EurekAlertより アメリカ老年医学会プレスリリース ■アンチエイジングの嘘と真実に関する本を発行 New Book on Anti-Aging Hype Consolidates Latest Research February 24, 2005 http://www.geron.org/press/antiagingbook.htm アメリカ老年医学会が発行する雑誌The Journals of Gerontology: Biological Sciences の6月号と7月号の特集に発表された論文をまとめて一冊にした "Anti-Aging Medicine: The Hype and the Reality"を単行本として発行する。価格はオンラインショップで20ドル。 これまでのアンチエイジング(抗加齢)研究の歴史と、生物学的な老化の速度を変更しようとすることに関する議論、加齢に関して現在わかっていること、加齢に抗うための成長ホルモンやサプリメント投与とその法的問題などについての20の論文が収められている。 (若返りのための成長ホルモン投与の危険性や、微量栄養素の補充には根拠が乏しいことなどの論文が含まれる)
■ダイエットに関する科学的証拠:読んだもの全てを信じるな Scientific evidence for diets: don't believe everything you read 22-Feb-2005 http://www.eurekalert.org/pub_releases/2005-02/bc-sef022105.php 世の中には数多くのダイエット方法を薦めるいわゆる科学的証拠がたくさんふりまかれている。本日BMC Medical Research Methodologyに発表された論文によれば、体重減少効果を報告するほとんどの研究は、結果に影響を与える対象者の重要な特徴を示していないので額面通りに受け取ってはいけない。 カンサス医科大学のCheryl Gibsonと共同研究者はダイエットに関する研究の90%以上が対象者の説明を適切に行っていないため、結果を正しく解釈できないとしている。 彼らは食事制限や運動などの体重や体脂肪率などに与える影響に関する1996年から2003年までの231件の論文を解析し、研究が妥当であるかどうかを評価するのに必要な21項目の記載と実験開始時と終了時のサンプルサイズなどを調査した。92%で医薬品の使用に関する記述がなく、参加者の健康状態が無視されているのが34%、人種は86%で記述がなく年齢が報告されていないものが8%、性別が記載されていないものが4%であった。 体重減少効果に関する研究論文の質の改善が必要である。 Reporting Quality of Randomized Trials in the Diet and Exercise Literature for Weight Loss Cheryl A Gibson, Erik P Kirk, James D LeCheminant, Bruce W Bailey Jr, Guoyuan Huang and Joseph E Donnelly BMC Medical Research Methodology 2005, 5:9 (23 February 2005) http://www.biomedcentral.com/content/pdf/1471-2288-5-9.pdf
■個人の味覚の違いは味覚受容体の遺伝的変動と直接関連する Individual differences in taste perception directly related to genetic variation in taste receptors 21-Feb-2005 http://www.eurekalert.org/pub_releases/2005-02/mcsc-idi021605.php Current Biologyの2月22日号に発表されたMonell Chemical Senses CenterのPaul Breslin博士らの研究によれば、苦味受容体遺伝子hTAS2R38の二つのハプロタイプPAVとAVIを発現する培養細胞はアミノ酸置換体への応答が異なる。またPAVタイプが苦味の知覚に関与し、苦味物質PROP及びPTCに対してPAI受容体をホモ接合で持つ人は100-1000分の1の感受性しかない。 ヒトは25種類程度の苦味受容体遺伝子を持ち、各遺伝子は複数の受容体をコードするため全体としてヒト集団には数百の異なる苦味受容体があると考えられ、苦味の知覚には大きな個人差があることを示す。 ■ EurekAlert:科学雑誌Scienceを発行しているAAASという団体が提供しているニュースサイトのこと。