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生活保護者の集いコミュの役所斡旋の貧困ビジネスか?「特例福祉アパート」の実態/名古屋の路上生活最前線

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Esaman

 今回は「特例福祉アパート」の入居者の体験談を紹介します。
 
 この施設は、過去の記事で紹介した「自立支援センター」とも「シェルター」とも違うものになります。
 前者2つは、実際に中身を運営しているのは指定管理者(民間業者)ではありますが、その運営には税金が投入されている、公的な施設にあたります。
 
 今回紹介する「特例福祉アパート」は、完全な民間企業です。
 
 なぜこのような民間の業者に、役所に相談に行ったホームレスの人が入居しているのかというと、役所が窓口で、どんどん紹介しているからです。
 
 シェルターや自立支援センターは名古屋市の公的施設ですから紹介はあたりまえですが、一民間企業が紹介されているのは何故でしょうか?
 その選定経緯には不透明なものがあります。また、その運営実態にも問題があるようです。
 
 まずは「福祉アパート登場」の経緯を簡単に説明します。




 昨年1月以降、連日相談窓口に並ぶ職も家も失った人の行列に対して、中村区役所では水際作戦を展開、支援ボランティアの活躍により、それも追い返せないと分かると、ただでさえ年末に満員になっていた「シェルター」と「一時保護施設」に入居させるための待機時間だけ、1日単位で緊急宿泊所の切符を交付(中村区役所周辺のドヤに泊めるもの)。
 
 両施設には「現入居者が退寮したら順次玉突きで入居できる」という現実を無視した説明をするも、そもそも仕事がないので両施設の入居者は一向に減らず、それぞれ1日切符しかない相談者の列は、どんどん窓口に滞留。
 
 そこに船見寮(年末年始だけの無料宿泊所)を退寮した大勢の人達が合流し、役所の窓口は大混乱。
 中村区役所は相談者らに対して「もう限界なので宿泊所の紹介はしません」と閉め出しを図るも、怒った相談者と支援者は役所に泊まり込みを開始、行政担当者が国会で質問される事態にまで発展しました。
 
 その結果、中村区役所は民間の社員寮を借り上げて宿泊所を確保。行政施設への「玉突き入居待ち」も諦めて、生活保護の申請も認められるようになりました。
 
 そのような情勢の2月、「特例福祉アバート」が登場しました。このアパートは、生活保護の人を集団で入居させるために内部が設計されている本格的なもので、あくまで民間の施設なのですが、さながら生活保護申請の「交換条件」のように、中村区役所の窓口で紹介されはじめたものです。
 
名古屋派遣切り最前線・被害者が明かした名古屋・名東区役所の“水際作戦”
Esaman 2009/02/26
http://www.news.janjan.jp/area/0902/0902248179/1.php

 この「特例福祉アパート」は、民間企業であるにも関わらず、何故、役所の窓口で書面の貼りだしまで行われて、職員による入居の紹介が行われているのかは、まったく謎です。
 
 
 その「特例福祉アパート」は、名古屋市内にいくつか存在しています。もともとはなんのための建物なのかは、よくわかりませんが、生活保護をとった人が集団で生活するのに都合が良いように、食堂、浴場、トイレは大きなものが作られていて、個室にはテレビや冷蔵庫などが完備されています。
 09年の2月に登場した時には内部は新しかったようで、生保の人達を入居させるために新築か改装をされたもののようでした。
 
 ●入居者の体験談
 
 中村区社会福祉事務所で生活相談を行い生活保護の申請をしたら、その日から緊急宿泊所として、周辺のドヤに泊まることになった。数日そこですごした後、「特例福祉アパート」に入ることになった。
 
 ところが、名古屋市内に複数あるというその民間の施設のどこに入居するか、そもそもそこがどのような施設なのか、ということについて中村区役所で十分な説明は無いまま入居先の施設につれていかれた。
 
 「民間企業」であるはずなのだが、契約も成立していないのに場所を決められて連れていかれて、その施設の食堂で契約書にサインをすることになった。
 その入居契約書は、契約が成立したあとでも手渡されることはなく、渡すことを要求したものの「悪用されるかもしれない」ということで渡されなかった。
 
 施設によっては、保護費が振り込まれる通帳を施設の人間が管理する、ということになっていることろもある。
 
 施設に入居をすると、生活保護費からいろいろと引かれて、手元に残る金額が1-2万円程度である。
 
 一例としては…
 家賃35800円、管理費8500円、食費40000円、光熱費17000円、合計101300円。
 一般的に、生活保護費は家賃(35800円が上限)+生活費8万前後ですから、上記のような値段設定だと、手元には15000円程度しか残らない。
 
 このような施設は、交通の便が悪いところに建っていることが多く、就職活動やアパート探しなどで行動するために交通費も必要。この金額ですと、入居者は身動きがとれなくなってゆく。
 
 食費が徴収されていますが、就職活動などで昼間食べない分も減額されることはない。また、入居した月は日割りで食費を払うが、出てゆくときには何日、滞在期間があまっていても、まるまる一月分徴収される。
 
 食事もそんなによいものではなく、特に昼食は乾麺で、うどん、ソバ、きしめんのローテーション(その他には何も出ない)で、食費分の食事が出ているとは到底思えない。
 
 また、昨年2月に施設への入居がはじまった当初から、徐々に金額があがっているところも多い。さらには、光熱費を徴収していながら、エアコン、洗濯機、乾燥機などの使用量が別で取られるところもある。
 
 管理費とは別に、高額な光熱費をとっているにもかかわらず、なかには、入浴場の排水口に髪の毛やごみが詰まって、水が流れなくなって、汚水が逆流してきたり、浴槽が清掃されず湯垢がこびりついて真っ黒になっている等の劣悪な環境の施設がある。

 トイレが大変よごれており、便器が黄ばんでいたり、トイレットペーパーがないにもかかわらず補充されていない事が多々ある。職員による清掃は、ただ床に水を流すだけ。さらにはその職員も携帯を見ながら作業をしていたりと、たいへんやる気がないところもある。


ある「特例福祉アパート」のトイレの様子。施設そのものは新しいはずだが、手抜き清掃のため黄ばんでいる。(提供:生存ネットワーク)

 施設によっては夜間や休日に職員がまったくおらず、放置されているところもある。非常口などの表示がないたいものもあり、特に夜間や休日に問題が発生した場合、適切な対応がなされるのかどうか不安である。


ある「特例福祉アパート」のトイレの様子。「床に水を流すだけ」の清掃のために、清潔とはいいがたい状態になっている。(提供:生存ネットワーク)

 仕事がみつかる、アパートが見つかるなどして、退寮したいと申し出ても、退寮したい日の14日前に管理者に報告しなければ退寮を認めないという施設がある。
 
 もっとひどいのは、入居に際して「最低1ヶ月はいないといけない」という説明が中村福祉事務所のケースワーカーからされている場合があるが、
 この期間については何が根拠なのかがまったくわからない。単に施設の収益のためにそのように説明しているとしか思えない。

 この「最低限いなければならない期間」も、昨年2月の入居者の募集開始当初はなかった。具体的には、昨年の7月ころから期間が延び始めたようだ。
 
 さらに不透明なのは、福祉の窓口において、この福祉アパートに入居する際には、最低1−3ヶ月いなければならない、という説明をしている職員もいることである。
 福祉アパートはただの民間企業なので、そのような説明は、福祉アパート側への利益誘導としか考えられない。
 
 とくに、就職が決まったにもかかわらず、通勤日を10日後にしろといわれる場合もあり、せっかく見つかった仕事を失なった人もでている。
 仕事が決まった場合でも、門限(22時)などの設定をされており、不便な場所である施設からの通勤は事実上不可能である。施設への入居が、かえって就職活動や社会復帰を阻害していることも多い。
 
 さらには、施設の職員の対応にも問題がある。
 性的マイノリティである入居者が、性的嗜好や私生活のことについてなど、かなりしつこく質問をされ不快な気分になった。なぜ、そのような質問をするのかと問いただすと「理解するためだ」ということを言ったが、そもそもこの施設は民間の食事つきアパートであって、職員が生活指導などを行うものではないし、ほかの入居者には「理解するため」の質問や指導などはしていないので、対応がおかしい。


ある「特例福祉アパート」のゴミ捨て場の様子。ゴミが溢れ山積みになっている。(提供:生存ネットワーク)

 ●失業問題が長期化、拡大する貧困ビジネス
 
 今回、異なる運営者の、複数の施設の入居者に話を聞いたのですが、どの施設でも共通していたのは「手元に残るのが1−2万円」という点でした。
 
 これらの「特例福祉アパート」あるいは「食事つきアパート」と呼ばれている施設は、あくまで民間の施設であり、その施設に生活保護をとった人が、集団で入居しているにすぎません。入居者のみなさんは、本来ならば、家賃を除いた額である8万円を、自分のすきなように使うことができるはずなのです。
 
 また、後半で紹介した性的マイノリティ当事者の話以外では、施設の職員は「生活指導」などは行っていないようでした。それはよいことでもあるかもしれませんが、放置されている、という意味でもあります。
 
 さらには、おそらくは儲けを確保するためでしょうが、なるべく長く施設に人を入居させようという動き、なにかと理由をつけて、控除する金額を、ちまちまと増やしいいく傾向が見られます。もっと問題なのは、そのような民間企業の傾向に、福祉事務所の一部の職員が「手助け」としかとれない説明をおこなっている点です。
 
 このような施設の存在は、実は派遣切りが騒がれる昨年以前から、指摘されていました。
 その当時は、高齢の単身者や、ホームレス、日雇い労働者の人たちが主に入居しており、規模も大きくなく、それほど注目はされていない話でした。
 
 ところが、雇用のない状態の長期化、福祉事務所からの入居者ルートの確保に伴い、若い入居者、派遣切りの入居者を吸収して、どんどん拡大しているようです。
 
 マスコミでも、貧困ビジネスの実態に関する報道がされつつありますが、まだまだ実態に迫れていない印象もあります。まだまだ厳しい雇用情勢が続く中、今後、よりいっそうの注目を要する事案です。


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