ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

生活保護者の集いコミュの家賃補助が減っていく! 生活保護世帯を追い出す自治体の非情

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
http://diamond.jp/articles/-/74696
生活保護のリアル みわよしこ ダイアモンドオンライン

2015年7月1日、ほとんどの地域で、生活保護の住宅扶助(家賃補助)が減額された。

しかし、厚労省の関連通知を丁寧に読むと、「家賃の基準そのものは下がるけれども、福祉事務所の判断で、良質な住宅を確保できる金額とすることもできます」という、なんとも悩ましいメッセージが浮かび上がってくる。その一方で、生活保護利用者に対し、家賃の減額や転居を強引に迫る自治体もある。

生活保護の現場を15年経験した元ベテラン行政職員は、この混乱をどう見ているだろうか?

住宅扶助引き下げに
怯える生活保護世帯


住宅扶助の上限見直しによって、「ここで暮らせなくなるのだろうか?」という不安を抱える生活保護世帯の人は少なくない
 生活保護の家賃補助である住宅扶助の上限額見直し(ほとんどの地域で引き下げ)が、2015年7月1日から、実施されている。削減幅は、地方都市の複数世帯で特に大きい。子ども・障害者・傷病者・高齢者など、転居が大きなダメージとなりうる世帯には、「ここで暮らせなくなるのだろうか?」という不安が拡がっている。

 支援団体には、

「ケースワーカーから『すぐに』と転居を迫られた」
「ケースワーカーから、『大家さんと交渉して家賃を下げてもらってください』と言われた」

 といった生活保護利用者からの相談が相次いでいる。大阪市は、生活保護世帯に対して「住宅扶助の限度額の改定について」というチラシを配布している。上限額の引き下げは記載されているが、具体的な取り扱いについては「担当ケースワーカーまでおたずねください」とあるのみだ。生活保護利用者たちが不安になるのは当然であろう。

 そもそも今回の住宅扶助引き下げは、「無理やり」決定されたに近い。「生活保護のリアル 政策ウォッチ編」でも繰り返しレポートしてきた通り、厚労省の諮問機関である社保審・生活保護基準部会においては、多くの委員が引き下げに強く反対していた。報告書にも「住宅扶助は引き下げられるべき」という記述は全く盛り込まれていないどころか、国交省の「最低居住面積水準」さえ満たせていない生活保護の住の劣悪さが述べられている。

 それでも、厚労省は引き下げ方針を打ち出した。背後には、生活保護全般の引き下げを迫る財務省の意向がある。しかしながら、厚労省は2015年4月14日と5月13日の2回にわたり、例外規定・経過措置に関する通知を発行している。読み方によっては、生活保護世帯が転居によって何らかのダメージを蒙る可能性がある場合、強制力のある転居指導も、住宅扶助の引き下げも必要ない。場合によっては、上限額の引き上げもありうることになる。

 支援団体に「転居を迫られた」という生活保護利用者の悲鳴が届くということは、これらの通知が、その自治体や福祉事務所では全く活かされていないということだ。

 東京都内の自治体で、15年間にわたってケースワーカーおよび査察指導員(ケースワーカーの指導を行う立場・係長相当)として勤務した経験を持ち、この3月に定年退職した後も生活保護問題に関わり続けている社会福祉士の田川英信さんは、

「少なくとも、通知が『届いていない』『読まれていない』ということは、ありえません。福祉事務所までは、必ず届いているはずです。ただ、じっくり読み込んでいるのは係長まで、ということが多いのでは? 係長から、係員である現場のケースワーカーである係員に丁寧に説明しなければ、係員は理解できないままです」(田川さん)

 という。そもそも、今回の2回の厚労省通知は、どういう内容なのだろうか?

「生活保護の住を守り、向上を」?
真意を読みとりにくい、2回の厚労省通知

 今回の住宅扶助引き下げに関して、厚労省の局長通知が「社会・援護局長」名で、2015年4月14日に発行されている。この局長通知には、住宅扶助上限額の変更とともに、数多くの例外規定が含まれている。例外規定の内容を簡単に要約すると、

「転居によって何らかのダメージが想定される場合には、福祉事務所は転居指導を行う必要はなく、引き下げ前の旧基準の上限額を適用することもできる」

「家賃相場が高く、引き下げ後の新基準どころか旧基準でも劣悪な住居しか見当たらないような地域では、地域の事情をある程度考慮した特別基準を適用することもできる」

 である。そもそも生活保護利用者は、通院・通所などの必要のある傷病者・障害者・高齢者であることが多い。さらに「生活保護の住」は、「築浅」「万全のセキュリティ」「駅近」といった条件からは程遠いことが多い。これらの例外規定に「まったく該当しようがない」という例を見つけることは困難だろう。

 また、例外規定に該当しない世帯に対しても、最長2年間(半年間の延長が認められる場合も)の経過措置が設けられており、その間は引き下げ前の旧基準が適用される。生活保護世帯が「すぐに転居を」「すぐに家賃の減額を」と迫られる根拠は、まったくない。

 続いて5月13日には、厚労省社会・援護局保護課長名で通知が発行されている。この通知では、

「(貸主に家賃引き下げを依頼する場合には)生活保護受給世帯のプライバシーに配慮する必要があることから、 生活保護受給者であることを貸主等に明らかにすることまでを求めるのではなく、一般的な賃貸借契約の範囲内で確認するものであることに留意すること」

 と、家賃引き下げの依頼によって、生活保護利用者の生活を「生活保護バレ」によって脅かさないよう配慮することを求めている。

「でも、どこまで実効性があるんでしょうか? ご本人が『家賃を下げてください』という交渉をするのは、なかなか難しいです。仮に、大家さんのところに福祉事務所から人が来て、あるいは電話があって、『家賃を下げられませんか』と言えば、生活保護だということが、バレるわけです。本当に、厚労省は実態が分かっていないと思います」(田川さん)

また、引き下げ分が別の費用として転嫁され、生活費を圧迫することになる可能性に対しても、

「貸主等が家賃、間代等の引下げに応じる場合であっても、その引下げ分が共益費などの他の費用として転嫁され、結果として生活保護受給世帯の家計が圧迫されることがないよう留意すること」

 と配慮を求めている。家主にとっては、どのような意味でも転嫁のしようのない単純な収入減ということになる。

 家賃引き下げが不可能な場合には、

「当該世帯の意思や生活状況等を十分に確認し、必要に応じて局長通知に定める経過措置等の適用や住宅扶助(家賃・間代等)の限度額の範囲内の家賃である適切な住宅への転居について検討すること」

 とあり、ここではじめて「例外措置・経過措置が適用できないのであれば、引き下げ後の基準内の住居へ転居」となる。例外措置で対応可能なのであれば、「どうしても転居」とはならないのだが、転居の際、あるいは新規に生活保護が適用される場合には、

「福祉事務所は、生活保護受給世帯が保護開始時に住宅を確保する場合や受給中に転居する必要がある場合には、最低居住面積水準を満たす等、適切な住宅の確保を図るため、例えば不動産関係団体と連携し、民間の不動産賃貸情報などを活用した支援を行える体制を整える等、その仕組みづくりに努めること」

 とある。2011年に国土交通省が定めた住の最低基準である「最低居住面積水準」を満たす住居に、生活保護世帯が居住することを求めている、とも取れる。不動産の専門家ではない福祉事務所職員に、住居確保の「仕組みづくり」ができるのか? という疑問は残るけれども。

 住居の質については、

「福祉事務所は、生活保護受給世帯に対する訪問活動等によって、生活実態の把握及び居住環境の確認に努めるとともに、住環境が著しく劣悪な状態であり、転居が適当であると確認した場合には、適切な居住場所への転居を促すなど必要な支援を的確に行うこと」

 と、「劣悪な住を放置してはならない」という内容の記述がある。もし家賃相場が高い地域であれば、特別基準が設定できるため、家賃の安い管外への転居を迫る必要はない。

 この通知には、さらに「貧困ビジネス」「脱法ハウス」対策に関する記述もある。最大に楽観的な解釈を行えば、

「福祉事務所は、今回の住宅扶助改正をチャンスとして、管内の生活保護の住を『健康で文化的な最低限度の』、せめて最低居住面積水準に引き上げることができます。費用の裏付けもあります」
もちろん「お役所文書」の常として、「そんな楽観的な読みは許さない」とも取れる記述も散見される。読めば読むほど頭がよじれそうになるけれども、楽観的に読むことは可能である。

 なお、「現在の家賃が引下げ後の住宅扶助上限額以上で、減額も転居も困難」という場合には、「福祉事務所の転居指導に従わなかった」を理由とした生活保護打ち切りが、制度上は起こりうる(生活保護法第27条)。厚労省が、配慮の必要性や裁量の可能性をどれほど強く示したとしても、生活保護利用者の生きる権利を最終的に守る仕組みはない。

生活保護の「住」の運命は
今、自治体が握っている

 見方によっては、大いなる希望の光でもある、厚労省の2回の通知。最大限に「利用」すれば、生活保護世帯を守ることができる。もちろん、厚労省の住宅扶助削減方針を最大限に「利用」すれば、生活保護世帯の暮らしを今以上に劣悪なものにすることも、生活保護世帯を他の自治体に追いやるなど「減らす」こともできる。

「結局、自治体次第なんです。東京23区の中でも、対応が分かれています。東京都は柔軟に例外規定・経過措置を適用して生活保護世帯を守る姿勢ですが、都内には、都と同じ姿勢の自治体もあれば、大阪市と同様、例外規定を生活保護世帯に知らせずに転居を迫っている自治体もあります」(田川さん・以下同)

「家賃引き下げか、転居か」ならまだしも、今回の住宅扶助引き下げが、その自治体からの生活保護世帯の「追い出し」となる可能性もある。

「関東のある市では、例外規定は一切適用せず、家賃引き下げまたは転居を迫る方向と聞いています。市内での転居は事実上不可能と思われますので、市外への転居とならざるを得ないでしょう。隣の市の職員が『あちらの市の生活保護世帯が、こちらの市に多数、転居してくることになりそうだ』と言っています」

 福祉に頼るしかない人々をコスト要因として他の自治体に押し付け、結果が「赤字減少」「黒字増加」となったとしても、決して賞賛されるべきではないであろう。

「もちろん、生活保護を利用していようがいなかろうが、居住・移転の自由は、すべての人に対して憲法で保障されています。けれども、福祉事務所は基本的に『管内で』と制限しがちですし、逆に、『できれば管外へ』と誘導する自治体もあります」

「居住の自由」が、生活保護利用者に対してだけ「その地域から消える自由」「施設に収容される自由」「野垂れ死にの自由」を意味することになってはならないのであるが、既に現在進行中の「住宅扶助引き下げ」という事態に対し、自治体に何ができるだろうか?

「東京都はこれまでも、厚労省の方針に対して『憲法や生活保護法等の趣旨に反するから、従わなくてよい』という方針を徹底することによって、都内の生活保護世帯を守り、厚労省の実施要領の改正に結びつけてきた実績があります。今回は、例外規定・経過措置を厚労省が出しているのですから、自治体が『住宅扶助引き下げは撤回させる』くらいの気概を持つチャンスです」

 現状でも、引き下げに結び付けない運用は可能だ。さらに、政策に対して積極的に働きかける可能性は?

「すべての福祉事務所が1年に1回、厚労省に対して改正意見を出せるんです。この改正意見をもとに、厚労省はいくつかの方針転換を行っています。たとえば、以前は、小中学校に新規入学するときだけしか出せなかった『入学準備金』が、転校の場合にも出せるようになったのは、多数の福祉事務所から改正意見が出たからです。福祉事務所から、『住宅扶助基準を上げてほしい』と、国に対して物申すことも必要です」

 厚労省も、冷血な悪人の集合体というわけではない。

「たぶん厚労省も現場の状況や生活保護世帯の実情に関心があり、国民のために働きたい厚労官僚が多数いるのだろうと思っています。でも今回も、自民党と財務省が決めた方針に沿って、厚労省は住宅扶助を削減することになりました。その中で、どう、実害を少なく下げるか、努力をしているのだと思います。それが、この2回の通知です」

 まずは、既に施行されている住宅扶助引き下げに、どう対応するかである。

「今回、例外規定や経過措置を使わないと、ケースワーカーは、目の前で苦しむ生活保護受給者たちを見ることになります。個々のケースワーカーが、やるせない思いを抱くだけではなく、地方自治体として許されないことです。地方自治法の冒頭、第1条の2に『地方公共団体は、住民の福祉の増進を図る』とあります。機械的に家賃引き下げや転居を迫る自治体は、地方自治法に違反しています」

 生活保護法に従って生活保護世帯を指導し、不正受給を摘発するなど強大な権限を持つ地方自治体が、地方自治法に違反して良い理由はない。

コメント(2)

年金受給の不足分を生活保護受給している両親。
4年前、生保になるので、家賃の安いアパートに転居しましたが、昨年7月の住宅扶助引き下げで、また転居が必要になります。
母80歳、父77歳。
体力、気力とも低下しているので、近くへの転居もかなりムリがありそうです。
母は間質性肺炎の持病があり、最近は寝たり起きたりの生活。
「引越しなんてムリ」と言っていますが、父は役所に言われたのだから、転居するつもりです。
その父も、最近体調を崩し来月精密検査を受けます。
家賃扶助が下がるたびに転居するのは、かなりムリがあるような気がするのは私だけでしょうか?
転居費用は自治体が出すけど、40万以上かかりそうです。
どうしたら良いのか、悩んでいます。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

生活保護者の集い 更新情報

生活保護者の集いのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。