a. 語基性質の分野から、「〜さ」派生名詞はいずれも意味の多様性が高い、その形容詞語基の多義
性を反映する。それに対して、「〜み」派生名詞は語基の分野によって、意味用法が限定され、相違するのであるが、「味覚」に関する形容詞の「〜み」派生名詞は「具体的なもの」に限定されるが、「量的な属性」の形容詞を語基とする場合は、かえって「抽象的な物事」に偏ると分かった。
b. 構文的特徴から、「〜さ」派生名詞は常に他の名詞によって「〜さ」の意味・性質を限定しなけ
ればならない。「〜み」派生名詞は存在文の主語として用いられ、「〜み」派生名詞自体が意味の具体性や明確性が強いことを示すと考えられる。
c. 共起の動詞から、「〜さ」派生名詞は思考したり、伝達したりする限定的な内容(具体的、また
は抽象的もの)として用いられることが見られる。一方、「〜み」は積極的「表面からは見られない」「〜み」派生名詞の性質が引き出されることによく使われる//