東海道本線沿線観光コミュの徳光院

　兵庫県神戸市中央区葺合町布引山2-2-3

　三ノ宮駅からバス、熊内６丁目下車。
https://www.google.co.jp/maps/place/%E5%BE%B3%E5%85%89%E9%99%A2/@34.709697,135.1932803,17z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x60008edadbace991:0xa0470f6242b55e3a!8m2!3d34.709697!4d135.195469
　臨済宗天龍寺派大円山徳光院は、役小角(ｴﾝﾉｵﾂﾞﾇ)創建とされる修験道の大道場であった滝勝寺の跡地に、神戸川崎財閥の創始者である川崎正蔵(1836～1912)が私財を投じて明治39(1906)年に開基した寺院で、当時の臨済宗天龍寺派管長の高木龍淵(1842～1918)禅師を請じて開山上人としています。
　正蔵は明治30(1897)年に雲照律師から菩薩十善戒を受けて徳光菩薩号を授与される程、神仏に対する信仰が篤く、晩年は京都嵯峨に別荘を有して天龍寺派の高僧達と親しく交流していたため天龍寺派禅院を創建するに至ったのです。徳光院の名は正蔵の菩薩号に由来します。
　明治時代創建の歴史の浅い寺院ですが、松や楠の樹に覆われた境内には多数の古建築が移建され、一帯は環境保存区域となっているため、市街地に接した場所でありながら深閑とした雰囲気が醸成されています。昭和13(1938)年の阪神大水害と平成７(1995)年の阪神淡路大震災で大きな被害を受けましたが、川崎家の拠出金等によって伽藍は全て修復されました。
　本堂の山号額は内閣総理大臣松方正義公爵(1835～1924)の揮毫(ｷｺﾞｳ)です。
　多宝塔〔重要文化財〕は、現在の神戸市垂水区名谷(ﾐｮｳﾀﾞﾆ)の高野山真言宗龍花山明王寺に於いて文明10(1478)年に建立された本瓦葺・高さ12mの塔で、明治33(1900)年に川崎正蔵が買収して現山陽新幹線新神戸駅付近にあった自宅に移築、さらに昭和13(1938)年に現在地へ再移築されましたが、その直後の阪神大水害で須弥壇・相輪・扉が流失する被害を受けました。