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生活保護者の集いコミュの生活保護の違法減額、抜け落ちた「検証」 今こそ安全網強化の議論を

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https://digital.asahi.com/articles/ASV1Y2GV9V1YUPQJ00JM.html

記者解説 編集委員・清川卓史
 「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する生活保護。その制度で最も重要なモノサシとなるのが保護の基準額だ。利用者が受け取る保護費の水準という意味にとどまらない。基準額を下回る暮らしは、あってはならない「貧困」だと認定する公式ラインとなる。社会保障の土台となり、最低賃金など多くの制度に直接、間接に連動する。低すぎれば、憲法の生存権は「絵に描いた餅」になる。

 具体的な基準額は生活保護法に書かれてはいない。制度創設時から決め方は大きな課題だった。1984年以降は、一般国民の消費水準と比べて相対的に決める「水準均衡方式」と呼ばれる方法が使われてきた。最終的には厚生労働相が決め、告示する。

 昨年6月、国が決めた保護基準を「違法」と断じる最高裁判決がでた。制度史上初めてのことだ。

 違法減額にいたる経緯、判決後の動きを振り返っておきたい。

 引き下げ前、リーマン・ショック後の世界的不況の影響で、利用者が急増した。芸能人の家族の制度利用報道などをきっかけに「生活保護バッシング」と言われる利用者らへの批判が広がった。

ポイント
・生活保護は憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を守る最後の安全網だ
・保護費減額を違法とした最高裁判決後の国の対応は、今後に禍根を残すものだ
・違法減額の経緯の検証も手つかずで、この問題に政治がどう向き合うかが問われる

 12年12月の衆院選で自民党が勝ち、政権に復帰。生活保護に関して掲げた公約が「給付水準10%引き下げ」だった。13年1月、厚労省は生活費にあたる生活扶助を3年かけて平均6.5%、最大10%引き下げる方針を公表した。戦後最大の生活保護費削減だった。

 主な根拠は物価下落を反映した「デフレ調整」だ。前例はなく、社会保障審議会の部会で検討されたこともない唐突な理屈だった。

 14年、引き下げは違法だとして集団訴訟(いのちのとりで裁判)が始まった。全国29地裁での法廷闘争の末に、最高裁は厚労相の「裁量の逸脱や乱用があった」と認め、減額を取り消した。

 厚労省は専門委員会を設置して判決への対応を検討した。25年11月、デフレ調整(4.78%減額)とは別の方法で保護費を再度引き下げ(2.49%減額)、差額を当時の利用者に給付する方針を決めた。原告には保護費とは別に、特別給付金を上乗せする、とした。

 「再減額」について原告側は、「判決の意義を矮小(わいしょう)化するもの」と強く反発。新たな集団訴訟になる可能性が高まっている。厚労省の対応は和解につながらず、紛争を再燃させた。のみならず、今後の保護基準の決め方について不信を強め、禍根を残すものだ。

 看過できないのは「ブラックボックス」と指摘された違法減額について、背景や要因が検証されていないことだ。専門委の報告書では、今後の基準見直しでは同じ問題が生じないよう「特段の留意を求める」との記述があるだけ。検証を今後するのかどうか、厚労省は明言を避けている。

 厚労省は専門委の資料で、消費実態との比較では大幅な減額になってしまうので物価を参考に4.78%の減額にとどめた、という趣旨の説明をしている。むしろ配慮した減額だったという言い分だ。だが、13年の減額当時、こうした説明は対外的になされていない。東京高裁判決(25年3月、原告勝訴)では、この説明は「裏付ける客観的証拠がなく判然としない」として退けられている。

 なぜデフレ調整を強行したのか。根幹が解明されず、ブラックボックスのままだ。この状況で再発防止策を示せるはずもない。これでは、再び「裁量の乱用」で保護基準が不当に変更される懸念は消えない。当時の関係者への聞き取りも含め、第三者による徹底した調査、検証は不可欠だ。

 約10年間で生活保護利用者が半減し、行政による違法・不正な運用が発覚した群馬県桐生市の例をひく。約1年間かけて検証した第三者委員会の報告書を受け、市は昨年3月に再発防止策を公表。12月には「生活保護業務健全化計画」をまとめ、利用者もメンバーとなる検証委員会の新設などの方針を示した。

 桐生市の対応をすばらしいと言いたいのではない。これが当然のことだと思うのだ。違法判決から7カ月が過ぎても、いまだ検証の予定すら公表しない厚労省の後ろ向きな姿勢は際立っている。

議論から遠ざけられる当事者
 さらに、原告・利用者側を軽んじ議論から遠ざけるような国の姿勢も目立つ。専門委の委員には利用者やその支援者らはいなかった。原告関係者は参考人として1回だけ意見を述べたが、それ以外は会場での傍聴すら拒まれ、ライブ配信で見守るしかなかった。

 原告らは勝訴しても厚労省前でプラカードを手に抗議の声をあげるほかなかった。浮き彫りになったのは、「最低限度の暮らし」を考える手続きで、当事者の参加を保障する仕組みがないことだ。

 保護基準が不当だと思えば利用者は不服申し立て(審査請求)ができるが、最終的には裁判で争うしかない。労力と時間がかかり、容易ではない。

 判決後の国の対応をみれば、当事者不在というべき基準改定のあり方は、今後も変わらない恐れがある。

 軽視されたのは当事者の声ばかりではない。

 専門委では原告への再減額について、複数の法学系識者が「争いの蒸し返し」になる懸念から、明確に反対した。にもかかわらず、厚労省は再減額に踏み切った。今年1月には全国の弁護士1千人以上が抗議声明を出し、「行政府が司法判断をないがしろにするもの」と再減額を批判している。

 制度利用者が納得せず、専門家の異論も噴出するような基準見直しが、国の裁量で実施されようとしている。違法とされた減額と同じ問題をはらむ対応が、繰り返されたと言うほかない。

命守る「最低限度」の基準
 一連の訴訟では、デフレ下の保護基準減額のあり方が問われた。近年では物価高騰のなか、生活保護費では暮らせないと訴える利用者が食料支援の列に並ぶ。大雪や猛暑のなか冷暖房費が底をつけば命にかかわる。「最低限度」の基準が改めて焦点になっている。

 最高裁判決は本来なら、保護基準の決め方をはじめ、「最後の安全網」の前向きな見直しに踏み出す好機だった。

 日本弁護士連合会は「生活保障法」への名称変更を含む法改正案を示す。保護基準については設定方法を法に明記し権限は国会に付与、専門家による独立した審議会で当事者の意見を反映、といった見直しを提起する。

 こうした提言も参考に本格的な制度論議が期待されたが、厚労省は問題を矮小化し、波及を避けようとしているようにみえる。

 違法減額のきっかけは、10%カットを公約にした自民党が総選挙で政権復帰したことだった。経緯究明が進まないのは、当時の引き下げを主導した国会議員が今の政権中枢にいるからではないのか、と原告側は指摘している。

 検証もせずに国が幕引きするなら、政治家らに忖度(そんたく)しているのではないかと受け取られかねない。

 国は外国人政策厳格化の一環で、外国人の生活保護利用の見直しを打ち出す。根拠なきネットのバッシングに調子をあわせるかのように、人道上の給付を縮小しようというのだろうか。いま国が優先すべきは、命を守るための制度改善、見直しであるべきだ。

 衆院選では、支援者らでつくる「いのちのとりで裁判全国アクション」が、判決後の対応や保護基準に関する公開質問を出し、各党の回答を同アクションのサイトで公開している。

 この問題に、与野党がどう向き合うのか。「最後の安全網」の未来を左右する岐路になる。

生活保護訴訟をめぐる主な出来事
2008年 金融危機のリーマン・ショックをきっかけに利用者が増加

2012年 芸能人家族の制度利用の報道を契機に「生活保護バッシング」が過熱

「給付水準10%引き下げ」を公約とした自民が政権復帰

2013年 生活費にあたる生活扶助を3年かけて平均6.5%、最大10%減額する方針を厚生労働省が示す

2014年 引き下げを違法と訴える集団訴訟(いのちのとりで裁判)が始まる。その後29地裁で、1千人が原告に

2015年 利用者が3月に戦後最多の217万4千人に

家賃にあたる住宅扶助と暖房費にあたる冬季加算を15年度から減額

2018年 生活扶助を3年かけて再び引き下げ(最大5%、10月から)

2025年

6月 生活保護費減額(13〜15年)を違法として取り消す最高裁判決

8月 最高裁判決への対応を検討する厚労省の専門委員会が初会合

11月 高市早苗首相が最高裁判決を受けて「おわび」

専門委員会が報告書を公表。厚労省が最高裁判決への対応方針決める(デフレ調整とは別な方法で保護費を再び減額、差額を当時の利用者に支払い、原告には別に特別給付金を上乗せ)

2026年

1月 国の対応を不服とする審査請求に踏み切る方針を原告側が決定

再減額をめぐり1千人を超す弁護士が抗議声明


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安田菜津紀
(フォトジャーナリスト・D4P副代表)
2026年2月1日11時6分 投稿
【視点】「叩いたら票になりそう」な人々を見つけターゲットにしていく醜悪な手法は、以前から横行していました。一部政治家も生活保護に「恥」というレッテルを貼るなどしてバッシングを扇動し、2012年衆院選では自民党が生活保護「給付水準10%引下げ」を掲げ政権に復帰します。

その自民党の意向に沿うように行われていった大幅な引き下げは、昨年最高裁が違法としています。しかし厚労省は全額補償はせず、給付額も裁判原告とそうではない生活保護利用者に差をつけ、被害者を分断しています。判決の趣旨を踏みにじるような行為は、三権分立の破壊です。

引き下げ過程の検証もしない姿勢は、「深い反省はしていない」「だから同じことを繰り返すかもしれない」という無責任なメッセージとして伝わってしまいます。

そして記事中にもあるように、今度は「外国人政策厳格化」の一環で、「外国人の生活保護利用見直し」が掲げられていますが、生活保護において外国人が「優遇」されているなどの実態はなく、わざわざ「厳格化」する根拠はどこにもありません。

「叩いても反撃できないだろう」といわんばかりに脆弱な立場にある人々を狙って不用意な「不安」を煽り、政治的求心力を高めようとする姿勢は卑怯としか言いようがありません。

参考:生活保護問題対策全国会議「根拠なく外国人の生活保護利用を厳格化する政府方針に反対する緊急声明」
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-530.html

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