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生活保護者の集いコミュの宇多田ヒカルの「ノンバイナリー」告白って何?今さら聞けない新語の正体

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https://diamond.jp/articles/-/275630

歌手の宇多田ヒカルさんが、自身のインスタグラムで「ノンバイナリー」であることを明らかにした。「ノンバイナリーって一体何?」 と思った人も多いかもしれない。近年、性自認や性的指向について、これまで考えられているよりも多種多様であるという理解が広まりつつある。その一方で、カタカナの言葉が多くて、何がなんだか……という声も聞かれる。(フリーライター 鎌田和歌)

LGBT、10年前はよくわからなかった
多数派の無知
 まず恥ずかしい話の告白からになるが、筆者は10年ほど前まで、トランスジェンダーと、レズビアンやゲイの違いをよく理解していなかった。トランスジェンダーは性自認の問題であり、レズビアンとゲイは性指向の話だが、それがいまひとつ曖昧だったのだ。「LGBT」「性的マイノリティー」などとくくられる人たちである……といったぼんやりとした認識しかしておらず、それ以上の興味や関心を向けていなかった。

 はっきりと理解したきっかけは、知人がトランスジェンダーだと知ったことだった。

 トランスジェンダーとは、生まれたときに峻別された性別と、自身が認識する性が異なる人のことを指す。私の知人は、生まれたときの戸籍上の性別は男性だったが、その後、女性として生きることを決めた人だった。彼女が女性として生活し始めてから出会った筆者は、そのことに気づいていなかった。

 その後、彼女から「“トランスジェンダー女性(トランス女性)”はそうと気付かれることが多いが、“トランスジェンダー男性(トランス男性)”は気付かれないことも多い。トランスジェンダーといっても、実はトランス女性とトランス男性の抱える問題は同じではない」といった具体的な説明を聞いて、初めて目の前に広がった世界があった。

 性自認や性指向といった言葉の意味は理解していても、具体的な事実や当事者の視点にまったく無知だったことにそのとき思い当たったのだ。

 当事者にとっては毎日の現実なので向き合わざるを得ないが、当事者でない者にとっては興味、関心を持たなくても生きていけてしまう。無知なままで困ることがない。それがマジョリティーということなのだろう。

宇多田ヒカルさんの告白に賛否
若者の自己紹介で言われた「私はシスでヘテロ」とは
 宇多田ヒカルさんはインスタグラムで、ぬいぐるみのクマをゲイだと紹介したあとで、自分のことをノンバイナリーと語った。「ノンバイナリー」とは、性自認が男性でも女性でもなく、どちらかの枠組みに自分を当てはめないことを意味する。

 なぜ今のタイミングで告白したのかというと、6月がLGBTの権利向上を促すプライド月間だったためだ。

 ネット上では、その「カミングアウト」に好意的な声もある一方で、「性についていろんな言葉がありすぎてよくわからない」と混乱を語る声や、「いちいちカミングアウトしなくていい」「するな」という否定的な声、その否定的な声に「明らかにするのもしないのも本人の自由だ」と反論する声もある。反応が混沌としていることが、現在が過渡期であることの表れだろう。

 こういった反応の様子からも、性自認や性指向に関する言葉や知識についての理解度は、個人差がだいぶあるように感じる。日本ではいまだに同性婚が認められず、LGBT理解増進法案でさえ通らなかったくらいなので、偏見や差別がなくなったわけでは全くない。

 ただ、若い年代の方が、いわゆる「多様性」についての浸透度も高く、性自認も性指向も多様で当たり前という考え方を自然に受け取っているように見える。性に関するカタカナ語も、上の年代は苦手意識が強いだろうが、10代〜20代はある程度自然に使っている。

 例えば、性がテーマのイベントやトークの場に参加すると、若い参加者が「私はシス男性でヘテロです」といった自己紹介をすることがある。

 シスジェンダーとはトランスジェンダーではないことを意味する。つまり生まれたときにそうであると見なされた性別と自分の性自認が一致している人。ヘテロはヘテロセクシャルの略であり、異性愛者を意味する。逆がホモセクシャルである。
 
「シス男性でヘテロ」とはつまり、性自認も性指向もマジョリティーである男性のことだ。これまでの社会で、性的多数派の人たちは、わざわざ自分の性自認や性指向を説明する必要がなかった。説明しなくても、それが「普通」と思ってもらえるからだ。

 マジョリティーである人がわざわざそう自己紹介をすることは、「それだけが普通ではないと理解している」ということの表明にもなる。

 このような自己紹介を「意識が高い」と揶揄(やゆ)したり、「面倒くさい」と思う人もいるかもしれない。ただ、もしかしたら10年後は、このような自己紹介が「普通」になる可能性もある。

普通」はもはや禁句になりつつある
 宇多田ヒカルさんがそうであると公言した「ノンバイナリー」とは、これは性的指向を示す言葉ではないので、どんな性別の人と恋愛するかをカミングアウトしたわけではない。

 男性・女性両方を性的指向の対象とするのはバイセクシャル(LGBTのB)。最近は「LGBT」ではなく「LGBTQ」と表記される場合が多いが、Qは「クエスチョニング」で、性自認や性指向がまだ決まっていない状態であることを意味する。

 また、アセクシャルというカテゴリもある。これは、性別にかかわらず他者に対して性的欲求を持つことがないセクシャリティーのこと。

 人によって異なるだろうが、筆者にとっては、ノンバイナリーやクエスチョニングよりも、「理解が難しそうだ」と感じたのがアセクシャルだった。

 アセクシャルだという若い女性に出会ったとき、思わず「今はそうでも、いつか恋愛することがあるんじゃないですか」と言ってしまいそうになったのだ。恋愛感情や性的欲求がないことを不思議がられたり、「運命の人が現れれば変わるよ」などと言われたりするのに、うんざりしているアセクシャルは多いという。それを知らなかったら、自分が「普通」だと思っている価値観を押し付けそうになっていただろう。

10年前と今は違う
 この原稿では当初、性自認や性指向に関する基本的な用語解説のみを行う予定だった。しかし考えるうちに思い当たったのが、筆者自身の経験だった。

 冒頭に書いたように、言葉の意味は理解していても、その実態や当事者の視点に無知であった時期が長かったし、今もそうであると思う。性自認や性指向を意味するカタカナ語の意味は、グーグル検索をすれば説明が一通り出てくる。しかしそれを読むだけでは、実態を理解したことにも、想像力を持つことにも直接的にはつながらないように思う。

 ダイヤモンド・オンラインの読者は現状「男性」が多いという。けれどその「男性」たちが、シスなのかトランスなのか、ヘテロセクシャルなのかホモセクシャルなのかまではわからない。なんとなく、シスでヘテロの男性が多いのだろうと思いながら書く。しかし実際は、そこに当てはまらない人もいるはずだ。

 10年前と違うことは、トランスジェンダーの友人が何人かできたことや、こちらが「この人はシスでヘテロだろう」と思い込んでいても実際はそうではない人が「普通に」いると知ったことだ。

 筆者の世界の捉え方が以前と変わったように、この10年でセクシャリティーに関する知識が増えたという人は多くいるだろう。価値観が変わることを面倒だと思わずに、知っていかなければならないと考えている。

鎌田和歌
フリーライター

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