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こいばなコミュの☆第30章 悪魔の気まぐれ☆

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トモとマキがデートをした日の朝、私は自分を偽りヒロと体を重ねた。
家出をしたあの一夜以来、当たり前だが私の中で男性に対する何かが変わっていた。
男性に触れられても何も感じないし、何も求めない。ただひたすら、この行為が終わる時を
願うのみ。少なからず【男】というものを扱うバイトをしているのだ。【女】の武器を
最大限に利用することもある。そんな時でも、私はどこか一歩引いた場所で自分を見ている
もう一人の自分がいた。ヒロの時もまた然り。
トモの広く大きな身体とは対照的な、華奢で繊細なヒロのカラダ。スポーツで鍛えられ
引き締まった肉体は確かに『男性』のものではあったが、その対照的な二人のカラダを私は
無意識のうちに感じ比べ、冷静に考えていた。ヒロの体温をその身に感じても、そこに喜びは
なかった。そこにあるのは深い悲しみと恐怖、脳裏に映し出されるトモとマキの姿。
ヒロの体の下で私は震え、そして泣いた。全てが終わった後、ヒロは私の涙に気付き表情を
歪めた。『どうして泣いているの?』と。
答えられるはずもない。卑怯な私の本心なんて・・・
私はヒロの体を利用しただけなのだ。“おめでとう”とトモにいいつつも、時間を気にし
二人の行動を想像し勝手に嫉妬している脳をショートさせたくて、ヒロの気持ちと体を
利用しただけ。そんなこと、ヒロに告げられるわけもない。

ヒロはそれから何もなかったかのように部屋で過ごし、夕方には帰っていった。。。

数日が過ぎた夜、トモはアキラを連れて部屋を訪ねてきた。
ヒロと私は、あの日曜の一件を境に付き合い始めたというわけでもなかった。ヒロとは
その後も何度も連絡を取り合ったが、それまでと変わらぬ距離を保っていた。
トモとアキラが揃い、話題に上るのは当然日曜に行われたデートの内容。アキラは興味深げに
トモを問い詰めた。「で、念願のデートはどうだった?マキちゃんと行ってきたんだろ!」
トモはハニカミながらも、どこか不機嫌そうな様子をしている。待ちに待ったデートだった
はずなのにどうして???答えはすぐに判明した。デートの約束をしたその日、トモは約束の
時間にマキを迎えに行き、二人は予定通り隣県にあるテーマパークへと遊びに出掛けた。
しかし、マキはその日は朝から体調が悪く、デートするも半ばですぐに引き返してきたのだ。
「車で片道2時間半、テーマパークにいたのはたったの1時間弱だぜ。車中でも園内でも
 ずっと彼女の体を気遣って・・・その結果がコレ。やってられるかよ…」
やっとこぎつけたデートの約束。期待も大きかったのだろう。その分だけトモは疲れ、苛立ち
ぶつけようのない気持ちを持て余していた。大失敗に終わった二人のデート。
トモは今までの押しても跳ね返ってこないマキの態度に加え、今回のデートでマキへの気持ちは
薄れてしまったと呟いた。もう、気持ちは残っていないと。・・・モウキモチハノコッテイナイ
それはとんだ《悪魔の気まぐれ》だった。いや、私の仕出かした過ち。
自分の心を信じられず逃げた結果、私はその日自分を裏切ってしまったというのに・・・
トモのデートは失敗、二人の心は離れ、私の仕出かした事には何の意味もない。
『やめとけ、やめとけ。そんな女。・・・』アキラは笑い励まし、トモを元気付けた。
私はというと、突きつけられた現実に呆然とするばかり。なんということだろう。
けれど、動き始めたルーレットをなかったことには出来ない。動かしたのは私自身。
トモとアキラにヒロの話は出来なかった。それはまた、二人には関係のない別の話。
この時ヒロの話を二人にし、全てを明らかにするべきだったのかもしれない。ヒロだけを見つめ、
新たな未来を見つめるべきだったのだろう。けれど、私には出来なかった。
この部屋は私だけのお城。トモを癒し、形は違えど傍にいたくて選んだお家。
己を曲げ、どんな手段を使っても守ろうと決めた宝物。来る客を選ぶのも私自身。
それは決して、ヒロに曲げられる代物ではなかった。ヒロの事は少なからず思っていた。
友達としてトモを含むこれまでのすべてを話したが、ヒロはそんな私を受け入れてくれた。
震える体を優しく抱きしめ、温めてくれた。眠れない夜には傍にいて支えてくれた。
そんなヒロに対して私も『力になりたい』『カレを支えよう』と思った。
私でなくても女は誰でも、そんな男性には弱い。頼りたくなってしまうし、頼られたいと願う。
それが【愛】と呼べるのかはわからなくても・・・

私はこの時、明らかな間違いを犯していた。私のヒロへの思いは、【愛】ではなく【惰性】であり
【友人への憧れ】だった。ヒロの元彼女、親友だった彼女がどんな景色を見ていたのか
どんな思いをしていたのか、ヒロを通して見てみたいだけだった。この時の私はそれに気付かず、
いや、気付いていたが無視をし、トモへの満たされる事ない思いから逃げ出したくて
ヒロに抱いた気持ちを【真の愛】だと思い込もうとしていた。

******** To be continue

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