追記(2006/2/23): マイナスイオンの歴史については未だによくわからないのだが、欧米(米のみ?)ではかつてコロナ放電式のイオン発生器が流行ったらしい。コロナ放電で発生するのは大気イオン(空気イオン)で、コロナ放電に限れば、日本でいうマイナスイオンは negative air ion に相当する。negative air ionが動物の行動に影響するという論文は、それなりの数見つけることができるのだが、マイナスイオン商品を正当化できるほどのものは見あたらない。しかし、上に書いた「現代では省みられることのない」は言い過ぎで、ときどき省みられてはいるようだ。文献リストに挙げてある『ハインズ博士「超科学」をきる』に取り上げられているイオン製造器もコロナ放電と思われる。ハインズ博士の見解をまとめると、空気イオンはたしかに人間の行動に影響するようだが、その効果は微妙で、イオン製造器を買うだけの価値はないということ。この状況はマイナスイオンブームを経た今でもたいして変わらないと思われる。堀口昇が書いた「マイナスイオンの医療応用」という解説文献があるのだが、引用文献中で生理作用に関する英語文献はひとつだけしかないようだ。なお、天羽さんの「水商売ウォッチング」に文献がいろいろ掲載されている。では、これは「ニセ科学」ではなく「未科学」なのかということになるのだが、残念ながらそうはいかない。効果がはっきりしないものをあたかも効果についての科学的な証明があるかのようにいうのはやはり「ニセ科学」である。「よく調べれば、マイナスイオンの効果が明らかになるのではないか」という反論を受けることがあるのだが、それは本末転倒で、「よく調べてマイナスイオンの効果が明らかになったから、商品化する」でなくてはならないことは誰が考えても当然の話。ところで、水破砕式のルーツはやっぱりわからない