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生活保護者の集いコミュの「警察署から呼ばれている。」家賃滞納男性が土下座…4人家族の壮絶

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https://news.yahoo.co.jp/articles/57924f4daec914142735fb899806ae34bb974c1a

生活困窮者の相談に乗り、生活保護の申請を手助け、住まいを紹介するNPO法人・生活支援機構ALL。「困っている人は誰でも、門を叩いてほしい」と代表理事の坂本慎治氏は語るが――。 ※本連載では書籍『大阪に来たらええやん!西成のNPO法人代表が語る生活困窮者のリアル』(信長出版)より一部を抜粋・編集し、日本の悲惨な実態に迫っていく。

「相談に乗りきれなかった」のはどんな人か
誰が相談にきてもいい。私はそう述べました。ただし正直に告白すれば、最後まで相談に乗りきれなかったことも、ゼロではありません。その事例をあえて、ここに記します。

ただ、逆にいえば「ここまで極端な事例でなければ、誰でも相談できる」ということでもあります。どちらかといえば「自分は相談に行っても大丈夫なんだ」と安心するために読み進めてください。

本記事で紹介するは、反社会的勢力だった男性の事例です。

我々の元に相談に訪れたとき、彼には中国人の奥さんと子どもがいました。しかし子どもは出生届を出していません。

男性は日雇いのアルバイトをしています。生活保護の受給を薦めましたが、「そんなものは受けない。住居さえ紹介してくれたら、家賃はしっかり払う」と聞き入れません。

そこで発覚した事実がひとつあります。彼は電気も水道も住居も「自分の名義で契約できない」ことです。過去に「何か」があるのです。でも話してみると、生活を再建するのだという強い意志を感じます。

私は「よし、わかった」と、当機構名義で電気や水道、住居の契約をすることを許可しました。料金はもちろん、その男性に請求する約束です。

しかし彼は、約束を破り、家賃を滞納しました。

「警察署から呼ばれている。ついてきてください」
「いきなり約束を破るのか。どういうことや!」。私が彼の家に駆けつけると、奥さんが玄関に出て対応します。しかし彼女は中国人。私の言っていることはよくわかりません。子どもは、鬼の形相の私を見て「ギャー」と泣き出します。

すると奥から、「すみませんでした……」と申し訳なさそうに彼が出てきました。

「すみませんでしたちゃうやろ。家賃払われへんなら払えそうにないって、まず連絡くれ。そのまま黙って、何の連絡もなしに払わへんってどういうことやねん」

私は思いの丈を彼にぶつけました。すると彼は「ぼく、元ヤクザなんです……」と打ち明けたのです。生活保護を受けないのも、決して「プライドの問題」ではなく、辞めたばかりで「足」がつくのが心配だったのだといいます。

話はわかりました。しかし、自分の名義でもろもろの契約ができない事情も汲み、できる限りの手助けをしたのに、それを踏みにじる行為をしたのは許せない。私が改めて「裏切られたのは悲しい」と告げると、彼は土下座をしながら謝ってきました。

それ以降、家賃の滞納はなくなったのですが、ある日、急に彼から電話がかかってきます。

「警察署から呼ばれている。一緒についてきてください」というのです。

聞けば、家賃の滞納をして私が叱ったときにはもう、奥さんのお腹の中には第2子がいたようです。その子がいざ産まれるとなり、救急車を呼んで近くの産婦人科に運んだが、金がない。子どもが産まれたその日のうちに奥さんと子どもを引き取って家に帰ったのですが、病院から警察に連絡がいき、呼ばれたとのことでした。

「離せコラ!」警察署で怒号…落ち着かせようとするが
私と一緒に警察に行くと、「坂本さんはここで待っていてください」と制され、彼だけが部屋の中に入っていきます。

ほどなく、中から「離せコラ!」と彼の声が聞こえてきます。取っ組み合いになっているふうでもなく、彼だけが一方的に暴れているようです。

「うわー。暴れてしまっているな。心証悪いな」と感じた私は、警察の方に「私が中に入ったら彼を落ち着かせることができますけど、どうでしょう」と提案しました。警察の方はすんなり受け入れてくれました。

「おいこら。警察署で何暴れとんねん。話聞かなアカンやろ」

私がたしなめると、彼は「こいつら、この紙にサインせぇと言う。でもおれがサインして帰った後でこいつら、絶対に何か書き足すに決まっている。絶対にサインしない」と言います。

その「紙」とは、「自分が反社会的勢力であり、ここの組の所属だった。しかしこれを機に破門してくれ。そして今後、一生、関わらないでくれ」という内容の書類でした。新しく人生をやり直そうとしている彼にとって、決してマイナスではない、むしろこれ以上なくありがたい書類です。

「お前アホやな。これ、めっちゃありがたい書類やで」

私は彼を落ち着かせようとしましたが、今度は「組を辞める、辞めないで警察の世話になんかなるか。警察の世話になるくらいなら死ぬ」と言い出します。どうやら警察嫌いの彼は、身辺をきれいにするにあたって警察のお世話になるのが耐えられなかった、ただそれだけのようなのです。

「それが本題じゃないんです」…無念すぎる結末に
これではらちが明かない。私が「書類はもういいでしょう」と警察の方に提案すると、彼が警察に呼ばれたのはそれが本題ではないといいます。生まれたばかりの赤ちゃんの問題です。

彼は「病院には分割でもしっかり払う」と意思を告げました。しかし問題は「お金」だけではありません。出生届はどうするのか。

そもそも第1子も出生届を出していない。奥さんとの籍も入れていない。奥さんの国籍もはっきりしない。奥さんは不法滞在ではないのか……。

結局この話も、問い詰めるうちに彼がまた暴れ出したので、後日改めてという話になりました。

しかし彼と奥さんはその後、忽然と姿を消してしまいました。彼も奥さんも、いい年の大人ですから、どうにかして生きていくことはできるでしょう。心配なのは子どもです。学校にもいけません。その後、どのような生活を送っているのか……。

今でも気になります。最善を尽くしたとはいえ、最後まで相談に乗りきって、救うことができなかったのは事実。私の心にはいつまでも残り続けるエピソードとなっています。

坂本 慎治
NPO法人生活支援機構ALL 代表理事
大阪居住支援ネットワーク協議会 代表理事
株式会社ロキ 代表取締役

※本連載で紹介している事例はすべて、個人が特定されないよう変更されており、名前は仮名となっています。

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