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言語学コミュの格助詞「から」と「に」の相違

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ある質問コーナーで次のような質問がされ、それに対する「ベストアンサー」とされた内容について検討してみましょう。

(日本語文法) 「…にもらう」について教えてください
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/12563155.html

「もらう」は、「友達 {から/に} 招待券をもらった」のようにカラ格も二格も使える場合があります。その際、二格を使うと「招待券をもっている友達に頼んで」分けてもらったとか、譲ってもらったというような「依頼の結果、手に入るという事態が成立した」というニュアンスがあると説明する方もいらっしゃるようですが、その説でいくと、

「友達に誕生日プレゼントをもらった」

は、「私の誕生日にプレゼントをちょうだい」などと友達に催促して受け取ったというニュアンスがあるということになりますよね。
「友達に誕生日プレゼントをもらった」のような文は普通に使うと思うのですが、(誕生日に限らず)プレゼントを催促する状況って不自然じゃないですか?

ということで、「…にプレゼントをもらった」という文でも説明可能な文法解説をお願いしたいのですが。よろしくお願いします。//

これについて詳細が語られています。
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12700727011.html


結論としては……。
 通常は
  AカラBニ渡す
 のように「カラ」と「ニ」は逆の意味合いで使われます。しかし、
「友達{カラ/ニ}招待券をもらった」
 のような場合は同じように使われます。通常は、「ニ」は「着点」ですが、この場合はむしろ「起点」です。
「恩人(恩恵等を授けてくれる人)」を「ニ」で受けます。
「先生{カラ/ニ}教えてもらった」
「母{カラ/ニ}(突然)手紙をもらった」
「部長{カラ/ニ}お目玉を{もらう/食らう}」
 同じように使えます。

 このときに「依頼の結果、手に入るという事態が成立した」というニュアンスがあリますか?
 ケースバイケースでしょう。コメントNo.1のかたのように「細かな意味の違いはありません」といってよいのでは。

「説明可能な文法解説」にはなっていないかもしれませんが、「そういうもの」なのでは。当方は「二の特殊用法」だと考えています。
 質問文を読むと、文法に詳しいかただと思います。こんな回答で申し訳ありませんが、あまりむずかしく考えてもしかたがないような。
 ただし、当方はこのテの「ニ」に異和感があるので、自分では使いません。
 詳しくは下記あたりをご参照ください。
【「先生ニお電話をいただきました」 二の特殊用法?〈1〉〈2〉〈3〉】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12166419612.html

ここでは、

 * 「細かな意味の違いはありません」といってよいのでは。
 * 当方は「二の特殊用法」だと考えています。

とされていますが、当然ながら意味が異なり、このような用法は次の通りごくありふれたものです。

 ★ 先生に本をもらいました。 
 ★ 彼にノートを借りた。
 ★ だれにピアノを習っているのですか。

これを、「二の特殊用法」とするのは現在の形式主義/機能主義的な言語観、文法論に基づく粗雑な理解という他ありません。こうした解釈をいくら並べたところで、質問への回答にもならず、<助詞>の理解が深まる訳でもありません。何が誤っているのかを明確にしたいと思います。

この回答では、

 通常は、「ニ」は「着点」ですが、この場合はむしろ「起点」です。

と述べていますが、<格助詞>「ニ」自体は「着点」や「起点」などという客体を表すものではありません。この自明な事実に眼を背けるしかない(背けざるを得ない)ところに現在の言語論、文法論の本質的な欠陥があります。つまり、<助詞>とは何であるかが全く理解できていないということです。

現在の言語観では語は何かを指したり、『現代日本語文法概説』(庭 三郎)
http://niwanoda.web.fc2.com/bunpou/0mokuji.html

では、
 1.名詞・・・・後に「が」「を」「に」などがついて、補語になる。
・述語になる場合は「だ」がつく。「代名詞」も含む。
・    例 ・日本 ・ 佐藤 ・ 木 ・ 愛 ・ 動き ・ 重さ ・ もの ・ こと ・ 私 ・ あれ

と語の意義ではなく機能について述べるだけで、意義には触れることができません。<助詞>については、

9.助詞・・・・名詞について、述語との関係を示したり、語と語をつないだり、述語の後につけて意味を加えたりする。
・例 ・が ・ を ・ に ・ の ・ と ・ から ・ より ・ ので ・ は ・ も ・ ね

と機能を述べるだけです。その結果、<格助詞>「に」については、

7.3 に
 用法の広い格助詞です。基本的な意味は何らかの意味での「点」を示すことでしょう。

と「点」という客体自体を表すとするしかありません。こうした説明を参照、引用するために、

  通常は、「ニ」は「着点」ですが、この場合はむしろ「起点」です。

と解釈する他ないことになります。筆者は先に本コーナーの、

格助詞「に」の意義とは何か−機能主義言語論の混迷
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=2748&id=91863869&comment_count=2

で、こうした<格助詞>理解の誤りを指摘しましたが全く理解されていないということです。

そこで明らかにしたのは、<助詞>は客体という対象自体ではなく、その客体を話者がどのように捉えるかという話者の主観、認識を客体化することなく直接に概念化し表す語で、<名詞><動詞><形容詞>などの客体自体を概念化した語とは本質的に異なるということです。この相違を捉えることができずに、<名詞><動詞><形容詞>などを<自立語>と区分し、<助詞><助動詞>などを<付属語>と区分する形式主義/機能主義的な品詞分類しかできない文法論では<助詞>の意義を捉えられず、文の意味レベルの客体になぞらえることしかできないということになります。

このように、<助詞>を話者の主観、認識を客体化することなく直接に概念化し表す語と理解できれば、

  ★ ここ【に】その本があります。
  ★ 友達【に】本をもらいました。
  ★ 大阪【に】行く予定です。

などの「に」は空間的な位置付けの意識、認識を直接に表すもので、場所である「ここ」「友達」「大阪」を空間的に位置付けており、移行の方向を表しているのは、「あり」「もらい」「行く」などの<動詞>であることが明らかになります。

  ★ 会議は5時【に】始まります。
  ★ 会議は5時【に】終わります。
  ★ 出発は朝6時【に】します。

この場合は、時間的な位置付けであることが明らかです。次に「から」ですが、

  ★ 友達 【から】招待券をもらった。
  ★ 先生【から】本をもらいました。
  ★ 嘘【から】出た真。
  ★ だれ【から】ピアノを習っているのですか。
  ★ 会議は5時【から】始まります。
  ★ 会議は5時【から】にします。
  
この「から」は「起点」の意識、認識を表します。<「起点」の【意識、認識】>の「意識、認識」が重要で、話者が「友達」「先生」「嘘」「5時」を起点として認識し表現しているという意味で、「に」が「友達」や「先生」という「点」表しているのではないのと同様に、「から」自体が「起点」を表しているわけではありません。「に」と「から」では同じ対象に対し、話者の捉え方が異なっているということです。

この点を捉えられないために、<「に」が「点を」表す>、<「から」が起点を表す>としか認識、表現できなくなってしまうということです。このため、

 【「先生ニお電話をいただきました」 二の特殊用法?】

などと全くピント外れの理解が生じてしまいます。こうした、形式主義/機能主義的な言語観、文法論に基づいて思考している限り<助詞><助動詞>などの所謂<付属語>を正しく理解することは永遠に不可能となるしかありません。

言語観、文法論のパラダイム転換が必要だということです。■

コメント(2)

この回答に見られるような<助詞>理解では、

「は」「が」論の前提 : 何が欠けているのか。
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comment_count=1&comm_id=2748&id=90856226

で論じたように、難問される<助詞>「は」と「が」の解明など望むべくもないことは火を見るより明らかということになります。■
同様の表現に、

  妻に別れる。

  会社に見切りをつける。

がありますが、「から」の場合

 妻から別れると言われた。

 会社から見切りをつけられた。

のようになります。■

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