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映画を診る「シネマ特診外来」コミュの「ツイステッド」

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【ラストのヒネリは快感   美女ジャッドのサスペンス】

女性警官のアシュレイ・ジャッドは両親亡きあと、父の親友であった警察本部長のサミュエル・L・ジャクソンに英才教育されて育ち、手柄を立てて殺人課刑事として栄転する。

しかし敏腕なるがゆえに敵視もされ、以前よりストレスを『ミスター・グッドバーを探して』のダイアン・キートンの様に酒場で一夜限りの男をハントしては発散していた。

ある日現場に向かうと、被害者がかつて関係のあった男。それから続く事件の被害者がすべて同じく関係した男であり、酒を飲んで寝た翌朝には覚えのない血痕が体に付いていて、また一人被害者が増えている。

ジャッドは自分が最大の容疑者であり、夢遊病者のように知らぬうちに殺人を犯しているのではないかと苦悶(くもん)する。

ジャッドといえば、障害を抱えた少年と親友の少年の友情を描いた傑作『サイモン・バーチ』で気高く美しい、これこそ母性なりという女性を演じた正統派美人女優だ。

彼女が復讐に燃えるヒロインに扮して全米大ヒットとなった『ダブル・ジョパディー』の夢よもう一度とばかりに企画された映画なのだろう。ただ興味をかき立てたのは、監督があの『存在の耐えられない軽さ』のフィリップ・カウフマンであることだ。

この種の映画ではいかに興味深い人物を登場させるかで厚みがでるものだが、ここでは鑑識課の太った女性がでてきて、「死体は語る」とばかりに徹底した検屍ぶりを見せる。

そして彼女が検体血液から突き止める薬物があるのだが、ロヒプノールという商品名がそのまま出てきて驚いた。

というのも一般名をフルニトラゼパムというロヒプノールは中時間型の睡眠剤として日本では穏やかに効果をもたらせる薬剤として繁用されているものであるからだ。

それが米国では別名レイプ・ドラッグとして有名らしい。

いかに穏やかな薬剤でもアルコールと共に服用すれば予期せぬほどの効き方も起こる。調べてみると米国では持ち込み禁止薬物として旅行者が大量に所持していた場合には税関にて没収される扱いを受けているという。(アメリカに長期旅行される方では注意されたい。)

 あまり上手には弾けないサスペンス映画だが、それでもタイトルの通りにラストでヒネリが用意されていて快感はある。

だがジャッドのファンとすれば新鮮味は薄く、カウフマンの起用も勿体ない印象で、企画そのものにスノビズム(流行を追う俗物根性)というものを少し感じる。

もっとも、このいかがわしさもまた娯楽映画の大きな楽しみではあることは承知の上の不満ではあるのだが…。

2004年10月18日(月)掲載
(内科医)(毎週月曜日掲載)赤字は添削部。灰色は削除部。

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