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盛岡てくりコミュの盛岡の本屋さん 10 長町、材木町界隈

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旭橋を渡って、長田町に入ろう。私が小さい時には、旭橋はまだなかった。村上もとかのマンガ「六三四の剣」の連載が『少年サンデー』で始まったとき、岩手の風景の中に旭橋が描かれていて、時代考証がなっていないなあ、と思ったのを覚えている。そういえば、私が子供の頃は、海運橋の下には、バラックがあって人が住んでいた。

さて、左折して材木町に入らずにそのまま進む。中央通りと交差するちょっと手前の左側に、ビジネスホテルを兼ねたお風呂屋さんがあり、その隣に「長町書店」があった。

●長町書店/長町

畳十畳くらいの小さな本屋さんだった。雑誌とマンガ雑誌と、他に何が売っていたのだろか? 今、思い出そうとしても、何も浮かばない。マンガのコミックスも、入り口脇に置かれたレジの横の本棚に四段分くらいしかなかったし、文庫本も本棚二つ分くらいしかなかった。しかし、小学生の頃は、もっとも利用した本屋さんだった。夫婦で経営していて、二人ともスーパーカブに乗って配達をしていた。

盛岡の場合、配本数が少ないのか、新刊コミックスが入荷しないこともあった。そんな時は、注文して取り寄せてもらっていた。一回注文すると、毎日、通って、まだ来ないのか、まだ来ないのかと、催促しては、店主を困らせるいやな子供だった。

80年代に建て替えたが、それからは一度も入ったことはない。最近では、クリーニングの窓口がメインで、本屋業はほぼ廃業状態。返品のきかない在庫の処分と、古くからのお得意さんへの定期購読の配達のみをやっていると聞いた。なんと息子があとを継いだらしい。

さて、材木町に入ろう。旭橋から材木町に入って、少し行くと、右側に、「東山堂材木町支店」がある。

●東山堂材木町支店/材木町

今でも健在の老舗の本屋さんだ。肴町の本店よりも古いという話もあるが確かめたことはない。支店といっても、昔から他の東山堂と連携している節はない。いや、昔はちゃんとした支店だったのかもしれない。旧店舗時代には、緑というか紺というか、事務服を着た店員さんが数人いた。田舎から出てきて、住み込みで働いているような、そんな古い雰囲気のある店員さん達だった。一括採用されて、支店に配属されてきたのかもしれない。

昔も今と同じ感じで、ウナギの寝床のような、細く、奥に長い店舗だった。入り口の両側にガラスケースがあり、その時々の売れ筋、あるいは売りたい本が並べられていた。『パピヨン』の上下巻が展示されていたのを羨ましく見ていた。この本は、アンリ・シャリエールというフランス人が自分の体験を書いた伝記小説だ。無実の罪で孤島の監獄に入れられた主人公が、脱獄を繰り返して、9回だか10回目に成功して、南米の国にたどり着く、という内容だった。スティーブ・マックィーン主演で映画化されて大ヒットした。本が出たのは、映画公開時と同じ頃だろうから、その頃はまだ、旧店舗だったのだと思う。

入り口は、ガラスがはまった木製の引き戸だった。両側に本棚が並び、中央に一列、平台と本棚を兼ねた木製のラックがあった。入り口近くのラックにはマンガが多く、平台の上段に、背表紙差しの月刊マンガがあった。『COM』や『ガロ』をこの店で発見!し、いつも立ち読みしていた。特にガロのインパクトは大きかった。一連の素人まがいの作品に、これでも雑誌に載るのだと吃驚したものだった。私が中学生だったか高校生の頃の『ガロ』には、村野守美の短編連作があって、それを毎月立ち読みするのが楽しみだった。

店の奥に進むと、ちょうど真ん中あたりの右側にレジがあった。レジの周囲は、マンガのコミックスの平台になっており、背表紙が見えるように、マンガが詰めてあった。その向こうに、常時、三人くらいの女性の店員さんがいたと思う。レジより奥の店は、主に参考書や教科書なんかの棚になっていた気がする。建て替えたのは、七〇年代後半だったように思う。新しくなってからは、教科書類は、二階で販売されるようになった、…ような気がするが自信がない。記憶違いかもしれない。

東山堂材木町支店は、現在でも存在し、営業を続けている。今年の五月のゴールデンウィークに帰省したおりにちょっと覗いてみたら、開店休業のような、なかなか悲惨は本屋さんに成り下がっていた。本棚には空きが目立った。六段の本棚としたら、四段にしか商品である本が詰まっていないのだ。お店そのものがスカスカの印象を醸していて、なんだか哀しいかった。いっそのこと、入り口寄りの本棚に詰めて、奥を閉鎖すればいいのにと思ったが、レジに座っていた跡取り?のアンちゃんには、そんな意識はないようだった。

東山堂よりぐっと夕顔瀬橋寄りに、「赤沢号」という文房具があった。


●赤沢号/材木町

雑誌や本も扱うが、基本は文房具屋さんだった。さわや書店書店と親戚筋だと聞くが、確認したことはない。10坪くらいの店舗で、店の手前右二分の一が本で、残りが文房具だった。店の外に、マンガや週刊誌を置いたラックがあって、私はよく、そこで立ち読みをしていた。この店では、カッパコミックスという、週刊誌サイズのマンガシリーズを買ってもらっていた。

手塚治虫「鉄腕アトム」「ビッグX」
関谷ひさし「ストップにいちゃん」
横山光輝「鉄人28号」「伊賀の影丸」
「宇宙エース」
「がぼてん島」
「スーパージェッター」

こんなラインナップだった。これらのマンガは、ある時、捨ててしまった。もったいないことをしたと、今でも悔やんでいる。赤沢号は、八十年代半ばまで存在していたように思う。 私の知っている、昔の盛岡の本屋さんは、大体これくらいだ。

コメント(11)

 先日まで盛岡へ帰省しておりました。

 材木町にも顔を出してきましたが東山堂支店は営業しているのを見たものの中は覗きませんでした。長町書店はそちらの仰る通りの状態でしたね。

 赤沢号も懐かしい呼び名です。たしか私が学生時代の時分は「アカザワ」のみで「号」を付けて呼ぶのは年配の方々だった記憶があります。最近の記憶(と言っても80年代初頭ですが)ではここでガンダム関連の本を立ち読みしたくらいでしょうか。

 カッパコミックスというと昔の「少年」辺りの連載漫画でしょうか。挙げられていた中のいくつかは最近光文社文庫の総集編で読んでいたのですがなかなか錚々たるラインナップだったようですね。
>いんべさん
私も昨日まで帰省していますた。そうか、アカザワですか。現在の材木町はかなり淋しい感じ。盛岡も現在は元気なのは飲食店だけみたいですね。
>>[3]
先月法事で帰省したおりに、タクシーで前を通過しましたが、よく見えませんでした。
そうですか、完全撤退ですか。
材木町の東山堂支店は、まだ営業していて、ちょっと不思議な感じがしました。
>>[5]
材木町は、ほぼ住宅街ですね。
どの家も、商店では採算がとれていません。
みんなマンション、アパートなどの不動産で潤って?いるみたいです。
>>[8]

児童公園、懐かしいですね。出来た時を覚えています。
そもそも1970年開催の岩手国体にむけて、中央通りが整備される前は、細い道路で、えんしょういん(字がわからない…)のお墓が広く点在していました。
ゲゲゲの鬼太郎に出てきそうな風景がひろがっていました。
>>[10]
1970年以前は、舗装されていない道路がたくさんありました。
雨が降るとぬかるんでどろんこになりました。
岩手国体を境に、舗装道路が一挙に増えた印象があります。
…しかし、ハナシが尽きませんね。ははは。

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