ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

言語学コミュの「が」と「は」の使いわけ  事例(2)   

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「が」と「は」の使いわけ 事例(1)
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=2748&id=101257818
の続きです。
 
 ★ 菜の花や月【は】東に【日】は西に。   与謝蕪村

この句は、

 ☆ 菜の花や月【が】東に日【が】は西に。

でも、文法的には誤りではありません。「が」でも「は」でも成立します。しかし、「が」は個別判断のときに使う語であって、☆の句では月と日についての認識がバラバラに行われ、単に文の中に両者が並んでいるに過ぎません。

これに対し、「は」は特殊判断のときに使う語であって、これを使った★の句では月と日の両方をひっくるめた広大な自然の風景を認識し、その風景の中のそれぞれの特殊性を取上げて表現しています。

「は」は主題を表すなどと言ってみても、何の説明にもならないのは明らかです。蕪村が「は」を使ったのも、本人がどこまで意識していたかは別にして、適切な選択であることが、このようにして初めて理解できます。

 野田尚史
 「は」と「が」
(井島正博[編著]『現代語文法概説』朝倉書店 2020.11 所収)

では、主題を表す「は」の他に対比の意味を表す「は」について次のように述べています。


 「は」には主題を表す場合のほか,対比の意味を表すものがある。……
 まず,対比の意味を表す「は」であるが,(60)の「肉は」「魚は」のような「は」である.

 (60)私は【肉は】好きだが,【魚は】好きではない.
 
 この文の「私は」は主題を表しているが,「肉は」「魚は」は主題ではないと考えられる.主題はその文が何について述べるかを表すものなので,基本的には一文に一つしか現れない.「肉は」「魚は」は主題を表しているのではなく,「肉が好き」と「魚が好き」が対比的であることを表している.
 (60)のように二つのことが対比されている文では,二つのことが「が」や「けれど」のような逆接の接続助詞や接続詞でつながれている.また,二つの述語が「好きだ」と「好きでない」のように逆の意味になっている。そして「肉」と「魚」のように同じような種類を表す二つの名詞に対比を表す「は」が付いている。//

 しかし、ここで問題にしている、

 ★ 菜の花や月【は】東に【日】は西に。   与謝蕪村

の「は」が主題でないのは明らかですが、上記でいう対比でないのも明らかです。さらに、例文に挙げられている、
  
 (60)私は肉は好きだが,魚は好きで【は】ない.

の【は】も又どちらにも該当しません。

これでは助詞「は」の意義の解明にはならないのは明らかという他ありません。■

コメント(1)

三浦つとむ による「は」「が」論の提起は1967年頃のことで、既に半世紀以上経過しているが、日本語学会はこの意義を理解できず、上記の野田尚史他による「は」は主題を表すなどというピント外れな議論に終始しているのが現状です。

言語表現の過程的構造を捉えることができず、ソシュール言語論を超えることができない西欧言語論に追随している限り、科学的な言語論、日本語論を展開することはできないことを自覚すべきです。■

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

言語学 更新情報

言語学のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング