「いる」と「ある」の違いは生物／無生物、有情のもの／非情のものなどとされる。このため相変わらず、次のような質問がされることになる。
「いる」と「ある」の違いは、対象が生きているかどうかと聞きましたが、死んでいる幽霊はなぜ「いる」ですか？
https:/
辞書も又、次のように記している。
有る（読み）アル
デジタル大辞泉 「有る」の意味
[補説]（1） 「ある」は、広く、五感などを通して、空間的、時間的に事物・事柄の存在が認められる意がおおもと。古くは「昔、男ありけり」〈伊勢・二〉のように、人に関しても用いたが、現在ではふつう人間・動物以外の事物についていい、人間・動物については「いる」を用いる。しかし、「予想外の参加者があった」「強い味方がある」など、人に関しても「ある」が用いられることがあり、この場合は人が概念化・抽象化した立場でとらえられていたり、所有の意識が認められていたりする／／
既に、以下のようなこの誤りを正した説明もなされている。
実は、この「ある」と「いる」。
単に、「生物」か、「無生物」かという単純な使い分けではありません。
私たち日本人は、「動くのか、動かないのか」で、この「ある」と「いる」を
無意識に使い分けています。
例えば、次の例文を読んで、その場面をイメージしてみてください。
� ー�司屋の張り紙
Ａ）マグロ、あります。
Ｂ）マグロ、います。
�◆．蹈椒奪版酳�館に行った子供の話
Ａ）博物館にロボットがたくさんあったよ！
B）博物館にロボットがたくさんいたよ！
�� 道路でお母さんが子供に注意する場面
Ａ）ほら！自転車あるから、気をつけて！
Ｂ）ほら！自転車いるから、気をつけて！
この� 銑�の例文。
Ａ）の「ある」を使っている時は、「マグロ、ロボット、自転車」は動いていないと感じますが、
Ｂ）の「いる」を使っている時は、それぞれが動いている場面をイメージしませんか？
ここまで考えると、なぜ、「チューリップがいます。」ではないのかも、納得できますよね。植物は「生き物」ですが、「動かない」ので、「いる」ではなく、「ある」を私たち日本人は使うのです。
毎日必ず使っている「ある」と「いる」。
今日は、自分がどう使い分けているかを「動く？動かない？」という視点で意識してみてください。
（おまけ）
特に、慌てて電車のホームや、バス停に駆け込む時や、タクシー乗り場に行く時がお勧めです。無意識に「あ〜！電車（バス）、まだいる！よかった〜」とか、「タクシー、いる？」
なんて私たち日本人は話していますよ♪
【「ある」と「いる」の使い分けのルール】
https:/
言語事実に即してみれば至極真っ当な理解である。この誤りは既に半世紀前、"70年代に三浦つとむにより明らかにされているが未だ学校文法を正すことのできない日本語学の世界では受け入れらていない。先の辞書の解説もその一例である。
（日本語教育175号 2020.4） 〔研究論文〕 渡辺誠治
非情物の存在を表す
「Ｖテイル」と「アル」の使い分けについて
https:/
など、タイトルからしてその典型である。こうした誤った発想のもとに日本語教育を論じていては全く解決にならないのは明らかであろう。
従って、この誤りを未だ信仰している方も珍しくない。
「持っている」 「ある」 「いる」【1】【2】【3】
原則的には、生物は「いる」で、無生物は「ある」だろう。
※これは「動物」と「それ以外」のほうがいいのかもしれない。
http://
この誤りを論じた〔三浦つとむ〕は次のように云う。
国語学者が「いる」と「ある」との使いわけを分析できないのは、タダモノ論的に＜動詞＞と対象とを直結して、「いる」は生物に「ある」は無生物に使われていると解釈してしまうからである。この直結は、＜動詞＞と対象との間に認識があって、その対象の受けとりかたのちがいで＜動詞＞がちがってくるという問題を、抹殺することになる。認識のミクロかマクロかで＜動詞＞がちがう事実を扱えなくさせている。
〜
学者はどうして「ある」の意味を正しくつかめないのか？私は三つの理由をあげたい。
第一の理由は表現と対象とのタダモノ論的な直結である。第二の理由はすでに時枝(誠記)が指摘したが、「ある」には客体的表現と主体的表現と対立した二種類の表現があるのに、これらを正しく区別して扱えないのである。＜動詞＞の「ある」は対象の認識を、＜助動詞＞の「ある」は判断を表現しているのであって、両者の認識構造のちがいを正しく把握しなければならない。ここから敬語の「ござる」には対立した二種類があることもわかる。「本はここに【ござい】ます」「私には妻がまだ【ござい】ません」は＜動詞＞で、「おっしゃる通りで【ござい】ます」「ひどいじゃ【ござい】ませんか」は＜助動詞＞である。
第三の理由は対象の論理構造の把握の不十分で、【実体】が動きまわるか否かと【属性】が変化するか否かということとは別であり、実体が動きまわらなくても属性は変化するのだということを論理的に反省しないのである。具体的な事実を取りあげて、自動車が運転中か車庫に置いてあるかということと、車体の色が変ったり形態がちがったりタイヤが特殊な性能のものに取り換えられたりすることは別で、直接関係はないではないかとわれれば納得するであろう。しかし論理構造を充分に反省していないと、実体が動きまわらないことすなわち【場所の不変を属性の不変と混同しやすい】。その結果、習慣的に場所の不変のときに＜動詞＞「ある」を使いながら、【これを属性が不変な時に使われる＜形容詞＞と内容が共通しているかのように錯覚する】。「ある」はありかたは不変でなく変化するものだと、もっとも抽象的な属性についての意識をふくんでいるのに、ここでは属性を扱っていないので＜動詞＞＜形容詞＞に共通する基本的なものを扱っているのだなどと解釈する。山田孝雄は「如何なる属性をも予定することなく殆ど一切の用語の基本的形式的部分を代表せるもの」と説明している。一口でいうなら、さきに問題にしたタダモノ論者の誤謬にも見られるように、対象の構造から認識構造へさらに表現構造への過程的構造を全面的には把握しきれない弱点が、「ある」の意味を正しくつかめない原因なのである。
（『日本語の表現構造』〔五 「いる」と「ある」との使いわけについて〕；雑誌『試行』NO.38 1973．6）
上記、＜助動詞＞の「ある」は国語学、日本語学では＜補助動詞＞として形式から＜動詞＞とされているのが現状である。
「補助用言という誤り」
https:/
参照。■
「いる」と「ある」の違いは、対象が生きているかどうかと聞きましたが、死んでいる幽霊はなぜ「いる」ですか？
https:/
辞書も又、次のように記している。
有る（読み）アル
デジタル大辞泉 「有る」の意味
[補説]（1） 「ある」は、広く、五感などを通して、空間的、時間的に事物・事柄の存在が認められる意がおおもと。古くは「昔、男ありけり」〈伊勢・二〉のように、人に関しても用いたが、現在ではふつう人間・動物以外の事物についていい、人間・動物については「いる」を用いる。しかし、「予想外の参加者があった」「強い味方がある」など、人に関しても「ある」が用いられることがあり、この場合は人が概念化・抽象化した立場でとらえられていたり、所有の意識が認められていたりする／／
既に、以下のようなこの誤りを正した説明もなされている。
実は、この「ある」と「いる」。
単に、「生物」か、「無生物」かという単純な使い分けではありません。
私たち日本人は、「動くのか、動かないのか」で、この「ある」と「いる」を
無意識に使い分けています。
例えば、次の例文を読んで、その場面をイメージしてみてください。
� ー�司屋の張り紙
Ａ）マグロ、あります。
Ｂ）マグロ、います。
�◆．蹈椒奪版酳�館に行った子供の話
Ａ）博物館にロボットがたくさんあったよ！
B）博物館にロボットがたくさんいたよ！
�� 道路でお母さんが子供に注意する場面
Ａ）ほら！自転車あるから、気をつけて！
Ｂ）ほら！自転車いるから、気をつけて！
この� 銑�の例文。
Ａ）の「ある」を使っている時は、「マグロ、ロボット、自転車」は動いていないと感じますが、
Ｂ）の「いる」を使っている時は、それぞれが動いている場面をイメージしませんか？
ここまで考えると、なぜ、「チューリップがいます。」ではないのかも、納得できますよね。植物は「生き物」ですが、「動かない」ので、「いる」ではなく、「ある」を私たち日本人は使うのです。
毎日必ず使っている「ある」と「いる」。
今日は、自分がどう使い分けているかを「動く？動かない？」という視点で意識してみてください。
（おまけ）
特に、慌てて電車のホームや、バス停に駆け込む時や、タクシー乗り場に行く時がお勧めです。無意識に「あ〜！電車（バス）、まだいる！よかった〜」とか、「タクシー、いる？」
なんて私たち日本人は話していますよ♪
【「ある」と「いる」の使い分けのルール】
https:/
言語事実に即してみれば至極真っ当な理解である。この誤りは既に半世紀前、"70年代に三浦つとむにより明らかにされているが未だ学校文法を正すことのできない日本語学の世界では受け入れらていない。先の辞書の解説もその一例である。
（日本語教育175号 2020.4） 〔研究論文〕 渡辺誠治
非情物の存在を表す
「Ｖテイル」と「アル」の使い分けについて
https:/
など、タイトルからしてその典型である。こうした誤った発想のもとに日本語教育を論じていては全く解決にならないのは明らかであろう。
従って、この誤りを未だ信仰している方も珍しくない。
「持っている」 「ある」 「いる」【1】【2】【3】
原則的には、生物は「いる」で、無生物は「ある」だろう。
※これは「動物」と「それ以外」のほうがいいのかもしれない。
http://
この誤りを論じた〔三浦つとむ〕は次のように云う。
国語学者が「いる」と「ある」との使いわけを分析できないのは、タダモノ論的に＜動詞＞と対象とを直結して、「いる」は生物に「ある」は無生物に使われていると解釈してしまうからである。この直結は、＜動詞＞と対象との間に認識があって、その対象の受けとりかたのちがいで＜動詞＞がちがってくるという問題を、抹殺することになる。認識のミクロかマクロかで＜動詞＞がちがう事実を扱えなくさせている。
〜
学者はどうして「ある」の意味を正しくつかめないのか？私は三つの理由をあげたい。
第一の理由は表現と対象とのタダモノ論的な直結である。第二の理由はすでに時枝(誠記)が指摘したが、「ある」には客体的表現と主体的表現と対立した二種類の表現があるのに、これらを正しく区別して扱えないのである。＜動詞＞の「ある」は対象の認識を、＜助動詞＞の「ある」は判断を表現しているのであって、両者の認識構造のちがいを正しく把握しなければならない。ここから敬語の「ござる」には対立した二種類があることもわかる。「本はここに【ござい】ます」「私には妻がまだ【ござい】ません」は＜動詞＞で、「おっしゃる通りで【ござい】ます」「ひどいじゃ【ござい】ませんか」は＜助動詞＞である。
第三の理由は対象の論理構造の把握の不十分で、【実体】が動きまわるか否かと【属性】が変化するか否かということとは別であり、実体が動きまわらなくても属性は変化するのだということを論理的に反省しないのである。具体的な事実を取りあげて、自動車が運転中か車庫に置いてあるかということと、車体の色が変ったり形態がちがったりタイヤが特殊な性能のものに取り換えられたりすることは別で、直接関係はないではないかとわれれば納得するであろう。しかし論理構造を充分に反省していないと、実体が動きまわらないことすなわち【場所の不変を属性の不変と混同しやすい】。その結果、習慣的に場所の不変のときに＜動詞＞「ある」を使いながら、【これを属性が不変な時に使われる＜形容詞＞と内容が共通しているかのように錯覚する】。「ある」はありかたは不変でなく変化するものだと、もっとも抽象的な属性についての意識をふくんでいるのに、ここでは属性を扱っていないので＜動詞＞＜形容詞＞に共通する基本的なものを扱っているのだなどと解釈する。山田孝雄は「如何なる属性をも予定することなく殆ど一切の用語の基本的形式的部分を代表せるもの」と説明している。一口でいうなら、さきに問題にしたタダモノ論者の誤謬にも見られるように、対象の構造から認識構造へさらに表現構造への過程的構造を全面的には把握しきれない弱点が、「ある」の意味を正しくつかめない原因なのである。
（『日本語の表現構造』〔五 「いる」と「ある」との使いわけについて〕；雑誌『試行』NO.38 1973．6）
上記、＜助動詞＞の「ある」は国語学、日本語学では＜補助動詞＞として形式から＜動詞＞とされているのが現状である。
「補助用言という誤り」
https:/
参照。■
|
|
|
|
コメント(14)
また、「〜ている」といういわゆる進行形についても次のように述べている。
生物と無生物に関係なく、対象を【動きまわるもの】と把握したときは「いる」を、同じ対象でも【動かないときや動きを捨象して】把握したときは「ある」を、使いわけているのである。そしてここからさら、「彼は走って【いる】」「私もそれは考えて【いる】ところだ。」「川が流れて【いる】」「木が枝をふるわせて【いる】」のように、生物と無生物とに関係なく【運動の継続すなわち進行のみを】抽象的に把握して表現する使いかたも、発展した。西欧の言語ではこれを＜動詞＞の語尾変化で表現するのに反して、自立した＜抽象動詞＞を附加して表現するところに、膠着語の特徴があらわれている。
（『日本語の表現構造』〔五 「いる」と「ある」との使いわけについて〕；雑誌『試行』NO.38 1973．6）
生物と無生物に関係なく、対象を【動きまわるもの】と把握したときは「いる」を、同じ対象でも【動かないときや動きを捨象して】把握したときは「ある」を、使いわけているのである。そしてここからさら、「彼は走って【いる】」「私もそれは考えて【いる】ところだ。」「川が流れて【いる】」「木が枝をふるわせて【いる】」のように、生物と無生物とに関係なく【運動の継続すなわち進行のみを】抽象的に把握して表現する使いかたも、発展した。西欧の言語ではこれを＜動詞＞の語尾変化で表現するのに反して、自立した＜抽象動詞＞を附加して表現するところに、膠着語の特徴があらわれている。
（『日本語の表現構造』〔五 「いる」と「ある」との使いわけについて〕；雑誌『試行』NO.38 1973．6）
TOPIで取り上げた質問に対し、
原則的には、生物は「いる」で、無生物は「ある」だろう。
と信仰されている方がコメントされている。
「いる」と「ある」の違い
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12800898627.html
が、結論は「 やはり動くか否かで判断するのがわかりやすいんだろう。」と話者の認識ではなく対象自体と結び付けてしか理解できない限界、欠陥を露呈されている。そのため、
＞＞例外としてあげられることが多い珊瑚のように、動かない？動物はどうなる？ よくわからないけど、「珊瑚礁」は「ある」だろう。「珊瑚」になると「生」きているけど「動かない」イメージが強いから？
やはり「珊瑚」「珊瑚礁」は特殊と考えるのが無難だろう。「珊瑚礁が広がる」あたりを使うことが多いかな。「珊瑚が群生」って言えるのだろうか。／／
と、珊瑚という対象自体のあり方と結び付け、「珊瑚礁」は特殊と考えるのが無難だろう。」と対象の特殊性に帰す他なくなってしまいます。そして、
＞＞これがいわゆる補助動詞になると収拾がつかない。別の要素が入ってくるのだろう。
補助動詞などと動詞の機能による分類を持ち出し、「〜て【いる】」の【いる】の意義を解明できずに、
＞＞補助動詞に限れば「〜て【いる】」が優勢なのはわかるが、下記あたりも法則性がナゾのまま。
と投げ出す他なくなっている。この「いる」「ある」については、[1]に記した通りである。
結局、
＞＞原則的には、生物は「いる」で、無生物は「ある」だろう。
という信仰から抜け出せない限り、この語の意義、使い分け、法則性を捉えることが出来ず、相変わらずのお念仏
「持っている」 「ある」 「いる」〈5〉
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12800898627.html
をぶちまけ続ける結果になる他ないのは火を見るより明らかであろう。■
原則的には、生物は「いる」で、無生物は「ある」だろう。
と信仰されている方がコメントされている。
「いる」と「ある」の違い
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12800898627.html
が、結論は「 やはり動くか否かで判断するのがわかりやすいんだろう。」と話者の認識ではなく対象自体と結び付けてしか理解できない限界、欠陥を露呈されている。そのため、
＞＞例外としてあげられることが多い珊瑚のように、動かない？動物はどうなる？ よくわからないけど、「珊瑚礁」は「ある」だろう。「珊瑚」になると「生」きているけど「動かない」イメージが強いから？
やはり「珊瑚」「珊瑚礁」は特殊と考えるのが無難だろう。「珊瑚礁が広がる」あたりを使うことが多いかな。「珊瑚が群生」って言えるのだろうか。／／
と、珊瑚という対象自体のあり方と結び付け、「珊瑚礁」は特殊と考えるのが無難だろう。」と対象の特殊性に帰す他なくなってしまいます。そして、
＞＞これがいわゆる補助動詞になると収拾がつかない。別の要素が入ってくるのだろう。
補助動詞などと動詞の機能による分類を持ち出し、「〜て【いる】」の【いる】の意義を解明できずに、
＞＞補助動詞に限れば「〜て【いる】」が優勢なのはわかるが、下記あたりも法則性がナゾのまま。
と投げ出す他なくなっている。この「いる」「ある」については、[1]に記した通りである。
結局、
＞＞原則的には、生物は「いる」で、無生物は「ある」だろう。
という信仰から抜け出せない限り、この語の意義、使い分け、法則性を捉えることが出来ず、相変わらずのお念仏
「持っている」 「ある」 「いる」〈5〉
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12800898627.html
をぶちまけ続ける結果になる他ないのは火を見るより明らかであろう。■
- mixiユーザー
- ログインしてコメントしよう！
|
|
|
|
言語学 更新情報
-
最新のアンケート
言語学のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています
人気コミュニティランキング
- 1位
- mixi バスケ部
- 37834人
- 2位
- 酒好き
- 170660人
- 3位
- マイミク募集はここで。
- 89523人