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マルクス研究コミュの斎藤幸平著『人新世の『資本論』』『100分de名著 カール・マルクス「資本論」』について

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斎藤幸平著『人新世の『資本論』』読まれましたか?
資本主義の定常化でもなく、豪奢なコミュニズムでもなく、脱成長コミュニズムこそが、人類の生き残る道だという意欲作です。私はマルクスが成長や発展を否定したとは信じられませんが、そこはいろいろ賛否両論あるでしょう。マルクス研究という視点だけでなく、環境問題を論じるスタンスとしても議論の余地があるでしょう。我々の若い頃、高度経済成長の弊害として公害問題が深刻化しました。その際に社会主義に公害問題はあるのかという議論もありまして、利潤追求社会ではないから、原理的に公害など起こらないし、起きてもその誤りは、修正が効く、それに対して資本主義は利潤追求第一だから、コスト高を嫌って公害問題に真剣に取り組めないので、破局的なところまでいってしまうという議論がありましたね。
 ソ連では砂漠に運河を作って水を引き巨大な綿作地帯を作ったものの、湖の水が枯れてしまって壊滅状態になったとか、中国でも大躍進で人民公社の中で高炉を作って製鉄しようとして山の木が切られてはげ山になってしまいました。斎藤さんに言わせれば生産力主義の過ちにあたります。改革開放後の中国は環境破壊が深刻ですが、これは資本主義化によるともいえますね。
 確かに環境悪化を防ぐために、色々規制をかける必要があり、そのことによって経済成長を抑制する結果に成る場面も考えられますが、ともかく商品価値の増加を成長と考える資本主義的成長論は退けるとしても、成長や発展を目指すのは、19世紀・20世紀のパラダイムでマルクスもこのパラダイムから脱却していたとは思えません。
 おそらく価値増殖を目指すのではなく、使用価値の増大や発展を目指すことを斎藤さんは、「脱成長」と言いたいのでしょうが、それこそ偽りの資本主義的「成長」ではなく、真のコミュニズム的「成長」と言える筈で、マルクスならきっと自分は真の「成長主義」派だというでしょう。マルクス主義はその意味で、近代思想であり、発展的な思想です。
 新しい共同体を目指すのですから、その時代に残っていた共同体を解体するのではなく、それと近代科学を結び付けて資本主義を経ないで共産主義という考えも、「脱成長コミュニズム」とは異質でしょう。新メガ研究の成果という割には、「脱成長コミュニズム」とはっきり読み取れる文章の紹介は見当たりませんね。

では皆さんの自由な議論をお願いします。
斎藤幸平著『人新世の「資本論」』について―はたしてマルクスは「脱成長コミュニズム」を説いたか?
https://mzprometheus.wordpress.com/2021/03/23/saitouhitoshinsei/
https://youtu.be/Tr3egnF_p54


斎藤幸平著『100分de名著 カール・マルクス「資本論」』について
https://mzprometheus.wordpress.com/2021/04/04/saitoushihonron/

 NHKEテレの『100分de名著』シリーズで放送された『100分de名著 カール・マルクス「資本論」』のテキストについて論評したもの。斎藤幸平さんの『資本論』理解は、資本主義が労働者と自然をいためるものであり、資本主義では労働者への搾取がひどくなり、環境が破壊されて持続可能ではないことを論証したものという内容である。

 しかしマルクスの『資本論』はそれに尽きるわけではない。資本を自己増殖する価値として概念把握したものである。その際に、価値を生身の人間の抽象的人間労働のガレルテ(膠質物)として定義している。それが資本―賃労働関係の中で剰余価値が資本に吸収されて、増殖して発展して社会全体を支配する。その際にあくまで価値を生むのは生身の労働者の労働だけだという意味で、労働力を可変資本、それ以外を不変資本とする。

 そのことを前提して、搾取や価値増殖が説明され、恐慌が循環的に起こったり、利潤率が低下する法則を展開して、必然的に崩壊することを説明したものである。しかし自動機械に労働力が代替されることで、生産性が上がり、価値が飛躍的に増大するということは、生身の労働力だけが価値を生むという矛盾しており、生身の労働力だけが価値を生むというマルクスの大前提から見直す必要があるけれど、斎藤さんの解釈は、その問題をスルーしている。

 また「脱成長コミュニズム」が晩年のマルクスの立場だというけれど、その立場を打ち出しているマルクスの文言の引用はやはりみられない。古い共同体が定常型経済で、成長を抑えることで環境破壊や富の不平等拡大を防いできたことについてノートしているというだけである。それは古い共同体と同様将来の新しいコミュニズム成長しない定常型経済にしようと考えていたことには全くならない。
 それに成長と環境は両立しないと決めつけて、環境を守るためには成長を否定するのは飛躍がある。環境を守ろうとすれば、科学技術を発展させなければならず、そのためには高度な産業基盤が必要で、「脱成長」は未来の発展を閉ざす発想で、大変危うい発想である。本当に地球を守るためには、将来必ず起こる太陽の老衰に備えて、地球を守るような科学技術を生み出せる高度な文明を作らなければならない。

 そこまで言わなくても、当面の地球温暖化を防ぐ技術革新のためにも、現在の産業の力では足らないわけで、環境を破壊しないで、経済を成長させる方法を具体的に考える必要がある。原因を資本主義と成長に還元して「脱成長コミュニズム」を説いても、問題解決には近づけない。

https://youtu.be/IJoL5JiDKEA

コメント(2)

人新世の資本論を読みましたが要するにやすいさんはグリーンニューデール派ということでいいでしょうか?
しかし技術任せのグリーンニューデールでいいんでしょうか
まずは脱成長を含めて模索してというところじゃないでしょうか?
太陽の老衰は時間的にはまだまだですから
まず気候問題にまずは取り組むべきと考えます。
マルクス原理論経済学に鞍替えしました。

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