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生活保護者の集いコミュのワクチンを打ちたくない ホームレスの事情とは

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https://www.nhk.or.jp/fukuoka-roku-blog/4000/454969.html

福岡県では10月1日現在、半数以上の人が2回目の接種を終えています。一方で、ワクチンを受けることに不安があるという人も多いのではないでしょうか。

中でも、ひときわ厳しい現実の中で、打つことをあきらめたり、ためらったりしているのが、路上や公園で生活するいわゆるホームレスの人たちです。福岡市が把握しているホームレスの人たちの数は193人。市は積極的に接種を進めていますが、実際に打ったのは8人にとどまっています。

いったいどんな事情があるのか。ホームレス支援に取り組むNPOの代表、田中敦子さんに話を聞きました。田中さんは行政に協力するかたちで、ワクチンの接種を呼びかけています。

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福岡市はホームレスの人たちへのワクチン接種の条件を緩和し、居場所にしている公園などを居住地として記入し顔写真を撮って提出すればワクチンを受けられるようにしました。

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田中さんたちNPOは8月からその情報を伝え、申請の手続きをサポートしていますが、なかなか申し込む人がいません。田中さんが毎週行っている夜の街の見回りでも、希望する人はほとんど見つかりませんでした。

ホームレスの男性は次のように話しました。
「自分の身は自分で守るのを基本としています」。

断られてもなお呼びかけを続ける田中さんですが、そこには大きな理由がありました。
ホームレスの人たちは保険証や所持金がなく病院にいけない人も多く、せめて重症化を防ぐため、ワクチンを打ってほしいと考えているのです。

「巡回している中で行ったら先週までお会いした方が亡くなっていたりとか、そういうこともあったんですね。体が弱い方もいらっしゃるし、もし(コロナに)かかったら、死に至ることが多いので」と田中さんは心配していました。

なぜワクチンの接種を希望する人が少ないのか。田中さんはアンケートでその理由を探ることにしました。


田中さんが心を痛めたのが「どうなってもかまわないから受けない」との回答が複数あったことでした。

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ホームレスの人に詳しく聞くと「コロナでぽっくり逝けるならその方がいいからワクチンは受けない」と話しました。将来に希望が見いだせず、ワクチンを受けることに積極的な意味が感じられないのだといいます。

アンケートで田中さんがもう一つ注目したのは、住所や顔写真などの個人情報を知られたくないという回答でした。

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あるホームレスはその理由についてこう答えました。
「やっぱ抵抗ありますよね。こういう人間がホームレスにいるということを行政にも把握されたくないし、親とかも含めて知られたくない」。

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ホームレスの人たちが抱える事情について田中さんはこう話します。
「自分の今の状態を知られたくない。特に家族に知られたくないのがあって、身を隠して生きている感じなんですよね。個人情報がどこかに漏れるんじゃないかとか、自分が今こういう状態なの知られるんじゃないかというおそれがあってそこに抵抗を感じる方が多いようです」。

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ホームレスの男性が心配していたように、申し込みで書かれた情報が家族などに伝わることはあるのか福岡市の担当者に確認すると「接種の際の本人確認のためだけの情報として使いそれ以外の目的では一切使うことはない」ということでした。そうした情報が正確にホームレスの人たちに届けられていないという課題がある一方で、そもそも、行政やNPOなどの世話になりたくないと話す人も多く、ホームレスの人たちの「閉ざした心」を開いてく難しさも感じました。

今回、取材を続ける中で、ワクチンの接種を前向きに考え始めた人にも出会いました。10年前から路上生活を続ける60代の夫婦です。福岡市内を転々とし、夜は公園で仮眠をとる生活を続けてきました。

娘に迷惑がかかることを恐れ、生活保護は申請をせず、長らく田中さんの支援の申し出も断ってきました。ところが最近、コロナで炊き出しなどの支援が減った上に持病の悪化で、命の危険を感じるようになったと話していました。

妻によると「病院はお金がかかってしまうので悪くなったら、自分で吐いたり、頭のツボを押したり、自分で今までなんとかしてきた」といいます。

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そんな夫婦に、先月大きな転機が訪れました。田中さんに相談したことで、入居できるアパートが見つかり、路上生活を抜け出すめどが見えてきたのです。

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「もしワクチンしてなかったら、何日も熱が続いたり、せきが続いたり、本当に死ぬようなことになるじゃないですか。それを思うと、ワクチンを打っといた方が症状が軽くて済むから」と、田中さんはワクチンの接種についても持ちかけました。

田中さんの話を聞き、夫婦はワクチンの接種を決意しました。妻さんは「田中さんに勇気をもらった。ワクチンを受けたい。元気になりたい」と話していました。

ところが、その2日後。田中さんの携帯に夫婦から突然、連絡が入りました。ワクチンを受けるのをやめたいというのです。

夫婦を訪ね、直接理由を聞いてみると、ひどい副反応が出た場合に耐えられず、「路上で死んでしまうのではないか」と思い始めたというのです。

田中さんは、夫婦がアパートに入居し落ち着いた後、一緒に医師を訪ね、ワクチンについても相談をしてみようと夫婦に提案しました。妻は「ワクチン打っても大丈夫になるまでがんばって、それからワクチンを打ちたいと思います」と話していました。

田中さんは「これをきっかけに自分の体の状態をしっかりみてもらって、治療すべきものがあったら治療してもらう。ワクチン接種もそれが前提。これからも色んな面で相談に乗ったり、分からないことについて支援していけたら」と話していました。これからも夫婦を支えていく考えです。

ホームレスの人たちがワクチンを打ってもいいと思えるには、まず将来に希望が見いだせること、そして何よりも生活基盤が整うことが重要だと感じました。

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