EurekAlertより ■サメ軟骨でガンが「治る」という説が疑似科学の危険性を示す Shark cartilage cancer 'cure' shows danger of pseudoscience 1-DEC-2004 http://www.eurekalert.org/pub_releases/2004-12/jhu-scc112404.php サメ軟骨抽出物がガンに効くという説の広がりは、マーケティングと疑似科学の勝利であり、サメとヒトにとって悲劇的結末を導くものである。 Cancer Researchの12月1日号にジョンスホプキンス大学のGary K. Ostrander教授が「サメ軟骨、ガン、増大する疑似科学の脅威Shark Cartilage, Cancer and the Growing Threat of Pseudoscience」と題する論文を発表した。 サメ軟骨はガンの治療薬として販売されており、その結果サメの数が減りガン患者は有効な治療を受けられずにいる。サメ軟骨抽出物はサメがガンにならないから効くとされているが、サメのガンは40例以上報告されている。著者らは社会に対して、科学的リテラシーを高めて非論理的な宣伝に惑わされないようにするべきだと主張する。 人々はインターネット上の文章やテレビでサメ軟骨が効くと聞くと科学的根拠を調べることなく信じてしまう。電子メディアによる疑似科学の有害作用の増強は深刻である。この事態に対処するには政府の主導者やメディア従業員に批判的思考技術を身につけてもらうための適切な科学的訓練を施すしかない。 Ostrander教授によればサメ軟骨抽出物が知れ渡ったのは1992年にI. William Laneが「サメはガンにならない」という本を出版し、1993年にCBSニュースがそれを広めたためである。実際にはLaneはこの本の中でサメはガンになると記述している。Laneはサメ軟骨中に何らかのガンの増殖抑制作用をする因子があるらしいという予備的研究結果から、拡大解釈してサメ軟骨がガンに効くとしている。しかし抗ガン剤にするにはその物質を単離してガン細胞に届ける技術が重要であり、Laneらはこの大きな壁を無視してサメ軟骨を飲めばすべてのガンが治ると主張している。サメ軟骨については10年以上も研究されているが効果を確認した臨床試験は一つもない。