こころとサイエンスコミュのコクランライブラリー　2006 Issue 4より

■コクランライブラリー　2006 Issue 4より
・健康な高齢者の認知機能に与えるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)サプリメント
Dehydroepiandrosterone (DHEA) supplementation for cognitive function in healthy elderly people
Grimley Evans J, et al.
http://www.cochrane.org/reviews/en/ab006221.html
有効だという根拠はない

・6ヶ月以内の健康な乳児に対する精神的肉体的健康促進のための言葉がけ
Massage intervention for promoting mental and physical health in infants aged under six months
Underdown A, et al.
http://www.cochrane.org/reviews/en/ab005038.html
乳児に言葉がけをすることは子どもの発育には影響がないが母子関係を改善し泣く回数が減るなど効果がある。有害作用の根拠はないため、特に乳児への刺激が少ない環境では支持しても良いだろう。

・急性カルデノリド（強心配糖体）中毒の解毒剤
Antidotes for acute cardenolide (cardiac glycoside) poisoning
Roberts DM, Buckley NA
http://www.cochrane.org/reviews/en/ab005490.html
心臓に作用するジギタリスの配糖体であるカルデノリド（ジゴキシンとジギトキシン）中毒は世界中で報告されている。
活性化チャコールの複数回投与（MDAC）や抗ジゴキシンFab抗毒素がイエローオレアンダー中毒に効果がある可能性があるが、質の良い臨床試験はない。カルデノリド中毒の多い地域での抗ジゴキシンFab抗毒素の使用は経済的理由で限定される。より安価で効果のある解毒剤開発が必要である。

・妊娠中の女性のマルチ微量栄養素サプリメント
Multiple-micronutrient supplementation for women during pregnancy
Haider BA, Bhutta ZA
http://www.cochrane.org/reviews/en/ab004905.html
低?中所得国でのマルチ微量栄養素サプリメントは低体重出生や母親の貧血改善に役立つが、こうした作用は葉酸鉄サプリメントと同じである。高用量でのリスクとベネフィットの根拠は充分ではない。

・過体重又は肥満治療用のリモナバン
Rimonabant for overweight or obesity
Curioni C, Andr・C
http://www.cochrane.org/reviews/en/ab006162.html
リモナバン20 mg 1年間で約5%の体重減少、神経系の副作用が多い。

・不安障害治療用のバレリアン
Valerian for anxiety disorders
Miyasaka LS
http://www.cochrane.org/reviews/en/ab004515.html
小規模試験1報告のみで、結論は下せない。

・乳児のアレルギーと食物不耐予防のための豆乳ベースのミルク
Soy formula for prevention of allergy and food intolerance in infants
Osborn DA, Sinn J
http://www.cochrane.org/reviews/en/ab003741.html
完全母乳育児ではない場合、牛乳ベースのミルクの代わりに豆乳ベースのミルクを使うことは乳幼児のアレルギーを削減しない。