それから10年以上経った1951年、オーストラリア生まれの精神科医オットー・フェニヘルは『思考の組織と病理(Organization and Pathology of Thought)という本を著し、あるタイプの退屈について記述した。この種の退屈は、個人のやる気や希望が抑圧されることが原因で起こり、そのため当人は目的を失ったように見える。フェニヘルはそのような「病的」な退屈を一般的な退屈と区別した。彼によれば、一般的な退屈とは「単にしたいことができないとき、あるいはしたくもないことをやらされているとき」に感じるものだ。