。光源と戯れる無言の競技。一転、漆黒の中に覚醒する現実。

・ホームムービー(家庭映画)の中にみえるもの。対象である子供と、そしてフィルムに透かされた光そのもの。それらは分ち難くそこに在る。

「正しいホームムービーの作り方。入門編」(福間良夫)
■帰巣譚/12min./サウンド/1988
夜の車窓に流れる光点。ゆるやかに揺れる電車内。駅のエスカレーター。帰るべき家へと向かう。酩酊の中、蔦の絡まる壁が緩やかに視界を流れ、実体を喪失した手がドアノブに伸びる。

・「帰巣」という行為自体を、流れる風景にカメラを向ける事で描く。作者自身の主体は希薄で、肉体から遊離した眼だけが家へと向かっているようだ。「帰巣」する対象の肉体を凝視し続ける78年の同名作品とは対照的。緩やかな動きのなかで風景が、光を鈍く反射する。
福間作品の代表作の一つ。

「会社から家に帰るという、ごく日常の膿んだ風景を、ファインダーを通して、自身の視線へ取り戻す試み。手法として、ナラティブな要素をサウンドトラック上に貼りつけてみた。ナラティブな手法は、フィルム上の出来事を、見事に補完するようで実は、物語ることの罠を、無限に増殖させる契機ともなっていった。ホーム・スウィート・ホーム、帰巣譚。」(福間良夫)
■若水夜/3min./サウンド/1993
月の神様から贈られた不死の水と死の水。宮古島に伝わる若水伝説をモチーフにした作品。生と死の狭間をイメージした暗い画面に、水の音と三線の音が重なる。

「ネフスキー翁に捧ぐ。」(福間良夫)


■桜井へ/3min./サウンド/1994
親友の映像作家・桜井篤史への返歌。新築団地とかつて暮らしていた団地の瓦礫。作者の心象風景のようなFIXの画面に、作者自身が這入りこんで自らのポジションを示す。

「起ちあがるためには、大地がなければならぬ。」(福間良夫)


■櫻井の引越/3min./サウンド/1998
桜井篤史が、福岡に引っ越して来たという妄想をモチーフにして撮られた作品。聞き取れないほどに引き延ばされたナレーションが、黎明の虚空にざわめく8ミリフィルムの粒子と呼応する。

「友人の櫻井が、博多に引越すことになった。単身赴任なのか、家族も一緒なのか、知らない。引越の原因はひとつは私にあった。おじさんである我々には、やっぱり大変な事件である。ただ、もうどこにも引き返せないのだ。」(福間良夫)

※文章:青井克己さん&櫻井篤史さん
■針穴と知恵熱/3min./サウンド/2003
古ぼけたドライバードリルと眼球が織りなす夢幻譚。作者の最晩年の作品だが、まるで初期作品に回帰したような、抽象的な光の明滅が主調となっている。

「ああ、知恵熱が‥‥‥。」(福間良夫)


※文章:青井克己さん&櫻井篤史さん
こんな文章を見つけました。
islandsという会社(http://www.geocities.jp/m_yuiko/index.html)の、「映像関連書籍、パンフレット等の翻訳」のサンプルとして公開されていました。(2004年のものらしいですね)
カナダの映画祭Imagesfestivalでの日本特集「Japan Focus」のクリスゲーマン氏の文章を、翻訳してウェブページ化したもののようです。

JAPAN FOCUS   < 日本におけるインディペンデント映画(Film/Video)の現在
http://www.geocities.jp/m_yuiko/translation/japan_focus.html

「逆説的に言えば、「実験的」とか「アヴァンギャルド」などと称される多くの作品が、実は最もありふれた伝統的な日本の美学形体と親密に関係しているように思われるのである。リチーが観察しているように、いくつかの実験映画はその土台となる美学において、俳句や和歌、または浮世絵版画のような、非常に長い時間を要して確立された文化形体に匹敵するものなのである。 福間良夫のサイレント作品のような映画、冥想的なシングル8の習作「弾機」(1983)や「ダンカイキョウイキ」(1984)は、その想像力の集結や簡潔さ、物事の日常性、そして形体の美しさにおいて、この日本の深く根ざされた美学を呼び起こしているようである。」

眼界境域のタイトルが間違っているのは、おそらく翻訳する際に資料がなかったのではないかと思われます。クリスさんは、福岡にいらした時に見ていたのでしょうか?
この時の上映一覧にはなかったので。

この文章の後半で、私の作品「位相」にかなり深く触れているのですが、今まで知りませんでした・・・

最後の部分の上映作品一覧で
Seventeenth Summer MIYATA Yasuo
ってなってます・・・
kが抜けちゃったんで、翻訳時に分からなかったのでしょうか
ありがとう!よくぞ見つけてくれました。
そのパンフ実は我が家の何処かにあるのです。すみません至りませんで。

FMFシネマテーク特別上映として、福岡市総合図書館主催「FILM・NET・WORKS」
でカナダ16ミリ作品とアメリカスーパー8作品の上映をやった時、福岡の作家のものをクリス・ゲーマン氏に見せたのですのです。その中から福間の「弾機」と宮田の「17才の夏」を
映画祭でプログラムしてくれました。

クリスはとても熱心に私たちの活動や作品を評価してくれたのですが、その後の交流をきちんとしないのが、FMFの不足のところですね。83,4年頃オーストラリアでやったときも、あとでよーくお手紙読んだら「作品を買いたい」と書いてありました。気がついたのは何年も経った後。子育て中でバタバタしていたとは言え・・・。

今度そのパンフ探しておきます。

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