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世界の中心で怖い話を叫ぶコミュの時を飛ぶオリ(3/5)【火曜でびペンス劇場〜8〜】

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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「うわああああああああああああああああああ!!!!!」




「き…木上さんっ!!!!」




茶色い物体がかぶさり叫び声をあげている木上さんを、



僕はただ遠くから見てあたふたしていた。









理由は怖いから。







「うわあああああああああああああああああああああ!!!!」




木上さんの叫び声がまだ聞える。













「わあああああああああああああ!!!!」









…。








…木上さん…。



…もしや、意外と無事なのか?





「うわあああああああああああああああああ!!!」





茶色い物体にのっかられ、手足をジタバタさせている木上さん。






…なんだか無事そうだ…。




身の危険が無さそうと判断した僕は、ゆっくりと木上さんの元へと近付いていった。







ザッ…ザッ…ザッ…。





「うわあああああああああああああああああぁああああ!!!」



「き…木上さん?」




木上さんから2メートル離れた場所から、僕は声をかけた。



「うわああああああああああああ!! ん、何?紀夫ちゃん? うわああああああ!!」







「い…いや、アノ…さっきから叫んでるけど、意外と木上さん大丈夫なんじゃないかなって…」




「うわあああ…ん?はっ!そういえば」




木上さんははっとした様子で、ゆっくりと茶色い物体を押しのけた。









ドサッ。





「はぁはぁ…つ、疲れたよ紀夫ちゃん…」




茶色い物体の下から這い出た木上さんは汗だくだった。



「…そりゃ、あれだけ叫べば疲れるよ…。蝉かよ木上さん…」




「ゼェ…ゼェ…。そ、そうだな紀夫ちゃん。そら、蝉二週間で死ぬわ…」




「…それより木上さん。


この茶色いの何だろう…」



「…ん…」


僕と木上さんは地面に落ちた茶色い物体を見た。



「…ボロボロの…布切れの…塊みたいだね紀夫ちゃん…。


…何だろこれ…」




「ん〜…さ、さっきさ、木上さんがのっかられた時の肌触りって…どうだった?」



「ん〜。


布…かな」




「…そ…っか…。布…か…」





木上さんの返答は、


聞かなくても良いレベルの内容だった。



いや、ぶっちゃけ聞いて後悔していいくらいのレベルな…。






「っていうかさ、触ってみなよ紀夫ちゃんも」


「…えっ…」




その瞬間、木上さんは僕の手を掴み、

僕の手の平で茶色い布のような物体を触った。






「ひゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」


僕の叫び声が山に木霊した。





「や、やめ…ヒェッグ…辞めてよ木上さんっ!!!」



僕は慌てて木上さんの手を振り払った。



「ご、ごめんよ紀夫ちゃん…でも、どうだった?解ったろ?肌触り」



「う…うん…


…布…だった…」



「…な…そうだろ…」




僕と木上さんの心に妙な一体感が生まれた。




モゾッ…モゾモゾッ…。




「!!!!!?」


「!!!!・」




その時だった。


茶色い物体がモゾモゾと動いた。



「ひゃあああああああああああ!!」



「うわああああああああああ!!!!!!」




木上さんは逃げた。


50歩は逃げた。



僕も逃げた。

100歩。






僕と木上さんは、モゾモゾと動く茶色い物体を、遠くの木陰から眺める。





…一体アレは何なのか…。


…エイリアン?

それともET?

意外とELT?





「う…うぅぅ…」




…何だろう…。


茶色い物体から呻くような声が聞えてきた。







100歩位置の僕を、50歩位置の木上さんが見る。




木上さんは茶色い物体をクイッと指さしている。



…どうやら、木上さんは茶色い物体のところに行ってみるようだ。




僕はブルブルと首を振った。



もし食べられたりしたらエラいことだから!






…木上さんはそんな僕を放って、茶色い物体の元へゆっくりと歩み寄る。





僕は唾を飲みながらそれを見守る。



110歩位置から…。









茶色い物体のすぐ側にたどり着いた木上さんは、少しソレを眺めた後、慌てた様子で僕を呼ぶ。



「の…紀夫ちゃん!!!ちょっと来て!!!これ、人だ!!!」




「…えっ?」



ホっとしたような、驚いたような気分の僕は、すぐさま木上さんの元に駆け寄った。



具体的には5秒くらいで。







物体を見ると、たしかにソレは人だった。



…茶色い…ボロボロの布にくるまった、ボロボロの服を身にまとった人…。



「き…木上さん…こ、この人何者なんだろう…」



「わ…わからん…。

宇宙人…かな…。

…もしくは未来から来たとか?」



「…ハハハ…まさか…」







「…うぅ…」



!!!!?




茶色い布にくるまれた人が、目を覚ました。



ダッ!!!


ガシッ!!!!



また100歩逃げようとした僕の服を、木上さんが掴んだ。



「…うぅ…」



「紀夫ちゃん!見て!この人、えらく苦しんでる!」


「…えっ?」





布にくるまれた人を見ると、たしかに苦しそうな表情だった。



「き…君、大丈夫?」


木上さんは僕の服を掴んだまま、茶色い布にくるまれた人に声をかけた。



「…う…み…水…」



「…水だね?水が欲しいんだね?

紀夫ちゃん、ちょっと水を調達してきて!」



「え…えっ?あ…あぁ。うん」



僕はとりあえず近くにある川の水を、その辺に転がってた空き缶をゆすいでもって行った。




「…んぐ…んぐ…ぷはぁ〜〜〜〜。


ど、どうもありがとう。助かったよ」




茶色い布に包まれていた人は、水を飲み干すと少し元気になったようだ。




木上さんは興味津々な目で彼を眺めている。




「き…君、どこから来たの?」



木上さんはバリバリ好奇心口調で彼に聞いた。



「…えっ。


…お、おれ?


…えっと…」



茶色い布に包まれていた人は少し間を置いて、



「…ん…


…ん…ど、どこから来たんだろう…。


…思い出せない…」


と言って頭を抱え込んだ。



「むむ…記憶喪失か…」


木上さんはそんな彼を見て頷いた。



「…ま、まあ、あまり無理して思い出そうとしなくてもいいよ。


…自分の名前だけでも思い出せるかい?」



「…ん…名前…。


…えっと…。


ん…」




どうやら、自分の名前も思い出せないらしい。





「…あっ!ねえねえ、木上さん!」



僕は木上さんの肩を叩いた。


「…何だい紀夫ちゃん?」



「ホラ、そこ」




僕は彼のボロボロに破れた服の胸の部分を指さした。





木上さんと彼は、僕の指さした部分を見る。











  【オリ】



胸の部分には、カタカナでそう書かれていた。




「…オ…リ…?」




「…何だろう?ニックネームだったのかな?それとも本名?」



「もしかしたら、名前の一部が【オリ】で、他の部分が破れちゃったのかも…」






木上さんは腕を組んで、僕と彼に、

「…とりあえず、君は記憶を失っている。

とりあえず、オレの家に来ないか?

そしてとりあえず、君の名前は【オリ】って呼ばせてもらうよ。

とりあえず、元の名前を思い出すまでの仮名だがね!」




「…木上さん…とりあえずって言いすぎだよ…」





オリ君は本当に記憶を失っているらしく、コクリと頷いた。



「よし!じゃあ、とりあえずオリ君は僕の家の隠れ家にオイデ!


…それ…と、この萌え萌えなマシーンは、そのへんの葉っぱで隠させてもらうよ!」




頷くオリ君の手を引き、木上さんは山を下っていった。



僕に『じゃ、紀夫ちゃん、そのマシーンに葉っぱかぶせるのお願いね』


って僕に指示を出して…。








だから僕は頑張って葉っぱをかぶせた。



でもまだマシーンは相当熱かったから葉っぱは全部燃えた。


まさに燃え燃えなマシーン。



(来週の火曜日につづく)

コメント(12)

【お知らせ】


火曜でびペンス劇場は、


今日より


【土曜でびペンス農場】に変更されました。


今後ともよろしくおねがいします!
えらいすいません汗


コミュのほうで告知したのですが、肝心のここで連絡するのをわすれていました…。


ちょっち色々といっぱいいっぱいになりまして、

火曜でびぺんすから、長月でびぺんすに変更させていただくことになりました。


まことに中途ですが、他を片付けてから戻ってまいりますので、


本当にすいません。
ご迷惑おかけしました。

(4/5)をUPさせていただきました。

よろしくおねがいします。

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=45306991&comm_id=2664235

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