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勝 新太郎コミュのドキュメント「影武者」・3

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ドキュメント「影武者」・3をお送りします。


「影武者」は第一稿から決定稿に至るまで徹頭徹尾、勝をインスパイアした。
 黒澤が演者を想定してアテ書きすることは珍しいことではない。自作(脚本作も含め)において三船が演じた役はほぼ全てが人間・三船敏郎をイメージして描かれたものであるのは明白だ。通常、アテ書きとは特定の役者か、その素顔をイメージするものであるが、「影武者」の主人公、影武者が決定的に違っていたのは映画作家・勝新太郎をそのメインイメージとしたことだった。自作の大黒柱、三船敏郎とのコンビを解消し、今後、自らが描き出すべき作品を模索している中で勝演出と衝撃的な出会いをしてしまったことを考えると無理からぬことではあった。
 こんなエピソードがある。夢中で筆を進める黒澤が急に書くのを中断し、TVのスイッチを入れた。そして、その場にいた黒澤プロのスタッフに「君、今、世界で一番優れた映画監督を知ってるかい?」と質問した。スタッフは一瞬「?」と思っていると黒澤は「それはね、勝さんなんだよ。」と言うや否や「新・座頭市」の放送が始まった。ニコニコしながらOPタイトルバックを見進めていくが、OPの最後でその週の監督が勝新太郎でないことが判明すると即座にTVのスイッチを切り、執筆を再開したらしい。黒澤の勝への心酔振りを窺わせる話である。
 黒澤は勝を「勝さん」と呼び、勝は黒澤を「先生」と呼んだ。互いが最大級のリスペクトを払う間柄だった。勝が映画監督に対して先生と呼んだのは生涯にわたって森一生(「薄桜記」、「不知火検校」等)と黒澤のわずか二人だけである。

続く

コメント(5)

面白いです。続きが楽しみになってきました。
素晴らしいです。
結末まで楽しみに読ませていただきます。
>愚さん
結末は殆んど私の推論になると思います。
いいエピソードが聞けました。
映画作家としての勝新の凄さを素直に認める巨匠黒澤も凄いですね。
時代劇専門チャンネルで新・座頭市を見ています。
役者としての素晴らしさはもちろんの事、演出家としての勝さんの素晴らしさは確かに世界の黒澤が絶賛するだけあるな、と今更ながら思いました。
早く、この「ドキュメント影武者」の続きが読みたいです。
お願いします!

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