中国四国他の美術館博物館コミュの「第５４回　日本伝統工芸展」

現代の匠（たくみ）が挑む新たな美
～第５４回日本伝統工芸展～

年に一度、工芸作品の頂点を決める、日本伝統工芸展。陶芸、漆芸、金工、木竹工、染織、人形、諸工芸（ガラス、すずり他）の７部門で、現代の匠たちが、先人が育んだ技を受け継ぎながら、今の時代にふさわしい美を創り出そうと腕を競った。
佐賀の小野隆治さんは、使い道を選ばない、白い地に透明な釉薬で波模様を描いた器を作り上げた。そこには、日々の暮らしに彩りをそえたいという、使う側の視線を身につけた小野さんの美学があった。
富山の小島有香子さんの作品は、光によって色が変わる不思議なガラス皿。イメージは、かさをかぶった月。建設資材用のガラスを重ね、溶かさずに削るという斬新な発想によって生まれたものだった。
千葉の松田典男さんは、一風変わった貝の破片を漆に張り付け、水の流れを捉えた螺鈿（らでん）の飾り箱を作った。貝を慎重に折っていく作業から生み出された作品には、技に頼らず、自然の美しさを素直に表現したいという松田さんの境地が映し出されている。
群馬の藍田愛郎さんの作品は、髪の毛を二つに割いたほど細い縞模様を染めた江戸小紋。伝統を受け継ぐために、あえて限界に挑戦した若い力が生んだ美だった。
番組では、受賞した１６作品をすべて紹介しながら、４人の制作現場を訪ね、驚異の手業と、匠たちの熱い思いに迫る。

● 「第５４回　日本伝統工芸展」

会場会期
三越本店　（東京・日本橋）９月３０日まで

● 巡回

三越名古屋栄店（名古屋）１０月３日～１０月８日

京都髙島屋（京都）１０月１０日～１０月１５日

そごう心斎橋本店（大阪）１０月１７日～１０月２２日

三越仙台店（宮城）１０月２４日～１０月２９日

金沢21世紀美術館（石川）１１月２日～１１月１１日

岡山県立美術館（岡山）１１月１５日～１２月２日
http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kenbi/index.html
島根県立美術館（松江）１２月５日～１２月２４日
http://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/sam/

２００８年
香川県文化会館（高松）１月２日～１月２０日

広島県立美術館（広島）１月２３日～２月１１日
http://www1.hpam-unet.ocn.ne.jp/
福岡天神岩田屋（福岡）２月１３日～２月１８日

三越松山店（愛媛）２月２３日～３月２日